壁に窓を作るリフォームの全知識|費用・工期・失敗しない進め方をわかりやすく解説

「部屋が暗い」「風通しが悪い」

そんなストレスを抱えているなら、窓を作るリフォームを検討しませんか?
リフォームでは壁や外壁を部分的に解体して、新たに窓を増やすことができます。

ただし、いくつか注意点があり、どこにでも作れるわけではありません。
そこで本記事では、窓を作るリフォームを検討する前に知っておきたい基本から、費用・工期・失敗を防ぐポイントまでをわかりやすく解説します。


1.窓の新設を考えたときに知っておきたいこと

はじめに知っておきたいのが、「窓はどこにでも作れるわけではない」という点です。
住宅の構造や階数、外壁材の種類などによっては、設置できる場所やサイズに制限がでる可能性があります。

1-1. 窓を作れない場所がある

住宅の壁には、地震や風などの力に耐えるための「耐力壁」になっている部分があります。
そこを解体すると耐震性や建物の強度を下げる恐れがあるため、窓の新設はできません。

耐力壁になっている場所は住宅の間取り図(図面)で確認できますが、リフォーム会社に現地調査で確認してもらってから判断しましょう。

1-2. 木造・鉄骨・RCでできることが変わる

戸建住宅であっても、建物の構造によって窓の新設のしやすさが大きく変わります。

構造 特徴
(建物を支える構造)
窓新設の難易度
木造 在来工法 柱・梁・壁 ◎:比較的自由
2×4工法 △:開口サイズに制限あり
鉄骨造 ラーメン構造 ◎:位置・サイズの自由度が高い
ブレース構造 柱・梁・筋交い △:位置に制約あり
RC造 コンクリート壁 △:解体が大がかりになる

木造(在来工法・2×4工法)

木造住宅は大きく分けて「在来工法」「2×4(ツーバイフォー)工法」の2種類あり、それぞれ窓新設の難易度が変わります。

在来工法は柱や梁、壁で建物を支える構造のため、比較的自由に開口を設けられます。窓1面あたり、3mまでが目安です。

一方、2×4工法は壁全体で建物を支える仕組みのため、開口サイズに制限が出るケースがほとんど。補強金物や部材などを使えばある程度の開口は確保できますが、大きな窓は設置できない可能性があります。

鉄骨造(ラーメン構造・ブレース構造)

鉄骨造は柱で建物を支える「ラーメン構造」が一般的で、窓の位置や大きさの自由度はかなり高くなります。
ただし、斜め材(筋交い)の入っている「ブレース構造」の場合は、その位置を避ける必要があるため、窓の配置に制約が出ることがあります。

RC造(鉄筋コンクリート造)

RC造も基本的にはラーメン構造のため、設計上の自由度は高いのですが、コンクリート壁の解体は大がかりな工事になります。
さらに騒音や振動、粉塵への対策も必要になるため、費用が高額になりやすく、建物へ影響が出ることも。慎重に検討する必要があります。

1-3. 階数と外壁材でも難易度が変わる

戸建住宅で窓を新設する場合、階数と外壁の種類によっても難易度が変わります。

たとえば2階建ての住宅なら、1階は上階を支える必要があるため、耐力壁が多く、開口できる位置やサイズに制限が出ることがあります。
一方で2階に開口を設ける場合、構造的な制約は少ないものの、足場が必要になるため費用が高くなりがちです。

また、外壁の種類によっても難易度が変わります。

  • サイディング:部分的な解体が可能で比較的施工しやすい
  • 塗り壁:色むらが目立ちやすい
  • タイル:補修費用が高くなりやすい

とくにタイルは下地を補修し、その後に新しいタイルを張り付ける作業を行うため、サイディングや塗り壁に比べて補修費用が高額になります。
窓を増やすリフォームでは、解体や補修費用がかかる点も頭に入れておきましょう。


2.窓を作るためのリフォーム費用はいくら?

窓の新設は外壁や室内壁、天井などの解体をともなうため、一般的な窓のリフォームに比べて費用が高くなります。
ただし、設置位置や大きさによって費用が変わるので、ここでは目安を見ていきましょう。

2-1. 場所別の費用目安

窓の種類と設置場所別の費用目安は以下のとおりです。

窓の種類 設置場所 費用目安
小窓 外壁 10万~15万円
天井 30万~50万円
腰高窓 外壁 30万~40万円
掃き出し窓 外壁 35万~45万円
室内窓 間仕切り壁 5万~15万円

※ガラスやサッシの種類、建物の構造などによって変動します。足場代は含まれていません。

明かり取りのための小さな窓であれば10万円前後、腰高窓や掃き出し窓など大きな窓になると、費用は30万円以上が目安です。
天井への設置は防水処理と高所作業が加わるため、50万円近くかかるケースもあります。

