「外壁の張り替えってどのくらいの費用がかかる知りたい!」こう考えている人は多いでしょう。
適正価格がわからなければ悪質業者にだまされて何十万円も損をしてしまいます。
この記事では、外壁の張り替えにかかる費用について解説いたします。
具体的には、
- 外壁の張り替え費用の相場
- 30坪の住宅ではどの程度の費用がかかるのか
- 外壁の張り替え費用が高くなるケース
- 張り替え費用を安くする対策
について紹介いたします。
外壁の張り替え費用について具体的に記載していますので、気になる人はチェックしてみましょう。
目次
1.外壁の張り替え費用の相場はどのくらい?
外壁の張り替え費用は選ぶ素材によって大きく異なります。それぞれの素材によって性能が違い張り替え後の生活やメンテナンスが変わってきます。自分の家には何が一番適しているかを見極める参考にしてみてください。
1-1.張り替えをする材料別に費用をチェック
外壁の張り替え作業にかかる費用は、30坪の住宅であれば150万円〜250万円程度が多いでしょう。張り替えの費用は総面積と選ぶ素材にによって変わるので、この価格よりも高くも低くもなるでしょう。
ただし素材は実際に業者に聞いたり自分で見てみないとわからないことも多いので、まずは面積単位でおおよその予算を想定をしておくと良いでしょう。
一般的な家庭の30坪の住宅におけるサイディング材料ごとの費用は以下が目安となります。
1-1-1.窯業系サイディングの特徴
繊維やセメントを原料とした外壁素材です。
様々なデザインがあり、防音性や耐震性に優れているため多くの住宅で利用されています。
しかし、防水機能に欠けるため劣化しやすく、寿命が短いという欠点があります。
サイディング素材のなかでは価格が比較的安いです。
1-1-2.金属系サイディングの特徴
サイディング素材のなかで重量が特に軽いため、耐震性に優れています。
金属であっても防水性に問題はなく、断熱性も高いです。
サイディング素材のなかで価格が最も安いため、費用を抑えたいのなら金属系サイディングが適しているでしょう。
ただし、塩害に弱いため海に近い地域では劣化しやすい素材です。
またデザインが限られているため、窯業系サイディングに比べると単調な外壁になりやすいでしょう。
1-1-3.木質系サイディングの特徴
木材を利用した外壁素材です。ぬくもりを感じる外壁にできるため風情はありますが、防火性や防水性に欠けるという欠点があります。
さらに木材を使用しているためメンテナンス頻度が高くなるうえに、費用が高額になりやすいです。また素材が燃えやすいため、地域によっては利用できない場合があります。
こだわりのある人が選ぶ外壁素材と言えるでしょう。
1-1-4.樹脂系サイディングの特徴
プラスチックといった樹脂を原料とするサイディング素材です。
樹脂系サイディングは日本で利用されることが滅多にありません。
なぜなら、費用が高額だったり工事ができる技術を持った業者が少なかったりするからです。
サイディング素材のなかでは最も耐用年数が長いため、シーリングを使わない工法であればメンテナンスがほとんど必要ありません。
手間がかからないことから「メンテナンスフリーの素材」と言われることもありますが、頻度が低いだけでメンテナンスは必要です。
2.実際にサイディングの張り替え費用をシミュレーションをしてみよう
では、30坪程度の住宅の外壁をサイディングに張り替える場合にいくらの費用がかかるのでしょうか。
具体的にシミュレーションをしてみましょう。
30坪で100㎡の外壁を想定したシミュレーション価格が以下です。
外壁の張り替えには明確な相場がありませんので、業者によって項目や金額は異なります。
「値引き」とは、端数を引くことでお釣りが出ないようにしている項目です。ほとんどの業者が「値引き」あるいは「調整額」として見積書に記載しています。
>>実際の見積もりデータから見る!外壁リフォームの費用と相場
3.外壁の張り替え費用が相場よりも高くなる例とは
外壁の張り替え費用は状況によって相場よりも高くなるケースがあります。
「業者に見積もりを依頼してみたら思っていた以上に高額になった」という場合は以下の例が当てはまるかもしれません。
3-1.厚いサイディングボードを使用すると費用が増える
外壁の張り替えに使用するサイディング素材は厚さを決めることができます。
外壁素材に厚みがあれば耐久性が増しますので、破損や反りが起こりにくくなり寿命が延びやすいというメリットがあります。外壁内部の状態が良く、今後再度の張り替えを実施したくない人は厚いサイディングボードを選びましょう。ただし、厚みがあるということは使う素材の量が増えますので費用が高くなります。
サイディング素材の厚さの最低は14mmです。次に薄いのが16mmですが、このサイズになると取り付け方が変わります。
14mmの厚さなら釘で固定するのですが、16mm以上は金具が基本です。固定方法が変わるとさらに費用が高くなります。
なかには21mm以上の厚いサイディング素材もあります。厚い素材を使うほど価格が上がります。使う素材の厚さは見積もりの際に業者に確認しておきましょう。
3-2.業者の拠点から遠すぎると出張費がかかる
工事場所が業者の拠点から遠いと職人の移動に時間と手間がかかります。
また、材料を移動するのにも時間がかかりますので遠距離の工事は高額な出張費がかかる可能性があります。
