
60㎡(平米)のマンションをフルリフォームするときの費用相場は、750〜1,000万円ほどです。
しかし仕様や設備のグレードによって費用は変わってくるので、あらかじめ全体と部分的なリフォームの費用から、おおよその予算を考えておくことが大切です。
本記事では、60㎡のマンションをリフォームするときの費用相場や費用を抑えるポイントを解説します。事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.60㎡(平米)のマンションのフルリフォーム費用相場
冒頭でもお伝えしたように、60㎡のマンションをフルリフォームするときの費用相場は750〜1,000万円です。
ここでいうフルリフォームは、壁や天井、床、設備類をすべて解体して骨組みの状態にする『スケルトンリフォーム』を指します。
スケルトンリフォームは内装をすべて撤去するため、まるで新築の注文住宅のように室内全体をつくり変えられるのが魅力です。
なお、フルリフォームでは1㎡あたりの施工費用は12.5~15万円ほどが相場なので、70㎡のマンションなら875〜1,050万円が目安です。
2.60㎡(平米)のマンションの部分リフォーム費用相場
フルリフォームの費用感を見て、「思ったよりも高い」「予算オーバーしてしまいそう」と感じた方も多いでしょう。
そんなときには、内装の部分的な間取り変更や、劣化が目立つところだけ修繕する部分リフォームがおすすめです。
それぞれの費用相場を見てみましょう。
リフォーム箇所 | 費用相場 | |
---|---|---|
水回り | キッチン交換 | 80~200万円 |
ユニットバス交換 | 80~120万円 | |
トイレ交換 | 20~30万円 | |
洗面台交換 | 10~25万円 | |
内装 | 壁の張り替え (10畳) |
6~12万円 |
床の張り替え (10畳) |
14~29万円 | |
畳の張り替え (8畳) |
26~39万円 | |
壁面造作追加 | 30~60万円 | |
間取り変更 | 簡単な壁撤去 | 5~30万円 |
仕切り壁の設置 | 13~40万円 | |
2部屋を1部屋に +床の張り替え |
50万円~ |
※床の張り替えはフローリング→フローリングに張り替えたときの費用です
部分的なリフォームでは、工事箇所の組み合わせや設備グレードによって費用が決まるので、予算に応じて柔軟に対応できます。
たとえば「水回り設備は入れ替えるけど、間取りはそのままにしておこう」「LDKだけをリフォームしよう」といった具合にリフォームする部分としない部分を分けて、予算配分にメリハリをつけることも可能です。
築年数別|おすすめマンションリフォームの内容
どの部分をリフォームすべきなのかと悩んだときには、次のように築年数も目安のひとつにしてみてください。
出典:マンションリフォームの費用は?箇所別・築年数別の相場と事例を紹介
たとえば築20年前後のマンションなら水回り設備の交換、30年ならそれに加えて壁紙(クロス)やフローリング、和室の洋室化などのプラスαのリフォームをするイメージです。
また、築40年を超えたマンションならば、スケルトンリフォームを検討したほうがよいでしょう。
床下や壁の内側にある配管類も耐用年数に近づいているため、根本から修繕しておいたほうがリフォーム後も安心です。
スケルトンリフォームをすると初期費用は高くなってしまいますが、部分リフォームを何度も行うよりもトータル費用は抑えられる場合がほとんどです。
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3.60㎡(平米)のマンションフルリフォームの事例3選
60㎡のマンションリフォームは750〜1,000万円が目安と説明しましたが、実際にリフォームした人はどのくらいの費用がかかったのでしょうか。
ここでは事例を3つほど見てみましょう。
①2LDKのマンションをフルリフォーム|357万円
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/352
築10年の中古マンションを購入して、フルリフォームした事例です。
間取りはほぼ変えていないものの、間仕切り壁や建具を撤去してゆるくゾーニングするなどの工夫によって、室内の雰囲気はがらりと変わっています。
このように費用をかける部分、かけない部分のメリハリをつければ、希望をかなえつつも費用を抑えることが可能です。
費用 | 357万円 |
---|---|
工期 | 1か月 |
施工面積 | 69.23㎡ |
