築20年ほどが経過したマンションは、お風呂場をはじめ水まわりの老朽化が気になり始めるかと思います。
マンションのお風呂リフォームにかかる費用は、以下のようになります。
【グレード別・マンションのユニットバス交換費用相場】
グレード | シンプル | ミドル | ハイ |
---|---|---|---|
費用相場 | 70~90万円台 | 90~120万円台 | 120~150万円台 |
特徴 | プラスチック製の水栓やシャワーヘッド 浴槽の断熱性能なし |
水栓やシャワーヘッドはメタル調で使い勝手が良い 浴槽に断熱性能あり |
タイル調のパネルや人造大理石の浴槽など高級感のあるデザイン 浴槽の断熱性能・高機能なオプションあり |
※0.75坪(一般的なマンションのお風呂の大きさ)の場合
こちらの記事では、工事にかかる費用をはじめ、実際に行われたリフォームの施工事例を価格帯別にご紹介。マンションのお風呂リフォームに必要な基礎情報を分かりやすくまとめています。
最後までじっくり読むことで、ご自身の希望するリフォームがより具体的なものになり、リフォーム会社に相談できる段階になるはずです。ぜひ参考にしてください。
目次
1.マンションのお風呂リフォームにかかる費用相場
マンションのお風呂リフォームにかかる費用は70~150万円と幅広く、設置するユニットバスのグレードによって変わります。
【グレード別|マンションのユニットバス交換費用相場】
グレード | シンプル | ミドル | ハイ |
---|---|---|---|
費用相場 | 70~90万円台 | 90~120万円台 | 120~150万円台 |
特徴 | プラスチック製の水栓やシャワーヘッド 浴槽の断熱性能なし |
水栓やシャワーヘッドはメタル調で使い勝手が良い 浴槽に断熱性能あり |
タイル調のパネルや人造大理石の浴槽など高級感のあるデザイン 浴槽の断熱性能・高機能なオプションあり |
イメージ |
※0.75坪(一般的なマンションのお風呂の大きさ)
【お風呂のオプション商品 費用相場】
お風呂(ユニットバス)を選ぶ際、同時に必要なオプションを選ぶことができます。
手すり・握りバー | 4千~3万円/本 |
---|---|
テレビ | 3~14万円 |
浴室暖房乾燥機 | 5~40万円 |
ジェットバス | 15~30万円 |
テレビ、浴室暖房乾燥機のオプションをつける場合、テレビ配線・電気配線を通す工事が必要になり、テレビが設置してある部屋や分電盤まで床や壁を解体する必要があるため高額になることも。
オプション一つでも数万円単位で費用が変わるので、できるだけ抑えたい方は本当に必要かどうかしっかりと考えるようにしましょう。
現在のお風呂がユニットバスではなく、タイルで一から造り上げる「在来工法」のお風呂の場合は、解体費用などがかかるため上記費用よりも高くなる傾向にあります。
▼在来工法のお風呂リフォームに関しては、こちらの記事を参考にしてください。
2005年頃までのユニットバスにはアスベストを含む可能性があり、浴室のリフォームではアスベストの事前調査が必要になることがあります。調査の結果アスベストが含まれると判断された場合は、アスベスト飛散防止工事が必要となり、費用が調査費・解体費込みで数十万円ほどかかります。
アスベストが使用されているといっても普段の生活では害はありませんが、浴室などの水回り設備には寿命があり、いつか交換をしなければなりません。古い浴室をリフォームする場合は、アスベスト飛散防止工事にかかる費用がかかることもあることを念頭に置いておきましょう。
2.【価格帯別】マンションのお風呂リフォーム施工事例
ここからは、マンションのお風呂をリフォームした実際の施工事例をご紹介していきます。
お風呂リフォームでどのような仕上がりになるか費用別に比較することができますので、費用感を具体的に把握するためにぜひ参考にしてください。
2-1.【70~90万円台】シンプルグレードのリフォーム事例
◆低コストでお掃除しやすい最新の浴槽にリフォーム
20年以上使用していたため、黒ずみや汚れが蓄積していましたが、お掃除のしやすい低コストのユニットバスを採用し、お手入れが楽になりました。
施工費 | 78万円 |
---|---|
築年数 | 23年 |
工期 | – |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=1604
◆介護保険の住宅改修費を利用したお風呂リフォーム
浴槽のまたぎの高さを10㎝以上低くし、介助がしやすくなりました。断熱材入りの床や浴室暖房もついたため、ヒートショックの心配もありません。
