
フローリングの張り替えを検討しているものの「住みながら張り替えられるのか」「どのくらいの費用や期間が必要なのだろうか」などの疑問や不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
住まいの手配や荷物の移動は大変なので、できれば住みながらフローリングを張り替えたいですよね。
フローリングの張り替えは住みながらでもできますが、状況によっては仮住まいを検討したほうがよいケースもあります。この記事では、フローリングを住みながら張り替える場合のメリット・デメリットや費用相場をくわしく解説します。張り替える際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.フローリングの張替えは住みながらできる
限られた範囲の張り替えで工期が短い場合や生活スペースが確保できる場合は、住みながらフローリングの張り替え工事が可能です。ただし、以下のようなケースは難しいかもしれません。
- 家全体のフローリングを張り替える
- 部屋の形状が複雑
- 工事対象の部屋がないと生活スペースや動線を確保できない
張り替える面積や部屋の形状によっては工事が長期化するため、住みながらは現実的ではありません。家全体のフローリングを張り替えるときはもちろん、部屋の形状が複雑な場合も、フローリングの加工に時間がかかるため、仮住まいを用意したほうがいいでしょう。また、床を張り替える部屋がないと生活スペースが確保できないような場合も、仮住まいを用意しなければなりません。
フローリングの張り替えではなく、上張りを選択するのもひとつです。既存のフローリングの上に重ねて張るので、手間が少なく工期が短くなります。仕上がりの違和感もあまりありませんが、重ねるので段差ができる可能性や設置できない場合もあるでしょう。
2.フローリングの張替えを住みながらするメリット・デメリット
住みながらフローリングの張り替え工事をする場合、仮住まいの費用の節約や工事の進捗を確認できる一方で、ほこりや騒音、生活スペースが狭くなるなどの弊害もあります。
ここでは、フローリングの張り替えを住みながらするメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット:コストが軽減でき、工事の様子を見ることができる
①引っ越しの手間と費用を節約できる
住みながらフローリングを張り替える場合、引っ越しの手間と費用を減らせます。
3〜4人家族の場合、15km圏内の引越費用でも7万円〜10万円程度の費用が必要です。往復の引っ越しを考慮しなければならないため、15万円〜20万円程度は見ておかなければなりません。また、仮住まいの家賃もかかってきます。
ほかにも、敷金・礼金などの追加費用が必要になりますが、この点はウィークリーマンションやマンスリーマンションなどを選択できれば解決できます。
住みながらのフローリング工事は、費用と手間を削減できる点が大きなメリットです。また、通勤や通学への影響が出ないのもポイントです。
②工事の進捗状況を確認できる
住みながらフローリングを張り替える場合、工事の様子を間近で見れるのもメリットです。
仕上がっていく仮定を直接確認できるため、安心感があります。また、疑問点があればその場で確認できるので、融通が効きやすいのも魅力です。
③職人とのコミュニケーションが取りやすい
日中自宅にいる場合は職人とのコミュニケーションが取りやすく、些細な要望や細かな修正などでも柔軟に対応してもらえる可能性があります。また、不安な点があればすぐに質問もできます。
コミュニケーションのないまま工事が進めば、実際の仕上がりに満足いかないことも。職人とやり取りしながら進められるのは、住みながらフローリングを張り替えるメリットです。
④セキュリティ面の不安が少ない
住みながらの工事の場合、家を長期間にわたって留守にすることがないため、防犯対策になります。
工事中は職人や施工業者などさまざまな工事関係者が出入りするため、作業着を着ていれば怪しまれないからと、空き巣に入られる可能性もあります。留守にしていなければ、このようなリスクは減らせるでしょう。
デメリット:生活への影響があり、工事自体の費用がかさむことも
①ほこりや騒音が発生する中で生活することになる
フローリングの張り替え工事中は、床材の解体や切断作業によって大量のほこりやハウスダストが発生します。アレルギーや呼吸器系の持病がある方は、健康面に影響するかもしれません。
また、騒音や振動も発生するため、日中家にいる場合はストレスの原因になる可能性もあります。
②生活スペースが狭くなる
フローリングの張り替え部分は利用できないため、生活スペースが狭くなるのもデメリットです。また、工事に使用する機械や資材の置き場所、作業スペースの確保も必要なため、想定よりも余裕がなくなる可能性があります。
生活スペースを確保できない場合は、仮住まいを用意したほうがよいかもしれません。
③家具などを移動する必要がある
フローリングを張り替える部分の家具や荷物を、別の場所へ移動しておかなければならないのもデメリットの1つです。
大きな家具や家電製品を運ぶ場合は、体力的な負担が大きくなります。また、移動する場所のスペースも確保しなければなりません。
施工業者が移動してくれる場合もありますが、追加で費用が発生する可能性があります。張り替え工事の前に、家具移動の対応可否を問い合わせておきましょう。
④工期が長期化する可能性がある
フローリングの張り替え範囲が広い場合は、住みながらだと一気に工事を進められないため、通常よりも工期が長くなります。
道具や機械を置くスペースが限られている場合は、毎回運ぶ手間が増えてしまうことも工事が長期化する要因です。
⑤費用が割高になる可能性がある
工期が長期化することで職人の人件費が増えるため、割高になりやすいです。さらに、家具移動や養生などの追加作業で、費用が上乗せされる可能性もあります。