間取り | 2LDK |
築年数 | 10年 |
②バリアフリーを目的としたフルリフォーム|587万円
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1273
お子さんの巣立ちを機に、夫婦2人で快適に暮らせる住まいへとリフォームした事例です。
使っていない和室をLDKと一体化させるほか、築25年を超えて耐用年数間近だった給排水管の交換や、バリアフリー化も行っています。
リフォーム前の悩みを根本から解決して、老後も安心して暮らせる住まいが完成しました。
費用 | 587万円 |
---|---|
工期 | 3か月 |
施工面積 | 68㎡ |
間取り | 3LDK→2LDK |
築年数 | 25年 |
③こだわりを詰め込んだフルリフォーム|963万円
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1647
設備の老朽化と間取りの不便さを解消するために、フルリフォームをした事例です。
夫婦それぞれの趣味を楽しめるように、使っていなかった和室を収納と趣味で使うお部屋にしたほか、玄関横にはアウトドア用品を置ける大容量のシューズクロークを設置。
ライフスタイルに合わせて間取りを大きくつくり変えています。
老後の暮らしが楽しみになる、こだわりを詰め込んだ住まいになりました。
費用 | 963万円 |
---|---|
工期 | 2か月 |
施工面積 | 63㎡ |
間取り | 2LDK |
築年数 | 22年 |
4.60㎡(平米)のマンションフルリフォームの費用を抑えるポイント
前章の事例からも、同じように60㎡台のマンションリフォームでも費用はさまざまだとわかりました。
自分たちのリフォームで費用を抑えるためには、どのような部分を意識すればよいのでしょうか。ポイントを押さえておきましょう。
①導入する設備のグレードを抑える
キッチン、浴室、トイレ、洗面のような水回り設備は、『ロー』『ミドル』『ハイ』の3つのグレードに分かれています。
グレードが高くなるほど標準仕様の性能も高くなり、たとえばキッチンなら選べる扉カラーや天板、シンク、取手なども変わってくる仕組みです。
しかし、グレードの違いによる使い勝手や耐用年数に大きな差はないので、費用面に重点を置くのなら、ローまたはミドルグレードを選びましょう。
キッチンの食洗機や浴室の浴室暖房乾燥機のように家事効率や快適性にかかわるオプションについては、必要なものだけを絞ってつけると予算内でのリフォームをしやすいです。
②優先順位を考えてリフォームを必要な部分に絞る
予算内で満足度の高いリフォームをするためには、優先順位を決めて、予算にメリハリをつけることが大切です。
まずはリフォーム箇所をリストアップして、さらにその中で優先順位を考えてみてください。たとえば次のようなイメージです。
- 対面キッチンにしたい(開放感がほしい、子どもを見守りながら調理したい)
- 浴室とトイレを入れ替えたい(浴室のカビが目立つ、浴室暖房乾燥機がほしい)
- 和室を洋室化したい(和室をなくしてLDKの面積を広げたい)
- 断熱性を高めたい(冬の結露やカビの問題を解消したい)
- ファミリークローゼットがほしい(収納量を増やしたい)
このように、リフォームの優先順位と希望を書き出しておくと打ち合わせがスムーズです。
その際に意識したいのが、間取りや設備の古さ、結露のように今不便に感じている部分を洗い出し、その部分の優先順位を高くしておくことです。
あわせて、予算が切迫したときのために、妥協する部分も決めておくとよいでしょう。
③水回りの設備は移動しないようにする
フルリフォームでは「キッチンの場所を移動したい」「壁付けキッチンから対面キッチンにしたい」という配置変えの相談が多くあります。
しかし移動を伴うリフォームは配管工事などが必要になるため、費用も高額になりがちです。
費用をできるだけ抑えたいのなら、移動はせず、向きを変えるなどの配管に触れない方法で対応することをおすすめします。
④補助金制度を活用する
リフォームをすると、次のような補助金制度や減税制度が利用できる可能性があります。
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 次世代省エネ建材支援事業
- 子育てグリーン住宅支援事業
- 介護・バリアフリーリフォーム補助金
制度によって要件はさまざまですが、近年は省エネ性が高い住宅へのリフォームを対象とした制度が多い傾向があります。
