
雨どいは、屋根に落ちる雨水を適切に排水するための設備です。雨どいが外れたまま、もしくは破損や劣化がある状態で放置していると建物の老朽化にもつながるため、早めに修理する必要があります。
ただ、いざ修理するとなると「費用はどれくらいかかるのか」「どこに依頼すべきか」といった疑問を持つ人もいるでしょう。
本記事では、雨どいが故障する原因から修理方法、修理の依頼先や費用相場まで詳しく紹介します。
雨どいの修理業者を選ぶポイントも解説しますので、雨どいの問題を適切に解消し、安心して暮らすためにぜひお役立てください。
目次
1.雨どいの役割とその重要性
雨どい(雨樋)は、屋根に落ちる雨水を集めて、下水や地面へ排水する管状の設備です。雨どいが故障した状態では、雨水が直接外壁に流れ、劣化しやすくなります。また、屋根からの雨水が壁を伝うようになるので、住宅内部に雨水が侵入し、基礎の老朽化、地盤沈下などの問題にもつながります。
最悪の場合、大規模なリフォームや建て替えが必要になる可能性もあるため、早期発見と修理が重要です。
2.雨どいの主な故障と原因
雨どいが故障する原因には、さまざまなものが考えられます。ここでは、雨どい故障の代表的な原因について詳しく説明します。
2-1.落ち葉などゴミの詰まり
雨水と一緒に落ち葉や小枝などのゴミが雨どいの内部に流れ込み、管が詰まる可能性があります。詰まった状態では雨水が流れにくくなり、水が溜まる、水が溢れるといったトラブルによって雨どいの腐食につながります。
また、鳥の巣や風で飛んできたビニール袋などが雨どいに入り込む場合もあります。
屋根の近くに落葉樹や桜の木など、葉や花びらが落ちる樹木がある場合は特に注意が必要です。
2-2.経年劣化
雨どいの経年劣化により、継ぎ手や支持金具の外れ、カビ、ひび割れ、変形といった問題を引き起こす可能性があります。屋根や外壁と同様に建物の外部に設置されている雨どいは、風や雨、紫外線、気温の変化など環境の影響を受けやすい設備です。
雨どいの耐用年数は約15〜20年、長くても25年とされており、経年数が多くなるほどトラブルが発生する可能性が高まります。
2-3.自然災害
台風やゲリラ豪雨などの自然災害も、雨どい故障の原因となります。昨今は突然の激しい雨風が多く、雨どいへの負担も強くなっており、衝撃で雨どいが外れる、一気に大量の雨水が流れ込んでひび割れるといった恐れがあります。
また、前述の経年劣化により雨どいの強度が低下して、自然災害の際に破損するリスクも高まるでしょう。


2-4.傾斜のズレ
雨どいは雨水を1箇所に集める集水器に向かって傾斜が付いています。傾斜や向きのズレがあると、雨水が正常に流れず溢れてしまいます。
該当箇所がわかれば自分で直せる場合もありますが、金具を壊してしまうなどで状態が悪化する可能性もあるため、業者に相談するのが無難でしょう。
2-5.継ぎ手がズレれている
雨どいの管をつないでいる継ぎ手がズレている場合、雨水がうまく流れず、故障してしまう可能性があります。
継ぎ手の隙間やズレは、多くの場合、接着不良または経年劣化が原因です。数ヶ所の継ぎ手のみであれば接着剤で応急処置が可能ですが、設置から20~25年経過している場合には全体的な点検を行うべきでしょう。
2-6.支持金具が外れている
雨どいを適切に設置するために必要な支持金具が外れている、もしくは抜けている場合、雨どいにかかる負担が大きくなり、故障につながる可能性があります。
数ヶ所の支持金具を修理であっても、管自体の交換が必要になるケースも多いため、早めに業者に見てもらうことが大切です。
3. 雨どい修理はDIYでできる?
低所における支持金具や継ぎ手のズレといった軽度の故障であれば、自分で修理できる場合もあります。しかし、2階や3階など高所での修理作業は転落の恐れもあるため、DIYによる雨どいの修理は基本的におすすめしません。
また、ホームセンターの補修テープや接着剤で補修する場合、あくまでも一時的な応急処置として用いることを推奨します。無理せずに業者に依頼する方が無難です。
4.雨どいの修理はどこに依頼すべき?
