
「ベランダで洗濯物を干すスペースがもう少し広く欲しい」
「ベランダをゆっくりとくつろげるスペースにしたい」
戸建てにお住まいの方で、二階のベランダの広さについて不満を感じたことはありませんか?
既存のベランダが手狭に感じていても、リフォームは費用も掛かるし面倒だと諦めてしまっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、二階のベランダを広くしたいとお考えの方に向けて「リフォームの具体的な方法」「リアルな費用相場」「後悔しないための注意点」を、専門家の視点から解説します。
さらに、実際にベランダを広くしたご家庭のリフォーム事例も多数ご紹介しますので、リフォーム後の快適な生活を具体的にイメージできるはずです。
この記事が、あなたの理想のベランダ空間を実現するための、確かな第一歩をサポートします。
目次
二階のベランダは広くできる?まずは費用相場をチェック!
「ベランダを広くしたい」と思ったときに、まず気になるのはやはり費用です。
ベランダを広くするリフォームは、状況やリフォームの方法によって費用が大きく異なりますが、まずは下の表で大まかな相場観をつかんでみましょう。
リフォーム方法 | 費用相場の目安 |
---|---|
既存ベランダの拡張(増築) | 約100万円~200万円以上 |
新しいベランダの後付け(新設) | 約50万円~200万円 |
【参考】サンルーム・ガーデンルームの設置 | 約30万円~55万円 |
※上記はあくまで目安です。ベランダの広さ、使用する素材、建物の構造などによって費用は変動します。
ベランダを広くして活用するアイデア5選
大まかな費用感が分かったところで、次はリフォーム後の新しい生活を具体的にイメージしてみましょう。広くなったベランダは、単なる物干しスペース以上の価値を生み出します。
ベランダ活用のアイデア1:家事が劇的に楽になる!広々とした物干しスペース
何かと忙しい毎日の中で洗濯は少しでも効率的にこなしたいものです。ベランダが広くなれば、家族全員の洗濯物や週末のまとめ洗い、かさばる布団も一度に気持ちよく干すことができます。
さらに、屋根付きのスペースを確保すれば、急な雨に慌てる心配もありません。天気を気にせず洗濯ができる安心感は、日々のストレスを大きく軽減してくれるでしょう。
ベランダ活用のアイデア2:セカンドリビングや全天候型のサンルーム
ベランダをガラスで囲ってサンルームにすれば、雨や花粉、PM2.5などを気にせず一年中洗濯物が干せるのはもちろん、椅子やテーブルを置いてセカンドリビングにしたり、趣味の部屋やリモートワークのスペースとして活用したりと使い方は無限大です。
ベランダ活用のアイデア3:おうちでアウトドア気分!アウトドアリビング
天気の良い日には、広くなったベランダにテーブルと椅子を置いて、カフェタイムやランチを楽しんでみてはいかがでしょうか。わざわざ遠出しなくても、自宅で気軽にアウトドア気分を味わえます。
ハンモックを設置して読書や昼寝をしたり、夜には星空を眺めたりと、家族だけのアウトドアリビングとして、かけがえのない時間を過ごせるでしょう。
ベランダ活用のアイデア4:子どもやペットも大喜び!安全な遊び場
広くなったベランダに人工芝を敷けば、お子様が裸足で走り回れる快適なプレイスペースに早変わりします。夏にはビニールプールを置いて水遊びも楽しめるでしょう。
転落防止の高い手すりを設置すればお子様を安心して遊ばせることができますし、ペットが安全に外の空気に触れられる場所としてもベランダは最適な空間です。
ベランダ活用のアイデア5:ガーデニング&家庭菜園
日当たりの良いベランダは、植物を育てるのに最適な場所です。プランターで季節の花を育てて彩りを加えたり、ハーブやミニトマトなどの家庭菜園に挑戦したりするのも良いでしょう。
「ベランダ」と「バルコニー」の違いは?
リフォームを検討していると、「ベランダ」と「バルコニー」という言葉をよく耳にしますが、その違いをご存知でしょうか?
