
一日の疲れをさっぱりと洗い流すバスルーム。
なかなか落ちないカビや汚れがあると気になりますよね。
プロにクリーニングしてもらうか、思いきってリフォームするか、判断に悩むところではないでしょうか。
そこで今回は、ユニットバス交換のサインと寿命を延ばす方法について解説します。
目次
1.ユニットバスの寿命は10~15年
ユニットバスの寿命は使用頻度や環境によって異なりますが、一般的には15年程度が目安といわれています。
ただし、15年を過ぎても問題なく使用できるのであれば、無理に交換する必要はありません。こまめなお手入れを続けることで、20年以上使用できる可能性もあります。
ちなみに、法的な観点では浴室は建物の一部であると考えられ、ユニットバスの法定耐用年数は建物と同じく、木造住宅なら22年、鉄骨鉄筋コンクリート造なら47年と定められています。
なお、法定耐用年数とは会計処理上に使用する減価償却期間のことで、設備そのものの寿命とは別物です。
2.寿命かも?ユニットバス交換の目安
ユニットバスの寿命は15年程度とお伝えしましたが、あくまで目安です。
使用年数に関係なく次のような症状が見られるときは、ユニットバス全体またはパーツの交換を検討するタイミングかもしれません。
①掃除をしてもカビが発生する
こまめにお掃除をしていてもすぐにカビが生えてしまう場合、小さなヒビ割れや腐食した部分などから水が浸入して、壁や床の裏側にもカビが発生している可能性があります。
または、換気が十分に行われていないのかもしれません。ユニットバスの壁や床にヒビ割れがないか、換気扇に問題がないかなど、一度専門業者に点検をしてもらいましょう。
②サビが浮いている
壁のつなぎ目や水栓金具の取り付け部分などに見られる赤茶色のサビは、ユニットバス全体が劣化しているサインです。
そのままにしておくと金属部が腐食して水漏れにつながり、土台や柱を傷めてしまいます。ユニットバス内に赤茶色のサビが見られたら、なるべく早くリフォーム会社に相談することがおすすめです。
③悪臭や異臭がする
ユニットバスから下水のような臭いが流れてくる場合は、排水口をチェックしてみましょう。
排水トラップが破損して、封水がなくなっているのかもしれません。封水とは、排水管から上がってくる臭いや害虫などを防ぐためにためられる一定量の水です。
排水トラップが壊れていると封水がためられなくなるので、いくらユニットバスのお掃除をしても悪臭がなくなることはありません。
④排水口の流れが悪い
排水管の内側に髪の毛や石鹸カスなどがこびりついて、水の流れが悪くなっている可能性があります。また、排水トラップの劣化も関係します。
汚れがつまったまま使い続けると、排水管の接合部から水漏れが起こることもあるため、流れが悪いと感じたら早めに専門業者に点検を依頼してみましょう。
排水管の徹底洗浄で改善される可能性もありますが、使用年数が経っている場合は排水管も含めてユニットバスの交換を検討すべきかもしれません。
⑤温度調節ができない
浴室では一般的に、水圧や水温の変化を自動で感知してお湯を一定の温度に保つサーモスタット混合栓が使用されます。
急に温度調節ができなくなったときは、温度を調節する内部カートリッジの故障が考えられるでしょう。
サーモスタット混合栓の寿命は10~20年程度です。
水栓のみ交換するという方法もありますが、ある程度の年数が経ったユニットバスは次々にトラブルが発生する可能性があります。
状況によっては思いきってユニットバスを交換したほうが安心といえるでしょう。
⑥換気扇の動きが悪い
浴室のカビを防ぐには換気を十分に行う必要があります。換気扇の動きが悪いと感じたら、早急に点検・修理を依頼しましょう。
異音が発生している場合は火災発生のリスクもあるため、特に注意が必要です。単体での交換も可能なため、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
⑦浴槽や洗い場にヒビ割れがある
