キッチンリフォームで食洗機を後付け・交換できる?メリット・デメリットも解説

忙しい毎日を送っていると、「食洗機があれば便利なのに……」と思うことがありませんか?
今すでに食洗機を使っている場合は「食洗機の調子が悪くなったので交換したい」、キッチンのリフォームを考えている場合は「食洗機付きのキッチンはどうだろう?」とお考えの方もいるかと思います。

この記事では、以下3つのケースに分けてリフォーム費用や注意点を解説します。

  • 今のキッチンにビルトイン食洗機を「後付け」したい
  • 今使っているビルトイン食洗機を「交換」したい
  • 「ビルトイン食洗機付きのキッチンにリフォーム」することを検討している

ビルトイン食洗機の設置にお悩みの方はぜひご覧ください。


【ビルトイン食洗機を後付けしたい方へ】家事の負担を軽減!

ビルトイン食洗機を後付けで取り付けるための条件や費用、事例などをご紹介します。

ビルトイン食洗機を後付けできるキッチンの条件

ビルトイン食洗機を後付けするには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

①システムキッチンである

ビルトイン食洗機を後付けするには、キャビネットが分割式になっており、ワークトップが一体型の「システムキッチン」であることが必要です。
キャビネットが一体型のコンポーネントキッチン、セクショナルキッチンなどには取り付けできないので注意しましょう。

システムキッチンとセクショナルキッチンの図

出典:https://www.reform-guide.jp/topics/systemkitchentoha/

②食洗機用にスペースを空けられる

ビルトイン食洗機の設置には、45cmまたは60cm幅のスペースが必要です。給排水配管接続の関係上、シンクに隣接したキャビネットを空ける必要があります。

一般的には、シンクに隣接した引き出しの一部(あるいは全部)を抜いて食洗機に入れ替えます。収納スペースが減るので、今収納している物をどこへ仕舞うか考えておきましょう。

③電源を確保できる

ビルトイン食洗機は消費電力が高いため、専用の電源回路でなくてはなりません。電源がない場合は、分電盤の予備回路から配線する必要があります。

>>電源設置工事の費用や、電源回路に空きがあるかどうかを確認する方法

また、配線が室内に露出する場合もあり、配線を隠したい場合は内装工事が必要になるケースもあります。

条件が揃わない場合は据え置きタイプの食洗機を検討しよう

設置条件が揃わない場合は、据え置きタイプの食洗機を検討してみましょう。
据え置きタイプには、工事不要の「タンク給水方式」と、キッチン水栓から分岐させる「分岐水栓給水方式」の2種類があります。分岐水栓の取り付けはDIYも可能ですが、業者に依頼したほうが確実です。

分岐水栓方式の据え置き食洗機

また、条件が揃わない場合でもキッチン本体ごと交換すれば、ビルトイン食洗機を導入することができます。

>>食洗機付きのシステムキッチンにリフォームする費用

食洗機の後付け工事費用・期間

ビルトイン食洗機の後付けにかかる費用は、商品代と工事費で15~30万円が目安です(国内メーカーの場合)。工期は3時間~1日を目安に考えておきましょう。
費用は食洗機のグレード、給排水配管や電源の設置費用の有無によって大きく変動します。

工事内容 費用の目安
ビルトイン食洗機(商品代+工事費) 15~30万円
給水配管工事 5000円~1万円
排水配管工事 5000円~1万円
専用電源設置工事 3万円~(現状によって変動)
アース設置工事 1~2万円

新築マンションでは将来設置用として、食洗機用の配管と電源が用意されている場合もありますが、それらの設備がない場合には別途費用がかかります。

特に注意したいのが電源です。前項で解説した通り、ビルトイン食洗機の稼働には専用のコンセントが必要になります。分電盤回路の空きの有無、配線のルートや距離などによって費用が変わるので注意が必要です。

電源回路に空きがあるか否かは、分電盤のブレーカーを見ると分かる場合があります。ブレーカーに「予備」と書かれ、ブレーカーが落ちた状態であれば、予備回路があると考えて良いでしょう。
不明な場合はリフォーム会社に相談すると、予備回路の有無や回路の増設についてアドバイスをもらえます。

