
トイレのドアは毎日開け閉めされていますが、トイレ本体のメンテナンスに比べるとあまり力を入れていない人も多いパーツです。
家族全員で使う分、お風呂や寝室に比べて開閉の頻度も高いトイレのドアは、長く使っていると開閉のしづらさやドアの面材の剥がれなどの劣化が気になる方も多いのではないでしょうか?
ここでは、トイレのドアの交換にかかる費用について解説しています。
交換時の注意点や費用を安くするコツなども解説していますので、ぜひリフォームの際の参考にしてみてください。
目次
1.トイレのドアを交換する費用
トイレのドア交換の費用相場は4~18万円です。
費用に幅が生まれるのは、トイレのドアの交換方法と交換するドアのグレード次第で費用が変わるためです。
以下の表は、ドアの交換方法とグレードごとの費用をまとめたものです。
ドア交換方法 | グレード | |
---|---|---|
シンプル | ハイグレード | |
ドアのみ交換 | 4~6万円 | 8~10万円 |
ドア+枠を交換 | 9~14万円 | 13~18万円 |
表を見るとわかる通り、ドアのみ交換するのか、枠も一緒に交換するのかで費用は5~8万円ほど異なります。
枠も一緒に交換する場合の費用が高いのは、ドア周りの壁や壁紙も工事することになるため、その分の費用が必要になるからです。
ここで、具体的な見積もりを比較してみましょう。
■ドアのみ交換した場合
項目 | 費用 |
---|---|
既存建具撤去費 | 7,000円 |
新規建具(枠なし) | 26,900円 |
建具取付費 | 11,500円 |
諸経費 | 15,400円 |
合計 | 60,800円 |
■ドア+枠を交換した場合
項目 | 費用 |
---|---|
既存建具撤去費 | 10,000円 |
新規建具(枠込) | 37,800円 |
出入口枠造作費 | 10,200円 |
壁下地処理及びクロス張り | 14,000円 |
建具取付費 | 11,500円 |
諸経費 | 15,400円 |
合計 | 98,900円 |
こちらの見積もりの比較を見ても、枠の造作や壁の工事費用などの分だけ費用に差があることがわかります。
また、実際のリフォーム費用は希望するドアの種類によっても変動します。
開き戸タイプの扉を引き戸タイプに変更したいといったように、もとのドアとは違うタイプのドアに変更する場合はさらに費用がかかることは予め理解しておく必要があります。
詳しい費用が知りたい方は、リフォーム会社に見積もりを依頼しましょう。
2.トイレのドアの種類と特徴
トイレのドアには大きく分けて3つの種類があります。
まずはそれぞれの特徴について見ていきましょう。
①開き戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
トイレのドアとして最も一般的に使用されるタイプが開き戸です。
ドアノブを押したり引いたりして開閉する構造で、しっかりとした気密性が特徴です。そのため、音やにおいが外に漏れにくく、トイレのプライバシーをしっかり守れます。
また、開き戸はデザインのバリエーションが豊富で、住まいのインテリアに合わせておしゃれなドアを選べる点も魅力です。
ただし、外開きにする場合、開閉時に半畳ほどのスペースが必要になるため、間取りに余裕がないと設置が難しいこともあります。トイレの周りにデッドスペースができやすい点はデメリットと言えるでしょう。
②引き戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
引き戸は、ドアをスライドして開閉するタイプで、介護が必要な家庭やバリアフリーを考慮した家で多く使用されています。体を動かさずに開閉でき、開けたドアが邪魔にならないため、トイレのスペースを有効に活用できます。
また、車椅子でも簡単に出入りできるのが引き戸の大きなメリット。現在介護が必要でなくても、将来を見据えて導入する家庭も増えています。
一方デメリットは、スライドさせるための壁面のスペースが必要なため、間取りによっては設置が難しい場合がある点です。特にトイレの隣に別の部屋がある場合、配置が制限されることがあります。
③中折れ戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
中折れ戸は、ドアがじゃばら状に折れる構造で、開閉に必要なスペースを最小限に抑えられるのが特徴です。
開き戸と比べて省スペースでも設置が可能で、トイレが狭い場合や、引き戸にできない間取りでも活用しやすいドアです。浴室やトイレなど、狭い空間で多く見られるタイプで、開けたドアが場所を取らないため、空間を広く使えるのがメリットです。
一方で、中折れ戸は開閉時に少し力が必要になるため、子どもや高齢者にとっては使いにくいと感じる場合もあります。また、デザインのバリエーションが限られている点もデメリットと言えるでしょう。
3.トイレのドア交換の注意点
ここでは、トイレのドア交換の際に知っておくべき注意点を説明いたします。
①引き戸にすると音が漏れやすくなってしまう
