シリコン塗料のメリット・デメリット!費用と耐用年数を他の塗料と比較

外壁塗装の塗料選びで悩んでいる方に、シリコン塗料の特徴や選び方を紹介します。シリコン塗料は、耐久性が高く汚れにくいことから、多くの住宅で採用されている人気の塗料です。

耐用年数は約15年で、比較的高価なフッ素塗料と安価なウレタン塗料の中間に位置し、費用対効果の高さが特徴です。ただし、施工方法や業者選びによって仕上がりに差が出やすいため、適切な知識を持って選ぶ必要があります。

本記事では、シリコン塗料のメリット・デメリットから、具体的な費用、業者選びのポイントまでを詳しく解説します。

外壁リフォームの費用と相場


1.シリコン塗料の特徴と種類

住宅の外装を保護し、美観を保つ外壁塗装において、シリコン塗料は耐候性と耐久性に優れ、コストパフォーマンスの高さから多くの家で選ばれています。

その基本的な特徴から種類まで、詳しく見ていきましょう。

1-1.シリコン塗料とは

シリコン塗料は、合成樹脂を主成分とする塗料で、特に外壁や屋根の塗装に広く使用されています。

一般的な耐用年数は約15年と長く、耐候性や耐久性に優れているのが特徴です。

また、汚れを防ぐ性能も高く、美観を長期間保てることから、住宅の外壁塗装では定番の選択肢となっています。

近年では環境にも配慮した製品が開発され、施工実績も豊富なことから、多くの塗装の専門家から信頼を得ています。

1-2.シリコン塗料の種類

シリコン塗料にも種類があり、水性系と油性系、そして1液型と2液型と細かく分類することができます。

油性系は耐久性が高いが、臭いに注意

水性系の塗料は、水で希釈して使用するため環境への負荷が少なく、価格も比較的安価です。

一方、油性系はシンナーで希釈するタイプで、優れた耐久性を持ちますが、特有の刺激臭があります。

近年は水性系の性能も向上し、油性系に匹敵する耐久性を持つ製品も登場しています。臭気が気になる場合は、事前に塗装業者と相談し、近隣への配慮も含めた施工計画を立てることをおすすめします。

1液型と2液型は「価格・耐久性・施工の難しさ」に影響

水溶性・油溶性からさらに細かく分けると、1液型・2液型という分類ができます。1液型と2液型の違いを覚える必要はありませんが、価格・耐久性・施工の難しさに影響しますので、簡単に説明します。

1液型は硬化剤があらかじめ配合されているため扱いやすく、安価という特徴があります。
2液型は塗料と硬化剤を現場で混合して使用します。価格は1液型と比べて高くなりますが、高い耐久性が期待できます。

ただし2液型は、職人の技量が仕上がりに大きく影響するので、施工業者の選定が重要になります。

外壁塗装を慎重に行いたい方は、具体的にどのような塗料を使うのかを業者と事前に相談し、納得したうえで進めましょう。

また塗料の選定時には、メーカーの実績や品質保証内容についても確認しておくと安心です。

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2.シリコン塗料を使うメリットとデメリット

以下では、シリコン塗料のメリットやデメリットを紹介していきます。シリコン塗料を使うメリットとデメリットを把握しておけば自宅に適しているかどうかが判断しやすくなるでしょう。

2-1.メリット

シリコン塗料は耐久性や耐候性に優れ、メンテナンス性も高いことから、多くの住宅で選ばれています。

長期的な資産価値の維持と、維持管理の手間やコストの削減を両立できる、特に注目したい塗料です。

具体的なメリットを見ていきましょう。

耐久性が高い

シリコン塗料は、住宅用塗料の中でも高い耐久性を誇り、適切な施工で約8~15年の寿命を実現できます。塗膜は強固で防水性・撥水(はっすい)性に優れ、600度という高温にも耐える耐熱性を持っています。

さらに、紫外線や酸性雨による劣化も起こりにくく、耐候性も抜群です。

このため、長期にわたって住宅に住み続ける予定の方にとって、信頼できる選択肢となっています。特に日本の気候条件下での実績が豊富で、その性能は実証済みです。

また、塗膜の強度が高いことから物理的な衝撃にも強く、建物の美観を長期にわたって保つことができます。

汚れにくい

シリコン塗料の大きな特徴は、表面の滑らかさが長期間維持されることです。この性質により、ほこりや排気ガスなどの汚れが付着しにくく、たとえ付着しても雨水で自然に洗い流されやすいというメリットがあります。

