
キッチンカウンターに傷や焦げができてしまったときや、キッチンの雰囲気を変えたいときには、カウンターのみの交換も可能です。
部分的なリフォームであれば、費用を抑えながらキッチンの使い勝手や印象を手軽に変えられます。
ただし、カウンターの種類や工事内容によっては費用が大きく変わるため、この違いを理解していないと、リフォーム会社との打ち合わせで認識のズレが生じることも。
そこで本記事では、カウンターのリフォーム方法や費用、素材別の特徴、選び方を解説します。
なお、壁付けキッチンからカウンター付きの対面キッチンへのリフォームを希望の方は、対面キッチン(カウンターキッチン)のリフォームについての記事をご覧ください。
目次
1.リフォームしたいのはどっち?キッチンカウンターの2つの種類
一般的にキッチンカウンターと呼ばれる部分は、実は1つではありません。
この違いを理解しないままリフォーム会社に相談すると、「思っていた内容と違う」「イメージより費用が高い」など、誤解がうまれてしまうことも。
まずはそれぞれの特徴を把握し、自分がリフォームしたいのがどちらのカウンターなのかを整理しておきましょう。

1-1.【パターンA】腰壁の上に設置されている「笠木」のカウンター

出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/kanagawa-t-kitchen/
キッチンの前面にある腰壁の上に設置されているカウンターは、「笠木(かさぎ)」と呼ばれます。対面キッチンでよく見られる形状で、キッチンカウンターと聞いて多くの人がイメージするのはこちらのタイプです。
このカウンターはキッチン本体とは別構造になっているため、リフォームの自由度が高く、部分的な交換やサイズ変更などにも柔軟に対応しやすいのが特徴です。
また、リフォームによって次のように使い方を変えることもできます。
「笠木」カウンターでできるリフォームの例
- 手元を隠せるように立ち上げを高くする
- 配膳や作業スペースとして使えるよう奥行きを広げる
- カウンターテーブルとして食事ができるようにする
- カウンター下に収納を設ける
1-2.【パターンB】「キッチン天板(ワークトップ)」の延長のカウンター

出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/aichi-a-zenmen/
フラット対面タイプやアイランドタイプのキッチンでは、作業台の天板(ワークトップ)をそのまま延長したカウンターが採用されています。
このタイプのカウンターはキッチンと一体化しているため、カウンターだけを取り外したり、一部分だけを交換したりすることはできません。
そのためリフォーム内容によっては、天板ごとの交換やキッチン本体ごとの入れ替えが必要になることも。その場合は費用も高くなります。
迷った時の見分け方
- キッチンの前に腰壁(立ち上がりの壁)があり、その上に板が乗っている→笠木カウンター
- シンクやコンロと同じ素材がそのままカウンターになっている→天板カウンター
2.【目的別】キッチンカウンターのリフォーム費用とできること
キッチンカウンターのリフォームは、仕上がりイメージによって工事内容や費用が大きく変わります。また、同じ内容でも「笠木カウンター」か「天板カウンター」かによって、対応のしやすさや費用感が異なる点に注意が必要です。
まずは仕上がりイメージと既存キッチンの状態から、工事内容と費用目安を確認しておきましょう。
2-1.カウンターを交換・補修したい(傷の修繕・イメージを変えたい)

キッチン本体はまだ使える状態でも、カウンターに焦げ痕や傷、変色などがあり気になるときには、部分的な交換を検討しましょう。
リフォーム方法は以下のとおりです。
笠木カウンター
- カウンターだけを交換する
- 表面材やシートを上貼りする
- 塗装で見た目を整える
天板カウンター
- 天板だけを交換する
- キッチンごと交換する
それぞれの費用目安も見てみましょう。
| カウンター種類 | 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 笠木カウンター | 交換 | 5万~12万円 |
| 上貼り | 2万~5万円 | |
| 塗装 | 3万円~ | |
| 天板カウンター | 天板だけ交換 | 40万~ |
| キッチンごと交換 | 70万円~ |
笠木カウンターなら上貼りや塗装などを選べば、数万円からのリフォームも可能です。
ただし、素材やサイズによっては交換費用が10万円以上になるケースもあります。
一方で天板カウンターになると、天板ごとの交換になるため40万円以上かかるケースがほとんどです。
また、無垢材や特注品の場合は100万円以上かかるケースも。
工事範囲が広くなるため、設置年数が7年以上経過しているなら、キッチン本体の交換を検討したほうが将来的なコストを抑えられる可能性があります。
2-2.カウンターの高さを変えたい(手元を隠したい、使いやすくしたい)

