外張り断熱リフォームは効果あり?外壁メンテナンスフリーは本当?

「外張り断熱をする方が、メンテナンスフリーで将来お得」
「外壁塗装をするよりも外壁の強度が上がる」
「断熱効果も付与できるので、住まいが快適になる」

といったメリットを伝えてくる訪問営業が来た経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「外壁をメンテナンスするなら、外張り断熱リフォームをした方が断熱効果も得られてお得」とお考えの方も多いかと思いますが、実際にはそうでもありません。外張り断熱と外壁のメンテナンスは分けて考える必要があります。

この記事では、外張り断熱リフォームをするべきかどうか判断するための考え方の指針や、費用、他の断熱リフォーム方法について解説します。大事なお住まいのリフォームで後悔しないための判断にお役立てください。


外張り断熱リフォームを勧めてくる訪問業者は注意!

外張り断熱リフォームは、300~400万円といった工事費用がかかります。訪問業者は、既存建物の構造を特に知らないはずであり、施工後に実際の断熱効果の測定などは行わないことがほとんどです。

せっかく工事をしたにも関わらず、あまり断熱効果も得られずに、損をしてしまうこともありますので注意しましょう。


メンテナンス(塗装)と断熱工事は別に考えよう

外壁塗装は、建物のメンテナンスのためです。断熱性能をあげたいという目的とは別に考えて検討することで、自分がどのような目的で工事をしたいのかを明確にしましょう。

中には、「外壁のメンテナンスもしないといけない時期なので、この際外張り断熱をしたらメンテナンス費用もかからず断熱性も高められお得なのでは?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、外張り断熱でメンテナンスが必要なくなることはなく、断熱効果も外張り断熱だけでは十分な効果を得られない可能性もあります。

メンテナンスと断熱工事は別に考え、それぞれの目的で最適なリフォーム方法を選択するようにしましょう

外壁のメンテナンスは「外壁塗装」が基本 

外壁塗装とは、外壁材に防水性を維持し、建物のメンテナンスとして必要なものです。外壁材自体は、セメントが主成分で水に弱く、紫外線によって塗装が劣化するためです。

また、既存外壁の劣化した部分の補修や、建物の気密性などに影響を及ぼさず、比較的リーズナブルにメンテナンスができる方法です。ただ塗り替えるといったことではなく、建物のメンテナンスとして優れた方法になります。

断熱工事の一種としての「外張り断熱」

外張り断熱は、建物全体を構造材の外側に断熱材を張り付ける工法になります。内張り断熱よりも断熱性・気密性に優れています。ただし、リフォームの場合には既存住宅の気密性や断熱性能によっては、外張り断熱施工をしても同じ効果が得られるとは限りません。 

また、外張り断熱リフォームを行ってからも、外壁がメンテナンスフリーになるわけではありません。耐用年数が長く再塗装まで30年、40年もつような外壁材もありますが、細かいメンテナンスは必ず必要になります。

断熱工事の一種としての「内張り断熱」

内張り断熱は、構造材の間に断熱材を敷き詰めていく工法で、最も一般的に採用されている断熱工事になります。
構造材部分は断熱材がないため、外張り断熱と比べると断熱性・気密性は劣るとされています。

▼それぞれの工事のイメージです。(塗装でも「断熱塗料」や「遮熱塗料」といわれる特殊塗料を使う塗装もあります。)

壁・屋根の断熱方法

出典:https://www.reform-guide.jp/topics/dannetsu-reform/

次章で、断熱リフォームの種類について、さらに詳しく解説いたします。


断熱性能を上げるリフォームの選択肢と費用

断熱性能を上げるために、どのようなリフォームの選択肢があるのか、費用を一緒にご紹介いたします。

*窓リフォームの費用は、1箇所の窓リフォームの目安で、複数窓をリフォームする場合にはそれぞれ費用がかかります。

窓断熱リフォーム|10万円~

断熱を考える上で、窓はとても重要です。住宅の熱は、開口部(窓など)から5割以上も流出しているためです。外張り断熱や内張り断熱施工をしても窓の断熱性が悪いと効果が期待できませんので、まずは窓を見直す必要があります。

