タイトル画像出典:http://www.8044.co.jp/gallery/142
「外壁の所どころにヒビが・・・」
「外壁がカビやコケで黒ずんでいる・・・」
「外壁の塗装が剥げてしまっている・・・」
このような外壁は、カバー工法という方法でリフォームをするのがいいかもしれません。
今の外壁の上に新しい外壁材を被せる「カバー工法(重ね張り)」は、「張り替え」に比べ費用が安く、手間をかけずに家の外観を一新できます。さらに、新しい外壁材を貼るので、「塗装」に比べ耐久性も上がります。
ただし、あなたの家の外壁をリフォームする方法として、カバー工法が適切かどうか?は慎重に判断する必要があります。
この記事は、外壁のカバー工法について、メリット・デメリット、費用、工事期間、業者の探し方などを解説するとともに、あなたが外壁をカバー工法でリフォームするべきかどうか、判断するお役に立てるはずです。
目次
1.外壁におけるカバー工法とは
カバー工法とは、既存の外壁に新たな素材を「重ね張り」する工事方法です。
古くなったサイディングやモルタル、ALCなどの外壁で使える工法で、外壁のデザインを一新できます。
カバー工法に使うサイディング材は、主に軽量な金属サイディングが使われます。これは、建物の重量増加によって耐震性が低下するのを防ぐためです。
外壁カバー工法の施工事例①
外壁カバー工法の施工事例②
出典:https://freshhouse.co.jp/case/15711/?costed=&author=®ions[]=outerwall
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/142
2.カバー工法が適する外壁
カバー工法が適している外壁は、以下のような外壁です。
- 塗装では対応できない状態
- 補修+塗装費用で、塗装の方が高くなる場合
- 外壁の下地までは劣化していない状態
外壁の状態から適切な施工方法を見分けよう
外壁のリフォームには、カバー工法以外にも「塗装」や「張り替え」という方法があり、外壁の劣化状態によって適切なリフォーム方法が違います。
以下の表でご自身の家の外壁がカバー工法に適しているかを確認しましょう。
費用相場 | 施工が適する外壁の状態 | |
---|---|---|
塗装 | 60~120万円 | ・触ると白っぽい粉がつくチョーキング現象が起きている ・幅3mm以下の細かいヒビ割れがある |
カバー工法(重ね張り) | 150~220万円 | ・全体的に塗装が剥がれて下地まで見えている ・幅3mm以上のひび割れが起きている ・モルタル壁で洗浄で落としきれないコケやカビが出ている (その他) ・モルタル壁からサイディング壁にしたい場合 |
張り替え | 200~260万円 | ・ひび割れを放置し、下地まで雨水が浸入している ・構造部まで劣化が進行している |
(※費用は30坪の住宅の場合)
【注意】カバー工法でリフォームができない外壁もある!
大きなひび割れや、サイディング材の反り・割れなどを放置している状態の場合、外壁の下地まで雨水が浸入し、張り直しが必要となる可能性があります。
張り替えまで必要になるかどうかは、業者に判断してもらう必要があります。
複数の業者に見積もりを依頼し、カバー工法でできるのか、張り替えが必要なのかを見てもらった上で見積もりを出してもらいましょう。最初から1社だけに依頼をすると、「本当に張り替えが必要なのかどうか」、反対に「カバー工法でも大丈夫かどうか」の判断ができません。リフォームは相見積もりが一般的ですので、「他の業者さんはこうでした」と言ってしまって大丈夫です。
3.外壁をカバー工法でリフォームする費用