どちらも建物の2階以上の外壁から張り出したスペースを指しますが、主な違いは「屋根の有無」です。
- ベランダ:一般的に屋根がついているスペース。雨風をある程度防げるため、物干し場など実用的な使い方がしやすいのが特徴です。
- バルコニー:屋根がない開放的なスペース。日当たりが良く、ガーデニングやアウトドアリビングに向いています。
リフォームの際には、どちらのタイプにするかで使い勝手や費用が変わってきます。
また、後述する建築基準法の「確認申請」が必要かどうかの判断にも関わってくるため、リフォーム会社と相談しながら、用途に合った方を選びましょう。
どうやって広くする?二階のベランダリフォームの3つの方法
具体的に二階のベランダを広くするには、どのような方法があるのかを解説します。ご自宅の状況や理想のイメージに合わせて、最適な方法を選びましょう。
ベランダリフォームの方法1:既存のベランダを拡張(増築)する
【費用相場:約100万円~200万円以上】
現在建物に設置されている造り付けのベランダの床を、さらに外側へ延長して広くする方法です。既存のベランダと一体感のある、デザイン性の高い空間を作ることができます。
費用は、広げる面積やベランダの構造、建物の強度を保つための補強工事の有無によって大きく変動します。単に床面積を広げるだけでなく、防水工事のやり直しや、安全のための手すりの設置も必須となります。
【メリット】
- 既存の構造を活かせる場合がある
- デザインの自由度が高く、建物と一体感のある仕上がりにできる
【デメリット】
- 建物の構造や状態によっては、柱や基礎の新設など大掛かりな構造補強工事が必要になる
- 費用が高額になるなる傾向がある
ベランダリフォームの方法2:新しいベランダを後付け(新設)する
【費用相場:約50万円~200万円】
これまでベランダがなかった場所に新しいベランダを設置したり、既存の古いベランダを一度撤去して、新しいものに丸ごと取り替えたりする方法です。
現在主流なのは、柱で支えるタイプのアルミ製既製品を設置する方法です。また、1階部分を増築し、その屋根部分を「ルーフバルコニー」として活用するパターンもあります。
【メリット】
- 様々なメーカーから出ている既製品の中から、デザインや機能など要望にあったパターンを選べる
- 1階の増築とセットで考えることも可能
- アルミ既製品を利用すれば、比較的工期が短く、費用を抑えやすい
【デメリット】
- デザインやサイズがメーカーの規格品に限られることが多い
- ベランダを新設する場合、室内からの出入りを確保するための窓やドアの新設工事が別途必要になる
【参考】サンルームやガーデンルームを設置する
【費用相場:約30万円~50万円】
既存のベランダやバルコニーをガラスで囲い、部屋のようにするリフォームです。床面積が直接広くなるわけではありませんが、天候に左右されない多目的な空間が生まれるという点で、拡張リフォームと似た効果が期待できます。
【メリット】
- 天候を気にせず洗濯物を干したり、趣味のスペースとして活用したりできる
- 増築と同じように、居住スペースが増える効果がある
【デメリット】
- 壁で囲われた空間は建物の「延べ床面積」に算入されるため、後述する確認申請や固定資産税の対象になることがある
- 夏場は室温が上がりやすいため、日よけや換気扇などの暑さ対策が必要
サンルームについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。


ベランダを広くする際に確認!知らずに後悔しないためのポイント
ベランダリフォームを計画する前に、必ず知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。特に法律に関わる部分は、専門家であるリフォーム会社にしっかり確認してもらうことが不可欠です。
注意点1:「確認申請」は必要?建築基準法をチェック
建物を増築する際には、その計画が建築基準法に適合しているかを行政にチェックしてもらう「建築確認申請」という手続きが必要になる場合があります。
ベランダリフォームの場合、下記のケースでは原則として確認申請が必要です。
- 10㎡(約6畳)を超える増築を行う場合
- お住まいの地域が「防火地域」や「準防火地域」に指定されている場合
ただし、屋根がなく壁で囲まれていない開放的なバルコニーなどは、床面積が10㎡を超えても確認申請が不要なケースもあります。
この判断は非常に専門的で難しいため、必ずリフォーム会社に現地調査をしてもらい、確認申請が必要かどうかを判断してもらうことが重要です。
注意点2:家の広さが制限される「建ぺい率・容積率」
土地には、建てられる建物の大きさを制限する「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」と「容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)」というルールが定められています。
ベランダは、外壁からの出幅が1m以下であれば、建物の床面積には算入されません。しかし、1mを超える部分については、床面積として算入されます。
もし、このルールを知らずにベランダを広くしすぎると、建ぺい率や容積率の上限を超えてしまい、「違反建築物」となってしまう可能性があります。そうなると、行政から指導を受けたり、将来的に家の売却が困難になるなどの不利益を被ることもあります。
こうした事態を避けるためにも、法律の知識が豊富なプロにしっかりとチェックしてもらう必要があります。
注意点3:固定資産税が上がる?