ビルトイン食洗機を後付けする場合の注意点

ビルトイン食洗機を後付けする場合の注意点を解説します。

食洗機使用時は、キッチン水栓から水を出しにくいことも

食洗機を後付けする場合は、給水(湯)配管をキッチン水栓から分岐して配管を行うケースが多く、キッチン水栓と食洗機の給水を共有している状態になります。
そのため食洗機使用時は、キッチン水栓から水を出しにくくなるので注意しましょう。

キッチン扉と食洗機パネルの色を統一できないことも

システムキッチンの設置から数年以上経過している場合は、キッチン扉と同じ食洗機パネルを取り寄せられないケースもあります
食洗機のパネルとは、食洗機の表面をキッチン扉と同じ色・素材でカバーする部材のことです。

食洗機のドアのタイプには以下の2種類があります。

ドアパネル型

「ドアパネル型」とは、あらかじめシルバーやブラックのドアが設置されているタイプです。
メーカーからドアパネルを取り寄せできれば、キッチン扉と色を合わせることが可能です。
ただし、パネルを固定するための枠があるため、食洗機を入れた部分にフレームができてしまうことには注意が必要です。
また、パネルを取り寄せず付属のドアのまま使用した場合は、食洗機本体色のシルバーやブラックが仕上げ色になります

食洗機のドアタイプ「ドアパネル型」の仕上がり方

出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-13457/

ドア面材型

「ドア面材型」は、キッチン扉と同じ色・扉形状で仕上げたフレームレス仕様のドアです。フレームがないので食洗機が目立たず、キッチンとの一体感があります。
ただし、ドア面材がないと設置はできないため、メーカーからドア面材を取り寄せできることが設置条件になります。比較的新しいキッチンであれば取り寄せることができるでしょう。
費用もドア面材型のほうが高額です。

食洗機を後付けしたリフォーム事例

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食洗機後付け事例ビフォー
食洗機後付け事例アフター

出典:https://39reform.com/2021/12/03/%e9%a3%9f%e6%b4%97%e5%99%a8%e5%8f%96%e4%bb%98%ef%bc%9a%e5%be%8c%e4%bb%98/

リフォーム内容 ビルトイン食洗器後付け
費用 20万円(税込み)
工期 3時間

食洗機なしのキッチンに、ビルトイン食洗機を後付けした事例です。中央の3段引き出しを1段だけ残して、ミドルタイプの食洗機を設置しました。
こちらの事例は、専用の電源と給排水管は床下に施工済みだったため、費用が20万円に抑えられています。

>>食洗機のメリット・デメリット


【ビルトイン食洗機の交換を検討中の方へ】最新食洗機に買い替え!

ビルトイン食洗機を交換する時期の目安や費用、事例などをご紹介します。

食洗機のみの交換はできる?

ビルトイン食洗機だけを交換することは可能です。
ただし、キッチン扉の色と食洗機パネルの色を統一できない可能性があります。詳細については以下をご覧ください。

>>キッチン扉と食洗機パネルの色を統一できないことも

食洗機の交換時期の目安

ビルトイン食洗機の寿命は10年前後といわれています。異音がする、洗い残しがある、エラーが頻繁に出るなどが続く場合は、故障の前兆かもしれません。
設置から10年以上が経過している場合は、修理よりも交換をおすすめします。

食洗機の交換費用

ビルトイン食洗機の交換にかかる費用は、商品代と工事費で10~20万円が目安です(国内メーカーの場合)。工期は3時間~半日を目安に考えておきましょう。

工事内容 費用の目安
ビルトイン食洗機(商品代+工事費) 10~20万円

食洗機交換の場合は、後付けのように配管や電源の設置費用がかからないため、主に食洗機のグレードが費用を決める要因になります。

食洗機交換リフォームの事例

ミドルタイプのビルトイン食洗機を交換した事例です。既存の配管に問題がなければ、比較的費用を抑えて設置することができます。

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出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-13457/

リフォーム内容 ビルトイン食洗器後付け
費用 16.5万円(税込み)
工期

食洗機のドアにはドアパネル型とドア面材型がありますが、こちらの事例はドアパネル型でシルバー仕上げのドアをそのまま採用しています。


【食洗機付きのシステムキッチン導入を検討中の方へ】食洗機は本当に必要?