施工費 | 75.6万円 |
---|---|
築年数 | 約50年 |
工期 | 4日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=454
▼介護保険の住宅改修費を使ってリフォームをご検討の場合はこちらも参考にしてください。
◆サイズアップでくつろぎの空間へ
ワンサイズ大きいユニットバスが設置可能だったためサイズアップし、足を伸ばして入浴できるようになりました。内装も一新し、スタイリッシュな仕上がりになっています。
施工費 | 80万円 |
---|---|
築年数 | 20年 |
工期 | 3日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=1892
◆木目調のアクセントパネルでおしゃれな浴室へ
木目調のアクセントパネルに加え、周辺パネルも薄く木目の入った鏡面仕上げのパネルを採用したため、あたたかな見た目の浴槽になりました。設備パーツは汚れがつきやすく乾きやすいため使い勝手も抜群です。
施工費 | 88万円 |
---|---|
築年数 | 25年 |
工期 | 1日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2827
2-2.【90~120万円台】ミドルグレードのリフォーム事例
◆落ち着きと高級感のある内装へ
ダークカラーの内装に統一し、落ち着きと高級感のある見た目に仕上がりました。また、タッチ水栓がつき、操作が簡単になったほか、節水効果も得られるようになりました。
施工費 | 90万円 |
---|---|
築年数 | 30年 |
工期 | 3日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=1875
◆サイズアップで広く明るいユニットバスへ
浴槽方向を10㎝を広げ、石目調のアクセントパネルで雰囲気もがらっと変わりました。小さいお子さまのために、床材はやわらかい素材のものを採用しました。
施工費 | 100万円 |
---|---|
築年数 | 20年 |
工期 | 3日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2140
◆まっしろな壁を活用し浴室をホームシアターへ
白一面の内装でシンプルに仕上げたことで、壁面を活用したホームシアターとしての役割も果たせるようになりました。
施工費 | 100万円 |
---|---|
築年数 | 9年 |
工期 | 1日 |
不要な器具を取り払ったことにより、見た目がスッキリしたほか、お掃除もしやすくなりました。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2681
◆一坪サイズのひろびろ浴室
マンションのリフォーム用システムバスの中でも高級価格帯のTOTO WYを採用。浴槽は汚れや傷が付きにくい人造大理石で、お湯が冷めにくい断熱入りの魔法びん仕様になっています。浴室暖房乾燥機にランドリーパイプも設置し、洗濯物を干すことができます。
施工費 | 110万円 |
---|---|
築年数 | 23年 |
工期 | 1日 |
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2828
2-3.【120~150万円台】ハイグレードのリフォーム事例
◆海外を思わせる浴室へリフォーム
海外のようなスタイリッシュなデザインが要望だった施主様。全面大理石調のデザインを導入し、外国のホテルのような雰囲気に。床ワイパー洗浄も取り付け、おしゃれながらも機能性抜群の浴室になっています。
施工費 | 160万円 |
---|---|
築年数 | 19年 |
工期 | 5日 |
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2299
お風呂リフォームの費用を抑える方法
仕上がりの品質を一切変えることなく、お風呂リフォームの費用を抑える方法がいくつかあります。
例えば「大量仕入れや豊富な施工実績がある会社を選ぶ」「自社施工しているリフォーム会社を選ぶ」などリフォーム会社選びでのポイント。
そのほか見積もりを取る際に気をつけるべきことなど、あわせて11の方法を下記の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
▼お風呂リフォーム費用を抑えるには?
