
「うちの賃貸アパートは、入居率が低下し続けている。3点ユニットバスの分離リフォームをしたら入居率は改善するだろうか?」
とお悩みのオーナー様は多いのではないでしょうか。
入居率が低下している賃貸物件では、家賃を下げるなどの対策がとられます。それでも入居率が改善しない場合、多くの不動産会社が提案するのが3点ユニットバスの分離リフォームです。
たしかに、3点ユニットバスは付加価値が高く入居者を集めやすい仕様です。3点ユニットバスを分離させることで空室リスクが下がり、場合によっては家賃を今より上げることも可能になるかもしれません。
しかし、本当に3点ユニットバスを分離させることが最善の選択なのでしょうか?
この記事では、賃貸経営の期間という観点から、3点ユニットバスのリフォームをすべきかどうかの判断基準をご紹介します。
さらに、3点ユニットバスのリフォーム費用やリフォームをする際の業者の選び方も解説します。
3点ユニットバスのリフォームを検討している方は、ぜひご一読ください。
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目次
1.長期的に賃貸経営する人は3点ユニットバスの分離リフォームを検討しよう
3点ユニットバスの分離リフォームをおすすめしたいのは、長期的に賃貸経営を行う予定がある方です。
その理由として、3点ユニットバスの分離リフォームは費用が高額になる点が挙げられます。3点ユニットバスを分離すると入居率改善に大きな効果があるものの、投資額の回収には時間がかかります。
一方で、費用はかかっても物件の価値は向上するため、3点ユニットバスのリフォームを行えば賃料を維持・または上げることも可能です。安易に賃料を下げて入居者を確保するよりも、長期的には利益をより多く上げることができます。
数年以内に物件を建て替えたり賃貸経営から撤退したりする予定がなければ、3点ユニットバス分離リフォームは検討する価値があります。
一方、長期的に賃貸経営を続ける予定がない場合は、ユニットバスの破損や劣化があったとしても「3点ユニットバスの交換リフォーム」にとどめておくのが無難です。
(補足)3点ユニットバス以外に入居率が下がる要素がないか確認しよう!
長期にわたって賃貸経営を続ける予定があるなら、3点ユニットバス分離リフォームを検討したほうがいいと述べました。しかし、3点ユニットバス以外に入居率を下げている要素があれば話は別です。家賃が相場より高い、内装が汚いなどの理由で入居率が低い可能性はないでしょうか?
3点ユニットバス以外の問題が入居率を下げているなら、3点ユニットバスリフォームをしても期待したほど入居率は上がらないおそれがあります。
入居率が下がる要因としては、立地、設備・使用、賃料、築年数、近隣物件の競合度が挙げられます。
それらが複数絡み合って、入居率が下がることが多いのです。
周囲の同じような物件を調査し、入居率を下げている原因がなにかを特定したうえで、対策を取りましょう。
2.3点ユニットバスの分離リフォームができない場合もある
「うちの物件では3点ユニットバスの分離リフォームをしたほうがいいようだ。リフォームの際に気をつけるべきことはあるのかな?」と思った方に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。
部屋の間取りや建物の構造によっては、3点ユニットバスの分離リフォームができない場合もある、ということです。
この項では、3点ユニットバスの分離リフォームができない場合についてご説明します。
■分離させたトイレを配置するスペースがない
3点ユニットバスを分離する際に一番問題になるのは、分離させたトイレを置くスペースがあるかどうかです。
単独でトイレスペースを設けるなら、最低でも2畳程度は必要です。約2畳のトイレスペースを確保しても生活に支障のないだけのスペースが確保できるかどうかがポイントです。
一般的なサイズのワンルーム物件では、居室部分にはトイレスペースを新たに設ける余裕はありません。トイレスペースのために押入れをつぶすなどすれば、かえって生活に不便な部屋となり、物件の魅力が低下することもあります。
ユニットバスとトイレを分離しても生活に支障がないか、をまず確認しましょう。
■水回り設備の移動ができない
3点ユニットバスを分離させるリフォームでは、水回り設備の移動がつきものです。トイレを別の場所に移すだけでなく、間取りによってはキッチンも移動させる必要があります。
一方で集合住宅では、給排水管の勾配などの都合上、今ある水まわり設備の移動には制限があります。
とくに、古いマンションで排水管が階下の天井裏を通っている場合は、設備の移動はさらに難しくなります。
まずは専門家であるリフォーム会社に現地調査を依頼し、水まわり設備の移動が可能かどうかを確認しましょう。