
新築マンションを購入する場合、オプションで間取りや内装など一部を変更することができます。しかし「オプションでは個性が出せない」「意外にも見積もりが高くて驚いた」といった声も少なくありません。
新築マンションのオプションだけでは納得のいく住まいが作れないと感じたら、リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
「新築なのにリフォームってありなの?」と思うかもしれませんが、新築だからこそリフォームがおすすめ。長く住むことになるため、リフォームして満足した状態で新生活をスタートさせましょう。
今回は新築マンションのリフォームでできる工事内容をお伝えし、実際のリフォーム事例やアドバイスもご紹介します。
目次
1.新築マンションのリフォームは引き渡し後に行う
新築マンションのリフォームは、原則として「引き渡し後」に行われます。
「引き渡し前」に実施するなら、マンションを建設しているデベロッパーのオプション内でのカスタマイズがほとんどです。
引き渡し前なのか後なのかでリフォームできる内容は違ってくるので、それぞれの段階でできることを整理したいと思います。
引き渡し前:オプション範囲内のカスタムのみOK
メリット:引き渡し時には工事が完了した状態なのですぐに住める
デメリット:オプションの選択肢は少ない
引き渡し前の段階では、基本的にオプションの範囲内でカスタマイズすることになります。
というのも、引き渡し前のマンションの所有権はデベロッパーにあるため、買主が外部の業者を入れてリフォームすることはできないからです。
オプションでカスタマイズできる例
- 棚やミラーを設置する
- エコカラットの取り付け
- コンセントを増設する
- キッチンや浴室のアップグレード
購入後に開催されるオプション会で注文すると、引き渡しまでにすべての工事が完了するため、入居後すぐに快適な生活を始められます。
なお、デベロッパーによってはオプション外の対応をしてくれる場合もありますが、基本的にオプションでできる選択肢はあまり多くないと思っておきましょう。
引き渡し後:自由度の高いリフォームができる
メリット:間取り変更など自由度の高いリフォームが可能
デメリット:引き渡し後からの着工になるため入居までに時間がかかる
「オプションで気に入るものが見つけられなかった」「もっと考える猶予がほしい」と思ったら、引き渡し後にリフォームするのがおすすめです。
部屋の所有権がデベロッパーから自分たちに移った状態なので、間取り変更などの大胆なリフォームも自由度高く行えます。オプションは限られた選択肢から選ばなくてはいけませんが、引き渡し後のリフォームなら素材も大きさも自由に選べるのもメリット。
またオプション会は申し込み締切が決まっているため、じっくり考える猶予がないこともあります。内装にこだわりがあり、じっくりと考えたい場合は引き渡し後にリフォームするのもよいでしょう。
2.新築マンションリフォームでできること
ここでは、新築マンションのリフォームでできることを紹介します。
床材や壁材の変更
オプションで気に入る壁材や床材が見つからなかった場合、リフォームしてお気に入りの素材に変更できます。
変更できる床材の例
-
- 無垢材
- フロアタイル
- クッションフロア
- 合板フローリング
- カーペット
- コルク
変更できる壁材の例
- アクセントクロス
- 塗り壁
- タイル
- エコカラット
- 木
例えばマンションの床は防音規定の関係で、合板フローリングを採用することが多いのですが、無垢材の温かみのある雰囲気を楽しみたい場合もあるでしょう。
オプションで無垢材のフローリングを取り扱っていない場合、引き渡し後にリフォームすることで無垢材のフローリングに変更できます。
ここで注意点!
マンションの床材には防音規定があるため、無垢材のフローリングにする場合は防音材を貼るなどの対策が必要です。
マンションの床リフォームについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。