「リビングから作業台が見えないようにしたい」「配膳がしやすい高さにしたい」などの希望があるときには、カウンターの高さを変えることも可能です。
笠木カウンター
- 腰壁の高さを上げる
天板カウンター
- キッチン本体の高さを変更する
- 造作カウンターを取り付ける
- 後付けパネルを設置する
| カウンター種類 | 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 笠木カウンター | 腰壁の高さ調整 | 15万円~ |
| 天板カウンター | キッチン本体の高さを変える | 20万円前後 |
| 造作カウンターの設置 | 5万~50万円 |
|
| パネルの設置 | 0.5万円~ |
笠木カウンターの場合は、腰壁の高さを変える形でカウンターの高さを調節します。
既存の腰壁を解体して新たな腰壁をつくる作業になるため、解体や補修を含めて費用は15万円以上が目安です。
一方で天板カウンターは、高さ調整の目的によって方法が変わります。
配膳しやすい高さに調整するならキッチン本体の高さごと変える必要があるため、台輪を追加するなどして全体をかさ上げするのが一般的です。
また、手元を隠したいときには造作カウンターの設置で改善できますが、キッチンの仕様によっては後付けできない可能性もあるため、事前に確認しておく必要があります。
なお、「来客時だけ隠したい」「調理中だけ見えないようにしたい」といった一時的な対策なら、後付けのパネルを設置する方法もあります。
2-3.カウンターの大きさ(奥行き)を変えたい(積載量の変更・作業スペースの確保)

「物が置けない」「作業がしにくい」など使い勝手に不満があるときは、カウンターの大きさや奥行きの変更を検討しましょう。
笠木カウンター
- 既存サイズより大きいカウンターへ交換する
- 現在のカウンターを縮小する
天板カウンター
- 既存サイズより大きい天板へ交換する
- キッチンごと入れ替える
| カウンター種類 | 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 笠木カウンター | カウンターの拡大 | 20万円~ |
| カウンターの縮小 | 10万円~ | |
| 天板カウンター | 天板の交換 | 40万~ |
| キッチン全体の交換 | 70万円~ |
笠木カウンターは後付け構造のため、カウンター自体を交換すればサイズを変更できます。
費用は縮小で10万円〜、拡大で20万円〜が目安です。
一方で天板カウンターの場合は、奥行きやサイズの変更はシンクやコンロの配置にも影響するため、キッチン全体の入れ替えになることがほとんど。
70万円以上は必要になるでしょう。
2-4.食事ができるカウンターテーブルにしたい

笠木カウンターなら、カウンター下に脚や補強金物を追加することで強度を確保すれば、食事ができるカウンターテーブルとして使えるようになります。
奥行きは、軽食程度なら最低20〜30cm、しっかり食事をとるなら最低30〜45cm程度は必要です。
費用はカウンターのサイズや素材、必要部品によっても変わりますが、10万円以上が目安になります。
【カウンターの高さと通路幅に要注意!】
腰壁と同じ高さにカウンターを設置するとハイチェアを使う必要があり、小さなお子さんや高齢者は使いにくく、転落・転倒のリスクもあります。
ダイニングテーブルとして日常的に使うなら、椅子に座りやすいようにカウンターの設置位置を70cm前後に調整したほうが安心です。
また、カウンターを広げる場合は通路幅にも注意が必要です。サイズによっては動線が狭くなり、キッチンの使い勝手が悪くなる恐れがあります。
家具の配置や動線など、全体的なバランスを考えながらサイズを検討しましょう。
2-5.カウンター下に収納をつくりたい

