
築30年前後の中古マンションを購入し、自分好みに合わせてリフォームしようと考えている方もいるでしょう。
築30年前後のマンションは新築に比べて手頃な価格で手に入りやすく、リフォームに予算を回すことができるため、リフォームを前提に中古マンションの購入を検討している方に向いています。
また、現在住んでいるマンションが築30年を迎え、リフォームの必要性を感じている方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、築30年のマンションをリフォームする場合に気をつけたいポイントや、費用相場について解説します。また、マンションのリフォーム実例を費用別にまとめて紹介しています。
マンションリフォームのヒントをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
▼関連記事


目次
- 築30年のマンションをリフォームする前に知っておきたいこと
- 【プロが教える】築30年のマンションを購入したときのリフォーム検討箇所
- マンションのリフォーム費用相場
- 【費用別】築30年前後のマンションリフォーム実例10選
- 【2,005万円】5LDK+S「中古マンションをスケルトンリフォーム」
- 【1,260万円】3DK→2LDK「細かい間取りを開放的なLDKへ」
- 【909万円】3LDK「実家への転居を機に一新」
- 【762万円】2LDK「ピアノ演奏のためこだわりの防音室を」
- 【668万円】3LDK「中古物件に広々LDKを」
- 【573万円】3LDK→2LDK「結婚を機にふたり暮らし仕様に」
- 【545万円】3LDK→2LDK「子どもの独立でキッチンとリビング、和室をすべて一つの空間へ」
- 【331万円】4DK→2LDK「4つの部屋を繋げて開放的なLDKを実現」
- 【289万円】部分リフォーム「重厚感のあるラグジュアリーキッチンを」
- 【125万円】部分リフォーム「老朽化した浴槽をユニットバスへ」
- マンションリフォームでは会社選びは慎重に!
築30年のマンションをリフォームする前に知っておきたいこと
リフォームを前提に中古マンションを購入する場合、以下の3つを押さえましょう。
[1]築30年のマンションの状態は?あと何年住める?
築30年のマンションは建物や設備の劣化が懸念されるため、リフォームが必要となるケースが多く見られます。
築20年未満と築30年以上のマンションを比較すると、築30年を経過したあたりから水回りや配管の劣化が目立つようになり、水漏れのリスクが高くなります。配管の全面張り替えが必要になるケースもあり、それに伴って床材の張り替えが発生する場合もあります。
マンションの寿命は、適切なメンテナンスが行われていれば120年を超えると言われますが、2011年の調査では、マンションが建て替えや取り壊しされる平均築年数は68年でした。
ただし、マンションの性能向上や、修繕・リノベーションの技術が向上していることから、この数値は伸びていくと考えていいでしょう。築30年のマンションを購入した場合、あと40~50年程度は住み続けられる想定をしておくのが妥当です。
ただし、それも大規模修繕や各住戸のメンテナンスが適切に行われていることが前提ですので、中古マンションを検討する際は築年数だけでなく、物件の管理状況や現在の構造や配管等の状況も確認しましょう。
参考:「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書(国土交通省)
[2]マンションはどこまでリフォームできる?
マンションには「専有部分」と「共用部分」の2つの区域があり、基本的にマンション所有者がリフォームできるのは「専有部分」のみです。
専有部分とは、壁や天井などで囲まれた内側にある居住スペースを指します。具体的には、床材や壁紙の張り替え、水回り設備の交換、間仕切り壁の撤去などがリフォームできる範囲です。
注意点として、窓はマンションの共用部分にあたり、自己判断で交換することはできません。
マンションのリフォームは管理規約によってさまざまな制限やルールが定められています。リフォームを検討する際は、事前に管理規約をチェックしておきましょう。
[3]マンションリフォームに住宅ローンを使うことは可能?
築30年のマンションのリフォームは大掛かりになることが多いので、ローンを使って資金調達したいということも多いでしょう。リフォームでは、住宅ローンやリフォームローンを利用することができます。
中古マンションの購入と同時にリフォームを行う場合、購入費用とリフォームの費用を合わせて住宅ローンで借り入れするのがおすすめです。金利が低いのに加えて住宅ローン控除も適用されるので、支払う税金を安く抑えられます。
現在住んでいるマンションのリフォームでは、リフォームローンを利用するのが一般的ですが、大規模なリフォームや住宅ローンの支払が残っているときは、住宅ローンを利用することもあります。
リフォームローンは無担保型が多く、住宅ローンより金利がやや高めですが、適用対象となるリフォーム工事の範囲が広いのがメリットです。住宅ローンを使いたい場合は実施したい工事に住宅ローンが対応しているかどうかを確認しましょう。
金融機関によってさまざまなサービスが用意されているため、用途や目的に合わせて選ぶとよいでしょう。
マンションリフォームのローン利用に関しては、こちらの記事も参考にしてください。


こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。


【プロが教える】築30年のマンションを購入したときのリフォーム検討箇所
それでは、築30年のマンションでは、具体的にどんなリフォームを想定する必要があるでしょうか。
日頃から業務として中古マンションのリノベーションを手掛ける、あなぶき興産の財間さんにアドバイスをいただきました。
あなぶき興産 財間 一樹
マンション・商業施設の設計事務所を経て、買取再販会社のリノベーション設計監理に従事。その後、設計・施工一貫の工務店で住宅以外にもオフィス内装・店舗内装・民泊等の設計・施工に携わる。現在はあなぶき興産区分投資事業部でマンションのリフォーム・リノベーションの設計監理を担当。
ここでは、必ず交換してほしい箇所と交換を推奨する箇所としてご案内します。
必ず交換したい箇所 |
|
---|---|
交換を推奨する箇所 |
|
現況が問題なければメンテナンス程度の対応でOK |
|
※1 オートロックと連動したモニター付きのインターホンの場合は、共用部の工事も必要になるため1つの住戸だけでは行えません。1住戸だけで独立したインターホンの場合は交換・修繕を検討してください。
マンションのリフォーム費用相場
マンションのリフォームにかかる費用は、工事の範囲や内容によって大きく変わります。
ここでは、リフォーム範囲ごとの費用相場を紹介します。希望と予算を照らし合わせながら、リフォームを検討してみてください。
全体的なリフォームの費用相場
全体的なリフォームをする場合、費用相場は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
水回り設備のフルリフォーム | 約340万円〜 |
室内のフルリフォーム (内装の張替、水回り設備交換) |
約470万円〜 |
間取り変更を伴うフルリフォーム | 約545万円〜 |
マンションの全体的なリフォームは、予算が500万円あれば、水回りや内装のみ一新するリフォームが可能です。
ただし、築30年のマンションとなると構造・配管までリフォームしなければならないこともあり、ケースによっては数千万円かかる場合もあります。
部分的なリフォームの費用相場
部分的なリフォームをする場合、費用相場は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
給湯器の交換 | 約10~20万円 |
トイレ | 約20〜35万円 |
洗面 | 約20〜35万円 |
キッチン | 約60〜110万円 |
浴室 | 約60〜140万円 |
和室から洋室へリフォーム | 約18〜95万円 |
交換が必要になることが多い給湯器は10万円~20万円程度かかります。
トイレや洗面は約20万円から、キッチンや浴室は約30万円からリフォーム可能で、設備のグレードによっても費用は変わります。
和室を洋室にリフォームする場合、18万円くらいあれば畳をフローリングに張り替えられます。
ただし、内装や間取りまで変更するなら30万円程度の予算が必要です。
【費用別】築30年前後のマンションリフォーム実例10選
築30年前後のマンションのリフォーム事例を費用別で紹介します。中古マンションのリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
【2,005万円】5LDK+S「中古マンションをスケルトンリフォーム」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 5LDK+S |
リフォーム箇所 | LDK、浴室、洗面室、トイレ、洋室、和室、廊下、玄関 |
※横にスクロールできます


※横にスクロールできます


メゾネットタイプの中古マンションをスケルトンリフォームによって、ゆったり寛げる開放的な空間に仕上げました。
床材には白の大理石、柱は石目調の仕上げ材を施しており、高級感溢れる部屋で非日常感を味わえます。
キッチンにはスリムタイプのレンジフードを採用。洗面台は2ボウルタイプなので朝の身支度もスムーズです。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/349
【1,260万円】3DK→2LDK「細かい間取りを開放的なLDKへ」
築年数 | 27年 |
---|---|
間取り | 3DK→2LDK |
リフォーム箇所 | LDK、浴室、洗面室、トイレ、和室、洋室、玄関 |
※横にスクロールできます


※横にスクロールできます


細かく区切られた間取りを可能な限りまとめて開放的なLDKを実現。
リビングは間接照明でラグジュアリーな空間を演出しています。その他浴室ではユニットバスを解体して、こだわり置き型浴槽とタイル張り仕上げ壁に入れ替えるなど、こだわりのある場所には費用をかけて、既存のイメージを一新しました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/398
【909万円】3LDK「実家への転居を機に一新」
築年数 | 35年 |
---|---|
間取り | 3LDK |
リフォーム箇所 | 家全体 |
※横にスクロールできます


※横にスクロールできます


築35年のご実家を、ご夫婦とお母様の3人暮らしの空間にリフォームしました。部屋ごとに違う色のアクセントクロスを施し、銘木柄のフローリングがナチュラルモダンな雰囲気を演出しています。
断熱性を高めるためにインナーサッシも設置し、見た目と機能性を兼ね揃えた快適な住まいを実現しました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/868
【762万円】2LDK「ピアノ演奏のためこだわりの防音室を」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 2LDK |
リフォーム箇所 | LDK、洋室、洗面室、トイレ |
※横にスクロールできます