3.マンション用ユニットバスの商品の選び方
ここからは、マンション用のユニットバスの選び方について解説していきます。
現在各メーカーから様々なマンション用のユニットバスが発売されており、選択肢が多くどれを選べば良いかわからない、という方もいらっしゃるかもしれません。
満足度の高いリフォームを実現するために、商品選びは大切なステップになりますので、以下でご紹介する3つのポイントを参考にしながら、ご自身の理想のユニットバスについて検討していきましょう。
3-1.リフォームする浴室のサイズを確認する
メーカーや商品を決定する前に、リフォームする浴室のサイズを把握しておきましょう。ユニットバスは一定の規格で作られているため、商品によって対応しているサイズが異なり、ご自身の住まいの浴室サイズによって導入できるユニットバスは絞られます。マンション用のユニットバスのサイズは基本的に0.75坪・1.0坪・1.25坪に3つの区切りに分かれます。
【マンションのユニットバスのサイズ】
ユニットバスサイズの表記は、ユニットバスの幅と奥行き(短辺と長辺)の長さを合わせた数字が4桁で表されます。例えば1014サイズは100cm×140cmのユニットバスを指します。
坪数(外寸) | ユニットバスサイズ表記 | 内径寸法:(1)短辺×(2)長辺※ |
---|---|---|
0.75坪 | 1014サイズ | 100cm×140cm |
1115サイズ | 110cm×150cm | |
1116サイズ | 110cm×160cm | |
1216サイズ | 120cm×160cm | |
1218サイズ | 120cm×180cm | |
1316サイズ | 130cm×160cm | |
1317サイズ | 130cm×170cm | |
1418サイズ | 140cm×180cm | |
1.0坪 | 1616サイズ | 160cm×160cm |
1717サイズ | 170cm×170cm | |
1.25坪 | 1618サイズ | 160cm×180cm |
1620サイズ | 160cm×200cm | |
1621サイズ | 160cm×210cm |
※ユニットバスの内径寸法
メーカーのカタログには表中の「ユニットバスサイズ」が書かれていることが多いです。お住まいのお風呂のサイズを確かめたうえ、対応可能なメーカーの商品を選びましょう。
ユニットバスのサイズについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
>>ユニットバスのサイズを完全解説!あなたに最適なサイズはこれだ!
3-2.カタログで価格・機能を見て商品を比較する
浴室のサイズから対応している商品を絞ったら、実際にカタログで価格・機能を見て商品を比較してみましょう。
保温浴槽や防カビ仕様の内装など、ユニットバスは各メーカーによって商品に標準装備している機能が異なるほか、浴室のサイズや商品のグレードによって価格も変動するため、カタログを見て商品を比較することで、あなたに最適なユニットバスを見つけることができます。
各メーカーweb版のカタログも充実していますので、気軽に検索できます。
リフォーム会社によって普段取引しているメーカーは異なり、仕入れ率もそれぞれです。そのため、メーカーはこちらから指定せず、機能や形・色味などのみをリクエストしましょう。そうすることで、費用をおさえながら希望に合う商品を探してくれるはずです。
リフォームガイドはマンションの水回りリフォームが得意なリフォーム会社もご紹介していますので、ご相談ください。
3-3.ショールームに足を運んで実際に商品を体感してみる
カタログで機能や価格を把握できたら、なるべくショールームに足を運んで実際に商品を体感してみることがおすすめです。
ショールームで実際に商品に触れることで、大きさや質感・使い勝手など、カタログでは得られない情報を得ることができます。また、ショールームには住まいの知識に富んだメーカーのスタッフがいますので、リフォームや商品について詳しく相談することができます。
ショールームに行く際は事前に予約しなければならない場合もありますので、各メーカーのホームページを確認し、見学に行きましょう。
4.マンションのお風呂リフォームでよくある質問
ここからは、マンションのお風呂リフォームでよくある質問をご紹介します。
4-1.浴槽のサイズアップはできるの?
