
「浴室ドアの開け閉めがしにくくなった」「樹脂部分やゴム部分がヒビ割れしている」などは、劣化のサインです。浴室のドアの平均寿命は、一般的に約15〜25年。劣化したまま放置すると、脱衣所まで水漏れが広がる恐れがあります。
またドアの使用に問題がない場合でも、変色したり隙間にカビがたまっていたりして、なんとなく古ぼけて見えることが気になっている方もいるでしょう。
そのようなときには、浴室ドアを交換するのがおすすめです。この記事では、浴室ドアを交換する依頼先や交換費用の目安、ドア選びのポイントなどを解説します。できるだけ交換費用を抑えるコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
1.浴室ドア交換の依頼先
浴室ドアを交換したい場合の依頼先は、主に次の3つがあります。
それぞれの特徴や、適したケースを解説します。
1-1 メーカー
浴室ドア交換は、設置されているドアのメーカーに依頼できます。浴室がユニットバスの場合は、ユニットバスのメーカーに相談するとよいでしょう。メーカーへの交換依頼は、純正ドアへ交換してもらいたい方に向いています。
ただし、工事自体はメーカーが直接おこなうのではなく、子会社や販売店などが対応するのが一般的です。またリフォーム会社やホームセンターに依頼するのと比較すると、費用が高くなる傾向があります。
1-2 工務店・リフォーム会社・サッシ屋
浴室のドア交換は、工務店やリフォーム会社、サッシ屋(サッシの図面引きから製造・設置までをおこなう会社)にも依頼できます。
リフォーム会社やサッシ屋は、浴室ドアのメーカーと直接取引し、安価にドアを仕入れているのが一般的です。そのため、リフォームのコストを抑えたい方に向いた依頼先といえます。別のタイプのドアに交換したい場合なども、柔軟な対応が期待できます。
とくにリフォーム会社は、ドアだけでなく家全体の補修に対応しているため、ドアとあわせてほかの劣化状況も確認してほしいときには、最善の依頼先となるでしょう。
ただし、メーカーやホームセンターに比べ、依頼する会社によっては保証が薄い可能性があるため、依頼先は慎重に選ぶようにしましょう。
1-3 ホームセンター・家電量販店
リフォーム工事をおこなっているホームセンターや家電量販店でも、浴室ドアの交換を依頼できる場合があります。普段買い物にいっている、慣れ親しんだホームセンターや家電量販店で、気軽に相談したい方に向いています。
ただし、実際の工事は下請けの施工会社が行うため、店頭の表示価格ほど安くなるとは限りません。またホームセンターや家電量販店では、取扱のないメーカーのドアの交換や、採寸してのオーダーメードには対応してもらえないケースが多いようです。
■浴室ドアの交換は自分でできる?
浴室ドアの交換は、DIYで行うことも可能です。実際に自分でオンラインで交換キットを購入し、DIYする方もいます。
DIYすれば工事費がかからずドア代だけで済むので、大きくコストを抑えられるでしょう。
しかし浴室ドアの交換で、DIYはおすすめできません。浴室ドアの交換ではドア枠やドアの大きさを正確に測る必要がありますが、それは簡単ではないためです。設置するときも、水漏れを防ぐには高度な技術が必要になります。
設置がうまくいかないとドアがしっかり閉まらなかったり、水漏れが発生したりするリスクが高まります。
また、浴室は湿気が多く、カビの発生を防ぐための防水処理も重要です。これらの作業は専門的な知識と経験が必要であり、DIY初心者には難易度が高い作業といえるでしょう。
もしDIYでの作業に失敗してしまった場合は、結果的にプロの業者に修理を依頼する必要が出てくる可能性があり、その分費用がかさんでしまうことも考えられます。DIYでの作業に不安を感じる場合や、時間や手間を節約したいと考えているなら、最初からプロの業者に依頼することがおすすめです。
2.浴室ドアを交換する4つの方法と費用の目安
浴室ドアを交換する方法と、費用の目安をご紹介します。なお、ご紹介する費用は一般的な2枚折り戸を同タイプに変更した場合を想定しています。ドアの種類や大きさにより費用は異なりますので、必ず見積もりを取るようにしてください。
