サイディングとは?種類別の特徴やモルタルとの違いを徹底解説

サイディングとは何か詳しくご存知の方は少ないと思います。なぜ外壁としてサイディングが使われるのか、一体どのような特徴から外壁として適しているのか気になるのではないでしょうか?最近の住宅の一般的な外壁素材であるサイディングは他の外壁素材等と比較すると優れた点が多くあります。
ここでは、サイディングの特徴についてお伝えします。サイディングを十分に理解頂けると思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
1.サイディングとは何か?
左の写真は住宅外壁のサイディングをリフォームしている場面です。この写真でもわかる通り、サイディングとは外壁素材の一種であり、セメント質と繊維質を主な原料とした外装材で壁に貼って利用します。
サイディングはサイディングボードともいわれ、板状になっています。
建物の骨格に合わせてサイディングボードを貼り付けていきます。そして、張り付けたサイディングボードをシーリング材でつないでいきます。
※シーリング材(建物の防水性や気密性を保持するために継ぎ目や隙間に用いる材料。これが劣化すると雨水が壁の中に入り、劣化を加速させる)
2.外壁素材としてのサイディングの特徴
外壁素材であるサイディングは、他の外壁素材とどう異なるのか解説いたします。住宅の外壁素材は昨今、質の良いものへと移り変わっています。
ひと昔前はモルタルが主流でした。しかし、モルタル壁は施工時間もかかり、費用もかかります。また、モルタルはヒビが入りやすい欠点もあります。
そして、現在主流となっているサイディングが後に出回りました。こちらはモルタルにはない利点がいくつかあります。ここで、モルタルとサイディングを比較して特徴を説明いたします。以下の表を参考にして下さい。
モルタル壁 サイディング壁
3.サイディングの耐用年数は7~8年
サイディングの耐用年数はおよそ7〜8年です。
サイディングの基材は吸水性があり、防水機能は塗膜によって補っています。従って、塗膜の劣化を放置すると雨などの影響により建物の構造に大きな影響を与えることがあります。
そのため7〜8年を目安に塗装等の修繕が必要です。サイディングの症状の具体例としては以下の通りです。
- シーリングの劣化
- サイディングボードの反り
- チョーキング(触ると白い粉がつく状態。これは防水効果が切れたサイン)
- ヒビ割れや剥がれ
※チョーキング
これらの劣化症状は住宅の陽当たりなど様々な条件が絡んできます。症状が出てきた際はプロの目でしっかり診断してもらうことをお勧めします。
4.サイディングはデザイン豊富
サイディングはデザイン性にも優れています。どのようなデザインがあるのかここで紹介いたします。
豊富な色揃え
白系…最近の住宅に多い白色もあります。




柄の種類も豊富
石積調…落ち着いた雰囲気を演出できます。大き目の石柄は洋風に、細長い石柄は和風に仕上がります。



5.サイディングの種類とそれぞれの特徴
サイディングには4つの種類があります。それぞれ窯業系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディング、金属系サイディングの4つです。中でも、窯業系サイディングが最も主流となっています。
ここでは、これら4つの特徴について詳しくお伝えします。
こちらの表は、4つの種類のサイディングの特徴を簡単にまとめたものです。
◎優れている ○適している △普通 ×不適
5-1.窯業系サイディングについて
まず、住宅外装シェアの70%を占めている窯業系についてです。
上記の表からわかるように、全ての項目で○もしくは◎となっているものは窯業系のみです。従って、最もバランスのとれた外壁素材であることがわかります。
主原料はセメント質原料及び繊維質原料が用いられ、それらが成形され養生・硬化されたものです。施工やメンテナンスが楽で、工期も短縮できるため、住宅外壁材の主流になっています。
最近では、雨水で汚れが落ち、長く再塗装をせずに済むなどの特徴をもった商品もあります。デザインの種類も豊富ですので、住宅の外壁材に向いています。
手で触れた時、白い粉がつくと塗り替えのサインです。また、シーリングに剥離があれば補修が必要になります。
5-2.木質系サイディングについて
天然木などに塗装を施したもので、表面を炭化処理したものが多く使われています。天然木を使用していることからも、耐火性や汚れにくさが他より劣っています。
防火構造の指定がされた地域ではかつて選択の幅が狭まれていました。しかし、最近では防火指定地域であっても使用できるよう、不燃処理を施した製品も多くなりました。定期的なメンテナンスは必要になります。
そして、天然素材であるため、材料にバラつきがあります。デザインに味わいと風合いが加わり、経年による木材の色合いの変化を楽しめます。写真のように、木質系サイディングは部分的に用いることで建物のアクセントにもなります。
5-3.樹脂系サイディングについて
こちらは、北米生まれの塩化ビニル樹脂製の外装材です。寒冷地方(北海道・東北地方)を中心に普及が進み、耐久性、耐塩害性、耐冷害性、耐候性に優れています。
樹脂系サイディングならではの特徴は以下の通りです。
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軽量であることから、運搬・施工が容易で工期も短い
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樹脂系サイディングは撥水性に優れているので雨漏りの心配もほとんどない。(錆の発生はない。)
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表面塗装でなく、顔料が練り込まれているので再塗装が不要
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弾力性があり、衝撃に強い
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破損の際、その部分のみの張替えが出来る
5-4.金属系サイディング
成型された金属板と裏打材で構成され、裏打材には断熱材が用いられています。断熱性だけでなく、防音性も高くなっています。軽量なので取扱いが容易で、耐水性や耐久性に優れています。
金属サイディングにはスチール系、アルミ系、ステンレス系と3つに分けることが出来ます。それぞれの特徴を説明いたします。
スチール系
焼付塗装で、厚手のものほど耐久性があります。特に、風の強い地域での需要が高く、デザイン性にもこだわることが出来ます。また、一般に7~10年くらいで塗装が粉化し、それを放置すると錆び始めます。時期をみて塗替える必要があります。
アルミ系
軽量で柔らかい素材なので施工しやすいメリットがあります。また、錆びにくいことや外見がスッキリまとまるといった特徴もあります。
ステンレス系
高価であるため金属系サイディングの中では一般的ではありません。しかし、耐久性、耐候性の面からは高レベルの素材に位置付けられています。
6.まとめ
サイディングとはどのようなものなのか、ご理解頂けたでしょうか?住宅の外壁材として主流のサイディングは他の素材と比べて費用が安く、工期が短いことや耐久性に優れていることが特徴として挙げられます。
また、サイディングには4つの種類があり、その中でも性能的にもデザイン的にも優れた窯業系が最も主流になっています。