セラミック塗料のメリット・デメリットとは?費用相場や選び方を徹底解説

高いデザイン性と防汚機能を持つセラミック塗料は、外壁塗装では人気のある塗料の1つです。しかし、他の塗料よりも施工費用が高いため、慎重に検討しているという人も多いかもしれません。

「セラミック塗料は本当に長持ちするのかな?」「コストが高過ぎることはないか?」などの疑問を持つことはありませんか。

そこでこの記事では、セラミック塗料に関して、以下の項目を解説していきます。

外壁塗装の塗料選びをしている方は、ぜひご覧ください。

外壁リフォームの費用と相場


1.セラミック塗料とは

セラミック塗料とは、通常の塗料にセラミックという鉱物を加えた塗料のことです。
セラミックは無機物の一種で、金属以外の材料(陶磁器・ガラス・セメントなど)から作られています。

鉱物は劣化しにくいという性質を持っていることから、セラミック塗料は高い耐久性が期待できます。

ただし注意が必要なのが、「セラミック塗料なら耐久性が高い」「セラミック塗料は他の塗料と比べてグレードが高い」というわけではないことです。

外壁塗装の塗料の種類には「シリコン塗料」「アクリル塗料」「フッ素塗料」などがありますが、これらはシリコン樹脂・アクリル樹脂・フッ素樹脂など「樹脂」の種類によって分類されたものです。塗料の耐久性やグレードを決めるのはこの「樹脂」で、セラミックは樹脂の種類ではありません。

セラミック塗料も使用される樹脂やその他の要因で耐久性やグレードが変わりますので、「セラミック=耐久性が高い」という言葉に惑わされず、総合的に判断するようにしましょう。


2.セラミック塗料を使うメリットとデメリット

セラミック塗料にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも共存しています。セラミック塗料を選ぶ際にはメリット・デメリットの両方をきちんと把握しておきましょう。

2-1.メリット

セラミック塗料を使用することで得られるメリットは、以下の3つです。

  • 防汚機能がある
  • 断熱性・遮熱性が高い
  • デザイン性が高い

それぞれについて、詳しく解説していきます。

2-1-1. 防汚機能がある

セラミック塗料には、汚れが付着しにくい機能が備わっている種類があります。雨などの水分が塗膜と汚れの間に入り込むことで、自然と汚れが落ちていく仕組みを「親水性」と呼びます。防汚性のあるセラミック塗料はこの「親水性」が高く、汚れが付着しにくいのです。

ただし、セラミックの配合量や種類によって防汚機能に差があります。セラミックが微量しか含まれていない場合もあるため、セラミック塗料であれば、必ず防汚機能があるとは限りません。

業者になるべく汚れにくい塗料がいいことを伝えたり、見積もりに記載されているセラミック塗料に防汚機能があるかを、カタログや塗料メーカーのホームページで確認するようにしましょう。

2-1-2. 断熱性・遮熱性が高い

セラミック塗料の中には、断熱性や遮熱性が高い製品があります。セラミックには、熱伝導率が低く、熱を伝えにくいという特性があるためです。断熱性の高いセラミック塗料は、外壁からの熱の移動を防げるため、室内温度を一定に保ちやすくなります。

また、太陽光からの紫外線を反射させる遮熱効果のあるセラミック塗料は、夏場に建物内の熱が上昇し過ぎるのを防ぐのも特徴です。塗料によって住宅の断熱性や遮熱性を高めると、エアコンなどの空調設備による電力消費を抑えられ、光熱費の節約にもつながります。

2-1-3.デザイン性が高い

石材調の仕上がりになるセラミック塗料は、デザイン性が高い点も魅力の1つです。セラミック塗料を塗布することで自然な風合いに仕上がり、一般的な外壁に比べて重厚感や高級感を演出できます。また、色味や粒子の大きさの違いなど塗料の種類も豊富で、自宅のデザイン性を高めたい方にもおすすめです。

2-2.デメリット

セラミック塗料を使用するデメリットは、以下の2点です。

  • 費用が高い
  • 施工時の技術力が求められる

2-2-1. 費用が高い

セラミック塗料を外壁全体に使用する場合、他の塗料に比べて費用が高くなりやすいというデメリットがあります。通常の塗料にセラミックが配合されていることから、セラミック分の価格が上乗せされるためです。

ただし、費用は高くなってしまう分、防汚性や断熱性などの機能性がある上に他の塗料と比べて耐久性も高いので、ランニングコストは抑えやすいでしょう。初期費用とランニングコストの両面から考えて、セラミック塗料を取り入れるかどうか検討してみてください。

2-3-2. 施工時の技術力が求められるため業者選びが難しい

セラミック塗料は、他の塗料に比べて高い施工技術が必要です。

例えば、セラミックの成分を均一にするために、塗装前には十分にかき混ぜておかなくてはなりません。また、均等な厚みで塗装されないと色ムラが生じたり、断熱性・防汚性などの機能性が落ちたりする可能性もあります。

セラミック塗料を使って外壁塗装したい場合は、セラミック塗料の塗装経験や実績が豊富な業者を探しましょう。

2-3.セラミック塗料が適しているのはこんな人!

