住宅をリフォームする際、壁の傷や汚れを隠したい、インテリアのアクセントにしたいなど、腰壁の設置を検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は腰壁をテーマに、腰壁の効果やメリット・デメリット、腰壁の設置におすすめの場所などを詳しく紹介します。腰壁のリフォームを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
タイトル画像出典:https://www.reformwing.jp/case_reform/slug-c2c605827d82290df9efa1d64b43fbcb
目次
腰壁(こしかべ)とは
腰壁(こしかべ)とは、内壁の下半分に張られた壁を指します。腰の位置である90cm~100cmほどの高さまでを覆い、傷や汚れから内壁を守ったり、インテリアのアクセントにしたり、さまざまな用途に用いられます。
腰壁の材質は檜や杉といった木材のほかに、比較的リーズナブルなパネル材など、デザインや目的にあわせて選ぶことができます。
腰壁の設置をリフォーム業者に依頼した場合、材質によりますが大体1平米あたり1万5,000円程度が相場のようです。
腰壁を取り入れた人の声「汚れ防止機能と落ち着いた雰囲気を実現できた」
Iさんは、二世帯住宅に改装していた実家を再度改装し直すときに、居室に腰壁を採用しました。腰壁を取り入れることでどんな効果が得られたか、お話を聞いてみましょう。
木目の色が建具や家具に合うので気に入っています。
腰壁のメリット・効果
腰壁のメリットや効果として、主に以下の3つが挙げられます。
- 壁の汚れや傷を防止できる
- 内壁のアクセントになり、高級感のある仕上がりに
- 防水・消臭効果が期待できる
壁の汚れや傷を防止できる
腰壁の代表的なメリットの1つは、壁の傷や汚れを防いだり、隠したりできる点です。
床面から腰の高さまでは、家の中でも特に傷や汚れがつきやすい範囲といわれています。物を運ぶ際に傷がついてしまったり、歩く際に舞い上がったホコリが蓄積されて汚れになったり…また、小さなお子さんやペットがいる家庭では、内壁が思わぬダメージを受けてしまう場合もあるでしょう。しかし、腰壁があれば生活とともにできた傷や汚れを隠し、内壁を保護することができます。
汚れが落としやすいようコーティングされた腰壁素材もあるので、メンテナンス性も確保できます。
内壁のアクセントになり、高級感のある仕上がりに
腰壁には、インテリア面でのメリットもあります。
内壁と異なる材質・デザインの腰壁を設置すれば、インテリアのアクセントになります。タイルやレンガ調の素材を使えば外国風のインテリアになりますし、漆喰の壁に檜や杉の腰壁を用いれば、和モダンな雰囲気をつくりだすことも可能です。
腰壁の素材を使い分ければ、部屋ごとに異なったテイストのインテリアを楽しめます。
防水・消臭効果が期待できる
腰壁のメリットとして、防水・消臭効果が期待できるという点も挙げられます。
特にトイレは、臭いやはね返りによる汚れが気になる方も多く、腰壁の設置場所として人気です。トイレの腰壁に防水性や消臭効果に優れた素材を選べば、お手入れも楽になるでしょう。また、腰壁はペットの部屋の臭い対策にもおすすめできます。腰壁は犬や猫のひっかき傷防止にもなるので、一石二鳥です。
以上のように、腰壁には実用性とデザイン性の両方の効果・メリットがあります。
腰壁のデメリット・注意点
腰壁の設置にはデメリットもあります。
腰壁設置の主なデメリット・注意点は以下の3つです。
- 段差にホコリが溜まりやすい
- 一度腰壁を施工すると元に戻しにくい
- 仕上がりのイメージがつきにくい
段差にホコリが溜まりやすい
腰壁は、一般的な壁紙に比べて厚みが出やすい傾向にあります。そのため、どうしても壁面と腰壁の段差部分にホコリが溜まってしまいます。
くわえて、腰壁の段差部分はダイニングチェアーなど、ある程度の高さがある椅子に座った際、ちょうど目線の先に来ます。目につきやすい位置にあるので、ホコリが余計目立ってしまう懸念があるのです。
腰壁を設置したら、段差部分をこまめに掃除するようにしましょう。
一度腰壁を施工すると元に戻しにくい
腰壁は素材によるものの、一度設置すると外しにくい・元に戻しにくいというデメリットがあります。
特にタイルや板材の場合、腰壁部分を壊さなければならず、費用や時間もかかってしまいます。