引き戸は開き戸に比べて密閉性が低いので、トイレのドアを引き戸にしてしまうと音や臭いが漏れやすくなってしまいます。
バリアフリーのことを考えて引き戸にしようとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、引き戸には音漏れや臭い漏れなどのデメリットがあることを認識しておきましょう。
②内開きのドアは開閉スペースなどの確認が必要
トイレのドアを内開きにしたいとお考えの場合は、ご自宅のトイレのスペースで、開け閉めができるかしっかり確認しましょう。
そして、内開きのドアは万が一中で人が倒れてしまうと外から開けられなくなってしまいます。高齢の方がいらっしゃるご家庭は注意しましょう。
③オーダーメイドのドアはドアのみの交換でも費用が高くなる
最初にドアだけ交換した場合と枠も一緒に交換した場合は5~8万ほど費用に違いがでるとご紹介しました。
しかし、ご自宅のドアが特注のドアだった場合は注意が必要です。なぜなら、既製品のドアやドア枠の取り付けが難しい場合があり、ドアのみの交換で済ませることができない場合があるからです。
その場合は、再度オーダーメイドでお願いするか、既製品のドアやドア枠が取り付けられるような内装のリフォームが必要なため、通常のドア交換リフォームに比べて費用がかさんでしまうことに注意が必要です。
4.トイレのドア交換の費用を安くするコツ
トイレのドア交換を検討する際、費用をできるだけ抑えたいと考える方も多いでしょう。
ここからは、コストを削減しながらも満足のいくリフォームを実現するための具体的な方法を3つご紹介します。
①カバー工法でドア枠は残す
トイレのドア交換費用を安く抑える方法の1つに、ドア枠を残す「カバー工法」があります。
この方法は既存のドア枠をそのまま使い、新しいドアを取り付けるリフォーム方法で、通常の交換費用に比べて約半額程度のコストに抑えられることが多いです。
現在のドア枠が傷んでいない場合や、同系統のデザインを選ぶ場合、カバー工法でリフォームすることで費用を大幅に削減できるでしょう。
まずはリフォーム会社にカバー工法が適用可能か確認してみましょう。
②他のリフォームと同時におこなう
トイレ全体の劣化が気になる場合や、他にもリフォームを考えている場所がある場合は、そういったリフォームとまとめてドア交換を行うのがおすすめです。
複数個所のリフォームを一度に行うことで、作業効率が上がるだけでなく、職人や車両を何度も手配する必要がなくなるため、その分ドア交換にかかる費用を抑えることができます。
ただし、まとめてリフォームを依頼することになるとトータルでかかる費用は高くなるので、複数個所のリフォームを考えていない場合は他の方法で費用を抑えられる方法がないか検討したほうが良いでしょう。
③相見積もりをとる
トイレのドア交換を検討する際には、複数の業者から相見積もりを取ることが大切です。これは、業者によってリフォーム費用が大きく異なるためです。
複数の会社からの提案を比較することで、適正価格を把握しやすくなるだけでなく、1社だけでは気づかなかった問題点や改善点を見つけられる可能性が高まります。
例えば、同じリフォーム内容でも見積額に数万円の差が出ることがありますが、中には必要な工事を省いて安価に提示しているケースも考えられるため、必ずしも見積額の安い業者を選べばいいとは限りません。
相見積もりを取る際は、最低でも3社以上に見積もりを依頼しましょう。その際、工事内容や使用する材料を統一すると、価格の比較がしやすくなり、自分にピッタリのリフォーム会社に出会える確率が高まるためおすすめです。
5.交換せずにドアを新品のようにする方法
トイレのドアが古くなって汚れてしまったり、塗装が剥げてしまった場合は交換せずに他の方法でそのお悩みを解決できるかもしれません。
こちらではトイレのドアの交換以外の2つの方法をご紹介します。
①ドアの面材を張り替える【2.5~3万円】
これは既存のドアに塩化ビニル系の内装材を上から貼る方法です。
内装材はサンゲツのリアテックや3Mのダイノックシートなどがあります。既存のドアの撤去などをしなくてすむため費用は3万円程度に抑えられます。
②ドアの塗装を塗り替える【2.2~3万円】
既存のドアの塗装を塗り替えて傷や汚れを目立たなくする方法です。こちらも費用を抑えることができますが、塗りムラができてしまうかもしれないというデメリットもあります。
前述のとおり、ご自宅のトイレのドアがオーダーメイドの場合などではトイレのドア交換単体でも費用が高くなってしまう可能性があります。どうしても費用を抑えて交換したい場合は、こうした面材の張り替えや塗装の塗り替えを検討されてみてもよいかもしれません。
6.まとめ
この記事では、トイレのドアの交換にかかる費用やドア交換リフォームの注意点についてご紹介しました。
トイレのドアの交換にかかる費用は交換するドアの種類やグレード、交換方法によって変動します。
記事内で紹介した費用はあくまでも目安ですので、ご自宅のトイレのドア交換にかかる費用を詳しく知りたい場合はリフォーム会社に見積もりを依頼しましょう。