※横にスクロールできます


LDKに隣接する部屋を大幅に間取り変更し、音の反射を考慮した五角形のピアノ室をつくりました。近隣への音漏れを気にせず、思う存分ピアノの演奏を楽しめます。
LDKには間接照明や折り上げ天井を採用し、広がりを感じられる空間となっています。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/51
【668万円】3LDK「中古物件に広々LDKを」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 3LDK |
リフォーム箇所 | LDK、浴室、洗面室、トイレ、洋室 |
※横にスクロールできます


対面キッチンの導入や隣接する押入れを撤去したことで、お子様を見守りながら家事ができる開放的なLDKを実現。
他にも、収納をたっぷり確保していたり、浴室を拡張して広くしたりなど、家族揃って快適に暮らせる住まいを叶えました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/274
【573万円】3LDK→2LDK「結婚を機にふたり暮らし仕様に」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 2LDK |
リフォーム箇所 | LDK、浴室、洗面室、トイレ、和室、洋室 |
※横にスクロールできます


結婚を機にふたり暮らしの間取りにリフォーム。独立していたキッチンをリビングに取り込み開放的な空間に仕上げました。
作業スペースを広く確保できるように、キッチンはセパレートタイプを採用。その他、水回りも一新して新生活にふさわしい明るい住まいに生まれ変わりました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/345
【545万円】3LDK→2LDK「子どもの独立でキッチンとリビング、和室をすべて一つの空間へ」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 3LDK→2LDK |
リフォーム箇所 | LDK、浴室、洗面室、トイレ、洋室 |
※横にスクロールできます


お子様の独立後にキッチンとリビング、和室をひとつの空間に改築して広々としたLDKにリフォーム。浴室はサイズアップして心身共にリラックスできる空間となっています。
壁紙や床材などの内装も一新し、老朽化した住まいが、まるで新築のようになりました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/149
【331万円】4DK→2LDK「4つの部屋を繋げて開放的なLDKを実現」
築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 4DK→2LDK |
リフォーム箇所 | LDK、キッチン |
※横にスクロールできます


部屋が細かく仕切られている住まいを、間取りを変更して開放的なLDKに仕上げました。間仕切りをなくしたことで採光性が向上し、明るく過ごせる住まいを実現。
壁付けキッチンで空間を有効活用し、ダイニング側には使い勝手の良いカウンター付き食器棚を設けました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/887
【289万円】部分リフォーム「重厚感のあるラグジュアリーキッチンを」
※横にスクロールできます


築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | 3LDK |
リフォーム箇所 | キッチン、廊下 |
部屋が細かく仕切られている住まいを、間取りを変更して開放的なLDKに仕上げました。間仕切りをなくしたことで採光性が向上し、明るく過ごせる住まいを実現。
壁付けキッチンで空間を有効活用し、ダイニング側には使い勝手の良いカウンター付き食器棚を設けました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/506
【125万円】部分リフォーム「老朽化した浴槽をユニットバスへ」
※横にスクロールできます


築年数 | 30年 |
---|---|
間取り | – |
リフォーム箇所 | 浴室 |
老朽化した浴槽をユニットバスに交換して快適なバスルームにリフォームしました。
高さが低い浴槽は出入りしやすく、転倒のリスクも防げます。清潔感のあるブルーの色が空間を明るく開放的に見せてくれます。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/125
マンションリフォームでは会社選びは慎重に!
築30年のマンションであってもリフォームによって快適な暮らしを手に入れられますが、リフォームを前提に中古マンションを購入する際にはいくつかの注意点があります。
また、マンションのリフォームでは集合住宅ならではの注意点も多数あります。
マンションのリフォームでの注意点(例)
- 近隣住戸や外観に影響が出る共用部に関わるリフォームはできない
- 管理組合・管理会社の協力がないとリフォームできない など
さらに、工事中は施主は仮住まいに移る等で現場に立ち会うことはほとんどないのですが、その間にリフォーム会社がマンション住人に迷惑をかけてしまうと、その後の生活でご近所とのしこりが残ってしまうといった問題も起こりがちです。
こういった問題を避けるためにも、マンションのリフォームではリフォーム会社選びが非常に重要です。マンションリフォーム実績が豊富で、管理組合やマンションの他の住人にも配慮ができる会社を選ぶ必要があります。
リフォーム会社選びで迷ったときは、ぜひリフォームガイドにご相談ください。
経験豊富なリフォームコンシェルジュが丁寧にヒアリングしたうえで、お客様に最適なリフォーム会社をご案内します。