雨どいの修理を依頼できる業者は、屋根工事業者以外にも多数あります。
各業者のメリット・デメリットは以下のとおりです。
種別 | メリット | 費用 |
---|---|---|
ハウスメーカー | ・信頼性が高い ・新築時の業者なら進行がスムーズ |
割高になる傾向 |
工務店 | ・会社によって質にばらつきがある | コストパフォーマンスが良い |
ホームセンター | ・店舗で気軽に相談できる | 割高になる傾向 |
外壁修繕・塗装事業者 | ・塗装工事等と合わせて行えば手間が省ける | 下請け発注していると割高に |
屋根工事専門業者 | ・専門知識や実績が豊富 ・部分的な修理も対応してくれる |
割安になる傾向 |
リフォーム会社 | ・他のリフォームと合わせて行えば手間が省ける | 自社施工できるなら割安に |
4-1.ハウスメーカー
ハウスメーカーは、雨どいを含む住宅全般の対応を受け付けています。一般的には施工管理体制や保障制度が整備されており、信頼性が高い点が特徴です。
また、住宅の新築工事を請け負ったハウスメーカーは図面を保存しており、スムーズに話しが進むでしょう。ただ、工事自体は下請け業者が行うケースが多いため、費用は割高になる傾向があります。
4-2.工務店
ハウスメーカーと同様に、工務店でも住宅に関するすべての事項に対応可能です。地域密着型の工務店も多く、ハウスメーカーに比べて費用も安く抑えられる可能性があるため、優れたコストパフォーマンスが期待できます。
ただし、家族経営などの小規模な会社では、職人の腕に頼る部分が大きいでしょう。
4-3.ホームセンター
リフォーム工事を依頼できるホームセンターが近年増えています。雨どいの修理を含め、さまざまな工事やプランを提供しており、店舗に立ち寄ったついでに気軽に相談しやすい点もメリットです。
ただ、ホームセンターと連携している業者が施工するため、通常は自分で選ぶことはできません。また、ハウスメーカー同様に下請け業者への仲介手数料などが加わり、費用が高くなる可能性があります。
4-4.外壁修繕・塗装事業者
外壁の修繕や塗装を行う業者に依頼するという選択肢もあります。屋根や外壁のリフォーム工事と合わせて雨どいの修理、交換をお願いすれば、足場の設置が1回で済むためコスト節約につながります。
ただし、塗装業者はあくまでも塗装工事が専門で、雨どいの工事に必要な知識や技術があるとは限りません。また、雨どいの工事だけを依頼した場合、下請け業者が作業することで金額が上がる可能性があります。
4-5.屋根工事専門業者
瓦業者や建築板金業者などの屋根工事業者は、自社で雨どいを修理してくれるため、費用を安く抑えられます。また、専門知識や実績が豊富で、部分的な修理でも早めに対応してくれる傾向があります。
ただ、近くに屋根工事業者がいない場合、近所の他の業者に相談した方が早く解決することも考えられます。
4-6.リフォーム会社
リフォーム会社は、自社で施工を行う会社と下請け業者に発注する会社があります。雨どい以外にリフォーム工事が必要な場合に、まとめて依頼すれば工期短縮につながります。
また、屋根や外壁などエクステリア施工の実績が豊富な会社であれば、自社施工で雨どいの修理・交換に対応している可能性が高いでしょう。
5. 雨どい修理を業者に依頼する場合の費用相場
雨どいの修理費用は、修理の範囲や作業内容、業者などによって異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
雨どいの継手の修理・補修 | 1箇所あたり約0.5万円~2万円 |
雨どいの修理・交換 | 1箇所あたり1万円〜3万円 |
雨どいの修理・交換(全体) | 約15万円〜70万円 |
雨どいの清掃 | 約1万円~3万円 |
上記はあくまでも目安であり、周辺環境や建物の種類・雨どいの構造なども金額に影響します。
場合によってはより高額になることもある点をご承知おきください。
6.雨樋の修理費用を抑えるためのコツ
雨どいの修理にかかる費用を抑えるためには、以下のようなポイントに注意しましょう。
6-1.早めに修理をする
雨どいの破損や劣化を放置していると、外壁や屋根の問題につながる可能性があります。また、住宅そのものの寿命を縮めることにもなるため、早めに修理を依頼しましょう。
特に、台風や豪雨、豪雪の後は、継ぎ手や管の状態をチェックしておくと安心です。
6-2.専門業者に依頼する
雨どいの修理・交換を業者に依頼する場合は、専門の修理業者に相談しましょう。屋根工事業者や塗装業者でも対応できる場合もありますが、工事費用が高額になることも考えられます。
雨どい修理専門店や屋根修理業者は知識や経験が豊富で、雨どいの部品を常備しているため、迅速に対応してもらえる可能性が高まります。
6-3.火災保険を使用する
火災保険に加入している場合、風や雹(ひょう)などの自然災害、落雪の影響で雨どいが傾いてしまった、支持金具が外れたといった場合に、保険適用で雨どいを修理できる場合があります。
ただ、契約内容や保険会社によって対象となる条件は異なるため、ホームページなどで補償内容を確認しておくと安心です。専門業者などでは、火災保険の申請代行サービスを受け付けているところもあるので、相談してみても良いでしょう。


6-4.相見積もりを行う
雨樋修理を依頼する際には、複数の業者から見積もりを取り、費用やサービス内容を比較検討することが重要です。相見積もりを利用することで、費用相場と見比べながら適正価格で依頼できる業者を選べます。
安心して任せられる信頼性の高い業者を選ぶためにも、2〜3社へ見積もりを依頼し、依頼時の対応スピードや担当者の反応なども含めて比較しましょう。
7. まとめ
雨どいは、雨や雪から住宅を守る重要な設備です。ゴミの詰まりや経年劣化、自然災害の影響などによって故障してしまうと、外壁の劣化や屋内への水の侵入、腐食などトラブルが発生する可能性があるため、早めに修理する必要があります。
数ヶ所の軽微な破損であれば自分で修理できる場合もありますが、高所から落下するリスクを考慮すると業者に依頼すべきでしょう。修理費用は、業者や修理範囲などにより異なりますが、複数の会社から相見積もりを取り、比較検討すれば最適な業者を選ぶことができます。
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