壁紙(クロス)の種類。素材の特徴とリフォームに向いている場所を紹介

壁紙素材

壁紙には、ポピュラーなビニールクロスをはじめ、紙や布、木材などさまざまな素材があります。壁紙リフォームを行う際は、デザインや質感だけでなく、素材ごとの特徴にも注目しましょう。素材の特徴を把握しておけば、リフォーム後のミスマッチを防ぐことができます。

今回はリフォームで使われやすい壁紙素材を6種類ピックアップし、特徴やメリット・デメリット、見分け方をご紹介します。壁紙の張り替えリフォームを検討中の方はぜひ参考にしてみてください。


1.壁紙に使用される素材の種類と特徴・見分け方

壁紙に使用される素材には、主に以下の6種類があります。

  1. ビニールクロス
  2. 紙クロス
  3. 布クロス(織物クロス)
  4. 木質系クロス
  5. 珪藻土クロス・漆喰クロス
  6. オレフィン系クロス

それぞれの壁紙の特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

1-1.ビニールクロス|最もポピュラー

ビニールクロス

ビニールクロスは、日本の多くの住宅で使われているポピュラーな壁紙素材です。塩化ビニール樹脂(PVC)を原料としたシートの裏側に、紙などの施工用シートを貼り付けています。さまざまな細工処理ができるため、デザインやカラーの選択肢が多い点が特徴です。

ビニールクロスのメリット

  • 価格が安い
  • デザインのバリエーションが豊富
  • 水を弾くため防汚機能や耐水機能に優れている

耐久性が高いビニールクロスは、消臭・耐火・吸湿など多機能な商品が多く販売されています。手入れのしやすさから、キッチンやトイレなどの水回りに使用されることも多い素材です。

ビニールクロスのデメリット

  • 有害物質が含まれているリスクがある
  • アレルギーを引き起こすリスクがある

ビニールクロスの加工時に使用される接着剤や安定剤に、有害物質であるホルムアルデヒトが含まれるため、環境や健康に影響が出る場合があります。シックハウス症候群などのアレルギーを引き起こすリスクもゼロではないため、アレルギー体質の方は避けた方が良いかもしれません。

ビニールクロスがおすすめなケース

  • 費用を安く抑えたい
  • デザインにこだわりたい
  • アレルギーの心配がない素材が良い
  • 掃除しやすい素材が良い

ビニールクロスの見分け方

霧吹き等で水を吹きかけ、水が弾かれるかどうかで判断できます。

1-2.紙クロス|上品で個性的に見せたいなら

紙クロス

紙クロスは、パルプや和紙・ケナフが原料の壁紙素材です。デザインの幅が広いことも特徴で、洋紙タイプの壁紙であれば、ヨーロッパ風のインテリアにも馴染みます。

紙クロスのメリット

  • 通気性や吸音性に優れている
  • 上品な質感があり、色柄が豊富なので個性的な雰囲気を演出できる
  • 環境に配慮された素材である

環境に優しい素材の紙クロスは、健康面でも低リスクです。落ち着いた雰囲気の空間づくりに向いているので、和室の壁紙に採用されることも多い素材です。

紙クロスのデメリット

  • ビニールクロスよりも費用が高い
  • 時間経過で収縮・膨張しやすい
  • 施工業者選びが難しい

紙クロスは、下処理の荒さや経年劣化で、下地や目地が目立ってしまう可能性があります。そのため、紙クロスの施工に慣れた業者選びが重要です。

紙クロスがおすすめのケース

  • 寝室など音を抑えたい部屋の壁紙を探している
  • 壁紙のデザインや柄にこだわりたい
  • 上品な印象の壁紙を探している

紙クロスの見分け方

霧吹きで水を吹きかけ、壁紙が吸水後すぐに乾くかどうかで見分けられます。

1-3.布クロス(織物クロス)|​​高級感を出したいなら

布クロス

布クロスは、レーヨンや絹、麻、フェルトなどの素材を使用した壁紙です。他の壁紙素材よりも重厚感があり、高級感も演出できるため、住宅だけでなくホテルや美術館にも採用されています。

布クロスメリット

  • 頑丈で耐久性が高い
  • 布素材ならではの風合いや織り方の違いを楽しめる
  • 高級感や重厚感がある

布クロスは破れにくく、湿気や水にも強い耐久性の高さも魅力です。また、通気性にも優れています。

布クロスのデメリット

  • ホコリを吸着しやすい
  • 汚れが落ちにくい
  • 取り扱っている施工業者が少ない

布クロスはホコリがつきやすいため、定期的にはたき掛けや乾拭きなどのメンテナンスが必要です。また汚れが落ちにくいため、子ども部屋など汚れやすい場所には避けた方が良いでしょう。

