
「押入れに収納した物が取り出しにくい」「押入れに何を入れたか思い出せない……」
このようなお悩みは、クローゼットにリフォームすることで解決できる可能性があります。
しかし、リフォームをして本当に使いやすくなるのか、不安に思う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、押入れやクローゼットのメリット・デメリット、押入れをクローゼットにリフォームする3つの方法をご紹介します。
費用や事例、成功のためのポイントなど、リフォームに対する疑問を解消できる内容になっているので、押入れをクローゼットにリフォームしてみたい方はぜひ参考にしてください。
目次
1.押入れはクローゼットにリフォームするべき?
押入れをクローゼットにリフォームした方がよいかはケースバイケースです。
まずは、押入れのメリット・デメリット、クローゼットにリフォームした場合のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
1-1.押入れのメリット・デメリット
押入れは、奥行きの深さが使いづらさの原因ですが、季節家電のように大きな物を収納できるというメリットがあります。
| ■押入れのメリット |
|---|
| ・スペースが広く、大きな物や季節家電を収納できる ・棚や仕切りを上手く使うと、多くの物を収納できる ・襖は家具の配置が制限されない |
| ■押入れのデメリット |
| ・奥行きが深く、奥に収納した物が取り出しにくい ・湿気やカビに悩まされやすい ・襖が破れやすく、劣化しやすい |
1-2.クローゼットにリフォームした場合のメリット・デメリット
押入れをクローゼットにリフォームすると、衣類をハンガー掛けで収納できるので、管理がしやすくなります。
| ■クローゼットにリフォームするメリット |
|---|
| ・物を出し入れしやすくなる ・多くの衣類をハンガー掛けで収納できる ・収納全体を見渡せるので、管理がしやすくなる (折れ戸・開き戸の場合) ・リフォーム時に湿気・カビ対策ができる |
| ■クローゼットにリフォームするデメリット |
| ・リフォーム費用がかかる ・扉を開閉するために、家具の配置が制限されることがある (折れ戸・開き戸の場合) ・内部収納によっては、大きな物を収納しにくい |
1-3.押入れをクローゼットにリフォームしたほうがよいケース
以下のチェックポイントに該当する場合は、クローゼットへのリフォームを検討しても良いでしょう。
- 押入れがいつの間にか物置のようになってしまう
- 押入れに何を収納しているか思い出せない
- 押入れ内部や襖の傷み・劣化が気になる
- ハンガー掛けにしたい衣類が多くある
- 衣類を頻繁に出し入れする
2.押入れをクローゼットにリフォームする3種類の方法・費用
押入れをクローゼットにリフォームするには、簡易的な工事からウォークインクローゼットへのリフォームまで、大きく3つの方法があります。
2-1.簡易的なクローゼットへのリフォーム

布団収納のための中段を取り外し、上部にハンガーパイプを設置する簡易的なリフォームです。襖をそのまま使うことで、コストを大幅に抑えられます。
費用は、2万5千円~6万円程が目安です。
2-2.一般的なクローゼットへのリフォーム

中段の取り外しとハンガーパイプの設置に加えて、襖から扉への交換を行います。他にも、湿気・カビ対策工事、床下地の補強工事を行う場合もあります。
一般的なクローゼットへのリフォームは、内装から外観までリフォームするので、見た目も使い勝手も一新できるのがメリットです。
費用は、押入れのサイズや工事範囲によって異なりますが、15~20万円程が相場になります。
2-3.ウォークインクローゼットへのリフォーム