マンションの浴槽がサイズアップできるかどうかは、既存のユニットバスの裏側にどのくらいスペースが空いているかがポイントになります。
サイズアップが可能かどうか知りたい場合は、リフォーム会社に現地調査に来てもらう必要があります。
リフォームの見積もりを作成する上で現地調査は必ず行うものですので、あわせて確認を依頼してみましょう。
4-2.追い焚き機能はつけられる?
マンションのお風呂リフォームの際、もともと追い焚き機能のついていないお風呂に後付けを行うのは基本的に難しいです。
追い焚き機能の後付けには浴槽と給湯器をつなぐ配管を増やす工事が必要で、マンションの場合屋外に設置されている給湯器に配管を通すために壁に穴を空けなければいけません。しかし、マンションの壁は共有部分にあたるため、穴を空ける工事は禁止されていることが多いからです。
ただし、条件が揃えば屋外の給湯器から浴槽に配管を繋ぐことが可能な場合もあります。例えば以下のような条件を満たしていれば可能です。
- 給湯器が玄関横のメーターボックス内にある
- メーターボックス内の壁がコンクリートではなくブロックで作られている
- 浴室が玄関に接している
ブロック壁であれば、構造躯体ではないため穴を開けることができます。
(写真提供:あなぶき興産)
玄関に接して浴室があれば、穴を直接浴室に貫通できるので給湯器の配管を通すことができます。
4-3.住みながらの工事は可能?工事期間は?
お風呂のみのリフォームの場合、住みながらのリフォームが可能です。
マンションのお風呂リフォームの工期は、ユニットバスからユニットバスへの交換であれば平均3~4日間、在来浴室からユニットバスへの交換であれば平均4~7日間です。
工事期間中はお風呂が使えなくなるため、リフォーム前に入浴ができる場所について調べておきましょう。
4-4.リフォームの前にしておくべきことは?
マンションのお風呂リフォームを行う前に必ずしておきたいことは
- マンション管理会社・組合に申請する
- 近隣住民に挨拶をする
の2つです。
特に、リフォーム工事に対するマンション管理組合からの許可は承諾に2~3週間、場合によっては1か月ほどかかることがあります。
スムーズに工事ができるよう、余裕を持った準備を心がけましょう。
4-5.どんな会社に相談すればいいの?
マンションのお風呂リフォームは、水回りのリフォームに強い、かつマンションリフォームに慣れている会社に依頼するようにしましょう。
水回りのリフォームに強い会社はユニットバス商品を普段から数多く仕入れているため、メーカーからの仕入れ価格が低く設定されている可能性が高いです。そのためリフォーム費用も安く抑えられます。
またマンションリフォームは管理規約による制限や、マンションの構造による物理的な制限など、あらゆる制限があります。経験がある会社でなければ、トラブルを起こしかねないため、マンションにおけるリフォームでは会社選びは慎重になる必要があります。
5.まとめ
マンションのお風呂リフォームにかかる費用は、交換する浴槽のグレードによって変わります。
【グレード別 マンションのユニットバス交換費用相場】
グレード | シンプル | ミドル | ハイ |
---|---|---|---|
費用相場 | 70~90万円台 | 90~120万円台 | 120~150万円台 |
特徴 | プラスチック製の水栓やシャワーヘッド 浴槽の断熱性能なし |
水栓やシャワーヘッドはメタル調で使い勝手が良い 浴槽に断熱性能あり |
タイル調のパネルや人造大理石の浴槽など高級感のあるデザイン 浴槽の断熱性能・高機能なオプションあり |
※0.75坪(一般的なマンションのお風呂の大きさ)
また、マンション用ユニットバス商品は、次のような手順で選んでみましょう。
- リフォームする浴室のサイズを知る
- カタログで価格・機能を見て商品を比較する
- ショールームに足を運んで実際に商品を体感してみる
ご自身で希望するリフォーム工事についてじっくり考え、コスパよく満足度の高いリフォームを実現させましょう。