屋根材の種類と特徴、あなたに適した商品の選びかたを知ろう

「自分の家に使う屋根材は何が最適なのか」
「屋根材ってどこが違うの?」
こういった疑問を持ってはいませんか?
この記事では、屋根材の特徴や向いている人、種類ごとの価格を紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 屋根材の種類と特徴
- 屋根材の単価相場
- 目的別の屋根材選び
- 屋根材を選ぶ3つのポイント
あなたに適した屋根材を選ぶことでメンテナンスの手間や費用を抑えやすくなるでしょう。
1.屋根材の種類から特徴・単価までチェックしよう
屋根材の種類として以下の8種類を紹介します。
- 化粧スレート
- 天然スレート
- ガルバリウム鋼板
- トタン
- 銅板
- セメント瓦
- 粘土瓦
- 屋上防水
それぞれの特徴や価格、耐用年数をチェックして自宅に適しているか比較してみましょう。
1-1.化粧スレート
化粧スレートとはセメントを原料とした板状の屋根材です。低価格なため人気の屋根材となっています。
メリットは価格が安い点です。
デメリットは耐久性が低く、屋根の角度によっては雨漏りが起こりやすい点でしょう。 水が溜まりやすい構造をしているため、勾配が少ない屋根だと十分に雨が流れずに雨漏りのリスクがあります。屋根の勾配が3寸以下で緩勾配の場合でもなければ、雨漏りの心配はほとんどありません。
1平方メートルあたりの単価は4,500〜8,000円です。耐用年数は20〜25年です。
代表的な商品としてはケイミュー株式会社の「コロニアル」があります。化粧スレートは安価な屋根材を使いたい人に適しています。
1-2.天然スレート
天然スレートとは天然の岩を削って板状にした屋根材です。コストパフォーマンスが悪いため現在ではほとんど使われることがありません。
メリットは耐久性が高い点です。
デメリットは価格が高額なことでしょう。1平方メートルあたりの単価は9,800円以上となります。 素材により価格は変動するため単価の目安はありません。化粧スレートの価格が4,500〜8,000円のため、2倍以上の価格差が出ることもあるでしょう。
天然素材のため耐用年数の目安はありませんが、20年以上はもつでしょう。
天然素材ですので代表的な商品例はありません。天然スレートは、価格が高くてもいいから耐久性の優れたスレート素材を使いたい人に適しています。
1-3.ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とはアルミニウムと亜鉛を主材とした屋根材です。他の屋根材に比べて軽量な点が特徴です。
メリットは軽量で耐震性が高い点です。
デメリットはデザイン性が低いことと、錆びる点でしょう。メンテナンスをしないと腐食しやすい素材です。
1平方メートルあたりの単価は6,000〜9,000円です。耐用年数は30年程度が目安となります。
メンテナンスの頻度は10年に1度が目安となります。メンテナンス方法は塗装となり、30坪の住宅の場合で70〜100万円程度の費用がかかるでしょう。
代表的な商品としてはアイジー工業株式会社の「スーパーガルテクト」があります。ガルバリウム鋼板は軽量で耐震性が高い住宅にしたい人に適しています。
1-4.トタン
亜鉛メッキ鋼板で作られた屋根材です。軽量なうえに金属素材のなかでは最も安い点が特徴です。かつては主流の屋根材でしたが現在ではガルバリウム鋼板にとってかわられています。
メリットは軽量で低価格な点です。
デメリットは錆びやすいことと、耐用年数が短い点です。
1平方メートルあたりの単価は5,000〜6,000円です。耐用年数は10〜20年しかありません。
大手メーカーではほとんど製造されておらず、代表的な商品はありません。トタンは価格が安く耐用年数が短いため、短期間で解体する予定がある住宅に適しています。
1-5.銅板
銅板とは、銅で作られた屋根材です。銅は自由の女神や大仏にも使われており、金属屋根でありながら錆びによる侵食を受けにくく耐用年数が長い特徴があります。
メリットは耐用年数が長いことと、メンテナンスがほとんどいらない点です。
デメリットは価格が非常に高額となることでしょう。
1平方メートルあたりの単価は20,000円以上です。耐用年数は60年以上です。
代表的な商品はありません。銅板屋根は工事業者によって利用するメーカーが異なるため、商品の詳細は依頼会社に相談するとよいでしょう。
銅板屋根は、50年以上の長期で利用する予定の建物に適しています。
1-6.セメント瓦
セメント瓦はセメントと砂を材料に作られた瓦です。耐久性が高い瓦のなかでは安価という特徴があります。
メリットはスレートよりも耐久性が高く、粘土瓦よりも安い点です。
デメリットは重いため耐震性が低く、割れやすいことでしょう。
1平方メートルあたりの単価は6,000〜8,000円です。耐用年数は30〜40年です。
代表的な商品としてはケイミュー株式会社の「ルーガ」があります。セメント瓦は、瓦を使いたい人で安価に済ませたい場合に適しています。
1-7.粘土瓦
粘土瓦は日本瓦とも呼ばれる陶器製の屋根材です。格式高いデザインと高い耐久性が特徴です。
メリットはデザイン性と耐久性が高い点です。
デメリットは重いため耐震性が低いことと、価格が高額なことでしょう。
1平方メートルあたりの単価は8,000〜12,000円です。耐用年数は50〜100年です。
代表的な商品としては株式会社鶴弥の「エース」があります。粘土瓦は格式高いデザインの屋根にしたい人に適しています。
1-8.屋上防水
屋上がある住宅の場合は防水処理が必要です。一般的な住宅の屋根には必要ありませんが、屋上を設けている場合は対処しましょう。
メリットは屋上の防水性を高められる点です。
デメリットは屋根に比べて雨が流れにくいことでしょう。
1平方メートルあたりの単価は3,000〜8,000円です。耐用年数は10〜13年です。
屋上防水の場合は、防水シートの設置または防水塗装を10年ごとに行う必要があります。もしメンテナンスをしなかった場合は雨漏りが発生するでしょう。屋上防水は、屋上がある住宅には必須の工程です。
屋根材の特徴を以下にまとめましたので参考にしてみてください。
2.あなたに適した屋根材を目的ごとにチェック!
