
「リフォームとリノベーションの違いがわからない」
「どんな工事がリフォーム・リノベーションなの?」
このようにお考えではありませんか?
リフォームに関して情報収集していると、「リノベーション」という言葉にたどり着き、「リフォーム」と「リノベーション」それぞれの違いに混乱することもあるかもしれません。
実際に、リフォームとリノベーションには明確な定義の違いはないものの、工事範囲や言葉の使われ方において違いがあります。
こちらの記事では、分かりそうで分からない「リフォーム」と「リノベーション」の違いを具体例を用いて解説していきます。
また、同時に使われる場面が多く混乱が起こりがちな「全面リフォーム」と「リノベーション」の違いの有無についてもご紹介します。
こちらの記事を読むことで、「リフォーム」と「リノベーション」、「全面リフォーム」と「リノベーション」にはどのような違いがあるのか理解することができます。2つの言葉を理解することでリフォーム会社とのやり取りもスムーズに進むはずです。
ぜひ参考にしてください。
目次
1.リフォームとリノベーションの2つの違い
ここでは、リフォームとリノベーションにはどんな違いがあるか解説していきます。
【リフォームとリノベーションの2つの違い】
リフォーム | リノベーション | |
---|---|---|
工事の範囲 | 部分リフォームから大規模リフォームまで幅広い | 中~大規模工事が多い |
一般的なニュアンスの違い | 原状回復が中心 | 革新的な工事を指す デザイン重視であることも多い |
1-1.「工事の範囲」の違い
「リフォーム」という言葉は、建物の改修に関する様々な工事に対して用いられます。
そのため、工事が行われる箇所の名称を付けて「全面リフォーム」「水回りリフォーム」「外壁リフォーム」などと表現することもあります。
一方、「リノベーション」は中〜大規模工事を指すのが一般的です。設備の交換や内装貼り替えなどの部分的な工事ではなく、建物全体に関わる工事を意味することが多いです。
1-2.一般的なニュアンスの違い
「リフォーム」は一般的に原状回復を中心に行う工事を指すことが多いです。古くなった設備を新しくする、汚れや傷がついた壁や床を張り替える、などはよくあるリフォームです。
対して、「リノベーション」は革新的な変化を伴う工事を指すことが多いです。古民家を改装して古民家の良さも残した現代の住まいにする、中古マンションの一室をすべて解体し今までとは全く別の間取りにする、などの工事をリノベーションと呼ぶことがあります。またリノベーションとよばれる工事はデザイン性の面でもこだわったものであることが多いです。
こちらは、トイレの設備および内装を一新したリフォーム工事の施工事例です。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/303
シャワートイレと便器が一体になった商品を選定し、お手入れがしやすくなっています。内装は、床と壁を張り替えました。
加えて、こちらでは築30年の戸建て全体リフォーム工事の事例から、リビング、キッチン、外装を抜粋して紹介しています。
【リビング】
間仕切りを撤去し、隣接した和室を取り込んだことで、開放的なリビングになりました。大きな窓は残し、外からの光が取り込みやすくなっています。
【キッチン】
キッチンは吊戸と換気扇を含め設備を一新しました。白と黒のコントラストでシャープな印象に仕上がっています。
【外装】
外装は汚れや雨風に強い塗料を使用し、長期的に外観を保てるようになりました。色褪せもなくなり、新築のような見た目になっています。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/375
このように、リフォームは部分工事から全体工事まで幅広い工事を意味し、建物の改修の中でも、原状回復が中心です。
リフォームに対し、以下の築80年の戸建ての一例は、デザイン性の観点からリノベーション工事と呼ぶことができます。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=1853
古民家ならではの重厚感や梁を生かしつつ、広々としたリビングやモダンなフローリングなど、現代的な空間に仕上がっています。
リノベーションでは事例で示したように既存の間取りや内装を問わず作り替える大規模工事が可能であるほか、機能面だけでなく、デザインの面でも大きく変化をつけることができることが多いです。
「全面リフォーム」「リノベーション」の違いは?
