
「お風呂をもっと広くしたい」「二世帯住宅にするのでお風呂をもう一つ増やしたい」そんなときに検討されるのが、お風呂の増築です。ただシステムバスを交換するのとは違って、そもそも増築は可能なのか、どのくらいの費用がかかるのかなど疑問が多いですよね。そこで今回は浴室リフォームの費用や注意点などを解説します。
目次
1.お風呂の増築とは?
増築とは、建物の床面積を増やすこと。外壁や基礎のリフォームが必要なので工事の規模は大きくなりますが、他の部屋を狭めずにお風呂を広くできるのがメリット。また、離れを増築して新しいお風呂をつくるなど、大胆なリフォームも可能です。
事例:40cmの増築で広々としたお風呂へ
在来工法の浴室を、増築によってサイズの大きなシステムバスに入れ替えた事例です。下の写真の赤い枠で囲まれた部分を、約40cm増築して外に広げています。1212サイズ(内寸1.2m×1.2m)だったお風呂が、1216サイズ(1.2m×1.6m)に広がり、浴槽に足を伸ばして入れるようになりました。
リフォーム費用 | 183万円 |
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工事期間 | 4日間 |
築年数 | 30年 |
在来工法の浴室を、増築によってサイズの大きなシステムバスに入れ替えた事例です。下の写真の赤い枠で囲まれた部分を、約40cm増築して外に広げています。1212サイズ(内寸1.2m×1.2m)だったお風呂が、1216サイズ(1.2m×1.6m)に広がり、浴槽に足を伸ばして入れるようになりました。
出典:http://cube-renovation.co.jp/works/597/
2.お風呂の増築にかかるリフォーム費用相場・工事期間
お風呂の増築にかかる費用や期間はどの程度なのでしょうか。
2-1.お風呂の増築にかかる費用
お風呂の一部を増築して広めのシステムバスを設置する場合、費用相場は約150〜200万円程度です。増築で床面積を増やす費用と、新しいシステムバスの設置費用がかかります。広い面積を増築したり、グレードの高いシステムバスを選んだりした場合は、リフォーム費用は高くなります。
2-2.お風呂の増築にかかる期間
お風呂の一部を増築する場合、工事期間は1週間前後が目安です。ただし建物の劣化が激しい場合や、他の場所もあわせてリフォームする場合、お風呂を丸ごと増築する場合など、長めの期間を要するケースもあります。工事中は自宅のお風呂を使えず、銭湯などを利用することになるため、何日程度かかるのかリフォーム会社に確認しておくとよいでしょう。
3.お風呂の増築で注意したいポイント
お風呂を増築したいと思っても、法律の関係などで増築できないケースがあります。
3-1.建ぺい率や容積率をオーバーする増築はできない
増築リフォームをするなら、敷地内にゆとりが必要です。土地ごとに決められた建ぺい率や容積率の上限をオーバーするような増築はできないため、リフォーム会社に確認してもらいましょう。
容積率:敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合
3-2.10㎡を超える増築は確認申請が必要になる
10㎡を超える増築をするときは、建築確認申請の手続きが必要です。また家が防火・準防火地域にある場合は、増築面積に関わらず確認申請が必要になります。
このとき注意したいのが「既存不適格建築物(新築当時はルールを守って建てていたが、法改正で現行のルールに適合しなくなった建築物)」です。増築で確認申請を行う場合、耐震基準などを現行ルールに適合させるため、追加工事が必要になることもあります。大規模な増築をする場合は、リフォーム会社とよく相談しましょう。
10㎡を超えるお風呂の増築とは?
10㎡とは、およそ3坪(6畳)。通常、お風呂は1坪程度の広さしかないので、「お風呂のみを丸ごと増築する」「お風呂をワンサイズアップする」などのケースで10㎡を超えることはないでしょう。お風呂といっしょに他の部屋や脱衣所なども増築する場合は、増築面積10㎡を超える可能性があります。
4.お風呂を増築せずに広くする方法もある
「お風呂を増築すると予算オーバー」「建ぺい率オーバーで増築できない」といった場合は、増築以外の方法も検討してみましょう。
4-1.間取り変更でお風呂を広くする
まず考えられるのが、間取り変更でお風呂を広くするケースです。お風呂に隣接する脱衣所や廊下を削って、お風呂を広くするなどの方法があります。二世帯同居でお風呂を増やしたい場合、2階の居室をお風呂に変更するなどの方法が考えられます。
事例:脱衣所を削って広々としたお風呂へ
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出典:http://www.8044.co.jp/gallery/932
リフォーム費用 | 浴室工事:72万円 脱衣室工事:21万円 洗面スペース工事:28万円 |
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築年数 | 35年 |
相続した築35年の実家を全面リフォームするなかでお風呂を拡張した事例です。脱衣所を削ることで、0.5坪しかなかったお風呂を1坪へと広げました。脱衣所は狭くなりましたが、洗面化粧台を廊下へ移動させることで使い勝手がよくなっています。
4-2.システムバスのサイズアップをする
昔のシステムバスは選択肢が少なかったため、浴室空間に対して小さなシステムバスが設置されているケースが少なくありません。細かくサイズオーダーできるタイプや、配管スペースが小さいタイプのシステムバスを選ぶことで、間仕切り壁を移動せずにサイズアップすることも可能です。
事例:1616→1717サイズのシステムバスに交換
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出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2491
リフォーム費用 | 70万円 |
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工事期間 | 3日間 |
築年数 | 20年 |
築20年を迎え、きれいで広いお風呂に変えたいというご要望からリフォームがスタート。システムバスを交換する際に、1616サイズ(1.6m×1.6m)から1717サイズ(1.7m×1.7m)へのサイズアップも実現しました。数字で見るとわずかな違いに感じるかもしれませんが、縦横それぞれ約10cmずつ広くなるだけでぐんと快適になります。
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5.お風呂の増築を依頼する業者を選ぶポイント
お風呂の増築は構造躯体にも関わる工事なので、専門的な知識が必要です。増築の施工実績が豊富で、ベストなリフォーム方法を提案してもらえる会社に依頼をしましょう。
またお風呂や洗面などの水回りリフォームに得意な会社にお任せすることで、材料費や工事費を安く抑えられる可能性も高いでしょう。その地域の補助金に詳しい会社であれば、活用できそうな補助金を教えてもらえることもあります。
水回りリフォームが得意で、なおかつ増築の施工実績が豊富なリフォーム会社を探すには、なかなか手間と時間がかかるもの。リフォームガイドを活用すると、自分の条件にぴったりの優良会社を紹介してもらえます。無料サービスなのでぜひ活用してみてください。
6.まとめ
お風呂を増築するには、建ぺい率や容積率を守らなければなりません。また増築面積が10㎡を超える場合や、防火・準防火地域での増築では確認申請が必要です。既存不適格建築物の場合は、現行ルールを満たすための工事も必要になることがあるため、リフォーム前に専門家とよく相談しましょう。
増築をせずにお風呂を広くしたり増やしたりできるケースもあるので、まずは水回りに強いリフォーム会社に家を見てもらうことが成功への近道です。そもそも増築ができるのかできないのか、最も向いているリフォームは何か、費用はどのくらいかかるのかなど、現状に合わせたリフォームプランを相談することができます。