
「日頃忙しくて、なかなか身体のケアに時間をかけられない」「自宅にミストサウナがあれば、気軽にエステ気分を味わえそう」そんなふうにお考えではないでしょうか。
自宅の浴室にミストサウナを後付けするには、ミストサウナの機能がついた浴室暖房乾燥機を導入するのが一般的です。2025年6月現在、ミストサウナの機能がついた浴室暖房乾燥機は、天井埋込み型しかなく(※)、必然的に天井埋込み型の浴室暖房乾燥機を選ぶことになります。
※浴室暖房乾燥機には、天井埋込み型のほかに壁掛け型もあります。
この記事では、ミストサウナの後付け費用や光熱費などについてご紹介します。自宅にミストサウナを付けてみたいと考えている方は、参考にしてみてください。
目次
1.自宅にミストサウナは後付けできる?
自宅のお風呂にミストサウナを後付けすることは可能ですが、天井に新たな給水配管を通す大掛かりな工事が必要になります。そのため、ユニットバス(浴室)ごと交換するのが一般的です。
また、ミストサウナの設置には条件があります。配管工事が難しいタイル貼りの浴室(在来浴室)や、井戸水・温泉水など水道水以外の水を使用している浴室は、ミストサウナを設置できない可能性があります。
2.自宅にミストサウナを後付けするリフォーム費用・工期
自宅にミストサウナを後付けするには、ユニットバスの交換が前提になります。ユニットバス交換費用とミストサウナの設置費用を合わせると、ガス式の場合で約117~217万円が費用相場です。電気式の場合では、約88.5~118.5万円が費用の目安になります。
また、戸建ての2階に浴室がある場合は、工事に足場が必要になるので、足場設置費用として10~20万円程の費用がかかります。
工期は、ユニットバスからユニットバスへの交換の場合は4~5日程度、在来浴室からユニットバスへリフォームする場合はタイルの解体工事が伴うので、5~8日程度かかると考えておきましょう。
2-1.ガス式ミストサウナのリフォーム費用
工事内容 | 費用感 |
---|---|
ユニットバス交換工事 | ユニットバス→新しいユニットバスの場合 : 60~120万円 在来浴室→ユニットバスにリフォームの場合 : 70~150万円 |
ガス式浴室暖房乾燥機 (ミスト機能付き) |
20万円~(本体代+取付施工費) ※費用は換気室数(※)によって変動 |
熱源機能付き給湯器交換工事 | 30万円~(本体代+取付施工費) ※号数や機種による |
給水接続工事 | 2万円程度 |
温水循環のための配管新設工事 | 5万円~15万円程度 ※配管の敷設距離によって変動。戸建て2階に設置する場合は高額になる傾向 |
足場設置 (戸建ての2階に設置する場合に必要) |
10~20万円 |
※換気室数
浴室の換気扇で浴室のみを換気しているものを「1室換気」と呼びます。浴室の換気扇で浴室と洗面を換気しているものを「2室換気」、浴室の換気扇で浴室・洗面・トイレを換気しているものを「3室換気」と呼んでいます。
戸建ての場合は「1室換気」の場合がほとんどですが、マンションではいずれの可能性もあるので注意が必要です。換気室数が増えるほど排気能力が上がるので、費用は高額になります。
ガス式ミストサウナを後付けするときは給湯器の交換や熱源機の追加も必要
ミストサウナを後付けする場合に欠かせない設備が「熱源機」です。熱源機とは、ミストサウナや床暖房などで使うお湯を、家の中で循環させ供給する機械を指します。
給湯器と熱源機の大きな違いは、お湯そのものを使うのが給湯器であり、沸かしたお湯の熱をエネルギーとして利用するのが熱源機になります。
既存の給湯器をそのまま使い、熱源機単体を追加することも可能ですが、熱源機能付きの給湯器に交換する方法が一般的です。
また稀ではありますが、既に床暖房を設置しているご家庭は、その熱源機をミストサウナの熱源として利用できる可能性があります。
2-2.電気式ミストサウナのリフォーム費用
工事内容 | 費用感 |
---|---|
ユニットバス交換工事 | ユニットバス→新しいユニットバスの場合 : 60~120万円 在来浴室→ユニットバスにリフォームの場合 : 70~150万円 |
電気式浴室暖房乾燥機 (ミスト機能付き) |
20万円~(本体代+取付施工費) ※費用は換気室数(※)によって変動 |
専用回路の新設工事 | 1.5万円~ ※現況が換気扇のみの場合は、電気容量が不足するので単独の回路が必要。 費用は分電盤までの距離や配線方法など工事の難易度によって変わる ※回路に空きがない場合は、分電盤の交換などさらに費用がかかる可能性もある |
給水接続工事 | 2万円程度 |
足場設置 (戸建ての2階に設置する場合に必要) |
10~20万円 |
ユニットバスリフォームの費用相場については、こちらの記事もご覧ください。


3.ミストサウナの光熱費は1か月いくら?