押入れをウォークインクローゼットにリフォームする場合は、押入れを3畳程度の広さに拡張する必要があります。
押入れのある部屋や周辺の空間を一緒にリフォームするので、工事の規模も大きくなるのが一般的です。そのため、費用も20~50万円程と高額になる傾向があります。
ウォークインクローゼットは、衣類を一括管理できたり、片付けがしやすくなったり、衣類管理の手間が省けることがメリット。ご家庭によっては検討する価値があるでしょう。
一方で、クローゼット内に通路を必要とするので、面積に対して収納できる衣類の量が少なくなるというデメリットがあります。
3.押入れをクローゼットにリフォームした事例
押入れをクローゼットにするリフォームは、畳を残す場合もあれば、フローリングに変える場合もあります。様々な事例を見てみましょう。
3-1.押入れと和ダンスをクローゼットにリフォーム
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出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-11756/
押入れと和ダンスを大きなクローゼットにリフォームした事例です。
板張りだった壁をクロス貼りにする工事も一緒に行い、洋室として空間が一新されました。
| 費用 (その他工事費用含む) |
44.7万円(税込) |
|---|
3-2.押入れと和室の一部をウォークインクローゼットにリフォーム
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/refo310806/
押入れを拡張してウォークインクローゼットにリフォームした事例です。和室の一部をウォークインクローゼットに取り込み、残りの空間はLDKと一体化させています。
掛けた衣類の下にもタンスを収納し、枕棚にも収納ボックスを配置。上から下まで余すところなく、空間活用できるウォークインクローゼットになりました。
3-3.押入れを内部収納付きのクローゼットにリフォーム
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/20538/
一般的な押入れをクローゼットにリフォームした事例です。
枕棚とハンガーパイプに加えて、右側には可動棚を設置。可動棚には畳んだ衣類や鞄などを収納できます。
収納用品を用意しなくても、すぐに使える便利なクローゼットです。
3-4.畳を残して押入れをクローゼットにリフォーム
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出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2204
畳を残しつつ、お部屋全体を洋風にリフォームした事例です。
押入れの中段は残して、天袋は撤去。枕棚とハンガーパイプを新設しています。
扉は洋風引き戸に交換し、畳の良さを残しながらも洋風のお部屋に生まれ変わりました。
| 費用 (その他工事費用含む) |
55万円 |
|---|---|
| 工事期間 | 5日間 |
4.押入れをクローゼットにリフォームする際の工事期間
押入れをクローゼットにリフォームする際の工事期間は、半日から1か月程度と工事の規模によって様々です。
| クローゼットの種類 | 工事期間 | 工事内容 |
|---|---|---|
| 簡易的なクローゼット | 約半日~1日 | 中段の撤去、ハンガーパイプの設置など 1日で終わる工事が多い |
| 一般的なクローゼット | 約2日~5日 | 天袋や中段の撤去、扉の変更に加え 床の補強や内装工事なども行う |
| ウォークインクローゼット | 1週間~1か月 | 押入れを解体し、周辺の空間も一緒に ウォークインクローゼットにリフォームする |
■工事中の生活への影響は?
押入れをクローゼットにするリフォームは、住みながら行うことがほとんど。生活にはどのような影響があるのでしょうか。
4-1-1.騒音やホコリの問題
押入れに限らず、リフォームには騒音やホコリがつきものですが、工夫できることもあります。
音が気になる場合は、貴重品の管理をした上で外出しても問題ありません。事前にリフォーム会社に外出する旨を伝えておきましょう。
4-1-2.プライバシーの問題
工事中は職人が家の中に長時間いることになります。
作業時間や立ち入るエリアの確認、トイレ使用の有無など、気になることは遠慮せずに確認しておきましょう。
4-1-3.物や家具の置き場の問題
工事前には、押入れ内の物は出し、周辺の家具は移動しておかなくてはなりません。それらをどこに置いておくか、事前に検討する必要があります。
トランクルームの活用を含め検討しておきましょう。
5.押入れからクローゼットへのリフォームを成功させるための5つのコツ
押入れからクローゼットへのリフォームには5つのコツがあります。
内部収納の計画からカビ対策まで、知っておきたいポイントをご紹介します。
5-1.収納したい衣類やアイテムの量を把握しておく
まず、クローゼットに収納したい衣類や物の総量を大まかに把握しましょう。リフォームを機に、不要な物を整理して断捨離するのもおすすめです。
その上で、衣類の収納方法を検討します。ハンガーに掛けて収納する衣類が多いのか、それとも畳んで収納する衣類が多いのかを確認しましょう。
5-2.押入れの奥行きを活かした設計にする
衣類やアイテムの量、収納方法の方向性が定まったら、次は押入れの奥行きを活かした内部収納を検討します。
物の出し入れのしやすさ、デッドスペースを活用することを意識して計画しましょう。
内部収納は造り付けにする方法もありますが、メーカー品にも押入れの奥行きを活かせる商品があります。
ハンガーパイプを手前に設置し、使用頻度の低いアイテムを奥に収納すれば、前後の空間を有効に使うことも可能です。

5-3.クローゼットの扉は開閉のしやすさ・家具配置のしやすさで選ぶ
クローゼットの扉は、内部が大きく見渡せる「折れ戸」、開閉スペースが不要な「引き戸」、開け閉めが簡単な「開き戸」の3種類です。コストを抑えたい場合は、ロールスクリーンという選択肢もあります。
それぞれ開閉のしさすさや使い勝手、家具配置のしやすさなど、特徴が異なります。
■折れ戸

大きくスムーズに開閉でき、内部を見渡しやすいのが折れ戸です。
ただし、扉の可動域には物や家具を置けない点には注意が必要です。
■引き戸

引き戸であれば、クローゼット近くに家具があっても、扉がぶつからないため狭いスペースでも開閉がしやすくおすすめです。
ただし、片側しか開けることができないためクローゼット内部全体を見渡すのは難しいです。
開き戸

折れ戸や引き戸と比べて扉をフルオープンできるので、クローゼット全体を見渡せるのが開き戸のメリット。
ただし、扉の可動域が大きいため扉付近には物や家具を置けない点は理解しておきましょう。
ロールスクリーン

