庭を潰して増築する際の3つの費用相場を場所別に解説!事例や補助金も紹介

庭を潰して増築費用

ご自宅の庭の使用頻度が少なくなったため、潰して子ども部屋や仕事部屋の増築した方が有効活用できるかなと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、庭を潰して増築する際の費用相場が分からず、なかなか検討が進まない方は多いです。

初めての増築なら「どれくらい資金を用意したら良いのかわからない」「何か届け出が必要なのでは?」など、不安になるのは当然です。そこで今回の記事では、庭を潰して増築する費用の相場や費用負担を減らす方法、必要な手続きなどを、事例を交えて紹介します。

増築する用途・場所別の費用相場は、リフォーム予算を決める参考に活用いただけます。また、増築の費用相場や補助金制度などを知ることで失敗のリスクを減らせます。これから庭を潰してお部屋などの増築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。


【場所別】庭を潰して増築する費用の相場

ここでは、庭を潰して増築する際の費用相場を「用途場所別」に紹介します。増築する広さだけでなく用途によっても費用が異なるため、相場を確認しておきましょう。

部屋の増築

庭を潰して「子ども部屋」や「仕事部屋」を増築する場合は、面積によって費用が変わります。広さによって費用がどれくらい違うのかを、以下の表で確認してみましょう。

既存の建物に繋げる増築の場合
2畳 約70~80万円
4畳 約130~160万円
6畳 約200~230万円
8畳 約260~310万円
離れとして増築する場合
木造 鉄骨造 プレハブ造
6畳 約200~300万円 約300~500万円 約150~250万円
10畳 約270~500万円 約450~650万円 約250~330万円
15畳 約450~700万円 約600~900万円 約300~500万円
20畳 約600~900万円 約800~1100万円 約450~660万円
30畳 約800~1300万円 約1000~1700万円 約600~1000万円
40畳 約1100~1600万円 約1600~2000万円 約900~1300万円

出典:増築にかかる費用を徹底解説!費用を抑える方法もご紹介|リフォームガイド

既存の建物と繋げる方法とは別に「離れ」として増築する方法があります。既存建物と一定の距離が離れているため、仕事部屋や趣味部屋として利用すれば、よりプライベートな空間構築が可能です。

ただし「離れ」の場合、屋根や壁の施工面積が増えるため工事費用が高くなります。「離れ」として建物などを増築する予定の方は、既存建物に繋げるケースとの費用の違いを確認しておきましょう。

テラスやサンルームの増築

庭にテラスやサンルームを増築して、洗濯物スペースやテーブルなどを置いてくつろげる空間にしたいと考える方は多いのではないでしょうか。テラスやサンルームは、部屋の増築と比較すると低予算で行えます。

増築でテラスを設置する場合は、種類や土台の有無によって費用が違うため確認しておきましょう。
種類別の費用相場は、以下のようになります。

テラスを増築する費用相場
種類 費用
天然木材のウッドデッキ 約30~40万円
人工木材のウッドデッキ 約25~30万円
土台がないタイルデッキ 約30~40万円
土台があるタイルデッキ 約10~50万円

テラスを増築する場合、主流のテラスは10㎡あたり約10~40万円の相場価格です。また、テラスの上に屋根を付ける場合は追加の工事費用がかかります。

サンルームを増築する際の費用相場は、以下のとおりです。

サンルームの費用相場(スタンダードグレードの場合)
規模 費用
約4㎡(約2.2畳) 約30~40万円
約6.6㎡(約3.6畳) 約50~90万円

出典:サンルームを増築する~費用と基礎知識を徹底解説~|リフォームガイド

サンルームをリビングと繋げて使用する場合は、部屋を増築するよりも低予算になるため、おすすめの方法といえます。

費用の詳細を確認したい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

サンルームを増築する~費用と基礎知識を徹底解説~
サンルームを増築する~費用と基礎知識を徹底解説~
サンルームを増築する~費用と基礎知識を徹底解説~
記事を読む

[参考]増築部分に水回りを設置する場合の追加費用

増築部分に水回り設備を設置する場合は、下記の追加費用を見ておいてください。

洗面の設置 約10~50万円
トイレの設置 約15~70万円
お風呂の設置 約50~150万円
キッチンの設置 約50~100万円

増築部分に水回りを設置する場合、必ず配管工事も伴うため、通常の設備交換よりは費用がかさむ傾向がありますが、費用感は設備のグレードによって幅が出てきます。
さらに、収納スペースや換気設備などの設置も必要なら追加費用が出てくると考えておきましょう。

