
外壁の劣化や汚れが気になり、そろそろリフォームしようと外壁リフォームを検討している方もいると思います。
しかし外壁リフォームの依頼先は多く、工務店やハウスメーカー、リフォーム会社など、「何を基準に業者を選べばいいのか分からない」と悩むことも多いでしょう。
そこで今回は、外壁リフォーム業者の選び方や探し方、業者選びのチェックポイント、費用を抑えて外壁リフォームを行う方法などについて解説します。
初めて外壁リフォームをしようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.外壁リフォームの業者の種類
外壁リフォームを依頼できる事業者は、大きく分けて5つあります。
それぞれのメリット・デメリットを解説するので、自分に合う依頼先はどこか考えてみてください。
①住宅リフォーム専門業者
住宅リフォーム専門業者は、名前の通り、住宅のリフォームに特化している専門業者です。ハウスメーカーなどに比べると小規模であることが多いですが、業者数は多く、会社ごとに特色が異なります。
また、住宅リフォーム専門業者といっても、内装リフォームを得意とする業者と、外装リフォームを得意とする業者があります。業者を選ぶ際には、外装リフォームを得意とし、外壁の施工実績が多い業者を選びましょう。
住宅リフォーム専門業者のメリット・デメリットと、向いている人は以下の通りです。
メリット | ・知識や技術を豊富に備えている ・他の箇所もまとめて依頼しやすい ・足場を使うリフォームを同時に行えば、足場代が節約できる |
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デメリット | ・業者によって技術の差がある ・下請に発注するとコストが高くなる |
向いている人 | ・屋根や雨樋修理など、他のリフォームもまとめてやりたい |
②ハウスメーカー
ハウスメーカーは、家を建てるのはもちろんのこと、リフォーム事業も行っています。
自宅を建築したハウスメーカーなら、建てたときの図面や資料を持っているため、外壁リフォームを依頼する際も話がスムーズに進むでしょう。
また、大手ハウスメーカーは、施主の希望工期に合わせて対応できる組織力や従業員数を十分に確保しています。そのため、繁忙期に対応が遅れる心配が少なく、迅速に対応してもらいやすいのもメリットです。
ハウスメーカーのメリット・デメリットと、向いている人は以下の通りです。
メリット | ・全国展開しているため施工実績が豊富 ・建築したハウスメーカーなら依頼がスムーズ ・人手が十分確保されているため対応が遅れる心配が少ない |
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デメリット | ・費用が高い ・使用できる色や塗料に制限がある場合も |
向いている人 | ・コストをかけても知名度と安心感を重視したい ・決まったデザインから選びたい ・アフターサービスや保証を重視したい |
③工務店
地元で長年営業している工務店は、なじみ深く信頼できる業者が多いでしょう。
ハウスメーカーに比べて小規模ではあるものの、地域密着型の営業をしているところが少なくありません。また、ハウスメーカー同様に住宅建築のノウハウを持っているため、信頼できます。
工務店のメリット・デメリットと、向いている人は以下の通りです。
メリット | ・費用が安い ・自由度が高く工事の融通が利きやすい ・色や塗料など選べる種類が豊富 |
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デメリット | ・業者の良し悪しを見極めにくい ・塗装業者へ外注する場合は高値になる |
向いている人 | ・地域密着型に安心感を感じる ・塗料や色にこだわりたい |
④外壁専門会社
外壁専門会社は、その名の通り、外壁工事を専門に手がける業者です。主な工事内容は、外壁の張り替えやシーリング工事、ひび割れ補修、塗り替えなどです。
外壁工事に関する知識が豊富であるため、これまでの経験や実績を元に外壁がどのような状態なのかを把握し、施主の希望にあった最適な方法を提案してくれるでしょう。
また、自社で施工している外壁専門業者の場合は、中間マージンが発生しないため費用が安くなる傾向にあります。
一方で、少数精鋭で経営している小規模な会社が多く、インターネットなどを利用した宣伝活動は控えめです。昔ながらのチラシや紹介、看板などで集客している場合は会社情報が少なく、信用度が分かりにくいこともあるでしょう。
外壁専門会社のメリット・デメリットと、向いている人は以下の通りです。
メリット | ・外壁のスペシャリストが集まっているため安心感がある ・自社施工の会社を選べば費用を安く抑えられる |
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デメリット | ・会社の規模や信用度が分かりにくい ・情報収集がしにくい |
向いている人 | ・費用を抑えたい ・自分で調べて比較検討できる |
⑤ホームセンター
最近は、ホームセンターや家電量販店の中に、リフォームサービスの一環として外壁のリフォームを受け付けていることがあります。買い物ついでに相談しやすく、身近な店舗で依頼できる安心感が魅力です。
ただし、下請け業者へ依頼するため中間マージンが発生する可能性が高いでしょう。また、知識を持った専門の人が受付するとは限らないので、施工業者との連携不足が起こる可能性も考えられます。
