
「サイディング外壁の張り替えを行いたいけれど、費用はどれくらい掛かるのか?できるだけ費用を抑えたい。」
サイディング外壁の張り替えを検討する人の多くが上記のような悩みを抱えています。そして複数者から見積もりをとって、多くの人が費用のもっとも安い業者を選びます。
しかしサイディングの張り替えは安ければ良いというものではありません。費用が安いからといって選んだ業者が悪質業者であったというケースは珍しくありません。悪質業者に依頼したがために、工事して数年でダメになってしまい、修繕を繰り返すと結果的に費用が嵩むことがあります。
しかし一般の方が悪質業者を見抜くのは簡単ではありません。悪質業者対策として有効な方法は、あなたがサイディング張り替えの相場を知ることです。
事前に提示される価格を知っておくことで適切な価格で工事ができるようになりますので、この記事で費用の相場を確認して悪質業者に騙されないようにしましょう。
目次
1.最初にサイディング張り替えの相場を知ろう
サイディングの張り替えにかかる費用には「材料費」「工事費」「人件費」の3種類があり、それぞれ以下の割合となります。
材料費 | 2割~4割 |
---|---|
工事費 | 3割~5割 |
人件費 | 3割~5割 |
費用の内訳は3項目ですが見積書では人件費だけが記載されません。なぜなら人件費は材料費や工事費としてまとめている業者が多いからです。
サイディング外壁の張り替えにかかる全体価格としては以下のようになります。30坪程度の住宅で200万円〜260万円程度が目安となります。
工事内容 | 30坪(100㎡)の目安額 |
---|---|
足場 | 15〜20万円 |
施工費 | 70~100万円 |
シーリング | 10~20万円 |
材料費 | 50~110万円 |
既存外壁解体・処分 | 20~30万円 |
(破風・軒天・雨戸など塗装) | (10万円) |
諸経費 | 10~30万円 |
合計 | 200~260万円 |
上記はあくまで一例です。複雑な構造の住宅や、使う塗料によって異なります。
張り替えるタイミングで、破風・軒天・雨戸など塗装が剥げているところを塗り直すことも多いです。
1-1.張り替えする材料別に費用をチェック
サイディング外壁の張替え費用はどのサイディングボードを材料として使うかによって価格が大きく異なります。
まずは各材料の相場を紹介いたしましょう。
窯業系サイディングボード
セメントや繊維質原料から作られたサイディングボードです。デザイン性が高く耐震・耐火・防音性に優れているため住宅のサイディング外壁で最も多く利用されています。
一方で吸水性が高すぎるため防水機能がなく劣化しやすいというデメリットがあります。
他にも、熱が内部にこもりやすい性質があります。
耐用年数は他の材料に比べてやや短く7年〜13年程度です。
金属系サイディングボード
断熱性が高いため寒さや暑さに強く、他のサイディングに比べて軽量という特徴があります。防水性や耐震性もある上に低価格で高耐久というメリットだらけの材料です。
一方で物理的な衝撃や塩害に弱いため海岸沿いの住宅には不向きです。加えてデザイン性が低いため費用が安いにもかかわらず選ぶ人が少ないというのが現状です。
塩害の心配がない地域でデザイン性を無視してコストパフォーマンスだけで選ぶなら金属系サイディングは適しています。
木質系サイディングボード
木目によるぬくもりを感じられるのが最大の特徴です。
しかし防水・防火性が低いために他のサイディング材料に比べてメンテナンスの手間が多く、こだわりがある人以外は利用しません。一部の地域では使用できない場合があります。
樹脂系サイディングボード
プラスチックを原料としたサイディングボードですが日本で使用されることはほとんどありません。サイディングの中では最も耐用年数が高く、シーリングを使わない工法もあるためメンテナンスの手間がほとんどかかりません。
しかし工事に手間がかかることや樹脂系サイディングを取り扱える業者が少ないため費用が高額となります。
2.実際にサイディングの張り替え費用をシミュレーションしてみよう
30坪程度の住宅をもとに、サイディング張替えの大まかな費用を知るために内訳のシミュレーションを作成しました。
業者によって内訳は異なりますがだいたいの費用を知ることができるでしょう。
上記は一例ですので住宅や業者によって価格は50万円以上の差が出ることもあります。
「値引き」という項目は支払額を揃えるために行われる割引で「調整額」と表記されることもあります。
3.サイディングの張り替え費用が相場よりも高くなるパターンとは
サイディング外壁の張り替え相場はあくまで目安ですので、想定した価格通りになるとは限りません。工事が困難な住宅であれば人件費や施工費が膨れ上がることもあります。
相場より費用が増えてしまうパターンには以下の例があります。
3-1.厚みがあるサイディングボードを使用する場合
サイディングボードは厚みがあるほど価格が増します。現在の標準的なサイディングの厚さは14mmです。以前は12mmが使用されていましたが現在では使用を禁止されているため14mmか16mmの厚さから選ぶことが多いです。
厚みが増せば当然ですが材料費が高くなります。また、14mmでは釘打ちですが、16mmでは金具による取り付けのため価格差がさらにひらきます。
3-2.業者の拠点から遠すぎて材料の運搬が難しい場合
業者の拠点から離れているほど工事の難易度は上がります。材料を輸送する難しさや、職人が移動する時間的損失など業者側に多くの手間と費用がかかってしまうのです。
業者の拠点から50km以上離れていたり、材料の輸送が困難な僻地の住宅を工事してもらうとしたら出張費や宿泊費などを請求されて費用が高額になる恐れがあります。