明確な基準はありませんが、業者の拠点から50km以上離れている場合は別途費用が必要と考えておいたほうが良いでしょう。
4.外壁の張り替え費用を安くするための方法
外壁の張り替え費用を安くするための対策も紹介いたします。必ず利用できるわけではありませんが、工事を業者に依頼する前にチェックしておくことで費用を節約できる可能性があります。
4-1.住宅保険や補助金が使えないかチェック
竜巻や台風によって外壁が損傷した場合、住宅保険によっては「風災」と認定されて保険金が受け取れる可能性があります。
どのような例が風災として認定されるかは保険会社によりますが「台風などでガラスが割れて外壁も大きく破損した」という被害状況なら適用されるかもしれません。
自治体によっては外壁の修繕に対して補助金を出していることがあります。受け取るためには工事をはじめる前に申請する必要があります。業者に依頼するより先に、自分の所属する自治体に補助金の有無について尋ねてみましょう。
4-2.重ね張りを検討する
外壁の補修方法には張り替えの他にも「重ね張り」という工事方法があります。
「張り替え」は既存外壁を撤去して新たにサイディング素材を張ります。
一方で「重ね張り」は既存外壁の上から新たにサイディング素材を張る方法です。
重ね張りは張り替えに比べて費用が安くなるメリットがあります。
ただし、外壁の劣化状況によっては張り替えしなくてはいけないこともあるでしょう。
既存の外壁素材にひび割れ等がなく下地が劣化していなければ重ね張りができるかもしれません。重ね張りが可能かどうかは業者に調査してもらってください。
4-3.相見積もりを取得しておく
複数の業者から見積もりを取得するのが「相見積もり」です。
1社だけでは適正価格かどうかがわからずに高額な請求額でも依頼してしまいます。
複数の業者から見積もりを取得して比較することで費用を抑えることが可能となるでしょう。
見積もりを比較する際には以下の項目に注意してください。
4-3-1.見積書が税込で表記されていない
税込みか税抜きかが明示されていない見積書が出てきたら注意してください。
2021年の3月末までは税込表記が義務付けられていません。そのため業者によっては少しでも安く見せようと税抜き表示しか書かない可能性があります。
見積書で税抜きであることを明示しているのなら問題ありません。
しかし、意図的に消費税に関して書かずに税抜きの金額を税込みと思わせようとする業者は危険です。
150万円を超える工事の場合、消費税だけでも10万円以上の差が生まれます。
合計額が税込みか税抜きかは必ずチェックしましょう。
4-3-2.見積書にある数量の項目が「一式」ばかり
見積書の「数量」の項目が「一式」と書かれている場合があります。
ゴミの廃棄費用などは一式で記載されることが多いです。
しかし、ほとんどの項目が一式で表記されていたらその業者への依頼は避けたほうが良いでしょう。
特に塗装面積を一式と書いていた場合は悪質業者の可能性が高いです。
塗装面積は業者にとって利益を決定する重要な項目です。ここを一式で表記している場合、誤差があったとしても問題がないようなボッタクリ価格で見積もりを出している恐れがあります。
4-3-3.10万円以上の値引きがされている
外壁工事の見積書には値引き額が記載されるのが一般的です。
端数を調整するための目的で使用されることが多いです。そのため値引き額を上げすぎると業者は損をします。
値引き額が10万円を超える業者がいた場合は注意が必要です。
元々の価格が高額なために大きく値引きをしてお得感を出している可能性が考えられるでしょう。
数万円程度の値引き額ならともかく、10万円を超える場合は業者に理由を尋ねたほうが良いでしょう。
上記で紹介したような見積書を提出する業者は悪質業者である可能性が高まりますので注意してください。
適正価格で工事をしてもらうためには相見積もりをしなくてはいけません。しかし、相見積もりを取得するためには1社ずつ連絡を取らなくてはいけません。
また、見積書の記載が具体的であるほど優良業者の可能性が高いです。悪質業者は大雑把な見積もりしかしていないため細かい項目ごとに分けることが滅多にありません。優良業者であれば細かい項目まで具体的に説明ができますので見積書も自然と項目が多くなります。
もし業者選びで迷うようならリフォームガイドで見積もりを取得すれば比較的安心して選ぶことが可能でしょう。リフォームガイドは審査を通過した優良な業者のみが登録されています。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
5.まとめ
30坪の住宅における外壁の張り替え費用は、150万円〜250万円程度が目安となります。
張り替える外壁素材によって価格は大きく異なるでしょう。
他にも外壁素材に厚みがあったり、業者の拠点から遠い場所で工事をおこなうと価格が上がりやすくなります。
なお、台風などで外壁の修理が必要になった際には、住宅保険や自治体の補助金を利用すれば費用を節約できる可能性はあるでしょう。
悪質業者にだまされないためには見積書のチェックが必要です。
見積書の項目が「一式」ばかりだったり、過剰に値引きをしていたりする業者は避けるようにしましょう。
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