
ユニットバスをリフォームしようと思っても、「具体的にどれくらい費用がかかるの?」「そもそもどんなリフォームができるの?」という疑問でつまづいてしまう人は多いようです。
ユニットバスのリフォーム費用はユニットバスのグレードや現在のお風呂の状態、オプションの内容など様々な要素によって変わります。
この記事では、ユニットバスリフォームの費用、工期、サイズの選び方などを説明します。また、最新機能や代表的メーカー、事例もご紹介しますので、ユニットバスのリフォームにお役立てください。
なお、お風呂・洗面台・トイレが一つになった「3点ユニットバス」のリフォームについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


目次
1. ユニットバスとは?在来浴室との違い
ユニットバスというと、賃貸やホテルで見かける「お風呂・洗面・トイレの3点ユニット」をイメージされる方も多いかもしれませんが、ユニットバスとは、あらかじめ浴槽や天井、壁、床などのパーツがセットをセットでつくったものの総称です。
具体的には、お風呂のみの「1点ユニットバス」が、従来の在来浴室と比較して一般的に「ユニットバス」と呼ばれ、ここではこのタイプのユニットバスについて取り上げます。
一方、在来浴室は住宅ごとに作られたオーダーメイドの浴室のことです。デザインの自由度が高く、浴室の広さから床や壁のタイル、浴槽の形状まで自由に決められます。
ユニットバスは組み立て式のため、在来浴室に比べて工事期間やコストを抑えられます。また、建物と浴室の間が断熱層となるため保温性が高く、寒く感じにくい点もメリットです。ただし、パッケージ商品のため、在来浴室よりもサイズやオプションの組み合わせに制限があります。
一方、在来浴室は細部まで思い通りの浴室を実現しやすいですが、ユニットバスに比べて工期は長く、費用も高額になりがちです。また、外気の影響を受けやすいため、十分な断熱対策が必要です。さらに、タイル張りにした場合は目地が汚れやすく、清掃の手間がかかる可能性もあります。
在来浴室 | ユニットバス | |
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メリット |
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デメリット |
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1-1.ユニットバスへのリフォームでの注意点
在来浴室からユニットバスへリフォームする際に、ユニットバスの規格サイズが間取りに合わない場合にはユニットバスのサイズを下げたり、場合によっては間取り変更の工事が必要になります。状態によっては浴室入り口の壁やドア枠を壊さなければならず、費用が高額になる可能性があります。
また、ユニットバスの設置・交換時には、浴槽や壁、天井などのパーツを分解して搬入するための経路の確保も必要です。具体的には、間口が65cm以上、廊下の曲がり角などは75cm以上を確保できる必要があります。
打ち合わせ時に、搬入ができるかリフォーム会社にチェックしてもらいましょう。
2. ユニットバスのリフォーム費用
ユニットバスのリフォームは、この2パターンがあり、それぞれで費用感が変わります。
- 在来浴室からユニットバスへリフォームする場合
- ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする場合
それぞれのパターンにおける見積もり例も紹介しますので、実際にいくらかかるのかを把握する手がかりにしてください。
2-1.在来浴室からユニットバスへリフォームする費用
在来浴室からユニットバスへリフォームする費用は、約60万~120万円です。
ユニットバスへのリフォーム費用は、今のお風呂が在来浴室の場合以下の2つの要素次第で大きく変動します。
- 完成形となるユニットバスのグレード
- 下地補修の有無
ユニットバスのグレードや下地補修の有無によるリフォーム費用の変動をまとめると、以下の通りになります。
グレード | 下地の補修 | |
---|---|---|
なし | あり | |
ロー | 約63~83万円 | 約68~98万円 |