2-1 同じドアに交換(5万円〜8万円程度)
浴室ドアを今と同じドアへ交換する費用は5万円〜8万円が相場です。同じ規格の製品が手に入るなら安価に抑えやすい方法です。
ただし浴室ドアの寿命は15〜25年と長いため、廃盤になっているケースも少なくありません。
そのため比較的新しいうちに物をぶつけたなど、なんらかの理由でドアが壊れたようなケースで考えられる手法です。
2-2 アタッチメント工法(7万円〜9万円程度)
浴室ドアを「アタッチメント工法」という方法で交換する場合は、7万円〜9万円程度の費用がかかります。
アタッチメント工法は、既存のドア枠にアタッチメント(補助的な枠)を取り付けて、新しいドアを設置する方法です。段差や間口の大きさはほとんど変わらず、今とは違った形状のドアへの変更もおこなえます。
ただしアタッチメント工法では、古い枠が見えてしまうことがデメリットです。
2-3 カバー工法(8万円〜14万円程度)
浴室ドアを「カバー工法」という方法で交換する場合、費用は8万円〜14万円程度となります。
カバー工法は、既存のドア枠の上から、新しいドア枠を取り付ける手法で、ドア交換ではもっとも多く採用されています。アタッチメント工法と異なり、今のドア枠に被せる形で新しいドア枠が設置されるので、まるで丸ごと新しいドアになったように見えることがメリットです。
ただし、ドアサイズは今のものより一回り小さくなります。
2-4 枠ごと交換(20万円〜)
浴室のドアを枠ごと交換する場合は、20万円~の費用がかかります。
今の枠を撤去して、まったく新しいドア枠を取り付ける方法です。ドア周りの壁の工事も必要になるため大がかりになりがちで、その分高額になります。
今のドア枠や周辺の壁が傷んでおり修繕が必要な場合に、考えられる手法です。また今よりも大きなドアに変更したい、脱衣洗面所とあわせてリフォームしたいなど、サイズ変更をともなう場合に検討するとよいでしょう。
3.交換する浴室ドアの種類・選び方のポイント
浴室ドアは、次の3種類があります。
それぞれの特徴や選び方のポイントを紹介します。
3-1 開き戸
開き戸は扉が弧を描くように、前後に開閉するタイプです。レバータイプであれば、力がなくても開閉できることがメリットです。
一方、ドアが開く側に開閉スペースが必要になり、障害物があると開閉できなくなることも。浴室のスペースが狭い場合は、折れ戸を検討することをおすすめします。
3-2 折れ戸
折れ戸は、扉を折り畳むことで開くタイプの扉を指します。狭いスペースで開閉できるため、浴室が狭いときにはおすすめです。
一方折れ戸は、開閉にはある程度の力が必要になり、小さな子どもや高齢者には開閉が難しい場合があります。また構造が複雑なので故障しやすく、掃除もしにくい点がデメリットです。
3-3 引き戸
引き戸は、扉をスライドさせることで開閉させる扉です。前後に開閉スペースが不要となり、浴室や脱衣洗面所の空間を有効活用できることがメリットです。
また少ない力で開閉でき、広い開口部をつくりやすいので、バリアフリーやユニバーサルデザインにしたいとき検討するとよいでしょう。
一方、引き戸は扉の引き込みスペースが必要になるためコストがかかり、またレール部分に汚れがたまりやすいことがデメリットです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
開き戸![]() |
|
|
折れ戸![]() |
|
|
引き戸![]() |
|
|
4.浴室ドア交換の費用を抑える方法
浴室ドアを交換する費用を抑える方法を、3つ紹介します。
4-1 コストが低い工法を選ぶ
「浴室ドアを交換する4つの方法と費用の目安」で解説したように、浴室ドア交換の方法は4つあり、工事規模が大きくなるほどかかる費用が高くなります。
費用を抑えたい場合は、まずはドアだけを交換できるか確認し、すでに在庫がないならアタッチメント工法やカバー工法を検討するとよいでしょう。
4-2 介護保険や自治体の補助金を利用する
世帯に要支援・要介護者がいる場合の浴室ドアの交換は、介護保険の「住宅改修」の補助金や、自治体の補助金を利用して費用を抑えられる可能性があります。