腰壁を設置する際はメリットとデメリットを考慮し、設置後のシミュレーションを十分にしてから決めるようにしましょう。
仕上がりのイメージがつきにくい
腰壁は壁の中で意外と広い範囲を覆うため、予想よりも部屋のイメージが変わる可能性があります。
腰壁設置前のイメージと仕上がりが違ってしまっても、簡単に元には戻せないので注意が必要です。素材や色、デザインの些細な違いでもイメージ通りに仕上がらない場合もあるので、施工前のシミュレーションは入念にしたいところです。
インテリアを3DでシミュレーションできるWebサイトやアプリを活用して、腰壁設置後の雰囲気をイメージをしてみましょう。
設置後に後悔しないよう、デメリットや注意点もよく頭に入れておきましょう。
腰壁設置がおすすめな場所と活用方法
腰壁の設置がおすすめな場所として、主に以下の4つが挙げられます。
- キッチン
- トイレ
- 和室
- ペットが入る部屋
キッチン|腰壁で収納スペースやカウンターを確保
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2577
対面式のキッチンは、腰壁の設置におすすめです。リビング・ダイニングからキッチンにつなげるように腰壁を張っていくと、手元隠しの効果があります。また、腰壁部分に収納スペースをつくったり、カウンターを取り付けたりと+αの機能も得られます。
キッチンに腰壁を設置する際は、手元部分から15m~25cmほど高い場所に調整すると、油跳ねや水跳ねを防げるので便利です。
トイレ|腰壁で汚れ防止と防水をおしゃれに実現
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=3077
腰壁のメリットの項でも紹介したように、トイレは跳ね返りによる汚れや臭いが特に気になる場所です。一般的な壁紙は臭いや水分を吸収してしまうため、お手入れが面倒な箇所でもあります。
トイレにタイルや防水パネルの腰壁を取り付ければ、汚れを簡単にふき取ることができます。また、防臭・消臭効果のある素材を利用すれば、臭い対策にもなるでしょう。
和室|腰壁で和モダンインテリアも楽しめる
出典:https://www.reformwing.jp/case_reform/slug-c2c605827d82290df9efa1d64b43fbcb
和室は砂壁になっているケースが多く、物や人が当たって砂が剥がれてしまう可能性があります。
和室に腰壁を設置すれば、物がぶつかっても砂が落ちる心配がありません。砂壁部分がダメージを受けないだけでなく、砂が落ちないので掃除が楽になるというメリットもあるでしょう。腰壁のデザインによっては、和モダンなインテリアも楽しめます。
ペットが入る部屋|腰壁で爪のガリガリや汚れを防止
出典:http://cube-renovation.co.jp/works/3703/
ペットが使う部屋は、壁に爪痕が残ったり、排泄物の汚れや臭いがついたりしがちです。
腰壁をペットの部屋に設置すれば、ちょうど爪とぎされやすい高さまで腰壁が保護してくれるので、壁が傷つく心配がありません。また、メンテナンスしやすい素材の腰壁を設置すれば、排泄物などの汚れがついてもお手入れしやすいというメリットもあります。
さらにトイレ同様、腰壁に消臭効果や防臭効果のある素材を使えば、気になるペット臭も和らげることができるでしょう。
腰壁はDIYできる?
腰壁のDIYにかかる費用は素材により異なり、安価な塩ビシート系であれば1㎡約3,000円ほどで手に入ります。また、ホームセンターや通販サイトでは腰壁専用のパネルやシートが豊富に売られているため、素材の入手に苦労はしないでしょう。
しかし、よほどDIYに慣れていない限り腰壁のDIYはおすすめできません。腰壁の設置時に曲がってしまう、時間がかかるなど、失敗する可能性が高いからです。
デメリットでも説明した通り、腰壁は一度取り付けると外すのが大変なので、後悔しないためにも不安があればリフォーム業者に依頼しましょう。
まとめ
腰壁は傷や汚れを防ぐといった実用的な効果があるだけでなく、室内のアクセントになるなど、インテリアとしても楽しむことができます。1平米あたり1万5,000円程度でリフォームを依頼できるので、予算と相談して業者を探しましょう。
一方で、腰壁には一度取り付けたら元に戻しにくいというデメリットもあります。設置する際は専門家の意見もよく聞いておきたいところです。
信頼できるリフォーム業者を見つけて、後悔しないリフォームをしましょう。