洗面所リフォームは“洗面台だけ”でいい?費用・事例・注意点まとめ

洗面所リフォーム

水栓の故障や洗面ボウルに入ったヒビ……。洗面台の不具合や使いづらさをきっかけにリフォームを考え始める人は多いようです。しかし、本当に洗面台の交換だけでも良いのでしょうか?

よく見てみると、壁の汚れが気になったり、床がきしんだり、内装が劣化していることもめずらしくありません。
また、レイアウトを変えることで、おしゃれで見違えるような洗面室になったり、家事がはかどる機能的な空間になったり、生活の質がアップするリフォームも見られます。

この記事では、洗面所のリフォームを検討している方のために、どんな工事が考えられるか、費用感や注意点などを事例とともにご紹介します

実際の見積もりから算出した、洗面所リフォームの費用と相場


1.洗面所リフォームの選択肢|部分 vs 全体、何が違う?

洗面所のリフォームには、洗面台の交換を中心とした「部分リフォーム」と洗面所全体を見直す「全体リフォーム」があります。

1-1.洗面台の交換を中心としたリフォーム

洗面台は、下台のみやミラーキャビネットのみの交換もできますが、洗面台を一式交換したほうが、機能性が高くなります。さらに内装を一緒にリフォームすると、洗面所の汚れや古さも解消できます。

洗面台のリフォーム

①洗面化粧台の交換

洗面化粧台の交換は、下台とミラーキャビネットのユニット一式を入れ替えるリフォームです。老朽化や故障による交換はもちろん、デザイン性の向上といった効果も得られます

最新の洗面化粧台は、お掃除がラクになる機能や収納の工夫が満載です。手をかざせば水が出る自動水栓の搭載など、朝の身支度を時短できる機能も見られます。

②洗面化粧台下台のみの交換

洗面化粧台は、見た目には一体型に見えますが、下台とミラーキャビネットに分かれた構造になっています。そのため、洗面化粧台の下台だけを交換することも可能です。
下台を交換することで、ひび割れたボウルや収納の使い勝手を改善することができます

ただし、ミラー下に洗面化粧台が納まることが条件になるので、基本的には同じ洗面化粧台を選ぶ必要があります。

③洗面化粧台上台(ミラーキャビネット)のみの交換

下台と同様に、上台(ミラーキャビネット)だけを交換することも可能です。上台を交換することで、ミラーの不具合や収納の使い勝手を改善することができます

ただし、上台の交換は、新しい上台を取り付けるための下地の追加が必要になることがあります。また、上部に上置き収納がある場合は、下台と上置き収納の間に、新しいミラーが納まるか確認が必要です。

④洗面ボウルのみの交換

カウンター上に洗面ボウルが置き型になった「ベッセル式」の場合は、洗面ボウルだけを交換できる場合があります。

ただし、メーカー品の洗面化粧台は、キャビネットと洗面ボウルが一体型となっており、ボウルのみの交換は基本的にできません。人造大理石や陶器のボウルが割れた場合は、下台をまるごと交換する必要があります。

⑤洗面台の交換+壁紙・床材の張り替え

新品の洗面台に交換すると、壁紙や床材の古さが気になることがあります。このような内装のリフォームは、洗面台の交換時に行うほうがスムーズなので、あわせて検討してみましょう。

内装までリフォームすると、洗面所全体の汚れやカビ、古さが解消され、洗面所のイメージを一新することができます

洗面台(洗面化粧台)の交換リフォームにかかる費用相場【事例付き】
洗面台(洗面化粧台)の交換リフォームにかかる費用相場【事例付き】
洗面台(洗面化粧台)の交換リフォームにかかる費用相場【事例付き】
記事を読む

1-2.洗面所全体のリフォーム

洗面所の全体的なリフォームは、洗面台の交換だけでなく、収納の設置や洗面台の位置変更、断熱やバリアフリーリフォームなど幅広く、洗面所の使い勝手を根本から見直すことができます。

洗面所の全体リフォーム

①洗面所の照明・コンセントの増設・移設

洗面所の明るさが不足している場合は、スポット照明やブラケットライトの増設を行うと明るくなり、安全性や視認性がアップします。また、人感センサーを搭載すると、電気の消し忘れを防ぎ、省エネ効果も得られるのでおすすめです。

