
浴室の壁の汚れやカビ、剥がれなどに悩んでいませんか?ユニットバスの交換など大掛かりなリフォームをせずに、壁のみの工事で汚れやカビに対処できるケースもあります。この記事では、浴室の壁のみをリフォームする方法や費用について詳しく解説します。
目次
1.浴室の壁のみをリフォームできる?
浴室の壁だけをリフォームすることは可能です。
全面的なリフォームほど大掛かりではありませんが、浴室の壁リフォームは見た目や機能性を向上させる効果的な方法です。
ただし、壁のみのリフォームが適しているケースと、浴室全体のリフォームが推奨されるケースがあります。それぞれの状況について詳しく見ていきましょう。
1-1. 壁のみのリフォームが適しているケース
浴室の壁のみをリフォームすることが適しているのは、浴槽や水栓など他の設備が比較的新しく、不具合がない場合です。
予算に制約があり、なるべく低コストで壁のカビや剥がれなどの問題を必要最低限解決したい場合は、壁のみのリフォームを検討するとよいでしょう。
また、単にデザインの変更のみを希望している場合も、壁だけのリフォームで浴室全体の印象が大きく変わるため、十分な効果が得られます。
ただし、壁に問題があるということは、経年数の同じ床や天井にも問題が生じている可能性があるため、できれば同時に補修するのが理想的です。
<浴室の壁をリフォームするメリット>
浴室の壁をリフォームすることで美観が大幅に向上し、快適な入浴環境をつくり出せます。
また、新しい壁材を使用することで防水性が向上し、壁の寿命を延ばすことも。断熱性の高い壁材を選べば、冬場の寒さ対策にもなります。
また、壁材によっては清掃性が向上し、日々のお手入れが楽になるというメリットもあります。
1-2. 浴室全体のリフォームが推奨されるケース
床や浴槽など他の設備もかなり劣化している場合は、壁だけでなく浴室全体のリフォームが推奨されます。
特に注意したいのは、床下の腐食の可能性が高いケースです。家全体の強度が低下する危険もあるため、浴槽を一度撤去して床を剥ぎ、傷んだ部分を補修する必要があります。

また、機能面での大幅な改善を希望する場合、例えばバリアフリー化などを検討している場合も、浴室全体のリフォームを考えるべきでしょう。
予算に余裕がある場合は、機能性と美観の両方を向上させることで浴室全体をより快適で魅力的な空間に生まれ変わらせることができます。
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【注意】浴室が使えない期間がある
リフォーム中は浴室が使えないため、その間の入浴をどうするかあらかじめ考えておきましょう。
浴室の状態によってはリフォーム工事が数日かかることもあるため、事前に確認が必要です。また工事自体は終わったように見えても、すぐには入浴できないこともあります。
2.浴室の壁のみをリフォームする方法と費用
浴室の壁のみをリフォームする方法はいくつかあり、それぞれに特徴と適した状況があります。ここでは、主な4つの方法とその概算費用を紹介します。
リフォーム方法 |
費用の目安 |
---|---|
タイルの補修・貼り替えをする |
約10〜15万円 |
モルタルを塗装する |
約10〜12万円 |
化粧シートを重ね貼りする |
約12〜20万円 |
浴室用パネルを重ね貼りする |
約15〜20万円 |
※0.75坪、ユニットバスサイズ1216、壁のみ
※タイルは一般的には在来浴室の壁に使われますのでユニットバスで使われることはありませんが、ハーフユニットバスの場合はタイルが使用できます。
※上記の費用は下地工事等を含んでいます。
在来浴室を丸ごとユニットバスへリフォームする場合、60〜120万円程度の費用がかかるため、壁のみのリフォームはかなり低コストで済みます。
それでは、各工法の詳細を見ていきましょう。
2-1.タイルの補修・貼り替えをする
適用ケース |
タイル貼りの浴室で最小限の工事にとどめたい |
---|---|