外壁のカバー工法にかかる費用の目安は30坪程度の住宅で150~220万円程度です。費用の相場に幅があるのは、住宅の形や大きさ、使う材料によって価格が変動するからです。家の形に凹凸が多い、曲線がある、3階建てなどの場合は、費用が高くなる傾向にあります。
カバー工法に必要な費用の内訳
カバー工法にかかる費用の内訳としては、
- 足場設置 15〜20万円
- シート養生 8〜12万円
- 防水シート 4〜6万円
- 下地設置 20〜25万円
- 水切り設置 5〜7万円
- サイディング材 55〜70万円
- 重ね張り作業 30〜45万円
- シーリング 25〜35万円
この他に「諸経費」といった細かい費用が必要です。上記は一例でしかありません。業者によって工事内容や価格は変動します。
カバー工法の費用を抑えるポイント
外壁のカバー工法で費用を抑える方法には「安い素材を使う 」、「優良業者に依頼する」の2つがあります。
安い素材を使う
カバー工法でよく使われる金属サイディングの中でも、種類がいくつかあります。
当然、材料費が安いほどトータルの費用は安くなります。ただし、今後のメンテナンス費用も考え、耐久性の観点も意識しましょう。「ガルバリウム鋼板」は、コストパフォーマンスが高いサイディング材として人気があります。
>>外壁をガルバリウム鋼板に変えるデメリットや費用をチェック
窯業系サイディングは金属サイディングに比べ安価ですが、重量があるので一般的にカバー工法にはあまり用いません。
優良業者に依頼する
悪徳業者に騙されてしまうと高額な工事費用を請求されます。このため、優良業者を見抜けなければ無駄に支払う羽目になるでしょう。
優良業者の見抜きかたとして「相見積もり」があります。見積もりを比較することで自宅に適した費用が把握できるため、最適な工事業者を選べるでしょう。
相見積もりの際には、極端に安い、あるいは高い業者は避けてください。相場から大きく外れた金額を提示してくる業者は、手抜き工事をしたり詐欺を目的としていたりする可能性があります。
「1社ずつ見積もりを比較するのが面倒」という場合は、リフォームガイドを利用してみてください。リフォームガイドからご紹介する業者は、審査を通過した優良な業者のみです。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
4.外壁をカバー工法でリフォームするメリット・デメリット
外壁リフォームをカバー工法で行うメリットとデメリットには以下があります。
メリット | デメリット |
---|---|
張り替えより費用が安い | 断熱性と遮音性が高い |
工事期間が短い | 外壁が重くなり耐震性が若干低下する |
断熱性と遮音性が高い | 劣化が激しい外壁には使えない |
上記は張り替えと比較した際の、カバー工法の特徴です。以下で、具体的なメリットとデメリットを確認してみましょう。
外壁をカバー工法で行うメリット
【張り替えより安い】
外壁をカバー工法で行う場合、張替えよりもリフォーム価格が安くなります。具体的な金額としては20万円程度の差です。
張替えとカバー工法で費用に差が生まれる要因は、既存外壁の撤去作業があるかどうかです。張替えは既存外壁を剥がして新しい素材を張り直すためカバー工法より高くなるでしょう。
【工事期間が短い】
また、カバー工法の大きなメリットとして工事期間の短さがあげられるでしょう。外壁塗装、カバー工法、張替えにおける工事期間の目安は以下となります。
- 外壁塗装 12〜15日
- カバー工法 10〜14日
- 張替え 12〜17日
外壁のリフォーム工事で最も工期が短いのがカバー工法です。
【断熱性・遮音性に優れている】
さらに、カバー工法は他のリフォーム方法に比べて断熱性と遮音性に優れています。カバー工法では既存外壁に加えて外壁素材を張るため塗装や張替えよりも厚みがあり、熱や音を通しにくくするのです。
こんな人におすすめ!