仮住まいを用意する場合の費用や手間なども調べておき、総合的に考慮したうえで選択したほうがよいでしょう。
3.フローリング張替えの費用相場と日数
ここからは、フローリング張り替えの費用相場と工事日数の目安を解説していきます。また、張り替えだけでなく、上張りの費用相場も紹介します。
施工費用は、張り替えるフローリングの種類によって変わります。それぞれの項目で、「合板フローリング」と「無垢フローリング」にわけて見ていきましょう。
なお、「合板フローリング」とは、合板などの基材の上に天然木や木目調のシートを張り合わせて作られた床材です。「無垢フローリング」とは、天然木から木材を切り出して一枚板に加工した床材のことを指します。
①フローリングの張替え
フローリングを張り替える場合の費用相場は、以下のとおりです。
施工面積 | 合板フローリング | 無垢フローリング |
---|---|---|
6畳 | 12〜17万円 | 15〜20万円 |
8畳 | 14〜20万円 | 18〜25万円 |
10畳 | 16〜23万円 | 22〜29万円 |
12畳 | 20〜29万円 | 26〜35万円 |
20畳 | 33〜50万円 | 43〜60万円 |
住みながらの張り替えの場合は、家具移動などの費用が上乗せされる可能性があります。
また、生活スペースとの兼ね合いで一度に施工できない場合は工期が長くなるため、その分高くなるでしょう。職人の手間代としては、1日ごとに2〜3万円の上乗せが目安です。
工期の目安は、以下を参考にしてください。
施工面積 | 工期 |
---|---|
〜8畳 | 1〜2日 |
10〜12畳 | 2〜3日 |
20畳 |
3日〜1週間 |
張り替え範囲が広く、わけて施工しなければならない場合は、さらに日数がかかる可能性があります。
②フローリングの上張り
フローリングを上張りする場合の費用相場は、以下のとおりです。
施工面積 | 合板フローリング | 無垢フローリング |
---|---|---|
6畳 | 10〜14万円 | 12〜18万円 |
8畳 | 12〜17万円 | 14〜22万円 |
10畳 | 14〜22万円 | 18〜28万円 |
12畳 | 18〜27万円 | 21〜33万円 |
20畳 | 30〜45万円 | 35〜55万円 |
張り替えと同様に、住みながらの場合は家具移動などを含めるとこれよりも高くなります。工期が長引けば、職人の手間代として1日あたり2〜3万円程度上乗せになる可能性があるでしょう。
張り替えのように既存のフローリングをはがす手間がないため、工期は短めです。10畳前後の場合は1日で済むことが多く、20畳でも2〜3日もあれば工事は完了します。ただし、生活スペースの兼ね合いで一気に張れない場合は、数日増えるかもしれません。


4.フローリング張替えを住みながらする際のポイント
住みながらフローリングを張り替える際は、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 作業スペースを確保できるか確認する
- ほこり・騒音対策をする
- 生活動線を確保する
- 貴重品の保管方法を決める
- ペットや子どもの安全を確保する
①作業スペースを確保できるか確認する
フローリングの張り替え箇所だけでなく、作業スペースも確保しなければなりません。たとえば、資材を置く場所や床材を加工するスペースなどが挙げられます。
確保できない場合や狭い場合は、工具や資材を都度運ばなければならず、手間が増えるため、費用が割高になってしまいます。工事前に施工業者と入念に打ち合わせをしておきましょう。
②ほこり・騒音対策をする
フローリングの解体や切断など、施工中はほこりやハウスダストが舞うため、ビニールシートなどで生活スペースと区切るようにしておきましょう。見積もりの段階で打ち合わせをしておくと、業者側で対応してくれるかもしれません。
騒音に関しては抑えられないので、工事前の近隣挨拶の際に伝えておきましょう。なお、施工業者が伝えてくれることも多いです。
③生活動線を確保する
生活スペースだけでなく、動線も確保しておかなければなりません。例えば、物干し場への出入り口の部屋のフローリングを張り替える場合、洗濯機から物干し場まで別のルートを通って行けるかどうかを確認するといった対応が挙げられます。
必要な動線が確保できないと、生活ができなかったり、例えばコインランドリーを使うなど別の生活様式を確保しなければならないようになります。
施工業者と相談し、できる限り普段と変わらない動線を確保できるようにしておきましょう。
④貴重品の保管方法を決める
工事中は施工業者や職人など人の出入りが多くなるため、貴重品の保管方法を決めておきましょう。特に留守にする場合は、置きっぱなしにせず持ち出しておいたほうがよいです。
⑤ペットや子どもの安全を確保する
住みながらのフローリング張り替えは、ペットや子どもの安全性を確保することも重要です。
業者の出入りでドアの開閉が多くなるため、ペットが飛び出す可能性があります。作業スペースには、工具など子どもが触れるとけがをする可能性のあるものも多いです。
ペットが飛び出さないように柵を設けたり、生活スペースと工事部分を明確にわけたりするなど、安全対策をしておきましょう。
5.まとめ
フローリングの張り替えは住みながらでも可能ですが、生活スペースの確保やほこり・騒音対策などが必要不可欠です。生活スペースの確保が難しい場合や、ハウスダストによるアレルギーがある場合などは、仮住まいも検討しましょう。
住みながらの工事は引っ越しの手間や費用を抑えられる一方で、工事が長引いてその分の費用が上乗せされる可能性もあります。全体的な費用や手間などのバランスを考慮して、住みながらの工事か仮住まいを用意するかを決めましょう。日常生活をする上でストレスにならないかも決める際のポイントです。
自宅や家族の状況に合わせて適切な選択をした上で、フローリングの張り替え工事を進めましょう。