【徹底解説】土壁リフォームの費用・方法・DIYについて

土壁リフォーム

和室の壁は、昔ながらの土壁でできていることがあります。土壁ならではの良い点もありますが、劣化が進むとポロポロと剥がれてきてしまったり、土壁は管理が大変な面もあります。

このように不具合が生じた場合や、和室を洋室にしたいなどといった場合は土壁をリフォームしてみてはいかがでしょうか。心機一転、気持ちの良い生活が送れるようになること間違いありません。

こちらでは土壁のリフォーム方法や気になる費用、工事期間、DIYできるかどうかから、業者の選び方まで徹底的に紹介していきます。

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1.土壁とは?耐火性と調湿効果の高さが特徴

土壁

土壁とは、土に藁や砂を混ぜて水で練ったものを塗り固めた壁のことです。
和の風情や趣を感じる風合いが特徴で、主に和室や床の間などの内壁材として用いられます。高温多湿の気候風土に適しており、古くから人々に親しまれてきました。

土壁の需要は年々減ってはいるものの、自然素材ならではの質感や優れた機能性により、再び関心が高まっています。

砂壁・珪藻土壁等との違い

土壁と見た目がよく似ている壁に、砂壁や珪藻土壁があり、それぞれ材料が違うため特徴が少し異なります。

砂壁
鉱物や貝殻を粉砕した色砂と糊液を練って壁に上塗りしたもの。なめらかな表面が特徴
珪藻土壁
珪藻の化石が泥土化した珪藻土を漆喰などと混ぜて壁に上塗りしたもの。調湿性が高いのが特徴
漆喰壁
消石灰に海藻のりなどを混ぜ、壁に上塗りしたもの。耐久性・耐火性が高いのが特徴

土壁は下地がなくても施工できるのに対し、砂壁等は下地を必要とする点に違いがあります。
土壁や砂壁は基本的に職人が手作業で仕上げるため、高い技術を持つ職人ほど美しい仕上がりとなり、見分けるのはさらに難しくなります。

土壁の特徴

珪藻土壁

土壁をはじめとする自然素材の壁には、よくあるクロス壁とは違う特徴があります。

[1]耐火性が高い

土壁は不燃性物質である土や砂でできているため、燃えにくいのがメリットです。万が一の火災の場合にも、土壁自体から燃え広がることはほぼありません。

断熱性能も期待できます。断熱材としてよく使われるグラスウールに比べると断熱性能は劣りますが、一度温めると冷めにくい性質があり、室外の気温の影響を受けにくいのが特徴です。
そのため、外気温が急激に下がっても、室内の温度がすぐに下がることはありません。

[2]調湿効果がある

土壁は、空間の湿度を調節する機能も優れています。湿度が高いときは湿気を吸収し、逆に湿度が下がると湿気を放出するため、室内の湿度が一定に保たれやすくなります。よって、高温多湿の日本には土壁が適しているといえるでしょう。

特に、湿気が多い梅雨から夏にかけては、ジメジメとした蒸し暑さに不快感を覚えます。土壁の家なら湿気を吸い取ってくれるため、一年を通して快適に過ごせるでしょう。

[3]有害物質やにおいも吸収

土壁には優れた吸着性もあります。土壁には表面に小さな穴がたくさんあいている多孔質のものがありますが、多孔質であるほど吸着性が高いため、有害物質やにおいを吸収しやすくなるのです。

お部屋の生活臭が気になる人や、アレルギー体質の人にもおすすめです。
さらに、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドなどを吸収するため、アレルギー対策が期待できます。脱臭効果もあるため、料理やペットなどのにおいを気にせずに過ごせる、気持ちの良い空間を作れます。

土壁の注意点

土壁等は、自然素材ゆえの注意点もいくつかあります。

[1]掃除の手間がかかる

土壁は経年劣化によって表面が乾燥してくると、表面に多くのひび割れができ、ポロポロと剥がれ落ちてきます。そのたびに床に落ちた土を掃除しなければならず、クロスと比べるとやや手間がかかってしまいます。

また、土壁は吸水性が高いため、水拭きをするとかえってシミの原因になるので注意が必要です。汚れた場合は中性洗剤を含ませた布で軽く叩くように落とすのがポイント。それでも落ちない場合は漂白剤を使うと良いでしょう。

[2]定期的なメンテナンスが必要

ひび割れを放置すると見た目が悪いだけでなく、壁としての強度も落ちます。ひび割れ部分にダニが住み着くとカビが発生しやすくもなるため、定期的なメンテナンスは必須です。

土壁の劣化が気になった場合、早めのリフォームをおすすめします。DIYでできるメンテナンスもありますが、DIYする人の技量によって仕上がりに差が出やすいのが懸念点です。リフォームの経験がなく不安な人や、品質を重視する人は、業者に依頼することをおすすめします。

[3]リフォーム費用・工数がかかる

土壁の施工は職人の手作業で行われます。高度な技術を要するため、リフォームをする際は土壁リフォームの実績が豊富な業者に依頼することが重要です。
また、クロスの張り替えに比べると費用や工期がかさむ場合があります。確かな技術のある業者に依頼をすると、その分費用が高くなることもあります。

土壁などの自然素材の壁は、自然の風合いを楽しめたり、調湿・防臭効果などが期待できたりします。その反面、定期メンテナンスや掃除の手間などが増えるため、適した部屋に取り入れるのがおすすめです。
続いては、既存の土壁をリフォームしていく方法を紹介します。
回答

 


2.土壁のリフォーム方法とその特徴

土壁のリフォームにはいくつかの方法があります。こちらではその中でも代表的な「塗り壁・クロス・ペンキ」でリフォームする方法を紹介していきます。

下の表は土壁のリフォーム方法3種を簡単に比較したものです。

塗り壁クロスペンキ
費用
デザイン性豊富な
特有のデザイン
豊富な
色と柄
のっぺりした
印象
素材自然素材合成素材合成素材

[1]塗り壁でリフォーム

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出典:http://chikyu-no-cocolo.cocolog-nifty.com/http://kyoeihomes.com/

塗り壁の良い点は、土壁の風合いや質感を損なわずにリフォームできるところです。また、塗り壁ならではのあたたかみはペンキやクロスでは再現できません。しかし壁を塗る作業は手間がかかるので費用が高くつく傾向にあります。

塗り壁の中でもおすすめなのが珪藻土と漆喰です。

珪藻土漆喰
風合いざらっとして
落ち着いた風合い
珪藻土
艶があり
さらっとした風合い
漆喰