スケルトンリフォームとは?費用・事例・工事の流れまで徹底解説

「スケルトンリフォームって、いったいどんなリフォーム?」

「スケルトンにすると普通のリフォームよりも良いことがあるの?」

このようにお考えではありませんか?

スケルトンリフォームとは、骨組みだけを残して住宅を解体し、内装・外装をすべて新しく作り直すリフォームのことをさします。(マンションの場合は一室をコンクリートが見える状態まで全て解体し内装を作り直すリフォーム)

こちらの記事では、スケルトンリフォームにまつわる基本的な情報をわかりやすく解説しています。

スケルトンリフォームの費用相場や実際に行われた施工事例など詳しくご紹介していますので、ご自身のリフォームにぜひ役立ててください。

最後までじっくり読むことで、あなたに必要なリフォームがスケルトンリフォームであるかどうかわかります。


1.スケルトンリフォームは骨組み以外のすべての箇所を作り直す工事のこと

スケルトンリフォームとは、骨組み以外の全ての箇所を作り直す工事のことを指します。

スケルトンリフォームのイメージ(スケルトンリフォームのイメージ)

内装や壁まで全て撤去するため、水回りの移動や間取りの作り直しなど可能な工事の幅が広く、ご自身のライフスタイルにあわせた住まいを実現することができます。

スケルトンリフォームは戸建て・マンションのどちらでも行うことができます。

1-1.戸建てのスケルトンリフォーム

戸建てのスケルトンリフォーム

戸建てのスケルトンリフォームの場合、内装と外装はすべて壊して基礎・骨組みだけ残し、一から内装・外装を作り直します。

間取りや内装・外装デザイン、設備等全てご自身の家族構成・ライフスタイルにあわせて自由にカスタマイズ可能です。

また、スケルトンリフォームでは壁や床を取り払うため、築年数の古い物件でも耐震や断熱など機能性にかかわる工事が可能となり、新築同然の仕上がりが期待できます。

1-2.マンションのスケルトンリフォーム

マンションのスケルトンリフォーム

マンションのスケルトンリフォームでは、間仕切りや水回り設備などの内装をコンクリートが見える状態までに解体・撤去し、一から作り直します。

マンションの場合、窓サッシや玄関ドアなど「共有部」のリフォームは不可能ですが、断熱工事・配管交換などはできるため、見た目だけでなく建物の性能面も刷新することが可能です。

マンションのスケルトンリフォームとは?間取り事例やメリットを解説
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構造によっては間取りを大幅に変えることができない(壁式構造)

建物の構造によっては、スケルトンリフォームで間取りを大幅に変えることができない物件もあります。

そのため、リフォームする物件がどのような構造なのか事前に確認する必要があります。

■マンション(壁式構造)

マンションには「ラーメン構造」「壁式構造」の2種類があり、それぞれで建物を構成するものが異なります。

ラーメン構造は、建物を垂直方向に走る「柱」と水平方向にかけられた「梁」で建物を構成しています。

一方、壁式構造は床・壁・天井の面6枚で建物を構成しています。こちらの構造では、撤去が困難な厚い耐力壁があります。耐力壁は移動が不可能なため、ラーメン構造の建物に比べ間取り変更に制限が多くなってしまいます。

マンションがどちらの構造なのかは、マンションができた当時のパンフレットや、中古マンションであれば物件検索サイトの物件概要欄で確認することができます。

壁式構造の場合

■戸建て(2×4工法など)

戸建ての場合も床・壁といった面を組み立てて建物を支える「2×4工法」「プレハブ工法」の物件は間取り変更に制限があります。

2×4工法の戸建ては間取り変更に制限あり!

どこまでスケルトンリフォームが可能なのかは建築士やリフォーム会社に必ず相談するようにしましょう。


2.スケルトンリフォームを選ぶシチュエーション

「スケルトンリフォームが何かがわかったけれど、どんな時にスケルトンリフォームがおすすめなの?」

「私のプランにスケルトンリフォームは合っている?」

このようなお悩みを抱えている方のために、ここではスケルトンリフォームを選ぶシチュエーションについてご紹介していきます。

2-1.戸建ての場合

戸建てのスケルトンリフォームを選ぶシチュエーションは、主に以下の通りです。

建て替えができない

戸建ての物件では、再建築ができない物件が存在します。このような「再建築不可」の物件の場合に、スケルトンリフォームを選ぶ人が多いです。

再建築不可の物件とは?

現在の法律上災害時に消防車・救助車が通れる広さを確保するため、住宅の敷地が「幅4m以上の道路に2m以上接していないといけない」という規定があり、建物の状態によっては建て替え不可・敷地面積を小さくしなければならなくなります。

再建築不可物件の図

建物が2m以上道路に接していなければ、建て直し自体が不可能となります。

再建築不可の物件であっても、スケルトンリフォームであれば、ほとんど新築と同様の状態にまですることができます。

 

建て替えると面積が減ってしまう

戸建ての場合、建て替えによって面積を小さくしなければならない物件が存在します。このような物件の場合は、スケルトンリフォームであれば現行の建築基準法の適用を受けず面積はそのままで工事が可能です。

建て替えで面積を小さくしなければいけない物件とは?

狭い道路に面した古い物件(特に東京23区)の中には、防災の観点から非常時に車両が通行できるよう、建て替え時に現在の基準に合わせて面積を小さくしなければいけないものも存在します。

具体的には、4m未満の道路に接する戸建てを建て替える場合、道路中心線から2mまで敷地を後退させる必要があり、建築可能な面積が大幅に減ってしまいます。

セットバック

敷地の広さをなるべく保ったままリフォームしたいという方には、スケルトンリフォームがおすすめです。

 

建物に思い入れがある

家族代々で長らく住み続けた建物などであれば、取り壊したくないとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。スケルトンリフォームでは完全に建物を取り壊さず機能性・住み心地を向上させることができます。例えば、古民家であれば思い出の梁や縁側は残し、断熱性・耐震性は最新のクオリティまで高めることが可能です。

思い入れのある建物に住み続けたいという方には、スケルトンリフォームがおすすめです。

2-2.マンションの場合

マンションのスケルトンリフォームを選ぶシチュエーションは、以下の通りです。

自分のライフスタイルに合わせて自由にリフォームしたい

築年数の古いマンションの場合、現代のライフスタイルに合わない間取りであることがほとんどです。

スケルトンリフォームでは、ご自身のライフスタイルに合わせ一から空間を設計することができ、理想の住まいを実現することができます。

ご自身の生活に合うように現状の間取りを作り変えたい方には、スケルトンリフォームがおすすめです。

築年数が古く、見えない部分までリフォームが必要

築年数の古いマンションで、性能面に不安がある場合はスケルトンリフォームが必須です。

築年数が古いと断熱性が低く過ごしにくい場合や、配管が劣化しサビ混じりの水が出る・詰まる・水漏れが起こるなど生活に支障をきたす場合があります。

スケルトンリフォームでは、そのような設備配管や断熱など目に見えない箇所も施工することができます。

設備の交換や内装の張り替えなど表面のみの工事をしても、あとから劣化部分を補修することになるため、目安として築40年を超える物件はスケルトンリフォームを検討しましょう。

築40年以前の物件でも、状態によってはスケルトンリフォームにしたほうが良い場合もあります。プロのリフォーム会社に見積もりをとる際に詳しく見てもらいましょう。
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