コードが届かなかったり、コンセントが足りなかったりといったお困り事がある場合は、コンセントの増設や移設も一緒に行うと良いでしょう。

②洗面所の収納造作・棚設置

洗面所という限られた空間を最大限活かすためには、デッドスペースを活用することがポイントになります。既製品の収納は、デッドスペースに納まらないこともありますが、造作収納であれば空間にあわせて作ることが可能です。

オープン棚、可動棚、吊戸棚など、空間や使用目的にあわせて製作することで、収納力や使い勝手がアップします。

③ドラム式洗濯機用にレイアウト変更

ライフスタイルが多様化し、夜洗濯を行うご家庭やドラム式洗濯乾燥機を導入するご家庭も増えています。洗面所の使い方を刷新して、ランドリールーム化するプランも人気です。

ドラム式洗濯機を設置するには、対応サイズの防水パンへの変更、給排水設備やコンセントの移設工事が必要になる場合があります。
また、洗面所をランドリールームとしても使うためには、室内物干しの設置も必要です。湿気がたまりやすくなるので、可能であれば換気扇の設置を検討しましょう。

広さに余裕があれば、アイロン作業ができるスペースの確保や、乾燥した衣類をそのまま仕舞える収納を検討すると、さらに家事効率がアップします。

④洗面台の位置変更・間取り変更

洗面台と洗濯機の位置を入れ替えたり、間取り変更で洗面所を拡張したり、レイアウトを大幅に見直すリフォームもできます。

位置変更や間取り変更は、給排水配管や電気配線の移設工事が必要になりますが、レイアウトが変わることによって、使い勝手が大きく向上するでしょう。

⑤洗面所の断熱・換気リフォーム

洗面所の断熱リフォームには、内窓の設置や断熱材の追加などがあります。洗面所はヒートショックを起こしやすい場所ですが、断熱性がアップすることによって、ヒートショックの危険性を減らすことができます

また、洗面所は湿気が多く、換気性能が落ちやすい場所です。換気扇を交換することで、結露防止や室内干しの効率アップにつながります。さらに、湿度センサータイプの換気扇なら、湿度を感知すると自動で湿気を排出するので便利です。

⑥バリアフリー対応

洗面所のバリアフリーリフォームは、床の段差解消や手すりの設置、引き戸への変更を行います。バリアフリー対応をしておくことで、つまづきや転倒を防ぐことが可能です

将来的な介護を見据えたリフォームになりますが、早めに対応しておくことで安心して生活できるというメリットもあります。


2.洗面所リフォームの費用の目安|リフォーム範囲ごとにいくらかかる?

洗面化粧台の交換費用は、10〜30万円が目安になります。洗面台の一部を交換する費用は、4~15万円程です

また、5〜9万円程度で壁紙と床の張り替えもできるので、洗面台を交換する際には一緒にリフォームすることをおすすめします。
最も費用がかかるのは洗面所の拡張や間取り変更で、30~55万円程の費用が見込まれます。

洗面台化粧台 洗面台化粧台の交換(下台+上台) 10~30万円
洗面化粧台下台のみの交換 8.5~15万円
洗面化粧台上台
(ミラーキャビネット)のみの交換
4〜8万円
壁紙+床張り替え 5~9万円
照明の交換 1.5万〜2.5万円
収納造作 3万円~
洗濯機スペース拡張
(防水パン変更、給排水移設、内装復旧など)
15~30万円
洗面所の拡張・間取り変更 30~55万円
断熱・換気 洗面暖房機(ルームヒーター)の設置 7~20万円
内窓の設置 4~6万円
バリアフリー 床の段差解消 5~25万円
手すりの設置 2~5万円
引き戸への変更 3〜25万円

3.洗面所リフォームの事例

洗面所リフォームの事例をご紹介します。全体リフォームと部分リフォーム、それぞれの事例をご紹介するので、ビフォーアフターの変化を比較してみてください。

3-1.全体リフォームの事例

間取り変更を含む、洗面所全体のリフォーム事例を3つご紹介します。

①狭くて使いにくかった洗面所をシンプルに間取り変更

※横にスクロールできます

事例1-1
事例1-2

洗面台の手前に洗濯機が位置し、身支度も洗濯物の取り出しも困難だった洗面所。脱衣所も兼ねていたため、その狭さにお困りでした。

間取り変更をすることによって、洗面・洗濯・脱衣がしやすい空間にリフレッシュ。家事効率がアップし、身支度をゆったり整えられる空間に生まれ変わりました。

出典:https://freshhouse.co.jp/case/1630/

②古い洗面所を使いやすく全面リニューアル

※横にスクロールできます

事例2-1
事例2-2

老朽化した洗面台の隣には給水栓が見られますが、防水パンはなく洗濯機置き場としては漏水が心配な状態でした。開き扉と収納付き一面鏡の洗面台は、使いづらく収納力も控えめです。