そのため、コストを抑えたいなら「室内窓」も選択肢のひとつです。
外壁工事が不要なため、5万円から設置できます。隣の部屋の日当たりを活かしたいときや、空間に開放感を出したいときにおすすめです。

2-2. 窓の新設費用を決める4つの構成要素

窓の新設費用の目安は先ほどお伝えしたとおりですが、実際には次の要素をもとに費用が決まります。

  • 窓本体の価格(サッシやガラスなどの製品代)
  • 壁の解体・補強工事費
  • 外壁の補修費
  • 足場代・人件費

    窓の新設は「窓をはめ込む」だけでは終わりません。壁に開口を開け、補強し、外壁をきれいに仕上げるまでが一連の工事です。

    見積書を受け取ったら、それぞれの工程にどのくらいの費用がかかっているのかを必ず確認しておきましょう。

    2-3. 費用が上がる3つのケース

    次のケースに当てはまる場合は、先ほどお伝えした目安よりも費用が高くなる可能性があります。

    • 耐震補強が必要な場合
    • 高所作業が必要な場合
    • 高性能窓を選ぶ場合

    耐震補強が必要な場合

    開口部を増やすことで建物の強度が下がる可能性があるときは、耐震補強工事が必要になります。部分的な補強なら5万円前後で済みますが、耐力面材や建物全体の補強が必要になると、さらに費用がかさみます。

    耐震リフォームの費用に関してはこちらの記事で解説しています。

    高所作業が必要な場合

    2階や3階、天井など高所での作業になると、足場代が別途かかります。
    1㎡あたりの単価は600〜1,000円が目安ですが、30坪の住宅全体に足場を作ると15万〜25万円は必要です。

    足場が必要になる場所に窓を新設するなら、そのタイミングで外壁と屋根のリフォームも検討したほうがよいでしょう。

    外壁と屋根を同時に塗装する場合の費用相場はこちらで解説しています。

    高性能窓を選ぶ場合

    窓にはさまざまな種類があり、トリプルガラスや樹脂サッシ、防音窓などの高性能窓は、製品代が高くなります
    費用を抑えるために製品代で調整するという考え方もありますが、断熱性と気密性を考えると、高断熱仕様の窓を選んだほうがリフォーム後の快適性は高まります。

    【まず複数社に見積もりを取ることから始めよう】

    同じように窓の新設を相談しても、リフォーム会社によって提案内容や費用が異なります。
    たとえ同じ内容でも数万円、数十万円単位で差がでる可能性もあるため、1社だけで判断するのではなく、必ず相見積もりを取りましょう。

    一括見積もりサービスを使えば、手間なく比較できます。


    3.窓を作るリフォームの工期と生活への影響

    新たに窓を作るリフォームは、一般的な窓のリフォームより工期が長くなります。
    ここでは、工期の目安とその間の生活への影響を確認しておきましょう。

    3-1. 窓の新設リフォームにかかる工期の目安

    窓を増やすリフォームの工期は、以下のとおりです。

    窓の設置場所 工期の目安
    小窓 2日~3日
    腰高窓・掃き出し窓 3日~1週間
    2階以上・天井 1週間以上

    窓の増設工事では室内側と外壁側から穴を開け、窓を設置したあとにきれいに補修するという、複数の工程を行わなくてはなりません。
    そのため、工期は小さな窓でも2日〜3日が目安、大きな窓だと3日〜1週間、足場が必要になると1週間以上はかかるでしょう。

    3-2. 工事中の生活への影響と対処法

    窓を作るリフォームは、住みながらの工事が可能です。
    ただし、工事中は次のような影響が出ることを事前に想定しておきましょ

    影響 対処のポイント
    騒音 工事時間帯の希望を事前に相談する
    粉塵・ほこり 精密機器や衣類は別室へ移動しておく
    外気の流入 季節・天候を考慮した工事時期を考える
    業者の出入り 立ち入りエリアや時間帯を事前に確認する

    対策は基本的にリフォーム会社が行いますが、気になる点や不安な点は事前に伝えておくことが大切です。
    とくに小さな子どもやペットがいる家庭では、騒音・粉塵への配慮をあらかじめ相談しておきましょう。


    4.窓を作るリフォームで後悔しないための注意点

    窓の新設は、明るさや風通しを改善できる反面、計画が不十分だと「想像と違った」「使いにくくなった」など、後悔してしまうケースも少なくありません。
    取り返しがつかない失敗を避けるために、以下の3点をしっかり押さえておきましょう。

    4-1. 窓を作る方角と種類をよく考える

    窓はどこに・どんな窓を作るかによって、暮らしへの影響が大きく変わります。

    方角 メリット 注意点
    南向き 日当たりがよくなる 夏の直射日光で室温が上がりやすい
    北向き 安定した明るさを確保できる 直射日光は入らない
    東向き 午前中に明るくなる 朝の日差しが強くなりやすい
    西向き 午後から夕方にかけて明るくなる 西日によって夏に室温が上がりやすい