ミドル | 約72~94万円 | 約77~109万円 |
ハイ | 約96~109万円 | 約101~124万円 |
浴室リフォームの際に下地補修が必要な場合、5~15万円ほど追加費用がかかります。
これは、在来浴室ではタイルのひび割れから水が浸入しやすく、浴室下の土台や洗面所の床が腐っているケースが多いためです。築年数が20年以上経っており、その間浴室のリフォームを行っていなければ下地補修は必須といえる程重要です。
在来浴室の2~3割は下地補修の必要が生じています。追加工事の可能性があることも見込んで予算を組んでおきましょう。
在来浴室からユニットバスにリフォームした見積もりの例
見積もり要件
- 現在は在来浴室
- ミドルグレードのユニットバスに交換
- 築50年以上で壁などの腐食がひどく、大規模な下地補修を実施
合計額は110万円程度(税抜)、そのうち工事費が65万円程度かかっています。
在来浴室からユニットバスへのリフォームは、工事費が高額になる傾向があります。以下のような工事が必要になるためです。
- 在来浴室の解体
- 新しいユニットバスの組み立て
- それに伴う電気・給排水工事
- 必要に応じて下地補修
この見積り例のように、壁や床の腐食が進んでいて下地から作り直す必要がある場合は、工事費の合計が40~60万程度かかることも珍しくありません。商品代以外の費用もかかることを認識しておきましょう。
2-2.ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする費用
ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする費用は、約56万~130万円です。
今のお風呂がユニットバスの場合、リフォーム費用はユニットバス本体の商品代とその工事費で構成されます。そして、次の2つの要素によって大きく変動します。
- 新しいユニットバスのグレード
- 新しいユニットバスの大きさ
ユニットバスのグレードやサイズごとのリフォーム費用は、以下のようになります。
グレード | サイズ | |||
---|---|---|---|---|
0.75坪タイプ | 1.0坪タイプ | 1.25坪タイプ | 1.5坪タイプ | |
ロー | 約56~72万円 | 約61~76万円 | 約66~81万円 | 約76~91万円 |
ミドル | 約65~83万円 | 約70~87万円 | 約75~92万円 | 約85~102万円 |
ハイ | 約89~107万円 | 約94~112万円 | 約99~117万円 | 約109~127万円 |
賃貸物件で多くみられるローグレードのユニットバスなら、リフォーム費用は60~70万円程度になります。一方、ミドルグレードのユニットバスなら70~80万円程、最上級のハイグレードを選べば100万円前後がかかると考えて予算を組みましょう。
サイズはマンションであれば0.75坪タイプが大半で、戸建ては0.75坪か1.0坪タイプが多いです。大きすぎると浴室全体が冷えやすく、狭すぎても快適なお風呂になりませんのでサイズの検討は慎重に行いましょう。浴室の最適なサイズ選びについては5章で解説していますので、あわせて確認してください。
ユニットバスから新しいユニットバスにリフォームした見積もりの例
見積もり要件
- 現在はローグレードのユニットバスを使用
- ミドルグレードのユニットバスに交換
- その他オプションはなし
ユニットバスの本体価格は定価の40~60%引きになるのが一般的です。ミドルグレードのユニットバスは、定価が100万円前後なので、見積りで提示される商品代は40~60万円ほどになります。
もとのお風呂がユニットバスの場合、リフォームでは以下のような工事が発生します。
- 古いユニットバスの解体
- 新しいユニットバスの組立て
- それに伴う電気・給排水工事
- 脱衣所側の壁やドア枠を作り直す工事
これらの工事費は、合計で25~35万円前後かかるのが相場です。
元がユニットバスであると、解体工事の際に壁を壊す必要が出てくる場合があります。その時の補修のために、脱衣所の壁やドア枠を作りなおす工事が必要になります。ユニットバスからユニットバスへの交換の場合も、商品代以外の費用も予算に組み込んでおきましょう。