セラミック塗料は、初期費用がかかりやすいというデメリットがあります。しかし、耐久性や防汚性の高さや、メンテナンス・塗り替えの頻度が他の塗料に比べて少なく済むため、ランニングコストが抑えやすいです。

そのため、メンテナンスにあまり手間をかけたくない人や、塗り替えの頻度を少なくしたい人に適しています。さらに、建物に断熱性・遮熱性の機能をプラスしたい人にも、セラミック塗料をおすすめします。

また、セラミック塗料はデザイン性が高いため、他の家とは一味違う外観の家に仕上げたい場合にも有効です。


3.セラミック塗料は主に4つのタイプに分類される

セラミック塗料にも種類があり、それぞれ特徴や効果が異なります。目的に合った塗料を選ぶためにも、どのような種類がありどんな特徴を持っているのか把握しておくことが大切です。

3-1.石材調の外壁になるデザイン性の高い塗料

セラミック塗料の中には、石材調の仕上がりになるものがあります。まるで本物の石材を使っているように、細かい凹凸によって立体感のある仕上がりになるのが特徴です。

実際に本物の石を塗料にまぶしてしまうと、石の重量が追加され、外壁が重くなってしまいます。重量が重くなれば、その分地震が発生した際の揺れによる影響も大きくなってしまいますが、セラミック塗料に含まれるセラミックは微粒子のため、その心配がありません。

外壁塗装はローラー工法で塗装するのが一般的ですが、リアルな石材調を表現する場合は吹き付け工法で塗装します。吹き付け工法は、ローラー工法に比べて施工技術が必要です。吹き付け工法での塗装実績が多い業者に相談するようにしましょう。

3-2.耐候性・防カビ性・防火性の高い無機塗料

セラミックなどの無機物を「主成分」とした塗料もあり、無機塗料といいます(セラミック以外の無機物で作られる無機塗料もあります)。
無機物を含む割合が高ければ高いほど、耐久性・耐候性も向上します。無機塗料は、アクリル塗料やフッ素塗料など有機物を使った塗料に比べて劣化しにくいことから、耐久性が高く塗り替えのタイミングを遅らせることが可能です。

また、無機塗料は、カビやコケが発生しにくいという特徴もあります。カビやコケは、塗料に含まれる樹脂などの有機物を栄養に繁殖しますが、無機塗料なら有機物が含まれている割合が少ないためです。

また、不燃性が高い無機物で構成されているため、無機塗料は燃えにくいという特性があります。ただし、一切燃えないわけではないので注意が必要です。

3-3.低汚染性のある塗料

セラミック塗料には、外壁の汚れを防ぐ効果をもつ低汚染性のある塗料もあります。低汚染性のあるセラミック塗料は、原料に「シリカ」が配合されているものや「特殊なセラミックビーズ」が配合されているものなど、種類も豊富です。

塗料によって仕組みはそれぞれですが、低汚染性のあるセラミック塗料は、いずれも表面に汚れがつきにくく汚れても容易に洗い流せるため、家の美観を長く保ちたい方におすすめします。

3-4.断熱効果のある塗料

セラミック塗料の中には、断熱効果のある塗料も存在します。セラミック自体に高い断熱効果や遮熱効果がある上に、特殊なセラミックビーズによってさらに断熱効果を高めているのが特徴です。

セラミックビーズは中が空洞になっており、塗装すると表面に集まって層をつくります。この層が屋内と屋外の間にでき、太陽光を反射するため、壁を介して熱が移動するのを抑制することができます。

そのため、夏は屋外からの熱を防ぎ、冬は屋内で暖められた熱を外に逃がさずに済みます。

断熱効果のある塗料を使って外壁塗装をする場合、お住まいの自治体から助成金が支給されることがあります。
くわしくは下記の記事をご覧ください。
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4.セラミック塗料の費用相場と耐用年数

以下では、セラミック塗料の費用感と耐用年数を紹介します。
耐用年数とは、塗り替えまでに必要な期間のことです。
相場と耐用年数を知っておけば、セラミック塗料の費用対効果が高いかどうかを長期的な視点で判断しやすくなるでしょう。

4-1.セラミック塗料の費用相場

セラミック塗料の材料費は、1平方メートル当たり3,000〜4,500円です。
シリコン、フッ素といった塗料のグレードによって価格は変動します。
一般的なセラミック系のフッ素塗料であれば3,000〜3,500円、遮熱塗料なら4,000〜4,500円が目安となるでしょう。

30坪の住宅だと115万円以上、40坪で125万円以上になります。

4-2.セラミック塗料の耐用年数

塗料の耐用年数は主に樹脂の種類から決まっているため、セラミック塗料であっても耐用年数が伸びるわけではありません。例えば、シリコン樹脂にセラミックを配合した塗料の場合はシリコン樹脂の耐用年数である7~15年程度、ウレタン樹脂にセラミックを配合した塗料だとウレタン塗料の耐用年数である6~8年になります。

