
「自宅の屋根にアスベストが使われているのか知りたい」
「屋根にアスベストが含まれていたら、どう対処すればいいの?」
アスベストは危険なものという認識が一般的な現在、こんな不安を持っている人は多いでしょう。
この記事では、屋根にアスベストが含まれているか見分ける方法や、対処法を紹介します。
自宅の屋根にアスベストがあるかどうかでリフォーム時の費用が大きく変わります。
事前にチェックしてリフォーム計画を立てる際の参考にしてみましょう。
目次
1.屋根におけるアスベストの危険性

そもそもアスベストはなぜ危険なのかご存知でしょうか。
アスベストの性質や危険性を知っておくことで、屋根の工事を最小限に抑えられます。
1-1.アスベストとは?
アスベストは、石綿とも呼ばれる微細な鉱物を指します。
軽くて耐久性に優れているため多くの建築材に利用されていました。
現在では、発がん性物質と判明していることから、使用や製造を禁止している素材でもあります。
1-2.アスベストの危険度
アスベストにはレベル1〜3まで危険度が設定されています。
レベル1が最も危険で、3が危険性が比較的低いです。
| 危険度 | 製品の例 | 飛散する可能性 | 処理方法 |
|---|---|---|---|
| レベル1 | 吹付け材 | 非常に高い | 周囲を隔離する厳重な処理 |
| レベル2 | 断熱材 | 高い | |
| レベル3 | 屋根材 | 粉砕や切断時は高い | 隔離まではしないが湿らせて処理 |
レベル1は、吹き付け材に使われています。
空気中に簡単に飛散してしまうため、近づいてはいけません。
レベル2は、断熱材で利用されています。
飛散性が比較的高いため、近づくことは避けたほうが良いでしょう。
レベル3は、屋根材が該当します。
そのままの状態であれば飛散する危険性はほとんどありません。
ただし、劣化や破損によって表面が削れた場合はアスベストが飛散する危険があります。
2.アスベストの屋根を見分ける方法
自宅の屋根がアスベストを含むかどうかは2つの方法で見分けられます。
- 建設時期
- 屋根材の種類
2-1.建設時期で見分ける
2004年以前の屋根材にはアスベストが含まれているおそれがあります。
アスベストは2004年や2006年に利用を法律で制限されています。
特に2004年の法規制が重要です。
2004年の規制により、アスベストを1%以上含む建材が利用できなくなりました。
これは、屋根材においては実質的なアスベスト含有禁止令となります。
このため、2005年以降の屋根材製品であればアスベストを含んでいるおそれはないでしょう。
ただし、後述するアスベスト事前調査にあたって、対象は「2006年9月1日以前に着工した建物」となるので2005年以降の製品であっても調査対象になることがある点には注意しましょう。
2-2.屋根材の種類で見分ける
アスベストを利用していた屋根材は「スレート瓦」と「セメント瓦」です。
一方で、アスベストが含まれていない屋根材には「粘土瓦」と「金属」があります。
自宅の屋根材がスレートやセメント瓦の場合はアスベストを含んでいるおそれがあるでしょう。
屋根材の種類がわからない場合は、屋根の張り替え業者に業作してもらうと良いでしょう。
3.自宅がアスベストの屋根だった場合の対処法

自宅の屋根がアスベストを含んでいるとわかった場合の対処方法は2つあります。
- カバー工法をする
- 葺き替えをする
3-1.カバー工法

アスベスト対策の分類でいうと、カバー工法は既存の屋根材を撤去せず上から覆う「囲い込み」にあたります。
アスベストごと古い屋根材を閉じ込めるため、リフォーム後に飛散するおそれがありません。
石綿を含んだ屋根材はそのまま残るため飛散は抑えられますが、将来的に建物を解体したり葺き替えたりする際には、結局アスベストの除去が必要になります。
カバー工法を選ぶメリットは、葺き替えよりも費用が安いことです。
デメリットは、屋根の下地が劣化している場合はカバー工法では補修しきれないことです。
カバー工法にかかる費用の相場は30坪の住宅で160〜240万円程度となります。
葺き替えと比べると安価で済むので、「今回の工事は費用を抑えておきたい」という人に向いています。
注意点として、カバー工法をした屋根は再びカバー工法することはできないため、次回のリフォームでは葺き替えが必要となります。
その時には根本的なアスベストの除去が必要です。
3-2.葺き替え