樹脂製ユニットバスの浴槽や洗い場に、いつの間にかできていた細かいヒビ割れ。これも劣化のサインです。
ヒビが深くなると裏側にじわじわと水が侵入し、カビやサビの発生原因になります。
表面をコーティングするなど応急処置の方法はありますが、すでに樹脂が劣化している状態なので、早めに交換を検討したほうがよいでしょう。
⑧シャワーの水漏れが目立つ
シャワーをしっかり閉めてもポタポタと水が漏れるのは、水栓金具内部のゴムパーツの劣化が原因と考えられます。10年以上使用しているシャワーだと、目立つほどではなくてもジワジワと水漏れしているかもしれません。
普段と変わらない使い方をしているのに水道代が高くなったという場合は、水漏れを疑って専門業者に点検を依頼しましょう。
パーツ交換でも改善が期待できますが、部品取り寄せが可能な期間は「生産終了後10年間」とするメーカーがほとんどです。水栓金具の交換も含め、ユニットバス全体のリフォームを検討してみてはいかがでしょうか。
ご自宅のユニットバスの状態を確認してみて、修理や交換をご検討の方は「4.ユニットバス交換のリフォーム費用相場」も確認してみてください。
実際にリフォームをお願いする際の費用感をつかむのにお役立ていただけます。
3.ユニットバスの寿命を延ばす4つのポイント
ユニットバスを長持ちさせるコツは、日常的なお手入れと定期的なメンテナンスです。
ここでは、ユニットバスの寿命を延ばすために心掛けたいポイントを4つ紹介します。
①換気でカビの発生を抑える
浴室はどうしても湿気がこもりがちな場所です。カビの発生を防ぐため、入浴後は換気扇をしっかり回しましょう。
お風呂から出るときに壁や天井の水滴を拭き取るようにすると、より効果的です。浴室に窓がある場合は、天気の良い日中に窓を開けて風を通すようにしましょう。
②こまめに排水口を掃除する
汚れたままの排水口は雑菌が繁殖しやすく、悪臭や排水管を劣化させる原因になります。
排水口のゴミ受けにたまった髪の毛などは入浴のたびに取り除き、浴槽や洗い場を清掃するときには排水口も忘れずに洗うようにしましょう。
③シャンプーやせっけんの残りは必ず流す
シャンプーやせっけんの泡はしっかりと洗い流すようにしましょう。
泡をそのままにしておくと、洗剤成分が皮脂汚れや水道水の金属イオンなどと結合し、頑固で落としにくい汚れになってしまいます。カビの発生につながるのはもちろん、ユニットバスの劣化を早めることにもなりかねません。
シャンプーやせっけんの泡は思いのほかあちこちに飛び散っているため、洗い場だけでなく壁の高いところも少し熱めのシャワーで洗い流すようにしてください。翌日のお掃除がぐっとラクになるはずです。
④定期的にコーキングやパッキンを交換する
壁や床のつなぎ目を埋めるコーキングが傷むと、ユニットバスの裏側に水が入りこみ、カビを発生させて浴室全体の劣化を進めてしまいます。
コーキングの寿命は10年程度です。水栓のパッキンとあわせて、10年を目安に交換を検討しましょう。
4.ユニットバス交換のリフォーム費用相場
ユニットバス交換のリフォーム費用の相場は、約50万~130万円程度と幅があります。
これは、ユニットバスのサイズやグレードの違い、工事内容によるものです。
ユニットバス交換の費用や事例などは以下の記事で詳しく解説しています。詳しくはこちらからご確認ください。




5.まとめ
ユニットバス交換のタイミングは、使い始めてから15年前後が目安となります。
ただし、適切なお手入れとメンテナンスを続ければ、20年以上使い続けることも可能です。
「きちんとお手入れしているのにカビが出る」「浴室から悪臭がする」などの症状がみられる場合は、ユニットバスの目に見えない部分が劣化しているサインかもしれません。
まずはご自宅のユニットバスを確認してみて、気になることがあれば水回りに強いリフォーム会社に相談してみましょう。
リフォームガイドでは、お客様のご希望に合うリフォーム会社を無料でご紹介いたします。ぜひお気軽にご利用ください。