3-3.リフォームに失敗してやり直すことになった場合
悪質業者に騙されて工事が失敗に終わると張り替えのやり直しが必要なために2倍の費用がかかることがありえます。
悪質業者に支払った金額の他に、修繕し直してくれる業者への工事費用も必要なため合計で300万円以上かかることもあるでしょう。
まっとうな業者であればミスがあった際は修繕してくれますが悪質業者の場合は対応してくれない可能性があります。
無駄な費用を使用しないために悪質業者を見抜く目を養うことはサイディングの張り替えをする上で重要な要素なのです。
もし業者選びで迷うようならリフォームガイドで見積もりを取得すれば比較的安心して選ぶことが可能でしょう。リフォームガイドは審査を通過した優良な業者のみが登録されています。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
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4.サイディングの張り替え費用で確認するべきポイント
悪質業者にだまされないためにはどういった点に注意をすれば良いのでしょうか。
見積書での確認事項や覚えておきたいポイントを紹介いたします。
4-1.住宅保険が使えるケースかどうかを確認する
災害時に火災保険で外壁の修理を行える例があります。ただし、20万円以上の修理費用がかかることが前提ですので外壁の一部が破損したという程度では難しいでしょう。
住宅保険には「住宅火災保険」や「住宅総合保険」といったものがあり、火災、風災、落雷、爆発などの自然災害に対応していますが条件が厳しいことが多いです。
もし災害で外壁が全部剥がれた、住宅が半壊したなどという場合には適用できる可能性がありますので加入している保険の適用条件を調べてみましょう。
4-2.見積書をしっかりと確認する
見積書の各項目で以下のような場合は手抜きやぼったくりの可能性がありますので注意して下さい。
見積書に「税込」や「税抜」が書いていない
消費税の表記は2021年の3月末まで税抜きと税込みのどちらで記載しても法的な問題がありません。そのため悪質業者は税抜き金額を税込みと思わせるような説明を行います。
見積書に「税込」や「税抜」の表記が見当たらない時は必ず確認するようにしましょう。
費用が100万円を超えるサイディング張り替え工事では消費税だけで10万円を超えますので非常に重要な差になります。
10万円以上の値引きがある
見積書では端数を省略するために数万円の値引きを行うことがあります。業者としても、1円単位のお釣りをわざわざ用意したくないというのが本音でしょう。
しかし10万円を超えるような値引きをする業者には気をつけて下さい。
端数を処理するだけならせいぜい数万円で済むはずです。特別な事情もないのに10万円以上も値引きするということは本来はもっと安くできる可能性があるのにぼったくり価格で提示している可能性があります。
「一式」でまとめられている
見積書の項目が「一式」ばかりの場合は注意しましょう。詳細を説明したくないためにまとめてしまっていることが考えられます。
サイディングの張り替え工事においては「諸経費」や「補強金物」などで一式となるのは珍しくありません。時には「シーリング」の項目も一式になることもあるでしょう。
しかしサイディングの材料費が一式となることはありえません。もしサイディングの材料費が一式となっている業者がいたら、避けたほうが良いでしょう。
4-3.悪質業者を避けるための3つのチェック
サイディングの外壁張り替え工事で悪質な業者を避けるために3つのチェックポイントがあります。
以下の項目に注意していればあからさまな悪質業者に騙される心配はないでしょう。
相見積もりを3社以上から取得する
悪質業者に騙されないために最も重要なのが相見積もりです。2社では足りません。最低でも3社から同じ条件で見積もりを取得して下さい。
2社だけでは極端に価格差があった場合にどちらが適正価格なのかがわかりません。最悪の場合、価格が高い業者はぼったくりで安い業者は手抜き工事をするでしょう。
3社から取得することで2社は価格が近くなりやすいですし、最高額と最低額から適正価格が見分けやすいです。
外壁の調査に時間をかけてくれているかどうか
現地調査の時間が長いほど良い業者とは限りませんが、数分で終わらせるような場合は注意が必要です。
サイディング外壁の張り替えは安い工事ではありません。1㎡の差でも1万円前後の価格差が生まれます。
にもかかわらず、軽く外壁を見ただけで見積もりを出してしまう業者を信用できるでしょうか?
住宅の構造によっては業者もじっくり見なくては判別できない部分があります。外壁の見積もりを出すための調査はじっくりと行ってくれる業者を選びましょう。
訪問営業できた業者は絶対に避ける
「訪問営業をしてきた業者」は確実に避けるべきです。優良な業者であれば依頼は待っていても入ってくるので訪問営業をしていません。
訪問営業をして依頼を獲得しなくてはいけないのは利用者からの信頼がない証拠ですので技術や価格に問題があることが多いです。
そもそも訪問営業をしてきた営業マンの人件費は、外壁工事を依頼した人の工事費用から支払われるのですから価格が高くなるのは間違いないでしょう。
5.まとめ
サイディングを張り替え工事の手順は以下のステップです。
- 工事の相場を知る
- 相見積もりを取得する
- 優良業者を選ぶ
相場の価格で施工をしてくれる優良業者を選ぶことが重要となります。そのためにどういう業者が優良なのかの判断ポイントを改めて押えておきましょう。
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