
「樹脂サイディングの特徴って何?」
「樹脂サイディングを利用するメリットやデメリットを知りたい」
こういった疑問を持ってはいませんか。この記事では、樹脂サイディングの特徴やメリット、費用相場を紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- 樹脂サイディングの特徴
- 外壁で樹脂サイディングを利用するメリットとデメリット
- 外壁で樹脂サイディングを施工する費用相場と耐用年数
- 樹脂サイディングを外壁に利用する際の業者の探しかた
記事を読むことで、外壁の張り替えに樹脂サイディングが適しているか判断でき、他の素材と比較しやすくなるでしょう。
目次
1.外壁で利用する「樹脂サイディング」の特徴
樹脂サイディングとは、プラスチックの一種である「塩化ビニル樹脂」を利用した、薄い板状の外壁素材のことです。
一部では「メンテナンスフリー」とも呼ばれるほど高耐久なサイディングでもあります。
また、シーリングを使わない施工が可能なため、他のサイディング材と比べてメンテナンスの手間が少ない特徴があります。
一方で、施工できる業者が少ないため依頼する会社探しに手間がかかるでしょう。
北米では人気の素材ですが、日本では施工できる会社がほとんどないため、シェア率が1%程度しかないと言われている外壁材です。
2.外壁で樹脂サイディングを利用するメリットとデメリット
外壁で樹脂サイディングを利用するメリットとデメリットを把握すれば、自宅に適した外壁材なのかどうかを判断しやすくなるでしょう。
2-1.メリット
樹脂サイディングのメリットは以下の4つです。
- メンテナンスの手間が少ない
- 目地にシーリングが必要ない場合がある
- 凍害や塩害に強い
- 素材が軽くて耐震性が高い
詳しく確認していきましょう。
メンテナンスの手間が少ない
樹脂サイディングは、他のサイディング素材に比べて耐久性が高く、メンテナンスがほとんどいりません。
窯業サイディングや金属サイディングは10年に1度は塗装が必要ですが、樹脂サイディングは材料の耐久性が高いために20〜30年は塗装をしなくても問題ない場合があります。
目地にシーリングが必要ない場合がある
サイディングといえば、つなぎの部分に目地(くぼみ)があります。
目地にはシーリングと呼ばれる補修材を入れるのですが、10年に1度は補修しなければ劣化してひび割れを起こすでしょう。
ただし、樹脂サイディングにかぎり目地にシーリングが不要な商品があります。
目地のシーリングは見た目も悪くするため、樹脂サイディングであればデザイン性が高くなるメリットもあるでしょう。
凍害や塩害に強い
樹脂サイディングは凍害や塩害に強い性質があります。
特に寒冷地域や海浜地域では重宝する外壁材となるでしょう。
素材が軽くて耐震性が高い
樹脂サイディングはモルタルやタイル外壁に比べて軽量なため、建物への負担が少なく耐震性が高いメリットがあります。
2-2.デメリット
樹脂サイディングのデメリットは以下の3つです。
- 工事できる業者がほとんどいない
- デザイン性が低い
- 工事費用が高くなりやすい
デメリットを知らずに工事をすると失敗するおそれがあるため、事前に把握しておきましょう。
工事できる業者がほとんどいない
樹脂サイディングは塩化ビニル素材のため、温度によって素材が非常に伸び縮みします。このため、施工する季節によって取り付ける方法が変わり、工事難易度が高いです。
また、日本では珍しい外壁素材のため、施工技術を持っている業者はほとんど存在しません。
デザイン性が低い
樹脂サイディングは、窯業サイディングや金属サイディングに比べて、色やデザインの種類が非常に少ないです。
デザイン性を重視する人、色を細かく指定したい人には樹脂サイディングは適していないと言えるでしょう。
工事費用が高くなりやすい
樹脂サイディングの材料は安価です。
しかし、施工難易度が高いため、一般的な窯業サイディングや金属サイディングを施工する場合より手間賃が割高になりやすいでしょう。
手間賃の割高感が材料費の安さを上回るため、最終的には工事総額が他のサイディング素材よりも高くなります。
ただし、10年や20年単位で考えた場合に他のサイディング素材よりもメンテナンスの手間が少ないため、ランニングコストは安くなるでしょう。
長期的に考えると大きく損をするわけではありません。
2-3.樹脂サイディングはこんな人におすすめ!