このように、セラミック塗料の耐用年数は塗料の種類によって左右されることを覚えておきましょう。できるだけ耐用年数の長い塗料を選びたい場合は、樹脂の種類に注目してみてください。

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5. 外壁塗装で代表的なセラミック塗料

以下では、外壁塗装でおすすめできるセラミック塗料を紹介します。
おすすめする塗料は2つあります。

  • ガイナ
  • Duflonファイン4Fセラミック

詳しく確認していきましょう。

5-1.断熱・遮熱機能の高い「ガイナ」

株式会社日進産業が販売する、遮熱・断熱系のセラミック塗料です。

日本の宇宙ロケットで使われている技術を応用しており、高性能な遮熱・断熱機能があります。

  • 価格:3,800円〜5,500円/平方メートル(2回塗り価格、下塗り費用が別途必要)
  • 耐用年数:15~20年
  • 艶の種類:ツヤ消しのみ

適用可能な下地をメーカーは公表していません。
しかし、下塗り材を使い分ければ大半の下地は適用可能と考えられます。

5-2.耐久性の高い「Duflonファイン4Fセラミック」

日本ペイント株式会社が販売する、弱溶剤の2液型フッ素樹脂セラミック塗料です。

弱溶剤とは、刺激が少ない油性塗料です。

2液型とは、2つの液体を混ぜて利用する塗料をさします。

  • 価格:3,600〜4,000円/平方メートル(2回塗り価格、下塗り費用が別途必要)
  • 耐用年数:非公表(推定15~20年)
  • 艶の種類:ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ

適用下地は以下となります。

  • セメント素地(コンクリート・モルタル)
  • 金属(鉄面・ステンレス・アルミ)
  • 硬質ポリ塩化ビニル
  • FRP(繊維強化プラスチック)

おすすめ塗料の性能を一覧にしました。塗料選びの参考にしてみましょう。

主に、耐用年数と価格のコストパフォーマンスを比べる他、ツヤを消して落ち着いた雰囲気にしたいのか、ツヤを出して目立たせたいのかで選ぶとよいでしょう。
また、断熱性能があるガイナは、冬でも室温を快適に保てます。

寒い時期が長い地域であれば、ガイナの方が望ましいでしょう。

ガイナ Duflonファイン4Fセラミック
価格 3,800円〜5,500円/平方メートル 3,600〜4,000円/平方メートル
耐用年数 15~20年 非公表(推定15~20年)
艶の種類 ツヤ消しのみ ツヤあり、7分ツヤ、5分ツヤ、3分ツヤ
適用下地 非公表
  • セメント素地(コンクリート・モルタル)
  • 金属(鉄面・ステンレス・アルミ)
  • 硬質ポリ塩化ビニル
  • FRP(繊維強化プラスチック)

6.セラミック塗料を使う際の注意点

セラミック塗料を使う際は注意点があります。
また、業者選びを間違えると、せっかく塗装しても数年で塗膜の劣化が起こるなどのトラブルが発生してしまいかねません。

ここでは、セラミック塗料を使う上で意識すべき点と、業者の選び方を紹介します。

6-1.「セラミック100%」と謳う業者には注意

「セラミック100%だから高耐久で安心ですよ」とおすすめしてくる業者には注意してください。先述のように、セラミックとは鉱物のことで、セラミックだけでは塗料として機能せず、必ずベースとなる樹脂が必要です。

樹脂の種類によって耐用年数は変わりますので、耐久性を気にする場合は、何の樹脂を使うかも確認しましょう。

▼塗料の種類についてはこちらも参考にしてください

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6-2.信頼できる業者に依頼する

外壁塗装では、信頼できる業者に依頼することが大切です。業者を選ぶ際には、以下の2つのポイントを押さえておいてください。

  1. 塗料の商品名とメーカー名があるか
  2. 見積書の工程に手抜きがないか

詳しく説明していきます。

塗料の商品名とメーカー名があるか

セラミック塗料の製品は性能に大きく差があります。このため見積書に商品名やメーカー名が記載されているか確認しましょう。

商品名やメーカー名、どんな性能の塗料なのかをメーカーの公式サイトでチェックできます。

見積書の工程に手抜きがないか

塗料は下塗りや中塗り、上塗りといった3回塗りが多いです。

このうち、中塗りや、上塗りの一部を悪徳業者は塗装しない場合があります。
適切な塗装回数を守らなければ塗料の耐久性は低下してしまうため、注意が必要です。

施工業者に、メーカーの推奨回数を守っているかを確認することをおすすめします。また、工事を開始したら工程ごとに写真に撮ってもらい、全ての工程が適切に行われているかも確認しておくと安心できるでしょう。

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7.まとめ

セラミック塗料は、高い防汚機能や断熱効果、デザイン性を持つ塗料です。メンテナンス頻度を減らしたい方や、外観にこだわりたい方におすすめします。しかし耐久性や費用対効果が高い一方で、初期費用がかかりやすく、施工には専門技術が求められます。

セラミック塗料で外壁塗装をする場合は、見積書の項目を入念に確認し、信頼できる業者に依頼しましょう。

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