笠木カウンターの下に収納がほしいときは、オーダーの造作収納棚がおすすめです。
ぴったりサイズで造作できるのはもちろん、素材や色味をキッチンに合わせて統一感を出すこともできます。
費用目安は以下のとおりです。
| 工事種類 | 費用目安 |
|---|---|
| フルオーダー | 15万~30万円 |
| セミオーダー | 5万~15万円 |
サイズや材料、仕上げ材まですべてを選びたいときにはフルオーダーになるため、費用は15万〜30万円が目安です。
規定サイズやデザインの中から選ぶセミオーダーなら、5万〜15万円前後で設置できます。
3.選び方で使い勝手が向上!キッチンカウンターの材質
キッチンカウンターのリフォームでは、どの素材を選ぶかによって使い勝手や見た目の満足度が大きく変わります。
とくに現時点で焦げや傷、汚れが気になっているなら、素材ごとの特徴を理解したうえで何にするかを選びましょう。
3-1.キッチンカウンターの材質一覧
まずは、キッチンカウンターでよく選ばれている素材と、それぞれの特徴を一覧で見てみましょう。
このように、素材によって耐熱性・耐久性・デザイン性に違いがあります。
たとえば、焦げや汚れを防ぎたいなら耐熱性と耐久性を優先し、空間の雰囲気にこだわりたいならデザイン性を重視するなど、特徴から素材を選ぶのがポイントです。
3-2.メラミン|費用を抑えたい場合におすすめ
メラミンは、合板やMDF(木質ボード)の上に、メラミン樹脂を含浸させたシートを圧着した素材で、主にキッチン扉などの面材に使われています。
水や汚れに強く、木目や石目などのデザインバリエーションが豊富でありながらも安価に施工できる点が特徴です。
コストパフォーマンスに優れているため、「費用をできるだけ抑えたい」人に向いています。
ただし、熱には弱いため、焦げや変色には注意しましょう。
3-3.人工大理石|水や汚れに強く、デザイン性が高い
人工大理石は、アクリルやポリエステル樹脂に、鉱物や顔料を混ぜてつくられた人工素材です。
表面がなめらかで掃除がしやすく、日常使いには十分な耐熱性を備えています。
見た目と機能性のバランスがよいため、キッチンカウンターでもっとも選ばれている素材です。
ただし、極端な高温には弱く変色や変形の恐れがあるため、鍋やオーブン皿を直置きすることはできません。
3-4.木材(無垢・集成材)|内装材とコーディネートしやすい
内装材や家具に合わせやすい木材も、キッチンカウンターで人気の素材です。
大きく分けて「集成材」「無垢材」の2種類ありますが、いずれも自然素材ならではの温かみのある質感が魅力です。
ただし、水や熱にはあまり強くないため、焦げ付きやシミができやすいのが難点。
傷や汚れ、小さな凹みを「味」として、受け入れられる方に向いています。
集成材
小さな角材を、接着剤でつなぎ合わせてつくられた素材です。
無垢材に比べて反りや割れが起こりにくく、加工もしやすいため、無垢材より費用を抑えつつも木の風合いをたのしめます。
無垢材
天然木から切り出した1枚板で、木本来の質感や風合いをたのしめるのが魅力です。
使い込むほどに色味が深まり、経年変化をたのしめます。
ただし、反りや変形の可能性があり、費用も集成材より高くなります。
3-5.タイル|熱に強く、個性的な仕上がりに
粘土や鉱物を高温で焼き固めたタイルは、ここまで紹介した素材の中で、もっとも耐熱性に優れています。
高温の鍋やオーブン板を置いてもダメージを受けにくく、耐熱性と耐久性を重視する方におすすめです。
また、色柄や質感、タイル1枚の大きさまでバリエーションが豊富なため、自分好みのデザインを見つけやすいのも魅力です。
ただし、目地に汚れが入りやすく掃除の手間がかかることや、施工費用が高くなりやすいことなどの注意点もあります。
4.キッチンカウンターリフォームの費用を抑えるコツ
キッチンカウンターのリフォームは、工夫しだいでコストを抑えながらも見た目や使い勝手を改善することができます。
ここでは、費用を抑えるためのポイントを確認しておきましょう。
4-1.既存の天板を活かす工法(上貼り・塗装)を検討
カウンターの傷や汚れが気になる場合でも、必ずしも交換がよいとは限りません。
たとえば、既存天板の上からシートや化粧材(面材)を貼る方法や塗装なら、解体作業をともなわずに見た目を一新できます。
費用に関しても上貼りなら2万〜5万円、塗装は3万円〜が目安です。
下地の状態や構造によっては交換が必要になるケースもありますが、既存の天板を活かせれば、費用を大きく抑えられます。
なお、交換の費用については「2-1.カウンターを交換・補修したい(傷の修繕・イメージを変えたい)」でも説明していますので、比較してみてください。
4-2.突発的な焦げや傷は「火災保険」が使える可能性も
うっかりオーブンの天板を置いてしまった、物を落として傷付いたなど、不測かつ突発的な破損なら、火災保険の「破損・汚損」が適用される可能性があります。
補償対象と認められれば保険金が支払われるため、費用負担を大きく抑えられます。
ただし、経年劣化による傷みや通常使用による汚れは対象外となるため、すべてのケースで適用されるわけではありません。
まずは保険会社や代理店に連絡し、補償対象となるか確認してみるとよいでしょう。
リフォームに火災保険を使う注意点など、詳しくはリフォーム時の火災保険適用条件などを解説した記事を参考にしてください。
4-3.腰壁・笠木のリフォームは内装工事が得意な会社に依頼
腰壁や笠木のリフォームは、「大工工事・内装工事」に分類されます。
そのため、キッチンメーカーや設備系のリフォーム会社だけでなく、内装工事や造作家具を得意とする会社にも相談してみましょう。
直接依頼することで中間マージンを抑えられれば、結果として費用を抑えられる可能性があります。
会社の得意工事を見極めるのに困ったときは、ぜひ「リフォームガイド」をご活用ください。
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5.キッチンカウンターのリフォームは、カウンターのタイプによってできることが変わる
カウンターのリフォームは、どの部分を指しているかによって、できることや費用が大きく変わります。
腰壁の上に後付けされた「笠木カウンター」なら、部分的な交換やサイズ変更、収納追加なども可能です。
一方でキッチンと一体化している「天板カウンター」は、できることが限られ、キッチンごとの入れ替えになる可能性もあります。
費用を抑えながらも希望を実現するためには、工事内容に応じてリフォーム会社を選ぶことが大切です。







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