樹脂サイディングを利用するのに向いている人は以下の2パターンが考えられます。
- メンテナンスの手間を省きたい人
- 業者探しの手間を惜しまない人
樹脂サイディングは耐久性が高いため、メンテナンスの手間は少ないでしょう。
一方で、施工できる会社が少ないため、工事業者を探すのに手間がかかります。
工事の際に手間をかけてもいいから、長期的なメンテナンスを避けたい場合に適している材料と言えるでしょう。
3.外壁で樹脂サイディングを施工する費用相場と耐用年数
外壁で樹脂サイディングを利用する場合の費用相場と耐用年数を紹介します。
工事価格と耐用年数を知っておけば、外壁材を選ぶ際に他のサイディングと比較しやすくなるでしょう。
3-1.工事にかかる費用の相場
樹脂サイディングの張り替え費用は、30坪で160〜260万円程度です。業者の技術力や、外壁の劣化状況などで価格は変動します。
樹脂系サイディングの場合、一般的な窯業系サイディングの施工より3〜5割程度は工事費が高いと考えられます。
また、既存の外壁の上から施工する「カバー工法」には適していないため、原則として張り替えが必要となるでしょう。
3-2.樹脂サイディングの耐用年数
樹脂サイディングの耐用年数は25〜30年程度です。
他のサイディング素材と違って、樹脂サイディング自体は定期的なメンテナンスがほとんど必要ありません。
ただし、目地にシーリング材を使っている場合は、シーリング補修が7〜10年に1度は必要となるでしょう。
4.樹脂サイディングを外壁に利用する際の業者の探しかた
樹脂サイディングを施工する業者の探しかたには3つのポイントがあります。
- 実績が多い業者を探す
- 自社で施工している業者を探す
- 相見積もりで要点をチェックする
樹脂サイディングの張り替えは施工難易度が高い工事です。
業者選びで失敗しないために、ポイントをおさえて施工会社を選びましょう。
4-1.実績が多い業者を探す
樹脂サイディングの施工経験が豊富な業者を探しましょう。
施工実績がない業者に依頼すると、工事に失敗して劣化しやすくなり頻繁なメンテナンスが必要となるおそれがあります。
樹脂サイディングの実績がある業者はインターネットで探します。
住んでいる市町村や隣接自治体で「〇〇(市町村名) 樹脂サイディング 工事業者」と検索すると、樹脂サイディングの実績がある業者が見つかりやすいです。
樹脂サイディングを施工できる業者は少ないため、場合によっては離れた市町村の会社に依頼することも検討しましょう。
4-2.自社で施工している業者を探す
樹脂サイディングは、自社で工事をしている業者に依頼しましょう。
理由は、費用が安くなるためです。
「ゼネコン」や「ハウスメーカー」といった営業会社に依頼すると、工事を下請け会社に委託するため無駄な中間マージンがかかってしまいます。
依頼した会社が工事もおこなえば費用は1〜3割は安くなるでしょう。
自社施工の会社の見抜き方として、会社のホームページを確認する方法があります。
ホームページに職人の顔写真や具体的な紹介をのせているのであれば、職人を直接雇用して自社で工事をしている可能性が高いです。
4-3.相見積もりで要点をチェックする
樹脂サイディングを施工できる業者が近隣に複数ある場合は、相見積もりを推奨しています。
相見積もりとは、1社ではなく数社に見積もりを依頼して、同条件で工事内容を比較する方法です。
複数社で見積もりをすれば工事内容や費用を比較して優良業者を見抜きやすくなります。
相見積もりをする際のポイントは2つあります。
施工面積は適切か
サイディングの施工面積が「一式」と表記されている場合があります。
この場合、面積を水増しされているおそれがあるため、依頼は避けたほうがよいでしょう。
施工面積は業者にとって特に重要なポイントで、利益に直結します。
メリットなく一式と表記することはありません。
適切な面積を出してもらうためには、樹脂サイディングの施工面積を「平方メートル」で記載する業者に依頼しましょう。
材料のほかにメーカー名が記載されているか
工事で使用する樹脂サイディングの商品名とメーカー名が見積書に記載されているかを確認しましょう。
材料の種類名である「樹脂サイディング」としか記載されていない場合は、低品質な商品を使うおそれがあるため依頼しないほうがよいでしょう。
樹脂サイディングを販売している主なメーカーには以下があります。
- ゼオン化成
- 旭トステム外装(LIXILグループ)
- PLY-GEM(プライジェム)
上記のメーカー名があれば安心しやすいでしょう。
5.まとめ
樹脂サイディングとは、プラスチックの仲間である「塩化ビニル樹脂」を利用した、薄い板状の外壁素材です。
樹脂サイディングはメンテナンスの手間がかからないメリットがあります。
一方で、施工できる業者が見つけにくく工事価格が高いデメリットもあるでしょう。
施工にかかる費用相場は30坪で160〜260万円程度で、耐用年数は25〜30年ほどです。
樹脂サイディングは施工できる業者が少ないため、実績のある会社を探しましょう。
他のサイディングを選ぶ場合は、塗装メンテナンスが必要です。
サイディングの塗装費用や業者選びは「サイディング塗装に掛かる費用と良い業者選定のポイントを解説」で確認してみましょう。