    どの方角にもメリットと注意点があるので、対策も含めて計画を考えることが大切です。

    また、風通しのために窓を設けるなら、設置位置や開き方も重要です。
    風の入口と出口を確保するために窓が対角になるように配置したり、雨の日でも換気できる横すべり出し窓を設置したりと、通風を意識した計画を立てる必要があります。

    ただ窓を増やすのではなく、目的から窓の位置や種類を逆算して考えましょう。

    4-2. 結露・雨漏り対策を行う

    窓を作るときにとくに注意したいのが、結露や雨漏りのリスクです。

    窓まわりは外気の影響を受けやすいため、開口部の断熱性や気密性が不十分だと、結露が発生しやすくなります。
    結露はカビの原因になるだけでなく、壁や床材の腐朽など室内環境の悪化にもつながるため、対策が欠かせません

    また、防水処理が不十分だと、室内に雨水が侵入することがあります。
    しかし、こうしたトラブルは工事直後ではなく数年後に発覚するケースが多いため、気づいたときには被害が広がっているということも珍しくありません。

    これらのリスクを最小限に抑える最善策は、窓のリフォーム実績が豊富な業者を選ぶことです。業者選びは慎重に行いましょう。
    回答

    4-3. 隣接住宅との視線対策を行う

    窓の増設でよくある失敗が「隣の家から丸見えになってしまった」「人の視線が気になる」などの、プライバシー面に関する後悔です。
    窓は一度設置してしまうと修正に費用がかかるため、計画段階での対策が必須。

    次のようなポイントを意識しましょう。

    • すりガラスを採用する
    • 隣家と窓の位置や高さをずらす
    • ハイサイドライト(高窓)にする
    • ルーバーを設置する

    隣家の窓の位置や通行人の多さ、道路との距離感なども含めて周辺環境を確認しておくことが大切です。


    5.窓を作るリフォームでよくある質問

    窓の増設リフォームの基本をお伝えしたので、ここからはよくある質問を紹介します。
    ここまでに出てきた疑問をしっかり解消しておきましょう。

    Q. 窓を作るリフォームで補助金は使える?

    A.窓を増やすリフォームでは、以下のような補助金制度を利用できる可能性があります。
    • 先進的窓リノベ2026事業
    • みらいエコ住宅2026事業
    • 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
    • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
    • 自治体の補助金事業
    回答

    中でも補助額が大きいのが、「先進的窓リノベ2026事業」「みらいエコ住宅2026事業」のような国の省エネ補助金です。
    高断熱窓の採用が必須ではありますが、要件を満たせば補助金の支給によって費用負担を大きく抑えられる可能性があります。

    ただし、補助金制度は申請条件が細かく、年度ごとに内容が変わるため、制度に詳しいリフォーム会社への相談が確実です。

    窓の断熱リフォームに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

    Q. マンションでも窓を作れる?

    A.外壁への新設は、原則できません。
    回答

    マンションの窓や外壁は「共用部分」にあたるため、管理規約で個人のリフォームを禁止されているケースがほとんどです。

    ただし、室内窓や内窓なら対応できる可能性があります。
    「日当たりをよくしたい」「防音効果や断熱性を高めたい」といった目的であれば、外壁に触らずに解決できる方法も多いため、リフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。

    Q. DIYで窓の新設はできる?

    A.技術的には可能ですが、おすすめはできません。
    回答

    窓の新設は単に窓をはめ込むだけでなく、外壁の解体・補強・防水処理までの専門的な作業もともないます。

    さらにDIYには次のようなリスクもあります。

    • 建物の強度や耐震性の悪化
    • 防水不良による雨漏りの発生
    • 断熱、気密性能の低下
    • 高所作業による転落事故

    こうしたリスクは、やり直しがきかないものばかりです。
    安全性と住宅の耐久性を守るためにも、専門業者への依頼を検討しましょう。


    6.まとめ

    最後に、窓を作るリフォームのポイントを整理してみましょう。

    内容 ポイント
    可否・制限 戸建住宅なら比較的自由にできる
    耐力壁・マンション外壁はNG
    費用 10万〜50万円が目安
    設置場所や窓の種類、足場の有無で変動する
    工期 小窓で2〜3日、大きな窓や高所は1週間が目安
    計画 窓の方角・種類・プライバシー対策を事前に検討する
    リスク対策 結露や雨漏りを防ぐ断熱・防水処理が必須

    窓の増設は、外壁や天井などの解体をともなう大がかりなリフォームです。
    計画と業者選びがリフォームの仕上がりと満足度を左右するため、必ず2〜3社に相見積もりを依頼し、提案内容や費用を比較しましょう。

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