
「屋根にメンテナンスフリーの素材ってないの?」と考えてこの記事に来た人は多いでしょう。
結論から言えば、屋根材で完全なメンテナンスフリーの素材は存在しません。
この記事では、耐用年数が長い屋根材や、メンテナンスフリーに近い状態にするために避けたい屋根材などを紹介します。
具体的には、以下について解説しています。
- メンテナンスフリーの素材がない理由
- メンテナンスフリーに近い長寿命の屋根材
- メンテナンスが多いため避けたい屋根素材
- 屋根材の耐用年数を長く保つコツ
耐用年数が長い屋根材を使いたい、メンテナンスの手間を省きたい人には必見の情報です。
目次
1.屋根でメンテナスフリーにできる素材がない理由
屋根が完全なメンテナンスフリーにできない理由は、ルーフィング(防水シート)にあります。ルーフィングは屋根内部に貼ってある雨漏り防止用のシートです。
実は、屋根材には50年以上はメンテナンスがいらない素材があります。
しかし、内部のルーフィングは20〜30年で交換が必要なため、屋根全体で考えると完全なメンテナンスフリーにはできないのです。
2.メンテナンスフリーに近い長寿命の屋根材をチェック!
屋根材にはメンテナンスフリーに近い長寿命の素材があります。
以下では耐用年数が長くメンテナンスの手間が少ない材料を紹介します。
2-1.日本瓦
粘土を材料とした瓦で、日本家屋に似合うデザインの屋根材です。
屋根材のなかで特に高耐久という特徴があります。
耐用年数は50〜100年あり、ルーフィングの貼替えを除けば瓦が破損したり外れたりしないかぎりメンテナンスがほとんど必要ありません。
単価相場は8,000〜12,000円/平方メートルで、屋根材としては非常に高額です。
日本瓦は、メンテナンスをしたくない人や、和風の住宅に住んでいる人に適しています。ただし、メンテナンスの手間は少ないですが台風や強風で破損する危険性はあります。
瓦は重量があるため台風などでも影響を受けにくい素材ですが、台風や強風の直後には屋根の確認をしたほうがよいでしょう。
2-2.銅板
銅を素材とした金属屋根です。
瓦と同じく高耐久な素材ですが、軽量で耐震性が高い特徴があります。
また、銅板屋根は瓦以上にメンテナンスの手間がかからないでしょう。
銅板は金属屋根のため錆びます。しかし、他の金属と違うのは錆びるほど内部が保護されて耐久性が高くなる点です。
耐用年数は60年以上あります。
単価相場は18,000〜20,000円/平方メートルと、瓦素材の2倍以上の価格がします。
銅板屋根は、どれだけ費用がかかってもいいからメンテナンスがいらない高耐久の屋根材を使いたい人に向いています。
ただし、銅板屋根はメンテナンスの手間は少ないですが台風や強風のほか、軽い飛来物でも破損する危険性があります。
銅板は薄い金属板のため強風による飛来物には弱いでしょう。
2-3.ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はアルミニウムが55%と亜鉛が43.4%、シリコンが1.6%で構成されている合金メッキ鋼板です。
ガルバリウム鋼板は金属製にもかかわらず錆びにくい特徴があります。
また、軽量のため耐震性が高いです。
耐用年数は20〜30年で、単価相場は6,000〜9,000円/平方メートルです。
ガルバリウム鋼板は、安価でメンテナンスの手間が少ない屋根材を選びたい人に適しています。
注意点として、ガルバリウム鋼板はメンテナンスの手間こそ少ないですが台風や強風のほか、軽い飛来物でも破損する危険性があります。
ガルバリウム鋼板は薄い金属板のため台風や強風の直後は点検することを推奨しています。
メンテナンス頻度が少ない屋根材をまとめると以下のようになります。
3.この屋根材は要注意!メンテナンスが多い素材
屋根に使う素材には塗装が必要な種類があります。
以下の屋根材は塗装が必要だったり耐久性が低かったりするために10年に1度はメンテナンスが必要です。
3-1.スレート
薄い板状の屋根材がスレートです。コロニアルやカラーベストとも呼ばれます。
様々な住宅に似合うデザインで安価なため、多くの住宅で屋根材として利用しています。
耐用年数は20〜30年ですが、10年に1回程度は塗装が必要です。
単価相場は5,000〜8,000円/平方メートルでしょう。
スレートは工事費用を抑えたい人に適しています。
3-2.トタン
薄い鉄板を重ねた屋根がトタンです。安価ですがデザイン性と耐久性が低く、錆びやすいため一般的な住宅では利用頻度が低いです。
