
「押入れを使いやすいクローゼットにリフォームしたいけれど、どうしたらよいのだろう?」
「リフォームの方法に費用や価格、さらには失敗しないためにどうすればよいか?」
悩みは尽きないと思います。
こちらでは、押入れをクローゼットにリフォームする際の具体的な方法に加え、実際の費用や注意点についてもご説明いたしますので参考にしてみてください。
目次
1.押入れをクローゼットにリフォームする3種類の方法【事例付き】
押入れリフォーム方法は大きく分けると以下の3種類になります。
- 一般的なクローゼットへのリフォーム
- 簡易なクローゼットへのリフォーム
- ウォークインクローゼットへの大掛かりなリフォーム
まず、こちらの3種類のリフォーム方法についてそれぞれ説明いたします。
1-1.一般的なクローゼットへのリフォーム
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出典:https://chofu-nikka.com/works/mansion/20171218133158.html
外観と内部を、クローゼットとして機能するようリフォームするケースです。
最もよくあるタイプで次の3か所を変更します。
- 襖を扉に変更する
- 押入れ内部の棚を撤去する
- ハンガーパイプを設置する
1-2.簡易なクローゼットへのリフォーム
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/20378/
押入れの中にある布団収納のための中棚をなくして一つの大きな空間とし、上部にハンガーパイプを設置する簡易なクローゼットへのリフォームです。
襖のままでも、クローゼットとしての便利な機能は十分発揮してくれるうえ、工事も半日~と短い期間で終えられます。
1-3.ウォークインクローゼットへのリフォーム
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出典:https://nagoyamoriyama-nikka.com/works/naiso/20110920141335.html
押入れをウォークインクローゼットにリフォームする場合は、もとの押入れより広げる必要があるため、本来押入れのあった和室などの空間もリフォーム対象と考えるのが自然です。
ウォークインクローゼットのメリットとデメリット
部屋の中に作られる事が多く、広さは約1畳程度が多い押入れやクローゼットに対して、ウォークインクローゼットは広さが3畳分ほど確保されているのが一般的です。
メリットは収納を一か所にまとめられ、室内の片付けがしやすいことです。季節によって使用しなくなるような物でも収納場所が決まっているので次回使用する際、収納場所を忘れ、あちこち探すようなことがなくなります。
デメリットは、内部に歩くスペース分の面積が必要になるため、衣類収納を主とした壁面クローゼットに比べて、単位面積あたりに掛けられる衣類の数は少なくなります。
押入れをウォークインクローゼットにリフォームしたい場合は、ウォークインクローゼットに必要なスペースをどのように確保するのかを、まず考えましょう。
2.押入れをクローゼットにリフォームする際の費用相場
押入れリフォームはその内容や広さなどによって費用が変わってきます。
より正確な費用は実際に見積もりを頼むのが一番ですが、各ケースでリフォーム費用の目安がいくらなのか解説いたします。
2-1.押入れを一般的なクローゼットにリフォームする際の費用
リフォーム費用の目安:11万円〜20万円
前述した一般的なクローゼット(襖を扉に変更/押入れ内部の棚を撤去/ハンガーパイプ設置)へのリフォーム費用です。
費用の差は、もともとの押入れ自体の広さや、既存の押入れの状態などにより発生します。押入れの状態によっては、ハンガーパイプを設置する際に強度を上げるための下地作りが必要になるなど、それぞれの状況で費用は変わってきます。
また、クローゼットに機能性を追加した場合は、以下のような費用が追加で掛かります。
クローゼットへのリフォームを検討するときは、追加機能分の費用も見込んでおきましょう。
2-2.押入れを簡易なクローゼットにリフォームする費用
リフォーム費用の目安:2万5千円〜6万円
襖は残したまま、押入れ内部にある布団用の中棚を取外して洋服用のハンガーパイプを取り付ける簡易なクローゼットのリフォーム費用です。押入れの大きさや中棚の造りによって費用は若干増減します。