冬の暖房時は58%の割合で熱が流出し、夏の冷房時(昼)は73%の割合で熱が入ってきます。

一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会

シングルガラス、アルミサッシは断熱性が低く、複層ガラス、樹脂サッシにする、内窓を設置することで断熱性能が上がります。

・サッシ交換リフォーム|25万円~

サッシ自体を断熱性能の高いものに交換するリフォームです。外壁を剥がす必要などがあるため、費用は高くなります。

・カバー工法|20万円~

既存サッシ枠に、新しいサッシ枠をカバーする工法です。外壁を剥がす必要がなく、若干窓のサイズが小さくなりますが、費用を抑えた施工が可能です。

・アタッチメント複層ガラス交換リフォーム|15万円~

シングルガラスを複層ガラスに交換する方法です。既存サッシに複層ガラスを取り付けるためにアタッチメントがついています。
サッシは樹脂製で、シングルガラスの場合に有効です。アルミサッシの場合には、サッシの断熱性が低いため別の工法がおすすめです。

・内窓の設置|10万円~

既存の窓の内側に新しい窓を設置する方法で、既存窓の種類に関わらず比較的簡単にできる工事です。

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内張り断熱リフォーム|20万円~

一般的な断熱方法の内張り断熱ですが、古い住宅で断熱材がない場合や経年劣化により断熱材が劣化し効果が落ちている場合もあります。それぞれの箇所をリフォームした場合の費用についてご紹介いたします。

お家全体を断熱リフォームした方が効果は高いですが、予算や劣化状況などに合わせて部分施工も可能です。

・床断熱リフォーム|20万円~

床材の下に断熱材を詰める工事です。

  • 床解体が必要ない場合 20万円~
  • 床の張り替えが必要な場合 50万円~

・天井断熱リフォーム|8万円~

天井を解体せずに、天井裏に断熱材を敷き詰める工事です。

・内壁の断熱リフォーム|60万円~

内壁を解体し、断熱材を詰めて、内装仕上げを行う工事です1Fのみの断熱リフォームでおよそ60万円~となります。

外張り断熱リフォーム|350万円~ 

外張り断熱リフォームは、部分的な工事ではなく、お家全体を外側に断熱材を設置するため高額になります。

断熱材の上から、サイディングなどの外装材を張る乾式工法だけでなく、モルタルなどを塗っていく湿式工法もあります。

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外張り断熱リフォームをする注意点

外張り断熱リフォームは、期待していたよりも効果が得られない場合があるため注意しましょう。

窓断熱も必要

窓の断熱効果が低い住宅の場合、外張り断熱リフォームを行なってもあまり効果が期待できない可能性があります。

外張り断熱リフォームをする場合は、窓断熱も同時に行いましょう。

既存住宅の建て方によって、あまり効果が実感できない可能性も

既存住宅の断熱性能、気密性が低い場合には、外張り断熱リフォームを行なってもそれらが改善しない可能性があります。

  • 外張り断熱工事を行って効果があるかどうか相談できる
  • 実際の気密性、断熱性を施工前後で測定してくれる

このようなリフォーム会社に依頼することが重要です。


外張り断熱リフォームでよくある質問

外張り断熱リフォームを検討するときに、よくある質問にお答えします。

耐久性・耐震性の面で家に負担はないの?

適切な施工を行えば、外張り断熱リフォームによって、耐久性・耐震性の面で家に負担がかかることはありません。

※外張り断熱が適さない外壁もあります。その場合は無理に施工すると耐久性が低下してしまいますので、外張り断熱リフォームが適しているかどうかはリフォーム会社に判断してもらう必要があります。

結露しやすくなりカビが生えやすくならない?

もともとの家の建て方や住宅性能によっては、気密性の関係で内部結露が発生し、カビが生えてしまうことがあります。事前に、施工店に結露の問題が起きない設計になっているか確認しましょう。

内張り断熱と外張り断熱の両方行うリノベーションを行なっている工務店がおすすめ

外張り断熱に限らず、建物全体の断熱性能を上げるためには構造を理解し、気密性・断熱性を計算した上で施工を行なう必要があります。断熱リフォームを含む大規模なリノベーションをよく扱うような工務店・リフォーム会社はおすすめです。
施工前後での各数値の測定もしてくれるのであれば、実際の効果も目で見て把握できるため安心です。


まとめ

外張り断熱リフォームは、既存建物の性能によって、思っていたより断熱効果が得られない可能性もあります。また塗装など外壁のメンテナンスが必要なくなるわけではないため、注意が必要です。

断熱工事をしたい場合には、窓断熱、内張り断熱をまず検討し、十分な断熱性能が得られるかを工務店に相談しましょう。その方が、断熱性能が高い快適な住まいを実感できることもあります。

断熱効果は、建物の気密性や窓の性能など様々な要因によって変わります。新築時に行う外張り断熱と、リフォームで行う外張り断熱では同じ効果が得られないと考えておきましょう。

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