ホームセンターのメリット・デメリットと、向いている人は以下の通りです。
メリット | ・分割払いが可能 ・ポイントが付く |
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デメリット | ・費用は高い傾向 ・受付担当者の知識量にばらつきがある |
向いている人 | ・気軽に問い合わせしたい ・分割払いを希望する |
2.外壁リフォーム業者の探し方
外壁のリフォーム業者の種類は理解したけれど、実際どのように探せばよいのか分からないという方も多いでしょう。
外壁リフォーム業者を探すには、以下の方法がおすすめです。
方法 | 探し方 |
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リフォーム会社紹介サイトを使う | サイトに登録して自分に合った業者を紹介してもらう |
自分で探す | ホームページや店舗を自分で調べる |
知人のつてを頼る | 実際にリフォームした知人に紹介してもらう |
新聞やチラシ、看板、広告で探す | 新聞広告やチラシ、近隣の看板をチェックする |
リフォーム業者を選ぶときに最も大切なのは、業者の良し悪しを見定めることです。しかし、リフォーム業者は会社情報が不明瞭であるケースも多く、見極めが非常に難しいのです。
自分で選定するのが不安と感じる方は、リフォーム会社紹介サイトを利用するのがおすすめです。紹介サイトであれば、審査基準に合格した業者の中から、希望に合ったリフォーム業者をプロの視点で選んでもらえます。
外壁リフォーム業者の探し方にはそれぞれメリット・デメリットがあるので、自身に合った方法を選びましょう。
3.外壁リフォームの業者選びでチェックしたいポイント
外壁リフォーム業者を選ぶときの、7つのチェックポイントを紹介します。
上記は、外壁リフォーム会社選びで欠かせないポイントです。項目ごとに解説するので、必ずチェックしておきましょう。
①外壁リフォームの実績は豊富にあるか
外壁リフォーム会社の良し悪しは、ホームページである程度判断ができます。その中でも、リフォームの施工実績は必ず確認すべきです。経験豊富な業者ほど技術力が高く、仕上がりや対応の良さが期待できます。
また、外壁リフォームといっても、外壁の塗装と張り替えでは、施工内容や工程、費用などが大きく異なります。
従って、塗装なら塗装、張り替えなら張り替えといったように、希望するリフォーム内容の実績を確認しておくことも重要です。
②アフターサービスや保証内容が充実しているか
外壁塗装後すぐにはトラブルが起きにくいですが、数年たつと施工不良によってひび割れが起こる可能性があります。
施工不良が発生すると余計な手間や費用がかかるため、契約前に必ずアフターサービスや保証内容について確認してください。
保証内容は業者によって異なるため、業者ごとに保証内容を確認しておくと、複数社から比較検討する際に役立ちます。また、保証内容は必ず書面にしてもらい、リフォーム後も失くさないよう大切に保管しておきましょう。
③現地調査の対応や提案は専門的か
現地調査では、業者の対応や専門的な提案があるか確認します。例えば、リフォームに対する不安や疑問点を相談したり、近隣住民への配慮について聞いてみたりすると業者の対応力が分かるでしょう。
このとき、わざと難しい専門用語を並べたり、契約を焦らせたりする業者には注意が必要です。一方で、質問に対して具体的な回答があり、工事のメリットだけなくデメリットもしっかり説明してくれる業者は信頼できます。
外壁リフォームでは、塗料の臭いや足場設置時の騒音など、近隣住民へ迷惑をかける可能性があるため、リフォーム業者の身だしなみや言葉遣い、マナーもしっかりチェックしてください。
④火災保険や補助金に詳しい業者か
補助金や助成金制度を活用する際には、依頼する業者がその制度について詳しいかどうか確認しておくことが重要です。
補助金制度に精通していない業者を選んでしまうと、書類不備で申請ができなくなったり、補助金申請前に工事が始まってしまったりするリスクがあります。
また、災害によって外壁や屋根に補修・塗装が必要となった場合には、火災保険が適用になるケースもあります。
これらの情報を熟知している業者であれば、必要書類はもちろんのこと、申請や手続きをスムーズに進められるでしょう。
⑤資格や免許を持っているか
実は外壁リフォーム業を開業する際には、特別な免許や許可は必要ありません。従って、どのような業者でも外壁リフォームを始めることができます。
一概に免許や資格がないから技術や知識を持ち合わせていないということではありません。
しかし、「塗装技能士」や「建設業許可証」といった資格は、長年の実績と経験がなければ取得できない資格であるため、保有しているリフォーム業者はより信用度が高いといえるでしょう。
なお、塗装技能士は国家資格の1つであり、1級を取得するには7年以上の実務経験が必要です。
また、500万円以上の工事を行う場合には、建設業許可がなくてはなりません。許可証の取得には、会社の資産状況や過去の業務履歴が自治体によって審査されるため、所持している業者の信頼性は高いと考えられます。
⑥質問に分かりやすく親切に答えてくれるか
親切に対応し、疑問や不安に真摯(しんし)に答えてくれる担当者がいる会社は、社員教育が行き届いており、信頼できる可能性が高いといえます。
