
築40年のマンションをリフォームすると、どれくらい長く住めるのでしょうか。
現在住んでいるマンションが築40年に差しかかる方や、これから中古マンションの購入を考えている方、また築40年のマンションを賃貸として活用したい方など、マンションリフォームの事情はさまざまです。
今回は築40年のマンションのリフォームをテーマに、リフォームする際の注意点や費用相場、リフォームの事例を紹介します。築40年のマンションのリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
1.築40年のマンションの状態|あと何年住める?
築40年のマンションの状態をはかるには、「建物の寿命」と「管理体制の寿命」の2点が大切になってきます。
鉄筋コンクリートの法定耐用年数は47年とされていますが、これはあくまでも法令で定められた減価償却の耐用年数のことです。定期的にメンテナンスを行えば、建物の物理的な寿命を100年まで伸ばすことも不可能ではありません。
建物のメンテナンス状況が適切かどうかは、管理会社や管理組合の管理体制を確認しましょう。適切な修繕計画が立てられ、実行されていると、建物の寿命を伸ばすことができます。
マンションの管理体制をチェックするには、マンションの管理組合が作成する重要事項調査報告書を取得すると良いでしょう。重要事項調査報告書には、管理費・修繕積立金の変更予定や大規模修繕工事の積立状況など、マンションの管理状況が細かく記載されています。取得費用がかかるものの、最新の管理状況はぜひ確認しておきたいところです。
管理が適切に機能しているマンションであれば、この先40年~60年住み続けられる可能性は高いでしょう。
2.築40年マンションのリフォーム前に確認しておきたいこと
築40年のマンションをリフォームする前に、以下の3点を確認しておきましょう。
- 耐震補強のリフォームが必要かどうか
- リフォーム時にアスベストの対応が必要かどうか
- リフォームで変えられない古い仕様が、許容できる範囲かどうか
詳しく見ていきます。
2-1.過去の耐震診断履歴から、耐震基準を確認する
築40年以上のマンションの中には、「旧耐震基準」で建てられた建物もあります。築40年のマンションを購入する場合、耐震調査の記録を確認して、耐震補強リフォームの必要性を確認しておくと安心です。「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いを以下にまとめました。
- 旧耐震基準:
- 震度5強ほどの中規模地震で建物がほとんど損傷しない設計。1981年5月31日まで適用。
- 新耐震基準:
- 震度6強~7の大規模地震でも建物が倒壊しない設計。1981年6月1日から適用。
1981年に建てられたマンションでも、6月1日以降に建築確認を取得した建物であれば新耐震基準が用いられています。また、旧耐震基準で建てられたマンションであっても耐震補強工事済みのケースもあるので、まずは不動産会社や管理組合から耐震調査の結果やリフォーム履歴を取得して、どこまでの耐震補強が必要かを専門家に相談しましょう。耐震以外の問題点も洗い出すために、住宅診断(ホームインスペクション)を受けておくのもおすすめです。
2-2.アスベスト対策が必要になる場合があることを認識しておく
解体・改修工事を行う際には、工事前にアスベストが工事箇所に含まれているかどうかの事前調査を行う必要があります。かつてアスベストは断熱材や接着剤などに幅広く使用されていたため、築40年以上のマンションに使われている可能性は高いでしょう。
リフォームの際には、アスベストの事前調査費用が数万円~十数万円程度かかることを想定しておきましょう。また、アスベストが含まれていることが分かったら、アスベストの除去・封じ込め作業や廃棄処分にも費用がかかってしまいます。リフォームが予算内に収まるよう、工事内容の調整が必要になってくるかもしれません。
2-3.40年前の仕様のまま、取り替えできない箇所があることを認識しておく
築40年のマンションは、現在のマンションの仕様とは違う箇所があります。ある程度はリフォームで新しい仕様に変えることができますが、規約や他の住戸への影響から、変えられないことがあります。
リフォームで変えられない古い仕様の例
- 排水パイプの直径が細いため(40mm)、現在の仕様(50mm)に比べて排水が遅く、詰まりやすい
- 配管が錆びやすい鉄管の場合も、住戸外の共用部分は変更することができない
- バルコニーは共用部にあたるため、作り付けの物干しやエアコン室外機置き場を変更することができない
特に築40年のマンションを購入してリフォームしたい場合は、希望しているリフォームができるかどうかを確認しておきましょう。
3.築40年のマンションに必要・おすすめなリフォーム
築40年のマンションに必要なリフォームや、おすすめのリフォームを紹介します。
3-1.【ほぼ必須】水回り設備・配管リフォーム
まず、トイレ・洗面・ユニットバス・キッチンとといった水回りの設備・配管のリフォームです。
水回りが老朽化すると、錆びによる水漏れや機能性の低下などさまざまなデメリットが起こります。水回り設備の耐用年数は10年~20年ほどといわれており、このタイミングで修繕積立費によるリフォームが行われるマンションも多いです。そのため築40年のマンションにおいて、設備交換や配管のメンテナンスといった水回りのリフォームはほぼ必須と考えても良いでしょう。
1点注意したいのは、水回りの位置です。リフォームで水回りの位置を移動させると、給排水の延長工事や電気の配線工事が必要になります。その分費用がかさんでしまうので、コストを重視するなら水回りの位置を動かさずにリフォームしましょう。また、配管の都合で希望の場所に動かせないケースもあります。
リフォームして住むための中古マンションを探すときには、水回りの配置が理想に近いマンションを探すとリフォームのコストを抑えることができます。
3-2.【おすすめ】ライフスタイルの変化に合わせたリフォーム
築40年のマンションに住む方の中には、高齢になりバリアフリー化のリフォームを考えている方もいるでしょう。またこれから築40年以上のマンションを購入するにあたって、子育てしやすい間取りに変更しようと計画中の方もいるのではないでしょうか。築40年のマンションは、