
「ベランダやバルコニーを塗装するタイミングや費用を知りたい」「DIYでベランダやバルコニーの塗装はできるのか」と考えている人は多いのではないでしょうか。
この記事では、ベランダ(バルコニー)の塗装を補修するタイミングや費用について紹介します。またDIYができるのかや注意点も解説しますので、ベランダ(バルコニー)塗装を考えているなら参考にしてください。
目次
1.ベランダ・バルコニーを塗装すべき時期の目安
【塗装周期目安】トップコートは5年、防水層は15年
防水塗装は防水層とトップコートの2つの層があります。塗装の塗り替えが必要な時期の目安もそれぞれの層によって異なります。大まかにトップコートは5年、防水層の塗り替えは15年おきにした方がいいと覚えておきましょう。
【塗装すべき症状】雨漏り、全体的なひび割れ・剥がれ
ただし以下の表に当てはまる項目がある人は早急にトップコートだけでも塗り替える必要があります。実際の事例として目に見える剥がれを放置していた結果、内部の合板が腐り大規模な工事が必要になってしまった例もあります。
このような危険信号が出ていないか、年に一回は実際に目で見て確認する必要があります。
また、ベランダ(バルコニー)の外壁部分が欠けたり破損している場合、別途補修が必要です。
2.ベランダ・バルコニー塗装の種類と費用
ベランダ(バルコニー)で利用する塗装には「防水加工」と「外壁塗装」の2種類があります。
「防水加工」はベランダ(バルコニー)の床を施工する工事で、「外壁塗装」は床以外を補修します。防水は水を絶対に通さないことを最優先にした施工方法です。外壁塗装は水以外に風や紫外線も遮断し、デザイン性も重視しています。
工事内容 | 費用の目安 |
---|---|
防水+外壁部分の塗装 | 30〜70万円 |
防水のみ | 20〜50万円 |
外壁部分の塗装のみ | 10〜30万円 |
価格はベランダ(バルコニー)の広さや劣化度合によって変動します。
外壁部分の塗装の場合、足場が必要であれば5~10万円程度の足場代が別途かかります。
下記では防水塗装、外壁部分の塗装の2つに分けて費用をくわしく解説します。
2-1.ベランダ・バルコニー床の防水塗装
ベランダ(バルコニー)の床は防水加工が必要です。防水加工とは、水分を弾く塗料を塗って雨が床に染み込まないようにする工事で、水が溜まりやすい場所に施工します。ベランダ(バルコニー)の防水塗装には以下の2種類があります。 価格や特徴が異なるため、予算に応じて種類を決めるとよいでしょう。
基本的には以上の範囲に収まります。以下は具体的なトップコートや防水層の詳細比較です。
トップコートの塗装
トップコートではメジャーなものはポリエステルとウレタンの2択です。
ポリエステルは新築などには使われていますが、ヒビが入りやすく重ね塗りに適さないため、塗り直すなら基本的にはウレタン一択となります。
防水層の塗装
防水層に使われる素材は主に以下の4種類です。
ベランダ(バルコニー)の塗装では一番使われているのはFRP防水です。FRP防水とはポリエステル樹脂やガラス繊維などを組み合わせた塗膜防水です。ウレタンなどに比べると軽量で耐久性が安定しています。価格的には決して安くはないですが、塗り替えの手間やその度のコストを考えるとオススメできます。
▼防水工事の種類については下記の記事で詳しく解説しています。


2-2.ベランダ・バルコニー外壁の塗装
ベランダ(バルコニー)の床以外は外壁塗装を行います。外壁塗装は防水加工とは別物で、利用する塗料や依頼する業者が異なります。外壁塗装には防水機能がほとんどないため、雨漏りを起こしやすい床には使いません。「外壁塗装に防水機能がないのなら、床だけではなく壁や天井も防水加工をすればいいのでは」と考える人もいるでしょう。
壁や天井まで防水加工をすると補修費用が高額となってしまいます。また、防水加工はデザイン性が低いためベランダ(バルコニー)の見栄えが悪くなります。外壁や天井は床と違って水が溜まる場所ではないため、防水加工ではなく外壁塗装の性能で十分なのです。