アスベスト対策の分類でいうと、葺き替えは石綿を含んだ屋根材そのものを撤去する「除去」にあたります。
屋根から石綿を根本的になくせる一方、撤去・運搬・処分に飛散防止措置が必要なため、カバー工法より費用は高くなる傾向があります。
葺き替えを選ぶメリットは、アスベストを完全に除去できることです。
葺き替えた後は、アスベストが飛散するおそれは一切ありません。
デメリットは、カバー工法よりも費用が高いことです。
葺き替えにかかる費用の相場は30坪の住宅で180〜260万円程度です。
アスベストを完全に除去して不安を完全に解消したい人に向いているでしょう。
4.アスベスト屋根を解体・補修する際の注意点

アスベストを含む屋根を解体や補修する際には3つの注意点があります。
- リフォーム前の事前調査・報告が義務化されている
- 破損しなければ害は少ない
- DIYで屋根工事は厳禁
4-1.リフォーム前のアスベスト事前調査・報告が義務化されている
2021年4月より、建築物の解体・改修工事の前に、有資格者によるアスベストの事前調査義務化されています(石綿障害予防規則・大気汚染防止法)。
一定規模以上の工事は、調査結果を労働基準監督署・自治体へ報告する義務が2022年4月から課されています。
事前調査の対象となる工事の目安
- 解体は床面積80㎡以上/改修は請負金額100万円(税込)以上
- 屋根のカバー工法・葺き替えも、費用が100万円以上になれば対象になり得る
調査費用の相場は10~20万円程度で、施主負担となる場合があります。
リフォーム会社に費用負担や工期への影響を確認しておきましょう。
リフォーム前のアスベスト調査については、こちらの記事を参考にしてください。
4-2.破損しなければ害は少ない
危険度がレベル3である屋根のアスベストは、固形化されているため破損や劣化がなければ飛散しにくいです。
このため、無理に除去工事をしてアスベストを飛散させるよりは現状維持という選択肢も検討してみてください。
ただし、吹き付けのアスベスト素材が住宅内部に利用されている場合は除去する義務が発生します。
アスベストが利用されているかどうかが心配な場合は、一度、アスベスト除去専門の業者に調査を依頼しましょう。
4-2.DIYで屋根工事は厳禁
アスベストの解体や処理は専門資格と技能が必須です。
このためDIYで除去作業は絶対に行わないでください。
アスベスト屋根の場合、除去作業でなく塗装や洗浄だけだとしてもDIYしてはいけません。屋根の洗浄時にアスベストが飛散する危険性があるからです。
業者であれば対処できますが、DIYだと専門知識がないまま洗浄してアスベストを吸い込む危険があります。
たとえ今までDIYで工事していたとしても、アスベストを含む屋根だとわかったのなら、以降の屋根リフォームやメンテナンスは必ず業者に依頼してください。
5.まとめ
アスベストには3段階の危険性があります。
屋根材は最も危険度が低いレベル3ですが、破損や切断をすると飛散する危険があるでしょう。
対策としては、新しい素材を重ねる「カバー工法」と、完全に屋根材を交換する「葺き替え」があります。
費用を節約したいならカバー工法、アスベストの危険性を完全に排除したいのなら葺き替えが適しているでしょう。
そもそも自宅の屋根材の種類がわからない場合は「屋根材の種類と特徴、あなたに適した商品の選びかたを知ろう」をチェックしてみてください。
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