水回りリフォームの費用相場・注意点・安く抑える方法も解説
水回りリフォームの費用相場・注意点・安く抑える方法も解説
水回りリフォームの費用相場・注意点・安く抑える方法も解説
記事を読む

庭を潰して増築する際に必要な諸費用

ここでは、増築費用以外に必要な諸費用の相場を紹介します。
増築する前に行政機関に申請する「建築確認申請費用」と、増築した建物部分の面積などの情報を法務局で登記する際「増築登記費用」が必要です。

建築確認申請費用

住宅の新築建築や購入・増築する際には、建築確認申請が必要になります。建築確認申請とは「建築を行政機関に許可してもらうために必要な申請」です。必要な書類を準備すれば、ご自身で申請することも可能です。しかし、書類作成には専門知識が必要になるため、建築士やリフォーム会社に依頼するのが良いでしょう。

建築の許可をもらうための確認申請費用の相場は、以下のとおりです。

建築確認申請費用の相場
(建築士による手続き代行費用含む)
約15~20万円

この後解説しますが、建築面積10㎡以下の増築には建築確認申請の必要がありません。ただし、防火地域・準防火地域で増築する場合は、10㎡以下の増築でも建築確認申請が必要になるため注意しましょう。

登記費用

建物を増築した場合は登記が必要です。「〇〇㎡増築したので全体の面積が増加します」という申請を法務局に行い、建物面積を更新するために登記します。また建築確認申請と違い、増築面積にかかわらず登記が必要なので注意しましょう。

登記費用の相場は以下のとおりです。

登記費用の相場
(土地家屋調査士による手続き代行費用含む)
約7~10万円

なお、増築部分の登記自体はご自身で申請ができますが難易度が高いです。
増築部分の測量や専門知識が必要な手続きがあるため、土地家屋調査士に依頼するようにしましょう。


庭を潰して増築する際の3つの注意点

庭を潰して増築する際には、法律にかかわる知識が必要です。
万が一、法律に違反すれば罰則や罰金が課せられるため注意しましょう。ここでは、庭を潰して増築する際の注意点を3つ紹介します。

[1]10㎡を超える増築には建築確認申請が必要

10㎡を超える増築を行う場合には、建築確認が必要です。逆に10㎡以下なら不要なのですが、一部例外があります。
建築確認申請の必要条件は、表にまとめると以下のようになります。

建築確認申請の必要条件
増築面積10㎡以下 増築面積10㎡超
防火地域 必要 必要
準防火地域 必要 必要
防火地域・準防火地域以外 不要 必要

出典:建築確認手続き等の運用改善マニュアル|一般社団法人 木を活かす建築推進協議会

表内の「防火地域」「準防火地域」は都市計画法に定められた地域の種類で、特に、建物が密集している住宅地や幹線道路沿いに多くみられます。
一般的に建築確認が不要な10㎡以下の増築でも、「防火地域」「準防火地域」の建物では必要となりますので注意しておきましょう。

建築確認申請が必要な条件にもかかわらず申請しなかった場合、違法建築物になる恐れがあります。行政から増築部分を取り壊す要請や罰金刑が課せられるため、必要な場合は必ず建築確認申請を行いましょう。経験豊富なリフォーム会社等に相談すれば、建築確認申請が必要かどうかを判断してもらえます。

[2]建ぺい率や容積率の制限で増築不可となるケースがある

建ぺい率や容積率によっては、増築ができなくなる恐れがあります。エリアによって、敷地に建築できる建物面積や延床面積が決められているからです。

建ぺい率 敷地面積に対する建築面積の割合
容積率 敷地面積に対する延床面積の割合

出典:国土交通省「景観まちづくりリーフレット|06 建物はどんなルールに従って建てられているのですか?」

例えば、既存の建物が制限内の建ぺい率や容積率で建築されていても、新たに増築することで制限を超えてしまう恐れがあります。以下の例で見てみましょう。

敷地面積200㎡で建ぺい率60%・容積率200%の居住エリアの場合
建築面積・延床面積 建ぺい率・容積率
増築前 建築面積110㎡
延床面積370㎡
建ぺい率55%
容積率185%
増築後 建築面積130㎡
延床面積410㎡
建ぺい率65%
容積率205%