リフォームによって固定資産税が上がるケースもあります。ベランダの場合、税制上の一般的な解釈は以下のようになります。
- 屋根のないベランダ(バルコニー):建築基準法上の「床面積」に算入されないため、基本的に固定資産税は上がりません。
- 屋根のあるベランダ・サンルーム:屋根があり、壁やガラスで囲まれているなど「屋内的な用途に供する部分」と判断されると、「家屋」とみなされ、床面積に応じて固定資産税が上がる可能性があります。
リフォーム後に「税金が上がって驚いた」ということにならないよう、計画段階でリフォーム会社に良く確認しておきましょう。
注意点4:工事期間とご近所への影響
ベランダリフォームの工事期間は、工事内容にもよりますが、約3日〜2週間程度が目安です。
工事中は、どうしても騒音や振動が発生したり、住宅内を通っての業者の出入りがあったりします。生活への影響を最小限にするためにも、事前にリフォーム会社から詳しい工程表をもらい、作業内容について詳細な説明を受けましょう。
また、工事が始まる前にリフォーム会社と一緒にご近所へ挨拶回りをしておくと、近隣トラブルを防ぎ、スムーズに工事を進めることができます。
注意点5:定期的なメンテナンスは必要?
ベランダを長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
防水性能の維持
木造家屋のベランダの床で多く採用されているFRP防水やウレタン防水は、紫外線などによって経年劣化します。
そのため、定期的に表面のトップコートを塗り替えるメンテナンスが必要です。10〜15年を目安に防水そのものの改修も検討しましょう。
ベランダ防水のメンテナンスについてはこちらの記事もご参照ください。


デッキ材のメンテナンス
人工木のウッドデッキは比較的メンテナンスフリーですが、天然木の場合は、数年ごとに再塗装を行うと美しさが長持ちし、表面のささくれなども防ぎ快適にご使用いただけます。
排水口の掃除
ベランダの排水ドレン(排水口)に落ち葉やゴミが詰まると、雨水が流れなくなり、雨漏りの原因になります。こまめな掃除を心がけましょう。万が一に備えて、腰壁にオーバーフロー管(排水口が詰まった際の予備の排水管)を設置しておくとさらに安心です。
ベランダリフォームの費用を賢く抑える3つのポイント
ベランダを広げるリフォームを実行するにあたって、費用は可能な限り抑えたいものです。ここでは、仕様や品質に妥協せずに費用を賢く抑えるための3つの方法をご紹介いたします。
ベランダリフォームの費用を抑えるポイント1:複数のリフォーム会社から相見積もりを取る
ベランダリフォームを成功させるための最も重要なポイントは、複数のリフォーム会社から見積もりを取る「相見積もり」です。
全く同じ工事内容でも、依頼する会社によって見積もり金額が数十万円単位で変わることも珍しくありません。
少なくとも3社から見積もりを取り、金額の安さだけでなく、
- 提案内容が希望に合っているか
- 担当者の説明は分かりやすいか、対応は丁寧か
- 保証やアフターサービスは充実しているか
といった点も総合的に比較検討することが、満足のいくリフォームに繋がるカギとなります。
知っておきたい!リフォーム費用の主な内訳
見積書を正しく理解するために、費用の主な内訳を知っておきましょう。
- 本体価格:ベランダやサンルーム自体の商品代金など、リフォームのメインとなる資材の費用です。
- 工事費:既存ベランダの解体・撤去費、新しいベランダの設置・組立費、基礎工事費、外壁の補修費など、職人の作業に対する費用です。
- 足場代:2階以上の高所作業で必要になる仮設足場の費用です。安全に作業するために必須となります。
- 諸経費:現場管理費、廃材処分費、確認申請が必要な場合の手数料など、工事を円滑に進めるための費用です。
ベランダリフォームの費用を抑えるポイント2:補助金・助成金制度を活用する
リフォームの内容によっては、国や自治体の補助金・助成金制度が利用できる場合があります。
省エネ性能の向上を目的としたリフォームが対象になることが多く、断熱効果の高い窓ガラスを使ったサンルームの設置などが該当する可能性があります。
リフォーム会社に相談したり、自治体の窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
断熱リフォームの補助金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。


ベランダリフォームの費用を抑えるポイント3:外壁塗装など他のリフォームと同時に行う
