
「そろそろキッチンをリフォームをしたほうがいいかもしれない」とお考えの方、「キッチンの寿命はどれくらい?」「費用はいくらかかる?」「今はどんなキッチンがあるの?」などの疑問をお持ちではないでしょうか。
ここでは、キッチンリフォームのタイミングや予算別の施工事例、リフォームにかかる費用をご紹介します。
気になるリフォームの工期やポイント、失敗しないリフォームの進め方などもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.キッチンのリフォームタイミングは10〜20年が目安
キッチンリフォームのタイミングは、10〜20年が目安といわれています。それは、キッチン本体の耐用年数が、10〜20年であるためです。
ただしキッチンがどの程度劣化するかは、使う頻度やメンテナンス状況によって異なるため、もっと長もちする場合も少なくありません。
実際にキッチンのリフォームについて相談を受けるイズホームの三野さんにお話しを聞きました。
キッチンは20年を超えると、扉の開閉やキャビネット内の臭い、コンロや食洗機など設備部分の劣化が気になるかと思います。部分交換でも対応できることもありますが、ちょうど交換時期でもあるため、本体を交換するのがいいでしょう。


また、キッチンの部分的な不具合をきっかけに、壁に向いたキッチンを対面式キッチンにしたり、キッチンを囲う壁を取り払って開放的なキッチンにリフォームする人も多いようです。
ここからはキッチンリフォームの事例を価格帯別に紹介していきます。
2.キッチンリフォームの事例
実際のリフォーム事例を紹介します。いくらの予算で、どのようなキッチンリフォームができるのか、チェックしましょう。
事例①コストを抑えてキッチンリフォーム
61万円|フラット型のレンジフードで見た目スッキリ
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経年劣化により傷んだキッチンを、リフォームした事例です。
開き戸が収納力の高いスライドタイプのキャビネットに。換気扇は、見た目がスッキリしてお手入れが簡単なフラット型のレンジフードが備わったものを選びました。
コストを抑えるために、内装はキッチンに面した壁のみリフォームしています。
費用 | 61万円 |
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工事日数 | 2日 |
商品名 | - |
築年数 | 28年 |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/360
87万円|築40年のキッチンを交換し収納力アップ
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築40年になり老朽化し、また収納量や使い勝手に不満がありリフォームした事例です。
開き扉だったキッチンを、デッドスペースが少ないスライド収納タイプに刷新。できるだけコストを抑えながら収納力アップのリフォームになりました。
費用 | 87万円 |
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工事日数 | 3日 |
商品名 | - |
築年数 | 40年 |
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2603
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事例②壁を取り払って開放感あふれるオープンキッチンへ
108万円|全面収納付きの対面キッチンに
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リビングとの間にあった壁を撤去し、独立型の薄暗かったキッチンから部屋全体を見渡せる明るいオープンキッチンへとリフォームした事例です。
全面収納付きのフラット対面キッチンがインテリアになじみおしゃれです。キッチンとデザインが統一されたカップボードを設置したので、収納力も上がりました。
費用 | 108万円(内装工事・解体工事は別) |
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工事日数 | - |
商品名 | クリナップ/ラクエラ |
築年数 | 27年 |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1738
125万円|オールステンレスのキッチンに
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壁に光が遮られ、薄暗かった半独立型のキッチンの間仕切り壁を撤去し、ペニンシュラ型の対面キッチンへとリフォームした事例です。
圧迫感がある吊り戸棚を撤去したので、より開放感のある空間が実現しました。キッチンは凹凸を極限まで削ったオールステンレスのシンプルなデザインで、高級感も抜群です。
費用 | 125万円(内装工事は別) |
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工事日数 | - |
商品名 | ミラタップ(旧:サンワカンパニー)/グラッド45 |
築年数 | 40年 |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1090


231万円|モノトーンのおしゃれな対面キッチンに
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L字型の壁付けキッチンを、おしゃれな対面キッチンへとリフォームした事例です。
ガスコンロからIHコンロへ、卓上だった食洗機はビルトインにしたことで、シンク周りがスッキリしました。キッチンの色はモノトーンを選択し、まるでカフェのようなおしゃれなキッチンに仕上がっています。
費用 | 231万円 |
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工事日数 | 14日 |
商品名 | - |
築年数 | 30年 |
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2980
事例③内装や素材にこだわったキッチンリフォーム
150万円|気に入っていた人造大理石のカウンタートップを採用
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築30年が経過し、キッチンの扉が閉まらなくなってきたためリフォームした事例です。
元々使用していたキッチンの人造大理石のカウンターが気に入っていたため、新しいキッチンも人造大理石のカウンタートップのものをチョイス。間取りはそのまま活かし、カウンターの奥行きを5cm広げて引き出し式キャビネットを採用することで、作業スペースと収納量を上げるのに成功しました。
奥のカップボードも新しくしています。
費用 | 150万円 |
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工事日数 | 約5日間 |
商品名 | TOCRAS |
築年数 | 30年 |
出典:https://www.yutoriform.com/products/water/kitchen/case/12/
約165万円|タイルと無垢材を使用して使い勝手とこだわりを両立させたキッチンに
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設備機器が老朽化したため、内装を含めてリフォームした事例です。せっかくの機会にと、機能面の向上だけでなくデザインにもこだわりました。
無垢材を使用した扉の面材は、施主様のお好みの色でペインティングしました。シンプルなタイルと、石目調のアクセントがあるクッションフロアを合わせ、さらに照明はダウンライトを採用。モダンでオリジナルなキッチンへのリフォームとなっています。
費用 | 約165万円(タイル内装含む) |
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工事日数 | 1週間(キッチン・トイレ) |
商品名 | ウッドワン/スイージー |
築年数 | 18年 |
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/919
▼「最新のキッチンはどのような機能やバリエーションがあるの?」という方は、リフォーム会社さんおすすめキッチンを紹介しているこちらの記事をご覧ください。