例えば『子育てグリーン住宅支援事業』では、省エネリフォームを行ったときの1戸あたりの補助額は最大60万円(工事内容によって最大40万円)です。
こういった補助金制度を利用すれば、費用負担を抑えられるでしょう。
リフォームで利用できる制度について解説した記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。


⑤複数の会社から相見積もりを取る
なるべく費用を抑えてマンションをフルリフォームしたい場合は、複数の会社から見積もりを取って比較する「相見積もり」も有効です。
一般的に同じ内容のリフォームでも、会社によって仕入れ条件・施工にあたる体制などが違うため、見積もりで出される工事金額には差があります。
そのため、複数社で相見積もりを取り、費用や提案内容を比較することで、実現可能な予算内で希望のリフォームを行ってくれる会社を見つけることができます。
このとき気をつけたいのが、費用だけにとらわれないことです。
極端に安すぎる会社を選んでしまうと、質の低い工事をされたり、契約後に追加費用を請求されたりする恐れがあります。
また、アフターサービスが不十分な会社だった場合は、リフォーム後に不具合が発生したときに十分な保証が受けられない可能性も。
会社選びは、費用だけでなく、会社の実績や評判、アフターフォローの内容なども確認し、自分が納得できる会社を選びましょう。
しかし、マンションに特化したリフォーム会社を自力で探すのは、とても手間と時間がかかります。
その際にはぜひリフォームガイドをご活用ください。
リフォームガイドでは、マンションリフォームを得意とする優良業者の中から、お客さまの希望に合う会社を複数社紹介し、見積もりまでサポートいたします。
5.60㎡(平米)のマンションフルリフォームでよくある質問
最後に、60㎡のマンションフルリフォームでよくある質問にも目を通しておきましょう。
Q1.60㎡(平米)のマンションは何人くらいの家族におすすめですか?
国土交通省が発表している『住生活基本計画における「水準」について』においても、4人で健康かつ文化的な暮らしができる面積は50㎡程度とされています。広々とまではいかずとも、問題なく暮らせるでしょう。
2人暮らしなら、書斎や収納スペースを設けるなど、ゆとりをもったプランニングが可能になります。
Q2.60㎡(平米)のマンションが少し狭いと感じるのですが、フルリフォームで開放的な空間にできますか?
コンパクトなマンションでよくあるのは、次のようなアイデアです。
- スケルトン天井
- 室内窓の設置
- 壁やドアの撤去
マンションは増築することはできませんが、天井の構造部分をむき出しにしたり、室内窓の設置や建具を撤去したりして、空間を広く見せることは可能です。
ただし、開放感ばかりに気を取られるとプライベート空間をうまく確保できなくなる恐れがあるので、自分たちの価値観やマンションの状態に合わせたプランを考えることが大切です。
また、マンションでは管理規約であらかじめリフォームの可否が定められているため、規約もあわせて確認しましょう。
Q3.60㎡(平米)のマンションでおすすめの間取りはありますか?
ただ、部屋数としては夫婦2人ならば1LDK〜2LDK、家族4人なら3〜4LDKが目安です。
同じように60㎡のマンションリフォームでも、「個室は狭くてもいいからLDKを広くしたい」という人もいれば、「書斎や趣味などを1人で楽しめる空間がほしい」という人もいます。
そのため、一緒に住む人と相談して、自分たちのライフスタイルや希望にあった間取りにするのがよいでしょう。
部屋数が増えると各部屋とLDKの面積も小さくなってしまいますが、世帯人数分の個室は設けることをおすすめします。
6.まとめ
60㎡(平米)のマンションをフルリフォームするときの費用相場は、750〜1,000万円が目安ですが、事例からもわかるように実際にかかる費用は人それぞれです。
本記事を参考に、現状のお住まいへの不満と予算を照らし合わせながら、どこまでリフォームするか検討してみましょう。
予算内で満足度が高いリフォームをするためには、自分たちが希望するプランを予算内で最大限かなえてくれるリフォーム会社を見つけることもカギになります。
リフォームガイドではそのお手伝いをすべく、専属のコンシェルジュがお客さまのお住まいの地域や希望をもとに、マンションリフォームが得意な会社を紹介しています。
「できるだけ費用を抑えてマンションをリフォームしたい」「快適な住まいにリフォームしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。