ミストサウナの光熱費は、機器の種類や運転モード、電気・ガスの契約プランによっても変わります。
一般的な光熱費の目安をご紹介します。
項目 | ガス式 | 電気式 |
---|---|---|
ガス代(1回分) | 27~55.5円程度 | ー |
電気代(1回分) | ー | 25~31円程度 |
水道代(1回分) | 約7円 | 約7円 |
1回分合計 | 35~62.5円程度 | 32~38円程度 |
1ヶ月(30日)分合計 | 1,050~1,875円程度 | 960~1,140円程度 |
※実際の光熱費は、住宅の構造や断熱性能、使用機器や使用状況など条件により変動します。
※算出条件(ガス・電気・水道料金は2025年7月時点のもの)
稼働内容:ミストサウナ稼働30分/日
ガス料金:130.46円/㎥(東京ガス一般契約料金基本料金)
電気料金:31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会目安単価)
水道料金:128円/㎥(東京都水道局11~20㎥利用時の従量料金)
毎日30分程度使用した場合のランニングコスト(月額)の目安は、タイプによっても違いますが約960~1,875円。
運転モードによってランニングコストは変わり、スプラッシュミストモードの濃い霧の場合は、マイクロミストモードよりランニングコストが高くなります。コストを抑えたい場合は運転モードを使い分けて工夫しましょう。
4.自宅にミストサウナを設置する注意点
ミストサウナの設置は制約条件が多く、特にマンションでは注意が必要です。また、ミストサウナは浴室が高湿度の環境になるので、こまめな換気やお手入れが必要になります。
4-1.マンションではミストサウナを設置できない場合がある
戸建て住宅では、ミストサウナの設置条件をクリアできることがほとんどですが、マンションの場合は難しいケースもあります。
特に、ガス式のミストサウナの場合、熱源機から浴室暖房乾燥機まで温水を循環させるための配管を通す穴が必要です。配管を通す穴が開いていない場合は、ミストサウナの設置が難しくなります。
戸建てであれば、オーナーの判断だけで躯体に穴を開けることも可能ですが、共同住宅であるマンションでは、個人の判断で躯体に穴を開けることはできません。
現場の状況によっては配管できる場合もありますが、難しいケースもあることを知っておきましょう。
4-2.こまめな換気やお手入れが必要になる
ミストサウナ使用時は、浴室内の湿度が大幅に上昇し、カビの発生リスクが高まります。ミストサウナの最も重要なお手入れは「換気・乾燥」です。カビを防ぐには、使用後に十分に換気を行い、浴室全体を乾燥させましょう。
また、一般的な浴室暖房乾燥機と同じように、エアフィルターの掃除を定期的に行う必要があります。エアフィルターにゴミや埃がたまると、乾燥・換気能力が落ちたり、ミストサウナに埃が混入したりする可能性があります。
4-3.工事期間中はお風呂が使えない
ユニットバスの交換およびミストサウナの設置工事は、4~8日程度の期間を要するため、この期間中は浴室が使用できません。
近隣の銭湯やスポーツクラブなどの利用を事前に検討しておきましょう。複数の施設をピックアップしておくと安心です。
工事日数や家族の人数によっては、まとまった費用がかかるので、工事の予算にも計上しておくと良いでしょう。
5.まとめ
自宅のお風呂にミストサウナを後付けすることはできますが、天井に給水配管を通す大掛かりな工事が必要になります。そのため、ミストサウナはユニットバスの交換時に取り付けるのが一般的です。
費用は、ユニットバス交換費用を含めて、約88.5~217万円が相場となっています。戸建ての2階に浴室がある場合は、足場を設置しなければならず、10~20万円程の費用も必要です。
ミストサウナの設置にかかる費用は、現場を見てみないと分からないことも多々あります。また、ユニットバスのリフォーム経験が豊富な会社に相談することも大切です。
リフォームガイドでは、ユニットバスのリフォーム経験が豊富な優良業者をご紹介いたします。自宅にミストサウナの導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。