工事内容 |
・ひび割れをコーキングで埋める |
壁にタイルが貼られた在来浴室で、低コストで壁をきれいにしたい場合は、ひび割れをコーキングで埋めたり、欠けたり浮いたりしたタイルを部分的に貼り替えたりするリフォームが適しています。
小さなひび割れを早めに対処することで、のちに大規模な補修になることを防げる点がメリット。ただし、貼り替えが必要なタイルが廃盤になっていることもあるので、見た目や統一感を維持するためには品番を事前にチェックしておくとよいでしょう。
2-2.塗装できれいにする
適用ケース |
モルタルなど塗装できる壁をきれいにしたい |
---|---|
工事内容 |
浴室壁用の塗料で塗る |
モルタルなど塗装できる壁であれば、浴室壁用の特殊な塗料で塗装することで、低コストで美観を向上させることが可能です。
塗装後は汚れが付着しにくくなり防水性もアップします。一方で、断熱性の向上は見込めません。
また注意点として、在来浴室がタイル壁の場合は塗料が密着しないため、基本的には塗装に適さないとされています。
2-3.化粧シートを重ね貼りする
適用ケース |
手軽に浴室の見た目を変えたい |
---|---|
工事内容 |
既存の壁の上から塩化ビニル製の浴室専用シートを貼る |
タイルや樹脂系の壁を手軽にキレイにしたい場合、塩化ビニル製の浴室専用シートを貼るリフォームがおすすめです。
工期が1〜2日と短く、低コストなのがメリット。デザインも豊富で、単色・木目柄・石目調・タイル柄などさまざまなバリエーションがあります。
下地が汚れていたりカビが生えていたりすると、シートの浮きやカビ繁殖のリスクがあるため、しっかりと清掃してから貼るのがポイントです。
2-4.浴室用パネルを重ね貼りする
適用ケース |
・タイルやモルタルなどの壁を手軽にユニットバス風にしたい ・ユニットバスの模様替え |
---|---|
工事内容 |
既存の壁の上から新しいパネルを貼る |
既存の壁の上から、化粧パネルを貼り付ける方法もあります。
ひんやりとしたタイルやモルタルの上から貼ることで断熱性が向上し、ぬくもりのある浴室になるのが大きなメリットです。浴室用パネルは表面がフラットなので掃除がしやすく、デザインのバリエーションも豊富。
ユニットバスの壁面に施工して、美観や清掃性を高めることもできます。一方で、シートなど他の壁材よりも高コストとなる傾向にあります。
3.DIYで挑戦できる浴室の部分的な壁のリフォーム
DIYで浴室の壁リフォームに挑戦することも可能ですが、水回りの工事は難易度が高いため、十分な注意と準備が必要です。
以下に、DIYしやすいリフォーム方法について、簡単なプロセスと注意点を紹介します。
3-1.タイルの部分的な補修をする
欠けたり割れたりしたタイルの数が少なければ、DIYで部分的に交換できることもあります。
<タイルの交換方法>
必要なもの:タイル・浴室専用接着剤・目地材・マスキングテープ・ヘラ・ドライバーや金槌など
- まずはタイルの周りの目地を取り除きます。下地が見えるまでしっかり削ぎ落とすことが必要です。
- 交換するタイルをドライバーなどで叩き、少しずつ割って取り除きます。周囲のタイルを傷つけないように、慎重に行いましょう。
- 新しいタイルの裏面に接着剤を塗り、壁に密着させます。マスキングテープで仮固定したら、接着剤が完全に乾燥するまで時間をおきましょう。
- タイルの接着剤が乾いたら、目地の両側をマスキングテープで養生します。
- タイルの周りを隙間なく目地材で埋めます。マスキングテープを剥がして、乾燥したら完成です。
傷んだタイルが多い場合や、タイルの損傷が大きい場合は、プロのリフォーム会社に相談しましょう。
表面的な損傷だけでなく、壁内部まで劣化している場合もあります。
3-2.モルタルを塗装する
モルタル壁の汚れやカビがひどいときや、耐水性がなく粉っぽさが出ているときは、塗装をすると美観や清掃性が高まります。
<モルタルの塗装方法>