あなたの目的が変われば、選ぶべき屋根材は異なります。以下では、目的別に適した屋根材を紹介します。
2-1.価格を重視
「とにかく安い屋根材を使いたい」と考える人には「化粧スレート」と「トタン」が適しています。
特に「化粧スレート」はコストパフォーマンスが高く人気の屋根材のためおすすめです。
2-2.耐久性を重視
「耐久性を1番重視する」という人には「銅板」か「粘土瓦」が最適です。
「銅板」は価格が高すぎるため一般的な住宅ではほとんど使いません。コストパフォーマンスを考慮すると「粘土瓦」が適しているでしょう。
2-3.デザイン性を重視
屋根のデザインを重視する人には「粘土瓦」が最適です。粘土瓦は特に和風の家に合います。
洋風の家に合わせたヨーロッパ風の粘土瓦も存在するため、自宅に向いている形状を業者に相談してみましょう。
2-4.耐震性を重視
耐震性を高めたい人には「ガルバリウム鋼板」か「トタン」が適しています。屋根が軽いほど耐震性は高まります。
屋根材で最も軽いのは金属屋根のため、「ガルバリウム鋼板」か「トタン」を使うようにしましょう。
なかでも「ガルバリウム鋼板」は耐久性とコストのバランスが良く、人気の屋根材です。
以下では、目的別に適した屋根材をまとめたのでチェックしてみてください。
3.屋根材を選ぶ3つのポイント
屋根材を選ぶ際には以下の3つのポイントがあります。
- 屋根材で重視する要素をハッキリする
- 短期ではなく長期的なコストパフォーマンスで考える
- 悪徳業者に依頼しないよう相見積もり
ポイントを意識するだけで屋根材選びに失敗する危険性が格段に減ります。ぜひ意識してみましょう。
3-1.屋根材で重視する要素をハッキリする
屋根材で何を重視するかは重要な問題です。価格と耐用年数の両方を満たすことは困難です。
価格を重視するのなら耐用年数が、耐用年数を重視するのなら価格が犠牲になるケースがほとんどです。
最も重視する要素を決めておけば、屋根材選びに無駄な時間を割かなくて済むでしょう。
3-2.短期ではなく長期的なコストパフォーマンスで考える
屋根工事には、初期費用とメンテナンスコストがあります。初期費用は安いけれどメンテナンスコストが高い屋根材には「トタン」があります。
一方で、初期費用は高いけれどメンテナンスがほとんどいらない「銅板」を選ぶ方法もあるでしょう。
最終的にどちらが安くなるかは住宅のタイプによります。10年でとり壊す住宅ならトタンが安く、100年は維持する予定の建物なら銅板のほうが安価で済むでしょう。
短期的ではなく、長期間を見すえて価格を比較してください。
3-3.悪徳業者に依頼しないよう相見積もり
屋根工事をする上で最も重要なのが業者選びです。屋根材が優れていても、工事業者が手抜きをすれば材料のメリットはほとんど発揮できません。
業者選びの際には相見積もりをおこなってください。相見積もりとは、複数の業者に同じ工事内容で見積もりを依頼することです。
相見積もりをすることで、価格が高すぎないか、工事内容が抽象的すぎないか などを比較できるでしょう。
抽象的な工事内容とは、「屋根工事一式」としか記載されていない場合を指します。屋根工事の工程ごとの費用単価や、使う商品名・メーカー名が記載されていなければ信用性は低いでしょう。
極端な値引きをする業者や、自宅にいきなり訪問営業をしてくる会社は詐欺の危険があるため避けるようにしましょう。
4.まとめ
屋根材選びは目的で決めましょう。価格を安くしたいのか、耐用年数を重視するのかで選ぶべき屋根材は変わります。
また、短期的ではなく30年や50年先を見据えて長期的なコストを検討すると将来的に損をしにくくなるでしょう。
屋根のリフォームにかかる工事費用は屋根リフォーム費用の相場と価格を安くする方法をチェック!で詳しく解説しています。費用を検討したい人はチェックしてみましょう。