布クロスがおすすめなケース

  • 部屋に高級感や重厚感を出したい
  • 定期的な壁紙掃除が嫌ではない
  • あたたかみのある壁紙素材を探している

布クロスの見分け方

霧吹きで水を吹きかけてみて、吸水後シミになるかどうかで見分けられます。
紙クロスと異なり、乾くまでに一定の時間がかかります。

1-4.木質系クロス|温もりのある空間に

木質系クロス

木質系クロスは、コルクや銘木を薄くスライスしシートタイプしたものや、施工した壁板をそのまま見せるものがあります。木の質感を活かした温もりある空間づくりにおすすめの壁紙素材です。

木質系クロスのメリット

  • 高級感やナチュラルな雰囲気を演出できる
  • 経年美化を楽しめる
  • 温もりのある空間を演出できる

木質系クロスは、使用する木材によって部屋の雰囲気をがらっと変えられる点が魅力です。ナチュラルな雰囲気はもちろん、壁板に金具などを使用すればスタイリッシュな空間にもなります。

木質系クロスのデメリット

  • 紙クロスやビニールクロスよりも高額
  • 製品によっては耐水性が低い

木質系クロスは一般的な壁紙よりも高額になりやすいことから、壁一面ではなくアクセントとして使用する場合も多いようです。リビングやダイニングの腰壁としての活用も良いでしょう。

木質系クロスがおすすめのケース

  • 壁にアクセントクロスを貼りたい
  • 木材やコルクの質感を楽しみたい

木質系クロスの見分け方

木質系クロスは外観の特徴が強いため、見た目ですぐに判断できるしょう。耐水性が低い製品もあるため、施工前にリフォーム業者に確認しておきましょう。

1-5.珪藻土クロス・漆喰クロス|味わいある和の雰囲気

珪藻土クロス

珪藻土や漆喰の壁紙は「無機質系クロス」とも呼ばれ、天然素材である珪藻土や漆喰を内装材向けに加工したものを指します。あくまでも壁紙なのですが、本物の塗り壁のように趣のある和の空間を演出できる点が特徴で、和室によく使用されます。

珪藻土・漆喰クロスのメリット

  • 調湿・消臭効果がある
  • 耐久性に優れている
  • 素材を活かした和の雰囲気を演出できる

珪藻土や漆喰には、湿度を一定に保つ調湿機能や消臭効果があります。臭いが気になるペットの部屋の壁紙としてもおすすめです。

珪藻土・漆喰クロスのデメリット

  • 施工業者選びに注意が必要
  • 水ぶきが不向きである

珪藻土や漆喰などの無機質系クロスは、ビニールクロスなどに比べて薄い傾向にあります。そのため下地や壁の継ぎ目が目立たないよう施工するには、熟練の技が必要です。施工者選びは慎重に行いましょう。

珪藻土・漆喰クロスがおすすめのケース

  • 塗り壁よりもリーズナブルに漆喰や珪藻土の壁を実現したい
  • 味わいのある空間を演出したい

珪藻土・漆喰クロスの見分け方

珪藻土クロスや漆喰クロスは、木質系クロス同様外観がわかりやすいため、一目で見分けることができるでしょう。

1-6.オレフィン系クロス|汚れに強く環境にやさしい

オレフィン系クロス

オレフィン系クロスは、合成樹脂を主原料にしたプラスチックの壁紙です。見た目はビニールクロスと非常に似ており、大きな違いはビニールクロスが持つ有毒性が少ない点です。ビニールクロスの機能性やデザイン性はそのままに、ビニールクロスよりも環境に配慮された壁紙だといえます。

オレフィン系クロスメリット

  • 耐久性が高く傷がつきにくい
  • メンテナンスや掃除が楽
  • デザインのバリエーションが豊富
  • ビニールクロスよりも有害物質が少ない

オレフィン系クロスのデメリット

  • ビニールクロスよりも価格が高い

オレフィン系クロスは、ビニールクロスの欠点を解消した壁紙といえます。その分どうしてもビニールクロスよりも価格が高くなってしまうので、必要に応じて部分使いする方法もあります。

オレフィン系クロスがおすすめのケース

  • 子ども部屋などに健康に配慮した壁紙を使いたい
  • ビニールクロスと同じスペックで環境に優しい壁紙を使いたい

オレフィン系クロスの見分け方

オレフィン系クロスは、ビニールクロスとほとんど見分けがつきません。
施工業者に直接聞いて確認すると良いでしょう。


まとめ

壁紙には、ポピュラーなビニールクロスをはじめさまざまな素材があります。耐久性や手入れのしやすさを重視するならビニールクロスやオレフィン系クロス、温もりのある空間にするなら木質系クロス、といったように、部屋の雰囲気や用途に合わせて壁紙素材を選ぶと良いでしょう。

壁紙の中には、布クロスや珪藻土・漆喰クロスのように施工業者選びが重要な素材もあります。施工業者の検討に、ぜひリフォームガイドをご活用ください。

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