介護保険では、要介護者等が介護目的の住宅改修をおこなうときに、最大18万円の補助金を支給しています。補助金支給の対象となる住宅改修の工事には、手すりの設置や段差の解消のほか、引き戸などへのドアの交換も含まれているので、浴室リフォームでも使えます。
また、自治体によってはリフォームの補助金を利用できるケースもあります。たとえばさいたま市では、介護予防高齢者住環境改善支援事業として、住宅改修をおこなう高齢者に一定の条件下で補助金を支給しており、「引き戸などへの扉の取替え」も対象です。
自治体が補助金制度を提供しているかどうかや、また提供している場合でもそれぞれ要件は異なるため、まずはお住まいの自治体に確認しているとよいでしょう。




4-3 相見積りをとる
浴室の扉交換で費用を抑えたい場合、複数のリフォーム業者から相見積りをする方法も効果的です。浴室の扉交換リフォームに定価はないため、3~4社を目安に見積りをもらえば、大体の相場を把握できるので比較しやすくなります。
なお見積りを依頼する場合は、浴室リフォームが得意な業者を選ぶのがおすすめです。たとえ費用が安くても、浴室リフォームに慣れていない業者が施工すると、水漏れが発生するなどあとでトラブルになるリスクがあるため避けましょう。
5.ユニットバスの寿命が近づいていたら浴室全体のリフォームも検討しよう
経年劣化により浴室のドアが傷んでいる場合、遅かれ早かれ、浴槽や床・壁もリフォームが必要になる可能性があります
数年後、結局ユニットバスへ入れ替えることになった場合、今回のドア交換は無駄になってしまいかねません。そのため浴室ドアの交換が必要になった時点で、浴室全体のリフォームを検討してみることをおすすめします。
浴室とあわせて脱衣洗面所もリフォームすれば、扉の種類を変えるだけでなく、開口部を広くすることも可能です。「脱衣洗面所との段差をなくし、バリアフリーの浴室にしたい」といった希望も叶えられるでしょう。
6.浴室ドア交換のQ&A
浴室のドア交換で、よくある質問とその回答を紹介します。
6-1 別メーカーの浴室ドアでも交換できるの?
浴室のドアは、アタッチメント工法やカバー工法を採用すると、別メーカーのドアへの交換も可能です。ただしこれらの工法では、今のドアよりも少しサイズが狭くなることは、よく理解しておきましょう。
6-2 浴室ドアのタイプ(種類)は変えられるの?
浴室のドア交換にあわせ、ドアタイプの交換ができるかは、状況によって異なります。開き戸から折り戸、折り戸から開き戸への変更は問題ないケースがほとんどです。
一方、開き戸や折り戸を引き戸に変更したい場合は、引き戸の引き込みスペースを確保できるかによります。希望の扉に変更できるかどうかは、リフォーム会社に現場を見てもらい、相談する必要があるでしょう。
7.まとめ
浴室ドアの交換は、メーカーやホームセンターなどにも相談できますが、全体の劣化もあわせて把握するならリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。リフォーム会社であれば、家族構成や脱衣洗面所との関係なども考慮したうえで、最適なご提案をおこなえます。
リフォーム会社を選ぶときには、水回りリフォームが得意な会社に相見積もりを取り比較するのがおすすめです。リフォームガイドでは、お客様のご希望を実現できるリフォーム会社を選んで紹介し、相見積もりの手配を代行しています。無料でご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。
▽事例紹介|浴室ドアが壊れてしまい依頼先に困っていたS様(お客様の声より)
ホームセンターにもドアを見に行ったのですが、ドア自体は安くても工事費も入れると結構高くつくな、という印象でした。
また、ドアのメーカーにも直接問い合わせたのですが、サイズがないと言われてしまいました。リフォーム会社のチラシを見て、安く修理してくれそうな会社に問い合わせたのですが、結局、話を聞いていくうちに「それなりにかかるなぁ」と決めきれずにいました。
(中略)登録したらすぐに連絡をもらって、迅速に対応いただけたのが良かったです。
くわしい内容はこちら↓↓