食洗機は便利だと分かっていても、本当に必要なのか、後悔することはないかと導入を迷っている方も多いのではないでしょうか。メリット・デメリットの比較、ビルトイン食洗機を導入する場合としない場合の費用を比較するなどして検討しましょう。

食洗機のメリット・デメリット

食洗機のメリットは、言うまでもありませんが家事の時短ができることです。共働き世帯や子育て世帯では必須家電といってもいいのではないでしょうか。
また、60~80℃の高温洗浄で油汚れも落ちやすく衛生的水道光熱費の削減にもなります。筆者も後付けの食洗機を使っていますが、使い始めの冬に光熱費が少し下がったと感じました。

一方、食洗機のデメリットは、やはり初期費用がかかることでしょう。大きなメリットは家事負担の軽減と水道光熱費削減にあるので、費用をかけてもそのメリットを享受したいかよく考えることが大切です。
また、食洗機で洗えない食器もあること、ビルトイン食洗機のスペース分の収納が減ることにも注意しましょう。

食洗機付きキッチンにリフォームする費用 

食洗機付きのキッチンにリフォームする費用は、一般的なI型キッチン交換の場合で90~180万円が目安です。費用はシステムキッチンのグレード、現状のキッチンの状態、内装工事の有無などによって変わります。

食洗機なしのキッチンにリフォームする費用は、一般的なI型キッチン交換の場合で65~150万円が目安です。食洗機付きの場合と同様、工事条件によって費用は変わります。

食洗機付きキッチンへのリフォーム事例

事例①

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出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-9974/

リフォーム内容 キッチン交換リフォーム
費用 94万円(税込み)
工期 2日

セクショナルキッチンから、ビルトイン食洗機付きのシステムキッチンにリフォームした事例です。
キッチンはLIXILのリシェルで、ミドルタイプのビルトイン食洗機を搭載しています。置き式のガスコンロがIHヒーターに変わり、スマートなキッチンに変わりました。

事例②

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出典:https://www.yonekurasyouten.com/works/works-13416/

リフォーム内容 キッチン交換リフォーム
費用 183万円(税込み)
工期 5日

もうひとつ、食洗機付きキッチンへのリフォーム事例をご紹介します。
こちらのキッチンはタカラスタンダードのトレーシア。ビルトイン食洗機がシンク下に納められているタイプです。シンクで予洗いした食器の水滴が垂れにくく、スムーズに食洗機に格納することができます。
対面側に収納が付属した対面式ユニットタイプのキッチンのため、費用はやや高めとなっています。


ビルトイン食洗機のタイプは2種類

食洗機のタイプには、引き出し型の「スライドオープン」、扉を前に倒してカゴを引き出す「フロントオープン」の2種類があります。さらに、スライドオープンはミドルタイプとディープタイプに分かれます。

ビルトイン食洗機のタイプ2種類

スライドオープン フロントオープン
ディープタイプ(深型) ミドルタイプ(浅型)
メリット
  • 食器の出し入れがしやすい
  • 大皿やフライパンを洗える
  • 食器の出し入れがしやすい
  • 下部に収納の設置が可能
  • シンク下に食洗機を納められるプランもある
  • 少量でも気兼ねなく洗える
  • 容量が大きく、まとめ洗いが可能
  • 大皿やフライパンを洗える
デメリット
  • 下部に収納の設置不可
  • 容量が小さく、洗える量が少ない
  • 大皿やフライパンを洗うのは難しい
  • 食器の出し入れの際に腰に負担がかかりやすい
  • 下部に収納の設置不可

2~3人家族ならミドルタイプでもよいですが、4人以上のご家庭ではディープタイプかフロントオープンタイプをおすすめします。

ミドルタイプ(浅型)は、食洗機下部に一段収納を設置できたり、シンク下に食洗機を納めたりすることも可能なため、キッチンレイアウトのバリエーションが広がることが魅力です。
ただし、容量が小さいため調理器具も洗いたい場合は、ディープタイプかフロントオープンタイプを検討しましょう。