2-3.押入れをウォークインクローゼットにリフォームする費用
リフォーム費用の目安:20万円〜50万円
押入れ部分を無くして、周辺の空間と一緒にウォークインクローゼットにリフォームする際の費用です。押入れの周辺も一緒にリフォームをするため、状況に応じてリフォーム費用が大きく異なってきます。
押入れリフォームの費用について詳しくは以下の記事で解説しています。


3.押入れをクローゼットにリフォームする際の工事期間
押入れをクローゼットにリフォームするには、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。
クローゼットの種類ごとの工事期間の目安は以下の通りです。
- 一般的なクローゼット:約3日~4日
- 簡易クローゼット:約半日~2日
- ウォークインクローゼット:約7日~1ヶ月
いわゆる一般的なクローゼットにリフォームする場合、下地作りのための床の補強や、押入れ内部の補修、中棚の取り外しなどが主な工事作業です。
簡易クローゼットだと、押入れの中棚を取り外す、襖を扉に変えるといった工事内容がメインです。そのため一般的なクローゼットへのリフォームよりもさらに早く済みます。
一方で、ウォークインクローゼットは、押入れの一部を解体したり増設したり必要があり、工事も大がかりになります。そのため規模によりますが、大体7日~1ヶ月程必要になる可能性があります。
4.押入れをクローゼットにリフォームする際のポイント
押入れリフォ―ムの前に、抑えておきたいポイントがあります。クローゼットの使い勝手を左右する建具の選び方、収納する衣類に優しいクロスの選び方のポイントを説明させていただきます。
4-1.押入れの奥行きを活かした設計にする
布団を収納するため、一般的なクローゼットと比べて奥行きが広いことが特徴です。そのため押入れをクローゼットにリフォームする際は、取り出しやすさやデッドスペースができないことを意識して設計しましょう。
例えば、押入れは大容量ですので、衣類のほかにもバッグ類や小物、季節物をしまうケースなど、さまざまな大きさのものを収納できます。それらを効率よく収納できるよう、可動式の棚を取り付けたり、造り付けの棚を造作してもらうといいでしょう。
また、和室全体を洋室にリフォームするのであれば、さらに奥行きを拡張し、ウォークインクローゼットにするという手もあります。
ご家族がいる場合は、ファミリークローゼットとして家族の収納を一箇所にかためると、洗濯物をまとめて片づけられるなど、家事導線の短縮にもなります。
ウォークインクローゼットの間取りの考え方は、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。


4-2.クローゼットの扉は取り出しやすさ・開閉のしやすさで選ぶ
見落としがちなポイントですが、クローゼットに物を収納する際、取り出す際の使い勝手は、扉の形状に大きく左右されます。
引き戸、折れ戸・開き戸、様々なタイプの建具の中からクローゼットの扉を選ぶ際は、クローゼットの特性を最大限に活かせる扉を選びましょう。
折れ戸
大きく開閉でき、内部を見渡しやすいのが折れ戸です。丈の長いコートなど、ハンガーに掛けた衣類を取り出しやすく使い勝手の良さが大きなメリットです。折れ戸を選ぶ際は扉がフルオープンできるものを選ぶとよいでしょう。
また、開閉がスムーズであることもストレスなく使用するためにはとても大切です。
引き戸
引き戸であれば、狭いスペースでも開閉がしやすいのでおすすめです。引き戸はクローゼット近くに家具があっても、扉がぶつからないためです。ベッドのある寝室のクローゼットなどの場合もこちらのケースに該当します。
開き戸
フルオープンでき内部を見渡しやすい折れ戸や、省スペースで開閉できる引き戸と比べ、開き戸に特別なメリットはありません。どうしても開き戸にしたいといった強い理由が無ければ、折れ戸か引き戸にしたほうが使い勝手が良いでしょう。
4-3.クローゼット内のクロスは「調湿」性能のあるものを選ぶ
クローゼットは、「物を収納する」という本来の特性から考えても空気の流れが滞りがちで湿気がこもりやすく、カビが生えやすい場所の一つです。リフォームの際、少し予算をプラスして調湿効果のあるクロスや壁材を選ぶとカビ対策など衣類にも安心でしょう。