建築NG

この場合、増築後に建ぺい率、容積率ともにオーバーになってしまいます。建ぺい率と容積率を超えた増築計画は、建築許可が出ません。それを無視して建築してしまうと、違法建築として解体や改修を命じられることになります。
リフォーム会社には地域の制限を超えない増築プランを作ってもらうよう注意しましょう。

[3]「用途上可分/不可分」に注意する

庭を潰して増築する際には、注意したいことがあります。
特に離れを増築する場合は、離れが「用途上不可分」になるように気をつけましょう。

「用途上不可分」とは、住宅の場合、その建物だけで生活の用途に使えない状態のことで、一般的にはキッチン・トイレ・浴室の3点が揃っていなければ用途上不可分とみなされることが多いです。
建築基準法では「1つの敷地には用途上可分な建築物は1つまで」という前提があり、離れを増築したいときは、母屋がないと生活が成り立たないと認められる状態にする必要があります

増築部分にキッチン・トイレ・浴室の3点を揃えて設置したいときは、以下のような工夫が必要です。

  • 離れとしてではなく既存建物に繋げて増築する
  • 敷地を分けて(分筆)離れを増築する
  • いずれかの設備をあきらめる
このように、増築リフォームではプランニングに注意するべき点が多いので、同種の工事経験があって知識が豊富な会社に依頼するのがおすすめです。
回答

増築費用の負担を減らす3つの方法

住み替えや建て替えなどよりも費用が抑えられる増築ですが、それでも数十~数百万円などのまとまった資金が必要です。
ここでは、増築費用の負担を少しでも軽減するために、知っておくと便利な3つの方法を紹介します。

[1]補助金制度を利用する

増築の目的や住んでいる地域によっては、国や自治体から補助金を受け取れます。主な補助金は以下のとおりです。

補助金制度 補助金額 支給の条件 申請方法
介護保険における住宅改修 改修費用の90%
(上限18万円)
  • 介護保険の被保険者が要支援・要介護認定者
  • 被保険者が自宅で生活している
  • 手すり取り付け、段差の解消、引き戸への取替えなどが必要
住宅改修についてケアマネージャー等に相談
→自治体への申請を行う。
長期優良住宅化リフォーム推進事業 改修費用の3分の1
(上限100~250万円)
  • ホームインスペクションの実施
  • リフォーム後に劣化対策、耐震性などが向上していること
補助金申請は施工会社が行う。
当制度に登録された施工業者のみが申請可能。
市町村の補助金制度
(介護リフォーム・同居対応等)
自治体・制度により異なる
  • 住んでいるエリアの業者で施工する
  • 持家であること など
役所へ相談→申請書作成
※自治体によって手続きは異なる

記載の補助金制度は、2024年1月現在で受付中の制度です。

リフォームの目的によっては、他にも受けられる補助金があるかもしれません。リフォームの補助金について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
回答
【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説
【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説
【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説
記事を読む

[2]減税制度を利用する

増築リフォームでは、以下の減税制度が利用できます。

  • 住宅ローン控除
  • 贈与税非課税の措置
  • 同居対応リフォーム減税

住宅ローン控除

新築住宅の建築や取得、増築資金を住宅ローンで調達した場合、住宅ローン控除が利用できます。住宅ローン控除により、ローン年末残高の0.7%が所得税から控除されて還付されます。

また、すでに住宅ローンを組んでいる場合は、増築費用を上乗せして借り換えることも可能です。低金利の住宅ローンにリフォーム費用を組み込めるため、条件が合えば魅力的ですが、借り換えで全体費用が抑えられるケースは限られるため、手数料なども含めたシミュレーションを行って比較検討してみましょう。

なお、住宅ローン控除が適用されるために、条件に該当している必要があります。増築の住宅ローン控除について詳細は、以下の記事を参考にしてみてください。

増築で、住宅ローン控除を併用することはできるのか?
増築で、住宅ローン控除を併用することはできるのか?
増築で、住宅ローン控除を併用することはできるのか?
記事を読む

贈与税非課税の措置

また、親などから資金援助を受ける場合、年間110万円を超える金額になると贈与税がかかります。
しかし、増築資金の援助の場合、1,000万円を上限に贈与税が非課税となる制度があるため、覚えておきましょう。