3. ユニットバスリフォームの工程・工期
ユニットバスのリフォームの工期は、現在のお風呂が在来浴室かユニットバスかで異なります。
在来浴室からユニットバスへのリフォームは約4〜8日、ユニットバスからユニットバスへのリフォームは約2〜6日が目安です。
また、浴室だけでなく、洗面所も合わせてリフォームする場合は約3〜12日かかる可能性があります。
なお、リフォーム工事中は、一時的に水が使えなくなるため注意が必要です。給排水設備工事の際には約2時間水が止まり、その間はトイレやキッチン、外構などの水道が使用できません。事前に業者とスケジュールを擦り合わせ、家族など同居人に工事の日時を共有しておきましょう。
4. ユニットバスの最新機能
最近のユニットバスは、保温性や省エネ性、清掃面などあらゆる面で進化を遂げています。
ここでは、リフォームガイドがプロに聞いた今注目の最新トレンドを紹介します。
4-1. 家事の時短が叶う【お掃除機能】

従来のようなタイルの浴室は汚れが目立ちやすく、掃除が大変な傾向がありますが、最新のユニットバスはカビや汚れが付きにくく、簡単に洗い流すだけでお手入れが済むような工夫が床や壁などに施されています。
中でも注目の機能が、ボタン一つで床や浴槽を自動洗浄できるお掃除機能。お掃除の手間が省けて家事の効率化が叶うだけでなく、屈んで掃除するのがつらくなってきた高齢の方にも人気の機能です。
4-2. お掃除も施工もしやすい【マグネット収納】

お風呂のマグネット収納は最近大注目のトレンドのひとつ。
簡単に取り外して丸洗いできるので、お掃除が楽ちんなことに加えて、自分の入浴スタイルに合わせて収納をカスタマイズできるので物が散らかることなくすっきりした浴室にすることができます。
さらに各アイテムをビス固定する手間も省けるため工期も短縮。通常のお風呂リフォームよりも早めに入浴できることもメリットです。
他にもプロが注目するトレンドやおすすめのユニットバスをまとめていますので、以下の記事も合わせてご覧ください。


5. ユニットバスのサイズの選び方
リフォームの際は、浴室・浴槽のサイズを十分に検討しましょう。狭すぎると快適性が失われてしまい、反対に広すぎる場合には浴室が冷えやすくなり、光熱費がかさむ可能性があるからです。
まず、現在のユニットバスのサイズを確認しましょう。ユニットバスのサイズは内形寸法で、浴室内で間口と奥行きの2辺の長さ、高さを測定します。ユニットバスのサイズは、”1216” ”1616” といった表記が使われますが、ユニットバス内径の短辺×長辺の上2桁でサイズを表しています。例えば、”1216” の場合は、120㎝×160㎝のユニットバスを指します。
基本的には、今のユニットバスと同じサイズを選ぶとスムーズです。ただし、高齢者や小さな子供がいて、介助のために一緒にお風呂に入る場合など、家族構成やライフスタイルで最適な浴室サイズは異なります。サイズ変更を検討する際には、ショールームに足を運んで実物を見てみると、具体的にイメージしやすいでしょう。
ユニットバスのサイズについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。


6. ユニットバスの代表的なメーカー
ここからは、ユニットバスの代表的なメーカーを紹介します。各社の特徴や主な製品も説明しますので、ユニットバス選びにお役立てください。
国内のユニットバスメーカーについて詳しくまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。