必要なもの:掃除道具(中性洗剤・カビ取り剤など)・サンドペーパー・パテ・マスキングテープ・養生シート・下塗り塗料・浴室専用塗料ハケ・ローラー
- 壁の汚れやカビを除去し、古い塗膜はサンドペーパーなどで落とします。
- 壁に溝や穴があればパテで埋め、乾燥したあとサンドペーパーで平らにならします。
- 塗料を付着させたくない部分は、マスキングテープや養生シートで覆います。天井と壁の境目も、マスキングテープでカバーしましょう。
- 必要に応じて、密着度を高める下塗り塗料や、しみこみを防ぐ下塗り塗料を塗り、十分に乾燥させます。
- 浴室壁用の塗料を混ぜて均一にし、まずは換気扇の周りやコーナーなど細かいところをハケで塗ります。次に広い面をローラーなどで一方向に塗ります。
- 十分に乾燥させ、養生シートなどを剥がしたら完成です。
DIYで塗装するとコストは安いものの、色ムラが出たり細かい仕上げが不十分になったりすることも。
また、塗装前は数日浴室を使わずに乾燥させておくこと、塗装後も最低2日程度は乾燥時間を取るために浴室を使えない期間が長く発生します。
DIYとはいえ大がかりな作業が必要になるため、不安な方はプロの業者に相談しましょう。ただし、浴室の壁の塗装リフォームをDIYではなく業者に依頼する場合は、普通の塗装業者に依頼できないため注意が必要です。
リフォームガイドでは、浴室用の塗装を扱っている専門の工務店やリフォーム会社などをご紹介することが可能です。お住まいの地域とご希望に合わせて現地調査の手配まで代行させていただきますのでお気軽にご相談ください。
3-3.化粧シートを重ね貼りする
インターネット等で販売されている浴室壁用の化粧シートを購入して、DIYで貼り付ける方法もあります。
<化粧シートの貼り方>
必要なもの:掃除道具(中性洗剤・カビ取り剤など)・パテ・ヘラ・下塗り塗料・ハケやローラー・化粧シート・スキージー・マスキングテープ・コーキング剤
-
- 壁の汚れやカビを十分に除去します。
- 溝や穴をパテで埋めて、ヘラを使って平らにならします。
- 必要に応じて、密着度を高める下塗り塗料や、しみこみを防ぐ下塗り塗料を塗り、十分に乾燥させます。
- 化粧シートを壁よりも少し大きめ裁断し、気泡が入らないようスキージーで圧着しながら貼り付けます。下地がタイル壁の場合、目地部分にもしっかりと接着するように貼るのがポイントです。
- 水の侵入を防ぐため、シート端部にコーキングを施します。周囲をマスキングテープで養生し、コーキング剤を充填します。
ご自身で行う際は、シワやズレが生じないよう、丁寧に作業を進めましょう。
また最後のコーキングで防水処理がしっかりできていないと、壁とシートの間に水分が入ってカビの原因になるため、注意が必要です。
美しく仕上げたいなら、リフォーム会社に貼ってもらうのがおすすめです。
注意!DIYではキレイに仕上がらないことも
化粧シートのDIYは簡単にできるのでDIYで行う方もいらっしゃいますが、仕上がりにムラができてしまったり剥がれてしまうなどの問題が起こることがあります。
リフォーム会社に依頼してリフォームした場合、多くはアフター保証が付きますのでそういった問題が生じた際でも対応してもらえます。また、カビの除去などの下処理が重要な作業となりますのでプロに任せるほうが安心と言えるでしょう。
4.まとめ
浴室の壁のリフォームは、タイルの補修、モルタルの塗装、化粧シートやパネルの重ね貼りなど、様々な選択肢があります。
どの方法が最適かは、現在の浴室の状態、希望する改善点、そして予算によって異なります。また、壁だけでなく床や浴槽も同時に改修した方がよい場合もあるため、工務店やリフォーム会社などの専門家のアドバイスを受けるのがおすすめです。
どのようなリフォーム会社に相談したらよいか分からないときは、リフォームガイドを活用するのが効果的。近隣の優良なリフォーム会社の中から、浴室のリフォームが得意な会社を紹介してもらえます。経験豊富な専門家に相談することで、理想的な浴室空間の実現に近づけられるでしょう。