近年では、セラミックを配合した高機能タイプも登場し、さらに優れた防汚性を実現しています。

また、光沢の持続性も優れており、新築時の美しい外観を長期間保つことができます。特に交通量の多い道路沿いや工業地域近くの住宅では、この汚れにくい特性が大きな魅力です。

種類が豊富にある

日本ペイント株式会社をはじめとする多くのメーカーが、シリコン塗料の開発と販売に注力しています。その結果、豊富なカラーバリエーションに加え、性能面でも選択肢が広がってきました。しなやかな塗膜を形成する高弾性タイプから、標準的な普及品まで、予算や要望に応じた製品選びが可能です。

また、近年では環境配慮型の製品も増えており、建物の特性や施工条件に合わせて最適な製品を選択できます。さらに、光触媒機能や防カビ性能を付加した特殊タイプなど、機能面でも進化を続けており、住宅の立地環境や使用目的に応じて、より細かな要望にも対応できるようになっています。

>>セラミック塗料とは
>>光触媒塗料とは

2-2.デメリット

シリコン塗料は優れた特性を持つ一方で、いくつかの課題も抱えています。適切な対策を講じるためにも、これらのデメリットをしっかりと理解しておきましょう。

他の塗料よりもひび割れが起こりやすい

シリコン塗料は硬い塗膜を形成することから、建物の動きにあまり柔軟に対応できないというデメリットがあります。地震などの揺れや振動が発生したとき、塗膜も一緒にひび割れてしまうリスクが高くなります。

そのため、もともとひび割れが起こりやすいモルタル外壁の場合は、下地塗料に弾性機能のある別の塗料を使うことをおすすめします。

または、弾性シリコン塗料と呼ばれるシリコン塗料の中でも伸びやすい性質の塗料を検討しましょう。

重ね塗りが難しい

シリコン塗料は高い撥水性を持つため、将来的な塗り替え工事の際に新しい塗料との密着性が悪くなる傾向があります。

そのため、適切な下地処理や相性の良い下塗り材を使用するなど、確実な施工ができる業者でなければ、塗膜がはがれやすくなる恐れがあります。

再塗装の際は、シリコン塗料の特性を十分に理解した経験豊富な業者に依頼することが重要です。
今回依頼する会社が、次回の塗り替えでも安心して依頼できるかどうか見極めるため、実績や技術力を確認しておきましょう。特に施工時の温度や湿度の管理、下地の状態確認、適切な塗料の選定など、細かな技術的配慮が必要になるため、施工の工程で気になることを質問してみるといいかもしれません。
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3.シリコン塗料の費用相場と耐用年数

以下ではシリコン塗料の費用相場と耐用年数を紹介します。

具体的な費用と耐用年数を知っておけばメンテナンスの計画を立てやすくなるでしょう。

3-1.シリコン塗料の費用相場

シリコン塗料の材料費は1平方メートル当たり2,500〜3,000円が目安です。

30坪の住宅の外壁塗装をする場合90万円ほど、40坪で100万円ほどが相場になるでしょう。

3-2.シリコン塗料の耐用年数

シリコン塗料の耐用年数は外壁で10〜15年が目安です。
ただし、住宅の立地状況や天候によっても耐用年数は変わるため、あくまでも目安とお考えください。


4.シリコン塗料と他の塗料を比較

塗料 費用相場 耐用年数
アクリル塗料 1,500~2,000円/㎡ 6~8年
ウレタン塗料 2,000~3,000円/㎡ 8~10年
シリコン塗料 2,500~3,000円/㎡ 10~15年
フッ素塗料 3,000~3,500円/㎡ 15~20年

シリコン塗料は、1㎡当たり2,500~3,000円、耐用年数10~15年と、費用と性能のバランスが優れた中級グレードの塗料として評価されています。耐用年数が長いため、塗り替える頻度を抑えられます。

例えば、築後30年のメンテナンス周期を考えると、シリコン塗料なら2、3回の塗り替えで済むのに対し、安価な塗料では4、5回の塗り替えが必要になる可能性があります。

ここでは、外壁に使われる主な塗料との具体的な比較を見ていきましょう。

4-1.アクリル塗料

アクリル塗料は、価格の安さと施工のしやすさが特徴です。発色が良く失敗のリスクが低いため、DIY向けの塗料としても知られています。しかし、耐久性が低く頻繁な塗り替えが必要なことから、長期的なコストパフォーマンスは決して高くありません。