6-1. TOTO
TOTOのユニットバスは、お手入れの負担を軽減するための機能や省エネ性を高める機能が充実しています。浴室の床を自動洗浄できる「床ワイパー洗浄水」や「水垢防止仕様の鏡」などは、代表的な機能です。
また、すべてのユニットバスに断熱クッション性のある「ほっカラリ床」を導入し、足元の保温性や柔らかい歩き心地を確保しています。さらに、「魔法びん浴槽」は浴槽と蓋に断熱性が備わっており、長時間にわたって湯温をキープできるため、ガス代や水道代の節約につながります。
サイズが豊富で、幅の広い浴槽も多いため、希望のサイズを見つけられるでしょう。
6-2. タカラスタンダード
タカラスタンダードのユニットバスにおける最大の特徴は、代名詞とも言える「高品位ホーロー」です。食器にも使用されるホーローを浴槽や壁などに起用することで、上品で高級な雰囲気のユニットバスに仕上がっています。
また、ホーローは汚れが定着しづらく、お手入れが簡単な上、耐久性があるため長く使えます。加えて、独自のフレーム構造が浴槽をしっかりと支える「耐震システムバス」により、高い安全性をキープしています。
その他、肩湯や浴槽自動洗浄など搭載されている機能は多岐にわたります。サイズを細かく選べる「ぴったりサイズシステムバス」機能で、浴室スペースを最大限活用したユニットバスを導入できる点も特徴です。
6-3. パナソニック
パナソニックは、家電メーカーならではのこだわりが行き届いたユニットバスが特徴です。例えば、空気を含む柔らかなお湯が出る「エステケアシャワー」やマイクロバブルの「酸素美泡湯」により、美肌効果や保温作用が期待できます。
また、演出度の高い浴室照明なども導入でき、自宅でエステのような過ごし方ができるでしょう。浴槽や水栓、カウンターには汚れの付きにくい「スゴピカ素材」を採用し、簡単なお手入れで清潔に保つことが可能です。
デザインにも定評があり、バリエーションが多くこだわりのあるプランは、グッドデザイン賞にも選出されています。
6-4. LIXIL
LIXILのユニットバスは、ラインナップが豊富で、戸建てからマンションまで多くの条件に対応できます。また、ジェットバスや肩湯などワンランク上の機能で、リラックスできる入浴時間を提供しています。
「サーモバスS」は、ダブル保温構造により高い保温性を実現しています。また、同じ浴室サイズでも、広々とした浴槽の「ミナモ浴槽」を選ぶことで、入浴時間をゆったりと過ごせるでしょう。シリーズによっては、柔らかなお湯が出る「アクアタワー」や「打たせ湯」機能も導入可能です。
お手入れ面の機能では、水流で排水口内のゴミをまとめる「パッとくるりんポイ排水口」が人気です。他にも、丸洗いできるカウンターにより、日々の掃除が楽になります。
6-5. トクラス
トクラスは、日本で初めて水回り用の人造大理石を量産化したメーカーです。美しさと滑らかさ、そして温かい肌触りが特徴の人造大理石は、高級感だけでなく耐久性も備えています。「うつくし浴槽」は、汚れや水垢が付着しにくく、お手入れが楽な上、10年使い続けても美しさが持続するという実験データもあります。
また、浴室専門サウンドスピーカーの「サウンドシャワーe」は、Bluetoothでスマホやタブレットに接続し、入浴しながら音楽を楽しめます。低音をしっかり響かせるWバスレフ方式を採用し、防水性も備えています。音楽好きな人や、毎日の入浴時間を充実させたい人に最適です。
7.ユニットバスのリフォーム事例7選
この章では、実際に行ったユニットバスのリフォーム事例をご紹介します。ご希望のリフォームの費用感を掴む参考にしてください。
7-1. 在来浴室からユニットバスへの施工事例
ここでは、在来浴室からユニットバスへのリフォーム事例をご紹介します。
ローグレードのユニットバスへのリフォーム【84万円】
建物タイプ | 一戸建て |
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費用 | 84万円 |
工期 | 1週間 |
商品 | TOTO サザナ 1216サイズ |
TOTO サザナ 1216サイズを導入した事例。洗い場と浴槽の底の段差を少なくすることで、安全に入浴が出来るようになりました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/105
ミドルグレードのユニットバスへのリフォーム【96万円】
建物タイプ | 一戸建て |
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費用 | 96万円 |
工期 | 1週間 |
商品 | LIXIL INAX リノビオ1316サイズ |
LIXIL INAX リノビオ1316サイズを導入した事例です。タイルからパネル張りになり、非常にお掃除のしやすい浴室へ変わりました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/119
ハイグレードのユニットバスへのリフォーム【125万円】
建物タイプ | マンション |
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費用 | 125万円 |
工期 | 1週間 |
商品 | TOTO リモデルバス Tタイプ1216サイズ |
TOTO リモデルバスのTタイプを導入した事例です。明るい色にすることで、浴室全体が清潔感のある優しい空間になっています。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/125
7-2. ユニットバスから新しいユニットバスへの施工事例
この項では、ユニットバスから新しいユニットバスへのリフォーム事例をご紹介します。
ローグレードのユニットバスへのリフォーム【56万円】
建物タイプ | マンション |
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費用 | 56万円 |
工期 | 3日 |
商品 | ー |
グリーンを基調としたユニットバス。価格を抑えて新しい設備にリフォームできました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/302
ミドルグレードのユニットバスへのリフォーム【86万円】
建物タイプ | マンション |
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費用 | 86万円 |
工期 | 2ヶ月(その他の水回り工事を含む) |
商品 | TOTO リモデルバス WT Kタイプ1418サイズ |
TOTO リモデルバスWY Kタイプの1418サイズを導入した事例です。浴室周辺を細かく採寸し、既存の物よりもワンサイズ大きいユニットバスを設置する事ができました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1750
8. まとめ
ユニットバスのリフォームでは、現在の浴室が在来浴室かユニットバスかによって、工事にかかる期間や費用が大きく変わります。最近では、さまざまな最新機能を備えたユニットバスも多く登場しており、リフォームにより理想のバスタイムを実現できるでしょう。
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