耐用年数は10〜20年程度で、頻繁に交換が必要な素材です。
単価相場は5,000〜6,000円/平方メートル程度でしょう。
耐久性を重視しないからとにかく屋根工事費用を安くしたい人に向いています。
3-3.アスファルトシングル
アスファルトシングルは、ガラス素材にアスファルトを浸透させて石粒を付着したシート状の屋根材です。
デザイン性が高いことが特徴です。
1枚が小さいため施工しやすく安価で工事が可能ですが、耐久性が低いためメンテナンス頻度は高いでしょう。
耐用年数は20〜30年です。単価相場は6,000〜8,000円/平方メートルほどです。
アスファルトシングルはデザイン性を重視する人に向いている素材です。
メンテンナンス頻度が多い屋根材をまとめると以下のようになります。
いずれも10年ごとに塗装や補修が必要です。
4.屋根材の耐用年数を長く保つための秘訣
同じ屋根材を使ったとしても施工条件によって耐用年数は変化します。
以下では、屋根材の耐用年数を長く保つために重要な要素を2つ紹介します。
4-1.優良業者に施工してもらう
屋根材の耐用年数を長く保つ最大のコツは、優良業者に施工してもらうことです。
技術が未熟な業者に依頼してしまうと、たとえ50年はもつといわれる瓦屋根を使ったとしても数年で崩れてしまうでしょう。
では、優良業者の見抜きかたを以下ではチェックしていきましょう。
相見積もりをする
優良業者を見抜く最も簡単な方法が相見積もりです。
相見積もりとは複数の業者に同じ工事条件・材料で見積もりをしてもらうことです。
同じ工事条件ですから価格や細部が違う場合はすぐに見分けられるでしょう。
3社ほどで相見積もりをしてみて、価格が離れすぎていたり他の業者にはない工事内容が含まれていたりする場合は業者に確認してみましょう。
具体的な回答が得られない場合は他の業者に依頼したほうが賢明です。
具体的な見積書を提出してきた業者を選ぶ
見積書の内容が具体的な業者ほど信用性が高いです。
悪徳業者だと「塗装工事」と「足場工事」の2種類しか見積書に記載していないケースもあります。
最低でも塗料の商品名や、塗る場所の名称などを細かく記載していなければ信頼できる業者とは言えません。
親切な対応をしてくれた業者を選ぶ
営業担当者が親切に対応してくれるかどうかも優良業者を選ぶ基準となります。
優良業者は社員への教育が行き届いているため営業担当者も熱意にあふれています。
あなたの疑問点に細かく答えてくれるだけではなく、より良い工事のための提案もしてくれるでしょう。
4-2.定期的にメンテナンスをする
屋根材の耐用年数を長く保つもうひとつの秘訣は、定期的にメンテナンスをすることです。
どれほど長い耐用年数を誇る素材であっても、屋根内部のルーフィングは20〜30年おきに交換しなくてはいけません。
また、塗装が必要な屋根材の場合は10年おきにメンテナンスが必要となるでしょう。
屋根素材の寿命が長くても、コケやカビが繁殖してしまったら劣化が早まるため洗浄しなくてはいけないこともあります。
屋根は7〜10年おきに業者にチェックしてもらい、定期的にメンテナンスすることで耐用年数を長く保ちやすくなるでしょう。
5.まとめ
屋根内部のルーフィングを20〜30年で交換する都合上、屋根素材が100年もつ商品だとしても定期的なメンテナンスは避けられません。
メンテナンスに失敗すると屋根材の寿命は極端に短くなるでしょう。
適切なメンテナンスの方法や費用は屋根のメンテナンス費用から工事が必要な時期までチェック!で紹介しています。
可能な限り屋根のメンテナンスを省きたい人はぜひ確認しておきましょう。
(屋根リフォームの関連記事)
全ノウハウまとめ
あなたがすべき屋根リフォームの費用相場を完全解説!業者の選び方も
その他関連記事
- 雨どい修理の費用相場と依頼先。DIYも可能?
- 【雨漏り修理】原因別の費用相場や業者を選ぶポイントを徹底解説!
- ゲリラ豪雨による雨漏りに火災保険は使える?補償されるケースと申請方法
- これって屋根修理詐欺?よくある手口と対処法を解説!
- 屋根の葺き替えリフォーム費用相場|安く抑える方法は?
- 【事例付】屋根カバー工法とは?葺き替えとの違い
- 災害から住宅を守る防災リフォーム|工事内容や事例・補助金制度を解説
- 火災保険でリフォームできる?保険金で住宅を修理できるケースと注意したいトラブル
- 雨漏りで火災保険が使えるケースや申請手順を解説|手順と注意点も解説
- 優良な屋根業者はどう探す?見極め方まで徹底解説
屋根リフォームの費用と相場