扉の設置に比べて安価で導入できるのがロールスクリーン。
人が立って出し入れするスペースがあれば、家具の配置に制限がないのもうれしいポイントです。
ただし、開け閉めが頻繁になると負担になるので、設置を検討する際は普段の手間や使い方も考えたうえで導入しましょう。
5-4.結露・カビ対策はしっかり行う
押入れは湿気がたまりやすい場所ですが、リフォームを機に対策することもできます。
一つ目は、断熱材を施工することです。断熱することでクローゼット内の結露を防ぎ、カビ対策になります。
二つ目は、調湿性能のある内装材を選ぶことです。
一般的なビニールクロスは結露する場合があるので、調湿性能が高い「押入れボード」がおすすめ。押入れボードとは、表面化粧された石膏ボードのことで、そのまま仕上げ材として使えるものです。
他にも、調湿性能のある壁紙を使う方法もあります。
ジャケット類はハンガーに掛けておき、湿気が飛んでからクローゼットに仕舞いましょう。
5-5.床の補強工事を行う
押入れは、布団や軽い衣類の収納としてつくられており、居室の床に比べて強度がありません。
押入れからクローゼットにリフォームして中段がなくなると、物を取るために人がクローゼット内に立ち入るのが自然と考えられます。また、重量のあるタンスを置く可能性もあるでしょう。
このようなことを考慮すると、床の補強工事は行ったほうが安心です。
6.押入れからクローゼットへリフォームするときによくある質問
押入れからクローゼットへのリフォームでよくある質問をまとめました。
リフォームを検討する前に疑問を解消しておきましょう。
6-1.DIYで押入れからクローゼットにできますか?
ただし、中段を外したり、折れ戸を取り付けたり、本格的なクローゼットにしたい場合は、工事の難易度が上がります。基本的には、リフォーム業者に依頼することをおすすめします。
6-2.押入れはクローゼット以外の用途にリフォームできますか?
最近では、リモートワークの普及に伴い、ワークスペースや書斎にリフォームする事例も多く見られます。
他にも、押入れの奥行きを活かして、2部屋分の収納をつくる方法もあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。


6-3.費用を抑えて押入れをクローゼットにする方法はありますか?
6-3-1.扉にかかる費用を抑える
クローゼットは扉にかかる費用が大きいので、扉を付けなければ費用を抑えられます。
クローゼット内を見せたくない場合は、ロールスクリーンやカーテンがおすすめ。低コストで目隠しができます。
また、襖を洋風引き戸に変えるリメイクシートも販売されているので、お部屋の雰囲気に合わせて変えてみるのもおすすめです。
6-3-2.複数の会社から相見積もりをとる
同じ予算と要望を伝えても、リフォーム会社によって見積もり金額は異なるのが一般的です。そのため、複数の会社から相見積もりをとって、相場を把握することが重要になります。
ただし、見積もり金額の安さだけで業者を選ぶのはやめましょう。見積もり金額を安く提示し、追加費用を請求するような悪質な業者もいるからです。
比較検討の際は3社程度に見積もりを依頼し、適正価格で請け負ってくれる業者を見極めましょう。
また、見積もり金額だけでなく、リフォームの提案内容も会社によって様々です。
だからこそ希望を叶えてくれる会社に出会うためにも、提案内容までしっかり吟味しましょう!
リフォーム会社選びに悩んだらリフォームガイドの活用がおすすめ
相見積もりの必要性は前述のとおりですが、そうは言ってもたくさんのリフォーム会社の中から、希望に合うリフォーム会社を探し出すのはとても大変な作業です。
複数社とのやり取りで混乱したり、疲れてしまったりするかもしれません。
コンシェルジュに希望のリフォーム内容を伝えるだけで、内容に合わせて内装リフォームを得意とする優良業者をご紹介しております。
やり取りの手間を省きたい、プロのコンシェルジュに相談しながら会社選びを進めたいとお考えの方は、ぜひお気軽にリフォームガイドをご活用ください
6-4.クローゼットを有効活用するコツはありますか?
クローゼット内に物を詰め込み過ぎず、空間に「余白」を残すこともポイント。出し入れがスムーズなクローゼットは、リバウンドも防げます。
もし、「自分ひとりで計画して、使いやすいクローゼットになるか不安」と感じるようでしたら、整理収納アドバイザーが在籍するリフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。
整理収納のプロが、現在の持ち物やクローゼットの使い方に合わせて、最適なリフォームプランを提案してくれます。
7.まとめ
押入れをクローゼットにリフォームするには、DIYによる簡易的な工事からウォークインクローゼットへのリフォームまで、様々な方法があります。
また、クローゼットのリフォームを成功させるためには、クローゼットを作るだけでなく、収納する衣類や物を厳選し、それに合わせた内部収納を計画することも大切です。
とはいえ、今ある押入れをクローゼットにリフォームすることで、どのくらいの衣類を収納できるのか判断するのはなかなか難しいもの。
失敗や後悔をしないためにも、収納リフォームのプロに出会えるリフォームガイドをぜひご活用ください。








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