食洗機の人気メーカー 

国内・海外の食洗機メーカーの中から、人気のある4社の特徴・メリット・デメリットをご紹介します。

食洗機の国内・海外メーカーの比較

国内メーカー 海外メーカー
代表商品
  • パナソニック
  • リンナイ
  • Miele(ミーレ)
  • BOSCH(ボッシュ)
特徴
  • スライドオープン/フロントオープン
  • 耐用年数は約10年
  • フロントオープン
  • 耐用年数は15~20年
メリット
  • 海外製より設置費用が安い
  • 電気で乾燥するので水滴が残らない
  • 商品バリエーションが豊富で選択肢が多い
    (パナソニック)
  • シンク下に後付け設置できる食洗機がある
    (リンナイ)
  • 洗浄力が高く予洗いが不要
  • 1日分の食器をまとめて洗える
  • 余熱乾燥方式で乾燥に電気代がかからない
  • 庫内がステンレス製で劣化しにくい
デメリット
  • 予洗いが必要(一部不要)
  • 庫内が樹脂製で劣化しやすい
    (パナソニックのフロントオープンはステンレス製)
  • 設置費用が高額
  • 余熱乾燥方式は水滴が残る場合がある
  • 後付けは難しいケースもある

海外製やフロントオープンタイプが人気

初期費用は、国内メーカーのスライドオープンタイプであれば、25~35万円が相場です。
一方、海外メーカーの場合は、40万円以上からハイグレード商品になると100万円近くかかるものもあります。それでも海外製食洗機の人気は高く、LIXILのキッチンには標準仕様としてMieleの食洗機がラインナップされているほどです。

海外製の食洗機は後付け可能とされていますが、基本的に専用の給水・排水管を立ち上げる必要があり、200Vの専用電源も必要です。後付けが難しいケースも多々あるので、設置条件をクリアできた場合のみ可能と考えておきましょう。

また、海外製フロントオープンタイプの人気を受けて、国内メーカーのパナソニックとリンナイからもフロントオープンタイプの食洗機が販売されています。

>>オーダーメイドキッチンで海外製食洗機を導入した事例

国内メーカーは豊富なバリエーションと価格が魅力

フロントオープンタイプは人気ですが、費用が高額、食器の出し入れの際に腰に負担がかかるといったデメリットもあります。

一方、スライドオープンタイプは価格がお手頃、食器の出し入れがしやすい、少量でも気兼ねなく洗えるのが魅力です。商品のバリエーションが豊富で、後付けに対応できる食洗機もあるので、状況に合わせて検討しましょう。


食洗機交換や後付け、キッチン本体の入れ替えを依頼できる業者は?

食洗機の交換や後付け、システムキッチンの交換リフォームの依頼先は、住宅設備メーカーや新築時の工務店、リフォーム業者などが挙げられます。
食洗機の施工は水漏れトラブルが伴う場合もあるので、キッチンリフォームを得意とする業者に依頼することが大切です。

また、キッチンリフォームを得意とする会社は、海外製食洗機の取り扱いに慣れていたり、食洗機の設置が難しいケースにも対応できる提案力があったりすることも。食洗機の設置を諦めてしまう前に、一度相談してみましょう。
回答

ビルトイン食洗機の導入で補助金が使える可能性も!

条件を満たせば、ビルトイン食洗機の導入で補助金を申請できる場合もあるので確認しておきましょう。

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯等の新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修を支援する制度です。リフォームは全世帯が対象となっています。

ビルトイン食洗機の設置に対しては、1戸当たり25,000円の補助額が設定されています。

キッチンリフォームで補助金を受けるには、以下のような対象項目があります。

リフォームの内容 工事種別 補助額
節湯水栓 必須工事 5,000円/台
ビルトイン食洗機 任意工事 21,000円/戸
掃除しやすいレンジフード 任意工事 13,000円/戸
ビルトイン自動調理対応コンロ 任意工事 14,000円/戸
キッチンセットの交換を含む対面キッチンへのリフォーム
任意工事 91,000円/戸

ただし申請には、ほかに内窓の設置や高効率給湯器の導入、窓や玄関ドアの断熱改修など、指定の省エネ・断熱リフォームのうち2種類以上の必須工事が含まれている必要があります。また補助額の合計が5万円以上になっていることも条件です。

キッチンリフォームの補助金についての詳細はこちらの記事をご覧ください。

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まとめ

ビルトイン食洗機は、家事の負担を軽減し、時間にゆとりを生み出してくれる設備です。共働き世帯や子育て世帯には、なくてはならない設備になりつつあるのではないでしょうか。

ただし、食洗機の設置には条件もあり、設置できるかどうかの自己判断は困難です。分からないことは、キッチンリフォームを得意とする業者に問い合わせてみましょう。

リフォームガイドでは、専門のコンシェルジュがキッチンのお悩みを解消できる優良なリフォーム業者をご紹介します。食洗機の設置からキッチンリフォームまで、ぜひ気軽にご相談ください。

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