3.キッチンリフォームの費用
リフォームガイドが実際の見積もりを集計して算出したデータによると、キッチンのリフォーム費用の相場は、73万円~135万円です(データで見るキッチンリフォームの費用と相場)。
以下の表は、どのくらいの費用で、どんなキッチンリフォームができるのかをまとめたものです。ご自身のキッチンリフォームでは、大体いくらの予算を考えておけばいいかの参考にしてください。
価格 | それぞれの価格帯でできるキッチンリフォーム |
---|---|
10~50万円 | パーツ交換(コンロ、レンジフード、キッチン扉、流し台(シンク)、カウンターなど) |
50~100万円 | キッチン本体交換(シンプル~ミドルグレード) |
100~150万円 | キッチン本体交換(シンプル~ミドルグレード) +壁・床の張り替え |
150~200万円 | キッチン本体交換(ミドルグレード) +壁付け→対面キッチンに変更 +上記にともなう内装リフォーム もしくは |
200万円以上 | キッチン本体交換(ハイグレード) +壁付け→対面キッチンに変更 +上記にともなう内装リフォーム もしくは |
システムキッチンはグレードによって本体価格が大きく変わりますので、どのようなキッチンを選ぶのかで費用は変動します。
なお、古いキッチンで配管や床下が傷んでいる場合には補修費用がかかり、またビルトイン食洗機、IHコンロにする、背面収納も付けたいなど、オプションが増えるほど費用も高くなる点は理解しておきましょう。
▼キッチンリフォームの費用について詳しくはこちら


▼同時にリビングもリフォームする場合の費用の目安についてはこちら


4.キッチンリフォームの工期
キッチンリフォームにかかる期間は、リフォームの規模によって以下のように異なります。
リフォーム内容 | 平均 | 最短 | 最長 |
---|---|---|---|
キッチン本体の交換のみ | 3〜4日 | 2日 | 1週間 |
キッチンの壁や床の張り替えもともなう | 1週間 | 5日 | 10日 |
キッチンの移動をともなう | 2週間 | 10日 | 1カ月 |
キッチンのリフォーム工事そのものは、3日〜2週間ほどで完了するケースがほとんどです。
しかし工事を始めるまでに、現地調査や見積もりの提示・比較などにも日数がかかる点に注意が必要です。
キッチンリフォームを思い立ってから施工が完了するまでのトータル期間は、2カ月程度見込んでおくとよいでしょう。


5.キッチンリフォームのポイント
キッチンリフォームを成功させるために、考えたいことや知っておきたいポイントを解説します。
[1]キッチンの間取り・レイアウトを見直す
キッチンのリフォームは頻繁におこなうものではなく、一度リフォームすれば10年以上はその状態というケースが多くなります。
そのためリフォームに際しては、単にキッチンを入れ替えるだけよりも、リビングやダイニングを含めて間取りやレイアウトも見直すと満足度が高くなります。
例えば近年は、壁に向かって立つタイプの壁付けキッチンを、家族がコミュニケーションを取りやすいよう、リビングに向き合う対面キッチンに変更するリフォームが人気です。


ただし対面キッチンは、リビングまで臭いが充満したり、煙や油はねで汚れたりすることも想定したうえで、対策も含めて検討することが大切です。


[2]マンションでは配置変更に制限があることを知っておく
マンションは戸建てと異なり、管理規約やマンションの構造により、希望どおりのリフォームができない場合があります。それは、マンションでは排水管の位置が固定されてしまっていたり、床下にゆとりがなく排水するための十分な傾きが取れなかったりするケースがあるためです。
またマンションの電力供給量の関係でIHヒーターへの変更が難しい場合もあります。希望のリフォームができるかどうかは、リフォーム会社に現場を見てもらうとよいでしょう。


[3]商品を決める際はショールームを活用する
キッチンリフォームに際しては、どのようなキッチンが希望かをリフォーム会社に伝えると、商品を提案してもらえます。
ただし、カタログだけで決めるのではなく、できるだけショールームで実物を確認することで、購入後の後悔を防ぎやすくなります。