調湿性のある壁クロスは通常の壁クロス同様、多用な色やデザインなど見た目に加えて、「吸放湿性壁紙」と「通気性壁紙」、さらに天然素材となる「珪藻土壁紙」などが用意されています。間口(幅)約1m前後、高さ約2m前後の通常の押入れの大きさであれば、調湿効果のある壁クロスを張る費用の予算は、通常のリフォーム工事費にプラスで1万円〜2万円程度からとなります。
また、最近ではデザインタイルの「エコカラット」なども人気があります。エコカラットは、粘土鉱物などを焼成したデザインタイルで、湿気が多いときには吸い、少ないときには吐き出してくれるのでベストな湿度を保つことができる商品です。臭いを吸収する機能も備えており、追加費用も3万円程度から可能です。
予算に余裕があるようなら、せっかくのリフォームなので後々、湿気やカビなどで悩まないよう壁材自体で出来る湿気対策をおすすめいたします。
5.押入れをクローゼットにリフォームするときの注意点
押入れをクローゼットにリフォームする際、特に注意したいのは以下の2点です。
- カビ・結露対策
- 床の構造を確認
5-1.カビ・結露対策
押入れは普段から閉め切っていることが多く、湿気が溜まりやすい場所です。窓や換気扇もないので湿気が放出されず、結露となりカビの発生の原因になってしまうこともあります。特に北側にある押入れは結露ができやすいので、注意が必要です。
リフォームの際は、押入れの内側部分に断熱材や防カビ効果のある素材を取り入れるようにしましょう。また窓を設置したり、扉をルーバータイプにしたりして、通気性を上げるのも効果的です。
5-2.床の構造を確認
押入れをクローゼットにリフォームする際、気を付けたいのが床の強度です。元々押入れは人が立ち入る想定がされていないため、床が頑丈につくられていません。押入れの床が板1枚のみで強度が弱く、リフォーム後に床を踏んだら抜けてしまったという話もあります。特に築年数の経った家の場合、経年劣化で押入れの床がさらにもろくなっている可能性があります。
クローゼットにリフォームする際には、タンスや重い荷物を入れても大丈夫か、床の強度を事前に確認しておきましょう。強度が足りないようであれば、補強工事が必要となります。
6.DIYで押入れをクローゼットにリフォームできる?
簡易クローゼットであれば、DIYで押入れをリフォームすることはできます。簡易クローゼットだと襖を外してハンガーパイプを設置するだけなので、DIY初心者でも比較的挑戦しやすいでしょう。
一方、押入れから一般的なクローゼットへのリフォームは、主に以下の手順で行います。
- 押入れの解体
- 内部の補修
- 内部の補強
- 押入れをクローゼット仕様にする
上記の工程は断熱材を入れたり床を補強したりとかなり本格的なDIYとなるため、よほどDIYに精通していない限りはおすすめできません。一般的なクローゼットやウォークインクローゼットにリフォームする場合は、業者に依頼するのが良いでしょう。
7.押入れのリフォーム費用を抑えるには?
もっとも押入れのリフォーム費用を抑えられるのはDIYですが、初心者がクローゼットをつくるのは至難の業です。失敗して、業者に依頼することになっては二度手間ですし、費用も余計にかかってしまいます。
押入れのリフォーム費用を抑えるには、リフォーム業者選びが重要です。
大手リフォーム業者は保証やアフターサービスが充実していますが、広告費や各地の営業所の運営費などにも経費をかけています。また、施工に下請けや孫請けを使っているところも多く、こうした手数料や経費がかさむ分、リフォーム費用が高く設定される傾向にあります。
地域密着型のリフォーム業者の場合、広告にあまりお金をかけず施工も自社一貫で行うところが多いです。そのため大手のように経費や手数料でリフォーム費用が高くなるという心配がありません。
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8.まとめ
押入れをクローゼットにリフォームする場合は予算を低く抑えた簡易ケースから、ウォークインクロ-ゼットへのリフォームなど大掛かりなケースまで費用や工期もさまざまです。実際に工事プランを立てないと正確な費用・工期はわかりませんので、まずはリフォーム会社に見積もりを依頼してみましょう。
その他の収納のリフォームの費用感・工期等はこちらの記事も参考にしてください。