同居対応リフォーム減税

二世帯住宅や三世代同居などの目的で増築する場合、所得税の控除が受けられるケースがあります。このような工事を含む増築であれば受けられる可能性がありますので確認しておきましょう。

  • キッチンの増設
  • 浴室の増設
  • トイレの増設
  • 玄関の増設

条件として、改修工事後に上記の設備のうち2箇所以上が複数になっている必要があります。

リフォームの目的によっては、その他の所得税等の減税も受けられるかもしれません。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
回答
【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
記事を読む

[3]優良リフォーム会社を紹介してくれるサービスを利用する

補助金制度や減税制度以外に増築費用を軽減するには、リフォーム会社の特徴を把握した専門サービスに相談するのがおすすめです。
増築の費用は、リフォーム会社によって異なります。そのため、複数の会社に見積を依頼して比較するのがベストな選択です。こういったサービスでは、一括で複数の会社に同じ条件で見積もりを依頼できるのがメリットです。

会社ごとの特徴を熟知したプロのコンシェルジュがいる「リフォームガイド」では、一人ひとりの要望に合う、増築工事が得意なリフォーム会社を探してくれます。自分でリフォーム会社を探すのが大変だと感じる方や、どのリフォーム会社を選べばいいか分からない方は、ぜひ相談してみましょう。


庭を潰して増築する費用を事例別に紹介

ここでは、部屋とサンルームの増築事例を紹介します。実際の事例で、費用がどれくらいかかるのか参考にしてみましょう。

里帰り出産がきっかけで部屋を増築

事例1-1

※横にスクロールできます

事例1-2
事例1修正

※横にスクロールできます

事例1-4
事例1-5
費用 378万円(和室内装工事費含む)
工期 約1ヶ月
施工内容 解体工事/基礎ブロック工事/屋根板金工事/仮設工事/木工事/塗装工事/左官工事/内装工事/電気工事/住宅設備工事/建具表具サッシ工事/エクステリア工事/諸経費等

もともと猫が使用していた和室を、娘様の里帰り出産を機にリフォーム。増築する洋室は猫の引越し先として使用します。
増築した部屋にはウッドデッキを新設しました。娘様が利用する和室も、畳の表替えや壁紙の張替えなどできれいにリフォームしたため、予算内で満足のいく工事ができたとのことです。

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/187

庭に大きなサンルームを増築

事例2-1

※横にスクロールできます

事例2-2
事例2-3
費用 700万円(リビング・水回り設備等のリフォーム費含む)
工期 約1ヶ月
施工内容 設備機器入替/内装工事/フローリング工事/木工事/電気工事/塗装工事/サンルーム工事/美装工事

同じ敷地の空き家をリフォームして居住用として使用するために、リビングや水回り設備のリフォームも行いました。サンルームのフローリングはワックスフリータイプで、掃除や手入れが簡単にできます。窓を開けるとリビングと一体になり開放的です。

出典:https://www.artreform.com/example/3124/

こちらの事例のように、増築と合わせて他の部屋のリフォームを行うと、新築のような快適な住環境に。予算にもよりますが、増築時には他のお部屋のリフォームもご検討ください!
回答

まとめ

増築は、部屋やサンルームなど、用途によって費用が異なります。また増築費用だけでなく、建築確認申請費用や登記費用などを考慮して予算を組むようにしましょう。さらに、増築費用の負担を軽減するために、補助金や減税制度は積極的に利用することをおすすめします。

あなたの要望に応えられる優秀なリフォーム会社を選ぶには、複数の会社から相見積りを取得してプランの比較するのがおすすめです。リフォームガイドなら、専任のコンシェルジュが相見積もりのスケジュール調整やお断り対応まで代行できます。手間をかけずに良い会社を探したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

あなたにぴったりの会社を、
プロが無料で選定!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、
プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社をご紹介!
有力候補・複数社の、お見積もりの手配を代行します!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の
    得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ追加紹介も可能です!

厳しい審査をくぐり抜けた優良リフォーム会社の中から、プロのコンシェルジュがあなたにぴったりのリフォーム会社を選び、複数社のお見積もりの手配まで対応いたします!

  • リフォーム業界に精通したコンシェルジュが、各会社の得意分野や評判などを元にあなたに合ったリフォーム会社をご紹介します!
  • 豊富な対応実績から、見積もり後の
    会社選びの判断にもアドバイスできます!
  • 見積比較後、気に入るものが無ければ
    追加紹介も可能です!