ベランダリフォームでは、安全確保のために外部足場を組むことが多く、この足場代だけでも約15万〜25万円ほどの費用がかかります。
もし、近いうちに外壁塗装や屋根の修理など、同じく足場が必要なリフォームを検討しているのであれば、同時に行うことで足場代を一度で済ませることができます。その結果、トータルコストを大幅に削減できる可能性もあるでしょう。
リフォームの計画を立てる際には、長期的な視点で住まい全体のメンテナンスを考えてみることをおすすめします。
優良業者を見極める3つのチェックポイント
大切な我が家のリフォームを任せる業者選びは、絶対に失敗したくないものです。以下の3つのポイントをチェックして、信頼できる業者を見極めましょう。
- ポイント1:ベランダやバルコニーリフォームの実績が豊富か
施工事例を見せてもらい、希望に近いリフォームを手がけた経験があるか確認しましょう。
- ポイント2:建設業許可やリフォーム関連の資格を保有しているか
法律に基づいた適切な工事を行うための知識と技術があるかの判断材料になります。
- ポイント3:工事後の保証やアフターサービスの内容が明確で、充実しているか
万が一の不具合にも誠実に対応してくれるか、事前に書面で確認しましょう。
【費用・目的別】二階のベランダを広くしたリフォーム事例7選
ここでは、実際に二階のベランダを広くするリフォームの事例をご紹介します。費用やリフォームのポイントを参考に、ご自宅のベランダリフォームのイメージをふくらませてみてください。
事例1:自分だけの空間で星空を眺める、そんなスカイバルコニーのある我が家
出典:株式会社山口建設
【リフォーム費用】
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【ポイント】
周囲の視線を気にせずくつろげる開放的な空間を実現。夜には星空を眺める、特別な場所になりました。
事例2:酷く傷んだバルコニーをまるっと交換!
【リフォーム費用】
61万円
【ポイント】
腐食が進んで危険な状態だったベランダを解体し、耐久性が高くメンテナンスも楽なアルミ製の新しいベランダを設置しました。
事例3:突然の雨でも安心!バルコニーにサンルームを設置
出典:山商リフォームサービス
【リフォーム費用】
159万円
【ポイント】
床の劣化がひどかったバルコニーを、天候を気にせず洗濯物が干せる便利なサンルームへリフォーム。床材は人工樹脂素材のデッキ材を用いて耐久性を高めました。
事例4:エクステリア3点同時リフォーム
170万円
【ポイント】
木製のウッドデッキとバルコニーをリフォーム。ウッドデッキは雨に強い樹脂製、バルコニーはアルミ製を採用し、お手入れの手間を軽減しました。また、バルコニーの交換に伴い、テラス屋根を設置し急な雨でも洗濯物が濡れないようになりました。
事例5:ウッドデッキバルコニー拡張工事
【リフォーム費用】
80万円
【ポイント】
老朽化したベランダの修繕と合わせて、思い切って床を拡張しました。リビングのフローリングとウッドデッキの色味を合わせることで室内との一体感が生まれ、空間がより広く感じられるようになりました。
事例6:リビング増築と2階への広いバルコニーの設置工事
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出典:フレッシュハウス
【リフォーム費用】
―
【ポイント】
1階のLDKを増築するのに合わせ、2階にはお子さま用のプールも置けるほどの広いバルコニーを新設。家族の楽しみが広がる空間になりました。
事例7:アルミバルコニー新設工事
【リフォーム費用】
―
【ポイント】
これまで活用されていなかった1階の屋根の上にアルミバルコニーを新たに設置。物干しスペースが格段に広がり、家事効率がアップしました。
まとめ
今回は二階のベランダを広くするリフォームについて、費用相場から活用法、注意点、そして実際の事例まで詳しくご紹介してきました。
ベランダを広くすることは、単に物干しスペースを確保するだけでなく、家族と過ごす時間を豊かにしたり、日々の家事を楽にしたり、暮らしに新たな楽しみをもたらしてくれたりと、多くのメリットがあります。
理想のベランダ空間を実現するためには、信頼できるリフォーム会社を見つけることが何よりも重要です。
「何から始めたらいいかわからない」
「うちの場合はいくらくらいかかるの?」
そんな疑問や不安をお持ちでしたら、ぜひ一度「リフォームガイド」のコンシェルジュにご相談ください。リフォームの専門家が、あなたの理想のベランダづくりを、最初から最後まで親身にサポートさせていただきます。