- 塗装では工事ができないけれど費用を抑えたい
- できるだけ安く新しいサイディングにしたい
- 保温や防音を重視したい
外壁をカバー工法で行うデメリット
【新しくするサイディング材の種類が限られる】
カバー工法の大きなデメリットとして、使える外壁素材が限られるというものがあります。既存外壁に新しい素材を張るため、カバー工法では重い外壁素材を張ることができません。
軽量の素材は多くが金属サイディングに限られるため、デザインが豊富な窯業系サイディングに比べ、デザインのバリエーションが少なくなってしまいます。窯業系サイディングの重厚感のある質感を好む場合は、希望のサイディング材を施工できない可能性があります。
ただ、最近は金属サイディングでも「木目調」や「レンガ調」などのデザインも出てきています。
【外壁が重くなり耐震性が若干低下する】
外壁が重くなる点もカバー工法のデメリットです。どれほど軽い金属サイディングを利用したとしても、現在より外壁の重さが増すことは間違いありません。外壁の重量が増すと耐震性が低下し、地震の際に破損しやすくなります。建物の老朽度にもよりますので、必ず施工をする前に業者にカバー工法で大丈夫かどうかを見てもらいましょう。
【劣化が激しい外壁には使えない】
「1.」でもお伝えしたように、大きなひび割れ、サイディング材の反り・割れなどを放置している状態の場合、外壁の下地まで雨水が浸入し、張り直しが必要となる可能性があります。
5.外壁カバー工法の工事期間
外壁のカバー工法の工事は、トータルで1か月程かかります。
カバー工事は2~3週間で終わることが多いですが、同時に軒天(のきてん)・破風(はふ)・雨どいなどの細かい部分の塗装工事が行うことが多いです。
また、せっかく足場があるため、屋根も同時にリフォームする方も多いです。屋根工事もする場合は1か月~1か月半の日数を見積もっておきましょう。
【同時に塗装を行う部分】
6.外壁カバー工法が「得意」な業者の探し方
外壁のカバー工法は、下地の状態を見て「張り替えでなくても大丈夫かどうか」や、建物の状態を見て「カバー工法で耐震性に影響はないか」「どんな外壁材を施工できるか」など、正しい判断をする必要があります。
正しい判断をするには、実績がある業者、その道のプロに依頼することが重要です。
しかしながら、実績がある業者を見つけるのは、非常に難しいのです。
なぜなら、外壁・屋根などの外装業者は全国に数万社ありますが、ホームページなどに力を入れていて施工実績をアピールしている会社は、その中の一部だけです。
ご自身の地域で外装工事が得意な業者を見つける方法の一つとして、「リフォームガイド」のようなリフォーム会社一括紹介サービスを利用するという方法があります。
リフォームガイドは、ご紹介するリフォーム会社はすべて、「どんな工事が得意なのか」「今までの実績はどうか」「アフターフォローの体制はどうか」「日頃からどんな施工・サービスを心掛けているか」「社内にはどんな職人がいるか」など、細かく内情を把握しています。
そのため、お客様のリフォーム内容をお聞きした上で、どの会社がお客様にとって最適なのかが分かります。
業者探しにお困りであれば、一度リフォームガイドにご相談ください。
すべてのサービスが無料でご利用いただけます。
外壁や屋根などの外装工事は、間違った判断をしてしまうと建物の耐久性を損ねる危険があり、特に慎重にリフォームを進めるべき箇所です。実績があり、信頼できる業者を選びましょう。
7.外壁のカバー工法におすすめの外壁(サイディング)材
外壁のカバー工法でおすすめの外壁材は、金属系のサイディングです。
中でも耐久性・価格のバランスがよく人気なのが、「ガルバリウム銅板」と呼ばれるアルミニウムや亜鉛、シリコンによって形成された金属製の素材です。
また、人気な素材のためメーカーも様々なデザインを手掛けており、「スパン柄」と呼ばれる金属系特有のスタイリッシュな印象の柄以外にも、「石積み調」「レンガ調」「木目調」「塗り壁調」などバリエーションが増えています。
【スパン柄】
【レンガ調】
【石積み調】
ガルバリウム銅板のサイディング材で代表的なメーカーは、以下のようなメーカーです。
- アイジー工業の「アイジーサイディング」
- 旭トステムの「金属Danサイディング」
- ニチハの「センターサイディング」
- ケイミューの「はる・一番」
8.まとめ
外壁のカバー工法は、張替えに比べて「費用が安い」「工事期間が短い」「断熱性と遮音性が高い」というメリットがあります。
一方で、「利用できる材料がかぎられる」「外壁の耐震性が低下する」「劣化が激しい外壁には使えない」といったデメリットがあることも把握しておきましょう。
カバー工法にかかる費用は150~220万円程度です。費用を安くするためには、価格が安い材料を使ったり、優良業者に依頼したりする必要があります。
リフォームが必要なのは外壁だけではありません。屋根のリフォームも検討している場合は、屋根のメンテナンス費用から工事が必要な時期までチェック!」も確認しておきましょう。
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