ベランダ(バルコニー)で利用する外壁塗装は主に4種類が存在します。
塗料名 | ㎡単価の目安 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
ウレタン塗料 | 2,100〜3,100円 | 8〜10年 | 価格は安いが耐用年数が短い |
シリコン塗料 | 2,730〜4,140円 | 10〜15年 | 信頼性が高くコストパフォーマンスに優れる |
フッ素塗料 | 3,690〜4,700円 | 15〜20年 | 高品質で耐用年数が長いものの価格が高い |
無機塗料 | 3,680〜5,080円 | 18〜22年 | 高価だが耐久性に優れている |
どの外壁塗料を使うかは悩むことでしょう。塗料ごとの特徴を解説していきます。
ウレタン塗装
ウレタン塗装は耐用年数が短いですが費用が安い特徴があります。耐久性が低いため長持ちする塗装方法ではありません。「ベランダ(バルコニー)の補修をしたいけれど費用は抑えたい」と考える人にウレタン塗装は向いているでしょう。
シリコン塗装
シリコン塗装は外壁塗装で一般的に利用される塗装方法です。耐用年数はそこそこで、耐久性と費用を考えた場合のコストパフォーマンスに優れています。「コストパフォーマンスが高い塗装で補修をしたい」と考える人にシリコン塗装は向いているでしょう。
フッ素塗装
フッ素塗装は耐用年数が長く工事費用がかかる塗装方法です。耐久性が高いため、補修を行うとしばらくはメンテナンスが必要なくなるでしょう。「費用が高くなってもいいから長持ちする塗料で補修したい」と考える人にフッ素塗装は向いています
無機塗装
無機塗装は耐用年数が最も長いですが費用が非常に高額です。長持ちする塗料の代表格ですが、商品によって品質差が激しい塗装方法でもあります。無機塗料は、無機成分を多く含んだ塗料ほど耐久性が高くなりますが、業者任せにしていると低品質な無機塗料を使用される危険性があります。「無機塗料の良し悪しが見抜ける人」に無機塗装は向いているでしょう。
3.ベランダ・バルコニー塗装をDIYできるのか?
ベランダ(バルコニー)塗装はDIYでも可能です。塗装用のローラーや刷毛、塗料、養生シートなど必要な材料を揃えて、塗装手順も理解しておかなければいけませんが、塗装自体は可能です。
ただし、「防水層」と呼ばれる下地部分の工事は、専門性の高い工事になるためDIYでは難しいでしょう。また業者に依頼する場合と比べて、DIYで塗った防水塗装は剥がれやすいということも注意しておきましょう。


4.ベランダ・バルコニーの塗装に関する注意点
この章ではベランダ(バルコニー)の塗装に関する注意点をご紹介します。どちらも大事なことなのでしっかりチェックしてくださいね。
4-1.なるべく早い時期に時期に塗装をすること
ベランダ(バルコニー)の塗装はなるべく早いスパンで塗り替えた方が結果として費用が安くなることが多いです。何故ならトップコートよりも防水層、防水層よりも構造用合板の方の修繕費が高いからです。より安い段階で修繕をして内部の損傷を防ぎましょう。
4-2.業者選びは慎重にする
塗装のリフォームでは悪質な業者を判断することが困難です。悪質な業者は素人目に判断できないのをいいことに塗料の量を減らしたり不適切な方法で施行をすることがあります。その場合には耐久性が著しく落ちてしまい大きな損失を被ることになります。
施工後すぐに表面にヒビが入ったり塗料がはがれた場合では多くの業者では無償で塗り直しをしてくれます。アフターケアに関する整備がきちんと整っている業者を選びましょう。
5.まとめ
ベランダのメンテナンスは一般に思われているよりは大変なものです。しかしそれを怠ると家全体に悪影響が出たり高額な修繕費がかかる可能性があります。面倒がらずにきちんと点検してベストな状態に保ちましょう。
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