リフォームに関する疑問点を事前に整理して営業担当者に確認し、担当者の対応を見極めましょう。
丁寧に対応してくれる会社は、施工後のフォローもしっかりしていて、万が一、トラブルが発生しても誠実な対応が期待できます。
一方、「今すぐ契約しないと外壁が崩れる危険がある」「今日契約すれば特別価格で施工できる」など、契約を急かしてくる担当者には注意が必要です。
信頼できる業者であれば、判断する時間に余裕を持たせ、慎重に決めることを勧めてくれるはずです。営業担当者の対応や契約の進め方をしっかり確認し、信頼できる業者を選んでください。
⑦訪問営業で無理に契約を迫ることはないか
訪問営業は1つの営業手法で、訪問営業をしているからといって全ての業者が信用できないということはありません。しかし、中には悪徳なリフォーム業者もいるため注意が必要です。
自宅に来た業者の良し悪しを判断する際は、以下の点に注意してください。
- インターネット上に会社情報が出てこない
- 不安をあおって無理に契約を迫ってくる
- その場で外壁リフォームの見積もりを提示してくる
- キャンペーンを装って大幅値引きを提案してくる
万が一、訪問営業で無理に契約を迫られてもその場では契約せず、きっぱりとした態度でとにかく断ることが大切です。
4.費用を抑えて外壁をリフォームする方法
リフォームするに当たって、なるべく費用を抑えてリフォームしたいという方も多いでしょう。
ここでは、費用を抑えて外壁をリフォームする方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
①外壁と屋根を同時にリフォームする
外壁リフォームでかかる費用の内訳には、「足場代」が含まれています。足場代は、高所での作業では欠かせない費用であり、外壁工事、屋根工事いずれの工事でも発生します。
そのため、外壁工事と屋根工事をまとめて依頼すれば、本来は2回分必要な足場代を1回に減らし、節約できます。
なお、一般的な広さの家であれば、足場代は約20万円が相場です。外壁と屋根を同時にリフォームすると一時的な工事費用は高くなりますが、20万円ほど節約ができるので、屋根の同時リフォームも検討してみましょう。
②補助金・助成金を活用する
外壁リフォームでは、費用の一部を国や自治体が負担してくれる制度があります。
例えば、2024年度に設けられていた「子育てエコホーム支援事業」では、外壁に断熱材を用いた断熱改修で要件を満たせば最大60万円の補助金が受けられました。
この他にも、住んでいる自治体や地域によって、外壁リフォームに関する補助金や助成金を実施している場合があります。
こうした補助金や助成金制度をうまく活用することで、外壁リフォームにかかる費用を抑えることができるでしょう。ただし、申請条件や対象工事が細かく決められていることがあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
なお申請する際は、着工前に書類を準備し窓口で手続きしなくてはなりません。工事を始めた後や完了後に申請すると、補助金・助成金が受けられなくなるケースもあるので注意しましょう。
③相見積もりをとる
外壁リフォームの費用を抑えるには、相見積もりをとって比較検討することが重要です。
複数の会社から見積もりを取ることで、外壁リフォームにかかる費用の相場を把握しながら、自分の希望や予算に合った適切なリフォーム業者を見つけることができます。
見積もりを依頼する際は、後で比較しやすくなるように、使用する塗料や素材、グレード、面積などをそろえて依頼することがポイントです。
ただし、施工費用だけを見て会社を選ぶのではなく、工事内容や希望条件をくみ取ってくれるかなど、総合的に見て判断しましょう。
安過ぎる業者は要注意!
外壁リフォームで費用を抑えたい場合でも、あまりに安価な業者を選ぶと、手抜き工事や塗り損ね、保証トラブルといった問題が起こる可能性があります。
例えば手抜き工事では、必要な工程を省略されたり質の低い材料を使用されたりすることで、塗装がすぐにはがれることがあります。
また、いい加減な作業の業者にお願いしてしまうと塗りムラができたり塗り忘れがあったりすることもあるでしょう。
さらに、見積もりで「保証がある」と言われたにもかかわらず、実際には対応してもらえないケースも少なくありません。
このような悪徳業者を選ばないためにも、相見積もりでは価格だけでなく工事内容や保証の内容までしっかり比較検討して業者を選びましょう。
5.まとめ
今回は、外壁リフォーム業者の選び方について解説しました。リフォームの依頼先は、住宅リフォーム専門業者、ハウスメーカー、工務店、外壁専門会社、ホームセンターという5つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを把握して、自身に合った依頼先を選んでください。
また残念ながら、リフォーム業者の中には悪徳業者も存在します。特に、目視で劣化を指摘できる外壁や屋根は、家に直接営業に来てリフォームを勧めてきたり、「すぐに工事が必要」など言って恐怖心を与えてきたりする事例など詐欺まがいの事例も多いため、注意しましょう。
本文内で紹介した7つのチェックポイントを参考にしながら、しっかり比較検討して、このような悪徳業者を避けて自分に合った優良な業者を選びましょう。
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