
ライフスタイルの変化によって、ときどき「駐車場のリフォーム(ガレージリフォーム)」が必要になることもあります。
DIYが難しい駐車場のリフォームは、基本的に外注することとなるでしょう。
本記事では、駐車場リフォームを考えている人のために、下記のポイントを解説します。
- 駐車場のリフォーム方法
- リフォームにかかる費用相場
- 駐車場リフォームにおける施工例ごとの費用・工期
1.駐車場のリフォーム方法と費用
一口に駐車場のリフォームといっても、その方法や施工のありかたはさまざまです。
下記では、主な駐車場のリフォーム方法について解説します。
1-1.庭をリフォームして駐車場にする
まずは、庭を駐車場にリフォームする場合について。いわゆる駐車場のエクステリア工事に該当するものですね。
この場合、このような様々な要素について考える必要があります。
- 駐車場のタイプ(オープンタイプ・カーポート・ガレージなど)
- 庭の舗装方法(砂利・アスファルト・コンクリート)
- 駐車場を囲うフェンスの種類
これらの要素を総合的に判断して、納得できる駐車場リフォームを目指しましょう。
駐車場を作るリフォームの費用は、おおむね20万円から100万円程度です。
庭のリフォームについては、こちらの記事で詳しく解説しています。


1-2.シャッターガレージを増設・増築する
すでに駐車場スペースがあり、それをシャッターガレージに増築するリフォームもあります。
シャッターガレージを増築する費用は、おおむね自動車1台分あたり100万円から150万円程度。台数が増えれば、2倍、3倍と増えていくと考えましょう。
費用について詳細は、こちらの記事を参考にしてください。シャッターガレージ増築における法律との兼ね合いや建坪率についても解説しています。


1-3.カーポートを設置する
カーポートとは、簡単に言えば「屋外で、屋根だけがつけられている駐車スペース」のことです。
カーポートを設置する場合、35万円から80万円程度の費用が必要となるでしょう。
施工内容としてはシンプルなので、費用もさほどかかりませんが、デザインに凝ったり自動車の台数が増えるとたくさんの費用がかかることになります。
この点については、こちらの記事を参照ください。


1-4.ビルトインガレージを増設・増築する
ビルドインガレージとは、一言で言えば「住まいの一階がガレージになっている状態」です。
ビルトインガレージへの拡張・リノベーションはやや難易度が高い工事なので、費用はやや高くなると考えておきましょう。
工事場所やスペースの大きさなどにもよりますが、おおむね270万円から600万円の予算は用意しておきたいところです。
またビルトインカレージの増築は固定資産税などにも影響が出るかもしれないので、検討時に確認しておきましょう。
この点を含めて、こちらの記事を参考にしてください。


1-5.車庫・ガレージを部屋に改装する
駐車場として使われていて車庫を部屋に改装する、というリフォームも考えられるでしょう。使わなくなった駐車場を部屋として活用できる、賢いリフォームです。
この場合、リフォーム費用としてはおよそ100万円から1,000万円ほどかかるでしょう。部屋の大きさやデザイン、補強工事の有無などで費用は大きく変動します。
車庫を部屋に改装するケースは、こちらの記事をご参照ください。


駐車場のリフォーム費用相場まとめ
下記では、駐車場のリフォームにおける主な施工内容ごとで、かかる費用の相場を解説します。
駐車場リフォームでの施工内容 | 費用 | 工期 |
---|---|---|
庭をリフォームする (エクステリア工事) |
20〜100万円 | 7〜21日(打ち合わせを入れれば1ヶ月程度) |
シャッターガレージの増築 | 100〜150万円 | 7〜9日 |
カーポートの設置 | 35〜80万円 | 3〜4日 |
ビルトインガレージリフォーム | 270〜600万円 | 30日 |
車庫を部屋に改装 | 100〜1,000万円 | 30日 |
また、施工内容の規模やグレードによっても、大きく変動する部分があります。ただしあくまでも目安なので、かならず上記の範囲内におさまるとは限りません。主な施工内容のリフォーム費用相場としては、上記のとおりです。
駐車場リフォームを実施する場合は、こういった変動分もよく理解しておく必要があるでしょう。
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2.駐車場のリフォームの施工例
基本的に駐車場のリフォームは、工期が長い部類に入ります。1日や2日で完了できるケースはあまりなく、特にビルトインガレージへのリノベーションや車庫の改装などの大掛かりなものは、1ヶ月以上かかる場合も。
完成は相当先の話になるので、その間で不便がないように注意しましょう。
2-1.駐車場をリフォームして芝生のメンテナンスの手間を軽減した例
※横にスクロールできます