また、塗り壁や木の壁など特殊な材料を使用する場合、オプションでは取り扱いがない場合もあります。エコカラットのようにオプションで取り扱いがあっても、種類がありすぎて期限内に満足に決められなかったというケースも。
特殊な材料を使いたい場合や、じっくり考えて決めたい場合も、リフォームが適しています。
建具の変更
建具とは、ドア、窓、障子などの総称です。画一的な建具では満足できない場合、建具もリフォームできます。
変更できる建具の例
- 開き戸を引き戸に変える
- 開き戸を折れ戸に変える
- 和室の引き戸を障子にする
例えば家全体を和モダンな雰囲気にしたい場合、既存の洋風な開き戸では浮いてしまうことも。建具を引き戸に変更すると、和と調和してより統一感のある雰囲気になります。
建具の中でも、屋外に面した窓や玄関ドアは共有部分にあたり、リフォームできないことが多くなっていることには注意が必要です。
お住まいになるマンションの管理規約を確認し、事前にリフォームできる範囲を把握することをおすすめします。
設備の変更
キッチン、浴室、洗面所、トイレ、コンセントの数、床暖房などを後から変更したいときは、リフォームが適しています。
変更できる設備の例
- キッチンをアップグレードしたり造作する
- 浴室をアップグレードする
- 洗面台をアップグレードする
- トイレをアップグレードする
- コンセントを増やす
- 床暖房を入れる
例えば浴室をヒノキの浴槽と石の床にしたい場合、オプションで対応できることはまれです。引き渡し後のリフォームであれば、特殊な浴室でも対応できます。
家具の造作
オプションで取り扱うオーダー家具には限りがあり、価格も高い傾向にあります。
とはいえ、マンションのつくりにピッタリ合う既製家具を探すのは難しく、雰囲気も統一しにくいでしょう。
自由度が高く、オプションよりも価格を抑えたい場合、オーダー家具がおすすめです。
造作できる家具の例
- カップボード
- テレビボード
- 収納棚
- カウンターテーブル
インテリアコーディネーターがいるリフォーム会社に依頼すれば、相談しながら家具をオーダーできるので、理想の住まいを叶えやすくなります。
照明プランの見直し
気に入った部屋であっても、内覧時に「照明が思っていた雰囲気と違う」「この照明だと納得できない」となることもあるでしょう。
照明プランもリフォームで変更できるので、気になる場合はリフォームがおすすめです。
照明プランの変更でできることの例
- ダウンライトを付ける
- 間接照明を付ける
- ダクトレールを付ける
自分では照明プランが立てられない場合、インテリアコーディネーターに相談しながら進めると希望通りの雰囲気に近づけられます。
間取り変更
そもそもマンションの間取りに満足できない場合、間取り変更リフォームも可能です。
間取り変更でできることの例
- 和室(洋室)の間仕切り壁を取り払いLDKとつなげる
出典:https://www.artreform.com/example/8438/
- 和室を洋室にする(洋室を和室にする)
出典:https://www.artreform.com/example/862/
出典:https://www.artreform.com/example/889/
- 居室の一部をウォークインクローゼットにする
和室または洋室がLDKと隣り合う場合、間仕切り壁を取り除けばLDKの面積が広くなります。個室の数はたくさんいらないから、その分LDKを広々とさせたい方におすすめです。
和室を洋室に変更する、反対に洋室を和室にするリフォームも可能です。和室をそのまま活かし、小上がりにすることも。
収納を増やしたい場合、クローゼットを拡張したり、居室の一部を取り込んでウォークインクローゼットに変更することもできます。
3.新築マンションのリフォーム事例
ここからは新築マンションをリフォームした事例を2つ紹介します。
事例①キッチンの壁をガラスに変更した開放的なキッチン
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出典:https://www.artreform.com/example/828/
お施主様から閉鎖的なキッチンを開放的にしたいとのご要望を受け、レンジフード前の壁を取り除いた事例です。コンロ前にフチガラスを取り付けたことで、ダイニング側に飛び散る汚れを防ぎつつ開放感のある空間になりました。
元々真っ白だった腰壁には木目調のエコカラットを貼り付けてシックな雰囲気に。腰壁上の笠木はメラミンを採用しています。細部までとことんこだわることで、納得のいく新居にリフォームできました。
事例②カップボードと内装をリフォームしイメージ通りの住まいに
LDKにアクセントクロスを採用
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LDKの壁が一般的な白の壁だったため、グレーのアクセントクロスを貼りました。白の壁にモダンなグレーのクロスが映える、おしゃれな住まいが完成しています。
カップボードを新設
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市販のカップボードだと、ぴったりなものを見つけるのは難しいのですが、オプションのオーダー品では満足できないこともあるでしょう。
こちらは引き渡し後にオーダーメイドのカップボードを取り付けています。キッチンの雰囲気にも合う、大容量の収納ができました。
玄関にエコカラットを貼り付け

玄関にエコカラットを貼り付けるリフォームも行いました。玄関にエコカラットを採用するメリットは、見た目のよさはもちろん臭いを吸収する機能があること。湿度も調整してくれる、まさに玄関にうってつけの素材です。
洋室にアクセントクロスを採用

洋室の壁にもアクセントクロスを採用。ベージュのストライプで落ち着きのある可愛らしい雰囲気に仕上がりました。
出典:株式会社マエダハウジング
4.新築マンションをリフォームするなら知っておきたい注意点
新築マンションをリフォームするときは、いくつか覚えておきたい注意点があります。
リフォーム可能範囲は管理規約を確認する
新築マンションのリフォームは、マンションの管理規約によって可能な範囲が定められています。
リフォームできない部分として代表的なのが、共有部分にあたる窓、玄関ドア、ベランダ、PS(パイプスペース)など。共有部分はマンション全体で管理している部分なので、多くの場合管理規約でリフォームが禁止されています。
またマンションの構造に関わる壁は取り除けないので、必ずしも希望する間取りに変更できるとは限りません。管理規約によっては、水回りの移動を禁止していることも。希望するリフォームができるかどうか、必ず管理規約を確認しましょう。
リフォーム箇所はデベロッパーによる保証の対象外
新築マンションの場合、キッチンや浴室などの設備は数年間のアフターサービスが提供されます。
しかし、リフォームをした箇所は引き渡し時の設備とは異なるため、保証対象外となります。リフォーム箇所に不具合があったとしても、デベロッパーによる保証は受けられないことを覚えておきましょう。
事前にデベロッパーへ相談する
新築マンションをリフォームしたい場合、まずはデベロッパーに相談するとよいでしょう。要望を伝えることで具体的なアドバイスをもらえたり、リフォームを請け負うグループ会社を紹介してくれることもあるからです。
ただし、紹介してくれた会社が自分のリフォームの希望や趣味と合わない可能性もあります。1社のみの見積りでは他社と価格が比較できないので、相場を知るためにも相見積もりを取ったほうがよいでしょう。
自分で近場のマンションリフォームをしてくれる会社を見つけるのは大変なので、希望の条件に合う会社を複数紹介してくれるサービスを利用するのがおすすめです。新生活でバタバタして、リフォーム会社を探す時間が取れない場合は、ぜひ利用してみてください。
5.まとめ
新築の分譲マンションに納得できない場合、リフォームをすることで希望の住まいを叶えられることも。
躯体や共有部分に関わる部分以外はほとんど変更できるため、気になる部分は入居前にリフォームして、気持ちよく新生活をスタートさせましょう。
ただし、マンションの管理規約によってできる部分とそうでない部分が分かれてくるので、必ず管理規約を確認してください。
希望のリフォームを希望の予算内で叶えるためにも、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
リフォームガイドなら担当者に希望の内容を伝えるだけで、条件に合う会社を複数紹介できるので、相見積もりを取るのも簡単です。リフォーム会社を探すのが大変だと感じる方は、ぜひご利用ください。