全面リニューアルした洗面所は、洗面台の左にタオルや日用品を収納できるサイドキャビネット、右には防水パンを備えた洗濯機置き場と充実したレイアウトに。洗面台も引き出しと収納付き三面鏡に変わり、収納力が格段にアップしました。

出典:https://www.aigisetsubi.com/works/works-016/

③洗面所をハンガーバー付のランドリースペースに

※横にスクロールできます

事例3-1
事例3-2

お風呂の老朽化をきっかけに、全面的なリノベーションをご検討されたお施主様。洗面台は比較的新しいものですが、物が多く収納が不足していることが窺えます。

リノベーションでは洗面台の間口を広げ、ミラー付きのトール収納を設置。物をたっぷり収納できる洗面室に生まれ変わりました。

洗面台の背面には、ドラム式洗濯機がゆったりと配置され、その上部にはハンガーバーも設置。洗濯物を一時干しできるランドリースペースとしても機能する空間になりました。

出典:https://www.artreform.com/example/7343/

3-2.部分リフォームの事例

洗面台を交換する「部分リフォーム」でも、収納力や機能性を上げることは可能です。部分リフォームの事例を3つご紹介します。

①洗面台の交換で収納力アップ

※横にスクロールできます

事例4-1
事例4-2

収納の少なさや劣化が気になるとのことで、洗面化粧台を交換。下部がオープンタイプの洗面台を引き出し式の洗面台にリフォームしました。ミラーは収納のない一面鏡だったものを収納付き三面鏡に交換。収納力が大幅にアップしました。

また、水栓が壁出しタイプに変わったので、水垢が溜まりにくく清掃性も抜群です。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/100

②サイズダウンしながらも収納力がアップした洗面台

※横にスクロールできます

事例5-1
事例5-2

開き扉収納の使いづらさや収納のない一面鏡にお困りだったお施主様。引き出しの付いた洗面台と収納付き三面鏡にリフォームしました。

新しい洗面台は収納力がアップするので、間口をサイズダウンすることをご提案。窓枠内にスッキリ納めることができました。窓のお掃除がしやすくなり、空いたスペースにはラックを置いて収納を増やすことも可能です。

内装も一緒にリフォームし、洗面所が見違える空間に変わりました。

出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2397

③座って使えるドレッサーを導入

※横にスクロールできます

事例6-1
事例6-2

劣化が目立つ洗面台を座って使えるドレッサー式の洗面台にリフォーム。
TOTOの「座・ドレッサー(※)」は、洗面台下がオープンになっており、座って使うことはもちろん、操作レバーで立って使える高さにも調整できる洗面台です。
壁や床も張り替え、洗面所が真新しい空間にリフレッシュされました。

※現在「座・ドレッサー」は廃盤となっており、後継品は「車いす対応洗面」になります。

出典:https://www.daiken-rs.jp/case_reform/slug-ad1cd47644a358bdda99350e5c8365be


4.洗面所リフォームを後悔しないための注意点

洗面所リフォームには、細かな注意点が多くあります。後悔しないためにも、事前にしっかり確認しておきましょう。

4-1.デザイン・機能性など何を優先するか考える

洗面所リフォームを検討する際には、機能性・収納力・デザイン性など、何を重視するか優先順位をしっかりと決めておきましょう。

例えば、忙しい共働き世帯では機能性や清掃性を重視、物が多いご家庭では収納力を優先するなど、ライフスタイルに合わせて優先順位を決めることが大切です。

優先事項が明確になっていると、商品選びがスムーズになるだけでなく、リフォーム会社側からのプランも提案しやすくなります

4-2.メーカーにこだわらず商品を見る・試す

同じ価格帯でも、メーカーによって洗面台の特徴や機能は大きく異なります。メーカーにこだわらず、できるだけ多くのショールームに足を運び、実物を確認しておきましょう。

水栓の操作性や収納の使いやすさ、あらゆる箇所のサイズ感など、細かくチェックすることで後悔を防ぐことができます。
カタログやウェブサイトからは伝わらない使い勝手や質感、サイズなどは、ぜひショールームで確認してください。