費用:75万円
工期:7日
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2111
2-2.庭を駐車場に改装した例
※横にスクロールできます


費用:75万円
工期:7日
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/98
2-3.1階をガレージに改装した例
※横にスクロールできます


費用:122万円(内装工事・水回り工事等を含めると総額1,016万円)
工期:3ヶ月
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/824
4.駐車場リフォームを依頼する業者の選び方
駐車場リフォームを実施する場合、やはり業者の選び方が重要です。
駐車場に限らず、リフォームの仕上がりには業者の良し悪しが深く関わっています。
業者を選ぶうえでは、以下のような点について注意しておきましょう。
- 地元の工務店から選ぶ
- 複数の会社から相見積もりをとる
- 詳細な見積もりを提示しているか確認する
4-1.地元の工務店から選ぶ
地元の工務店から選ぶ理由は、費用がおさえられるからです。少なくとも大手リフォーム会社に頼むよりは、はるかに低価格でまとめられるでしょう。
一方で、大手リフォーム会社に依頼すると、品質に安定し、職人のつてが多く工期などの調整が効きやすくなるといったメリットもあります。
4-2.複数の会社から見積もりを取る
いわゆる「相見積もり」というものです。相見積もりをとることで、「どの会社がもっともコスパ良くリフォームしてくれるか?」が一眼でわかるようになります。
4-3.納得できる見積もりを提示しているかどうか
見積もりの記載事項が粗いと、本来ならやってもらえると思っていた施工がなされなかったりします。逆に、こちらが求めていない施工内容が勝手に盛り込まれていることも。
見積もりの項目はしっかり説明してもらい、工事内容が納得できるかどうかで業者を選びましょう。
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5.駐車場リフォームをする際の注意点
駐車場リフォームを実施する場合、以下のような点には注意しましょう。
- 工事範囲が狭いと割高になる
- 建築基準法に注意
- 固定資産税の確認をする
5-1.工事範囲が狭いと割高になる
まず、駐車場リフォームは工事範囲が狭いと割高になってしまう部分が多い点には注意しましょう。
駐車場リフォームを実施する場合、工事範囲にかかわらず一定額かかる費用名目があります。つまり工事範囲が狭ければ狭いほど、割高になってしまうわけですね。
もし駐車場リフォームを実施するなら、できるだけ工事範囲は広く取るのがよいでしょう。
また、将来的に駐車場をどのように使っていくのかも、しっかり見通してくのも重要です。というのも、将来的にもう一度駐車場リフォームしなければいけない、という二度手間を避けられるから。二度も駐車場リフォームをすると、当然ながらトータルな費用は割高になってしまうので、注意しましょう。
5-2.建築基準法に注意
続いて、建築基準法をクリアした駐車場リフォームでなければいけない点に注意しましょう。
具体的に注意しておきたい工事は、建物として独立しているタイプのガレージです。この場合、新築住宅を建てることと同様に、建ぺい率・容積率などの基準はクリアしていなければいけません。
ガレージの工事を得意としているリフォーム会社は、この辺りのことは熟知していますので、法律上問題がない状態かどうか相談しながら進めましょう。
5-3.固定資産税の確認をする
そして、固定資産税についても確認しておきましょう。
先ほども触れたとおり、独立したガレージを増築する駐車場リフォームでは、固定資産税がかかるかもしれません。たとえば、他の建物と何もつながっていないシャッターガレージは建築物とみなされるでしょう。
よって駐車場リフォームを実施する場合、固定資産税がどのように変動するか、税務署に問い合わせておくことをおすすめします。
6.まとめ
駐車場リフォームの方法と一口に言っても、カーポートを設置する程度のことから、新しくシャッターガレージを建造するなど、その規模感や方向性はさまざまです。面積やシャッターの種類、想定する駐車台数など、いろいろと考える部分は多いものです。
予算や理想形を踏まえつつ、ベストな駐車場リフォームを実施しましょう。また、建築基準法や固定資産税の兼ね合いについても、きちんと調べて、実績のあるリフォーム会社をパートナーに選んで検討を進めましょう。