「リフォーム」と「リノベーション」の違いだけではなく、「全面リフォームとリノベーションって、どう違うの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
「全面リフォーム」と「リノベーション」は、どちらも建物全面を工事するため、意味に境界線がなく、ほぼ同義に扱われることが多いです。
建物の基礎のみを残して一から作り直す「スケルトンリフォーム」は、一般的にリノベーションの工事の一種と考えられることが多いです。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381(戸建て) / 提供:あなぶき興産(マンション)
ただ、全面リフォームは意味の範囲が広く、クロス張替えのような表面的な工事でも全面を対象としていれば「全面リフォーム」と表現されることがあります。一方で、「リノベーション」は1.で解説した通り主に中〜大規模工事を意味します。また、リノベーションを売りに出している会社には建築士が在籍し、大胆な間取り変更やデザイン性を重視した工事が可能となることが多いです。
2.「リフォーム」「リノベーション」の基準は業者によっても異なる
どのような工事を「リフォーム」「リノベーション」と呼ぶかは工事を行う業者によっても様々です。「見積もり依頼をしたら、A社からはフルリフォーム・B社からはリノベーションと言われた」というようなケースは少なくありません。フルリフォームとリノベーションは非常に定義があいまいで、リフォームのプロの間でも認識の違いが生じることはあり得ます。
実際に工事について専門業者に相談しに行く・見積もり依頼をする際は、以下のような点について確認しましょう。
- 具体的な工事内容は自分の希望に合っているかどうか
- 工事内容に対して適当な見積もり費用になっているかどうか
言葉の定義にはとらわれず、まずは自分の希望に専門業者が適当な提案をしてくれているかどうかが重要です。「リノベーションなので見積もり費用が高くなる」「リノベーションよりリフォーム工事の方が安い」というような場合は注意しましょう。
3.リフォームとリノベーションで迷ったらまずは施工実績をチェック
ここまで記事を読んで、「結局リフォームとリノベーションどっちになるの?」「どの会社に工事を相談すればいいの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
満足度の高いリフォーム・リノベーションを実現するためには、依頼する会社の施工実績が自分のイメージするプランと合っている必要があります。リフォーム会社を探す際は、ホームページやチラシなどで施工実績をチェックし、自分の希望するリフォームにテイストが似ているかどうか確かめてみましょう。
実際に工事内容についてプロに相談する場合は、
- 多少費用がかかってもデザインにこだわった仕上がりにしたい→リノベーション・全面リフォームの施工実績が豊富な会社
- 費用を抑えて必要な箇所のみ工事したい→総合リフォーム会社
に相談するのが良いでしょう。
リフォーム会社はご自身で探すことができますが、たくさんのリフォーム会社の中から依頼する一社を絞るのは手間と時間がかかります。
「自分に合った会社を手早く探したい」「安心して工事をお任せできる優良会社に依頼したい」という方は、リフォームガイドのご利用をおすすめします。
リフォームガイドでは、全国の優良リフォーム会社の中からお客様の希望に合った会社をご紹介しています。専門のコンシェルジュがリフォーム内容をヒアリングするほか、無料で見積もり依頼が可能です。
4.まとめ
「リフォーム」は建物の改修に関わる様々な工事に対して用いられる言葉です。水回りの設備交換のような小規模な工事から、建物全体を刷新するような大規模な工事まで「リフォーム」と表現することができます。
一方で、「リノベーション」は多くは中~大規模工事のことを指しています。加えて、「リノベーション」は主に既存のものから革新的な変化を伴う工事を意味し、デザイン性を重視した工事ができることがあります。
関連して、「全面リフォーム」と「リノベーション」はどちらも建物全面に対する工事を指しているため、ほとんど同意義です。厳密には、「全面リフォーム」の場合だと表面的な工事でも全面に関われば「全面リフォーム」と表現できるのに対し、「リノベーション」は主に中~大規模工事に使われる表現です。構造部分以外のすべてを一から作り直す「スケルトンリフォーム」もリノベーションの工事の一種といえます。
「リフォーム」と「リノベーション」の定義は業者によってそれぞれです。実際に工事について相談する際は、言葉にとらわれず具体的な工事の内容・工事費用を確認しましょう。