例えば一般的にキッチンの高さは「身長÷2+5cm」が使いやすいといわれていますが、実際にキッチンに立ってみると違和感を感じることも。ご自身が使いやすいキッチンカウンターの高さや、カタログだけではわからない収納の使い勝手は、実際のキッチンの前に立ち、触ってみるのがベストです。


[4]おしゃれなキッチンにするには内装や素材を意識する
おしゃれなキッチンにしたいときには、まずはキッチンの雰囲気を決めるキッチンまわりの床・壁・天井の内装や、扉などの面材を選ぶことから始めましょう。リビングのテイストに合わせて選びます。そのうえで、キッチンの以下のパーツを選んでいきます。
- 天板の素材
- レンジフードの形・色
- シンクの素材
- 水栓の色・形
- 引き出しの取っ手部分の色・形
それぞれのパーツで素材や形にこだわると、キッチン全体のデザイン性が高まります。意外と水栓や引き出しの取っ手の形など、細かなパーツもデザインを引き立たせますので、細部まで気を配るとよいでしょう。
詳しくは下記の記事を参考にしてください。


デザインに特にこだわる場合はオーダーメイドのキッチンという選択肢もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。


6.失敗しないキッチンリフォームの進め方
ここからは、失敗しないキッチンリフォームの進め方を解説します。本格的にリフォームを考えている方はぜひ参考にしてください。
キッチンリフォーム経験者の失敗談やそこから学ぶ対策もあわせてご覧ください。


[1]補助金が使えるかどうか確認する
キッチンリフォームは、補助金が使えることがあります。補助金のなかには、事前に申請になったり施工会社の条件があったりするため、はじめに確認しておきましょう。
補助金が使える可能性があるキッチンリフォームには、以下のようなものがあります。
- ビルトイン食洗機など家事負担を減らせる設備の導入
- 対面キッチンへのリフォーム
- 二世帯・三世帯同居にともなうキッチンの増設
- 老朽化したキッチンの改修
キッチンリフォームは規模が大きくなるほど費用も高額になる傾向があるため、補助金を活用してコストを抑えられないか、リフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。


[2]キッチンリフォームが得意な会社を探す
続いて、キッチンリフォームを依頼する会社を探します。
キッチンリフォームは、水回りのリフォームや、LDK中心のリフォームの実績が豊富な会社に依頼すると、失敗を防ぎやすくなります。キッチンリフォームが得意な会社かどうかは、ホームページの施工事例が参考になります。
とくにマンションの場合は、管理規約や構造などによる制約が多いため、マンションのリフォームに慣れている会社に依頼するのがベストです。
もし「自分で業者を探すのは大変」「業者を見分ける自信がない」と思うときには、リフォームガイドにぜひご相談ください。ご希望のリフォーム内容をお伝えいただければ、専任コンシェルジュが対象エリア内で優良なリフォーム会社をご紹介いたします。
サービスの利用は無料。リフォーム業者から直接営業電話がかかってくることもありませんので、ぜひ安心してご利用くださいね。




[3]相見積もりを取る
リフォーム会社を選んだら、見積もりを取りましょう。なおキッチンに限らず、リフォームを依頼する際には、「相見積もり」を取るのが鉄則です。相見積もりとは、複数社に見積もりを取ることをいいます。
リフォームには定価がなく、一社だけから見積もりをもらっても、それが適正価格かどうかの判断ができません。その点相見積もりを取れば、リフォームにかかる費用を比較できるようになり、不要に高額な費用での契約を防ぐことが可能です。
また、実際に現地調査にきてもらうことで、工事の内容だけでなく、担当者の対応からもリフォーム会社を比較検討できるようになります。
費用的にも内容的にも満足いくキッチンリフォームをするために、必ず2〜3社程度に見積もりを依頼しましょう。


[4]ショールームに実物を体験しにいく
導入するキッチンを選ぶ段階になったら、実際にショールームを見にいきましょう。ショールームに行くときには、以下の内容を事前にチェックしておくとスムーズです。
- リフォーム後のキッチンの寸法がわかる図面
- キッチンに置く予定の食器棚やごみ箱などのサイズ
- 現在ご利用のキッチンの高さ
なおショールームで実際にキッチンの前に立つときには靴を脱ぎ、普段スリッパを履くならスリッパを借りたうえで、実際に使う状況にできるだけ近づけ確認することが大切です。
[5]契約・施工開始
リフォームの内容や金額に納得したら、工事請負契約を締結し着工します。契約に際しては、契約内容をよく確認してから押印しましょう。
不明点は放置せず、納得・理解できない場合は遠慮することなく申し出ることが大切です。
7.まとめ
キッチンリフォームを検討しているなら、まずは予算に合わせてどんなリフォームができるのかを知り、具体的にイメージするところから始めましょう。
コストを抑えてキッチンリフォームを成功させるには、相見積もりを取ることも大切です。補助金を利用するなら、制度に詳しく補助金を活用してのリフォーム経験が豊富な業者を選ぶ必要もあります。
業者選びに迷ったときには、ぜひリフォームガイドに相談してみてくださいね。