また、リフォーム会社ごとに付き合いの深いメーカーがあり、取引量が多いメーカーなら大きく値引きができる可能性があります。メーカー指定せずに、欲しい機能をリフォーム会社に伝えることで、最もコストパフォーマンスの高い提案をもらうことができます。

4-3.補助金制度を活用する

洗面台のリフォームでは、一定の条件を満たすことで補助金を申請できる場合があります。工事前に手続きを行う必要があるので、計画の初期段階で確認することが重要です。
洗面台のリフォームでは、以下の補助金制度を申請できる可能性があります。

洗面台リフォームで使える可能性がある補助金

  • 介護保険による住宅改修
  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 自治体独自の補助金
【2025年度版】洗面台リフォームに使える補助金一覧!よくある質問や費用にもお答え
【2025年度版】洗面台リフォームに使える補助金一覧!よくある質問や費用にもお答え
【2025年度版】洗面台リフォームに使える補助金一覧!よくある質問や費用にもお答え
記事を読む

4-4.コンセントの位置や数が十分かを意識する

洗面所では、ドライヤーや電動歯ブラシ、電動シェーバーなど多くの家電を使用するため、コンセントの位置と数の確認が欠かせません。

家電を使いたい場所にコンセントがあるか、コンセントの数が足りているか、複数の家電を同時に使用できるかなど、入念にチェックしましょう。

また、子どもがいるご家庭では、成長したときを見据えて計画しておくと、コンセント不足にならずに済むでしょう。

4-5.洗濯機のサイズと扉の開閉スペースを確認しておく

洗濯機のサイズを変える場合は、防水パンに洗濯機本体が納まるか、事前に確認しておくことが重要です。

ドラム式洗濯機に変える場合は、扉が前方に開くことに注意しましょう。扉が全開するか、洗濯物の出し入れがスムーズに行えるか、通路をふさがないかなど、細かくシミュレーションしておくことが大切です。

また、縦型洗濯機の場合は扉が上方に開くので、収納棚との干渉や洗濯物の取り出しやすさを確認しておきましょう。

4-6.水はね・湿気対策が必要

洗面所は水を多く使用する場所のため、水はねや湿気対策が必要です。壁材や床材には、耐水性や調湿性のある素材を選びましょう

壁材には、カビや結露を抑える調湿タイプの壁紙、水に強いタイルやキッチンパネルなどがおすすめです。床材は、耐水性のあるクッションフロアが良いでしょう。

また、換気扇を新しいものに交換すると、カビや結露の発生を抑えられます。自動で湿気を排出する湿度センサー付きの換気扇なら、さらに湿気対策を強化することができます。

4-7.給排水口の変更は高コストになる

洗面台や洗濯機の位置を大きく変更する場合、給排水配管や電気配線の移設工事が必要となり、コストが大幅にアップします。配管工事に伴い、床や壁の解体・復旧工事が必要になるためです。

そのため、リフォーム計画を立てる際は、本当に洗面台や洗濯機の位置変更をしたほうが良いか、慎重に検討することも必要です。

機能性・使い勝手の向上と費用対効果を勘案することで、希望と予算のバランスが取れたリフォームを実現できます。


5.まとめ

洗面所のリフォームには、洗面台の交換を中心とした「部分リフォーム」と、洗面所を全体的に変える「全体リフォーム」があります。全体リフォームであれば、洗面台の位置変更や洗面所の拡張工事など、使い勝手や家事効率を大幅に見直すリフォームも可能です。

また、洗面所のリフォームには細かな注意点も多く、実績のあるリフォーム会社を選ぶことが後悔しないためのポイントになります。

リフォームガイドでは、洗面所リフォームを得意とするリフォーム会社をご紹介しています。ぜひ気軽にご活用ください。

あなたにぴったりの会社を、
プロが無料で選定!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、
プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社をご紹介!
有力候補・複数社の、お見積もりの手配を代行します!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の
    得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ追加紹介も可能です!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社を選び、複数社のお見積もりの手配まで対応いたします!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の
    会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ
    追加紹介も可能です!