現在の外壁塗装では、主流ではなくなっていますが、短期的な予算制約が厳しい場合や、数年後の建て替えを予定している場合などの一時的な補修用途には、検討の余地があります。メンテナンス頻度を考慮した総合的な判断が必要です。

4-2.ウレタン塗料

ウレタン塗料は、優れた伸縮性を持ち、モルタルやコンクリートなどのひび割れしやすい外壁に適しています。高級感のある光沢が特徴で、シリコン塗料より安価な点も魅力です。ただし、紫外線への耐性が比較的弱く、日当たりの良い場所では変色のリスクがあります。

耐久性はシリコン塗料に劣りますが、予算的な制約がある場合の代替選択肢として検討できます。特に寒冷地など、建物の収縮が大きい地域では、その伸縮性を生かせるでしょう。

4-3.フッ素塗料

フッ素塗料は、耐久性、耐候性、防汚性の全てにおいて最高級の性能を誇ります。耐用年数は最長20年程度と、シリコン塗料を大きく上回ります。原料となるフッ素樹脂が高価なため施工費は割高ですが、塗り替え回数の削減による長期的なコスト削減が期待できるのが特徴です。

ただし、取り扱いが難しく、対応できる業者が限られる点には注意が必要です。シリコン塗料からのグレードアップを検討する場合は、施工実績の豊富な業者の選定が重要になります。

▼塗料の種類について詳しくはこちらの記事でご覧いただけます。

【外壁塗装の塗料の種類】耐用年数や価格、失敗しないためのポイント
【外壁塗装の塗料の種類】耐用年数や価格、失敗しないためのポイント
【外壁塗装の塗料の種類】耐用年数や価格、失敗しないためのポイント
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5.シリコン塗料を使う際の業者選びのポイント

以下では、シリコン塗料を使う際の業者の選びかたを2つ解説します。

  1. 施工実績を確認する
  2. 相見積もりで比較する

具体的な業者選びの方法を知っておけば無駄な手順や費用を省けるようになるでしょう。

5-1.施工実績を確認する

シリコン塗料は多くの業者が取り扱っている一般的な塗料ですが、その特性を十分に理解し、適切な施工ができる業者を選ぶことが重要です。特に重ね塗りの難しさやひび割れへの対応など、シリコン塗料特有の課題に精通していなければなりません。

そのため、施工実績が豊富な業者を選びましょう。塗料の選定から施工方法まで、的確なアドバイスが​​もらえます。実績確認の際は、過去の施工例の写真や、施工後の経年変化についても確認するとよいでしょう。また、アフターフォローの体制が整っているかどうかも、重要な判断材料となります。

5-2.相見積もりで比較する

外壁塗装は高額な工事なので、複数社の相見積もりを取ることをおすすめします。その際、3つのポイントを必ずチェックしてください。

まず、見積書に使用する塗料の商品名やメーカー名が明記されているか確認します。これは、契約した塗料と異なる商品が使用されるリスクを防ぐためです。

次に、塗装面積が具体的な数値(平方メートル)で記載されているか確認します。「一式」という曖昧な表記は、面積の偽装につながる可能性があります。

最後に、「下塗り1回と仕上げ塗り2回」という標準的な工程が含まれているかを確認しましょう。工程の省略は品質低下に直結するため、特に注意が必要です。

また、見積比較後も、工事の各段階で写真撮影を依頼し、適切な施工が行われているか確認することが重要です。


6.まとめ

シリコン塗料は、耐久性と価格のバランスに優れた外壁塗装の定番材料です。耐用年数は10~15年程度で、1平方メートル当たり2,500~3,000円前後の費用が目安です。安価なアクリルやウレタン塗料と比べて初期費用はかかりますが、塗り替え頻度が少なくて済むため、長期的なコストパフォーマンスは優れています。

ただし、シリコン塗料特有の課題も考えておかなくてはなりません。他の塗料と比べてひび割れが起こりやすく、重ね塗りも難しいという特性があるため、施工業者の選定が重要です。相見積もりの際は、塗料の商品名・メーカー名の明記、具体的な面積表示、標準的な工程の確認など、見積書の細部までチェックしましょう。

また、施工実績が豊富で、アフターフォロー体制の整った信頼できる業者を選ぶことで、シリコン塗料の性能を最大限に引き出すことができます。

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