浴室タイルの張り替え・補修リフォーム|費用相場や業者の選び方

はがれたタイルや、ヒビの入った浴室のタイルを放置していませんか?
わずかなタイルのはがれやヒビであっても、放置しておくと水が浸み込み、下地や土台を腐食させてしまう恐れがあります。

こうしたタイルの劣化は、日々の掃除がしにくいだけでなく、家の寿命まで縮めかねないため、早めに対処することが大切です。

今回は、浴室タイルの張り替え工事をすべきタイミングの見極め方と補修方法、リフォームにかかる費用を解説していきます。
タイルの張り替えと浴室リフォームの事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

お風呂リフォームの費用と相場


1. すぐに張り替え工事をすべき!浴室タイルの劣化状況

すぐに張り替えが必要なタイルの劣化状況には、次の4つがあります。

  • 傷が付いている、破損している
  • 浮いている、はがれている
  • 目地に汚れが付いている
  • タイルが耐用年数を迎えている

 

それぞれの劣化の特徴を、解説していきます。

①傷が付いている・破損している

浴室のタイルは、経年劣化のほか、固いものがぶつかったり、壁や床のゆがみが影響してひび割れたりすることで破損が生じます。

傷や破損を放置すると壁や床の内部に水が浸透し、建物の構造体にも影響を及ぼすことがあります。柱や土台に水が浸み込むと、腐食して大規模リフォームが必要になることもあるため、早めに張り替えを検討しましょう。

②浮いている・はがれている

経年劣化により、タイルの浮きやはがれが生じている場合も、張り替えをおすすめします。

浮いている状態を放置していると、タイルがはがれてしまい、そこから侵入した水がカビを発生させたり、下地部分の腐食を引き起こす可能性があります。

タイルが浮いているかどうかがよく分からない場合は、タイルを指で押してみてください。タイルを押し込むことができる、または「ミシッ」と音が鳴る場合は、タイルの浮きやはがれがあるサインです。

③目地に汚れが付いている

タイル目地

タイル同士のつなぎ目である「目地」に汚れが付着したりカビが発生したりすると、その部分からタイルに亀裂が入る可能性があります。

タイルの亀裂も水の侵入や基礎部分への被害の原因になるので、早めに補修しておきましょう。

④タイルが耐用年数を迎えている

在来工法のタイルの浴室は、一般的に30年前後が寿命といわれています。

耐用年数を超えたからといってすぐに使えなくなるわけではないですが、ちょっとした衝撃や地震の揺れによってタイルや下地にひび割れやゆがみが生じやすくなります。

水漏れによる下地や土台の腐食の進行を食い止めるためにも、早めのタイル張り替えやリフォームを検討しましょう。

浴室のタイルは、床のみや壁のみなど部分的に張り替えることも可能です。床や壁のみをリフォームする方法や費用を詳しく知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

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2. 浴室タイルの補修・張り替えリフォーム3つの方法と費用

在来工法の浴室タイルのリフォームは、劣化具合や予算に合わせて以下の3つの方法があります。

それぞれのメリット・デメリットと、費用相場を紹介します。

①浴室タイルの補修

浴室のタイルの部分的な欠けやヒビ割れが気になる場合は、まずタイルの補修を検討しましょう。

タイルの欠けやひび割れを補修するには・・・
タイルに似たカラーのエポキシ系の接着剤を、欠けた部分やひび割れにへらを使って塗り込むことで補修することができます。
はみ出した接着剤は乾く前に拭き取りましょう。
タイルの浮きが気になるときは・・・
浮いた部分にタイル用のセメント材を注入し、接着剤と同様、乾く前に余分なセメントを拭き取ってから固定させます。

工期は面積によって異なりますが、1~2日です。接着剤やセメントを乾燥させる養生期間が必要になるため、入浴できない期間を事前に確認しておくと安心です。

部分的な補修であっても、リフォーム会社に依頼する場合は材料費と人件費が発生します。その場合は、3万円以上はかかると心得ておきましょう。

②浴室タイルの張り替え

タイルのヒビ割れが広範囲で見られるときや、下地まで劣化が進行している場合は、タイルの全面張り替えを検討しましょう。

全て張り替える方法だけでなく、床だけや壁だけを​​張り替えることもできますが、下地の劣化がひどい可能性も高いため、場合によっては下地の補修や調整など大がかりなリフォームが必要なこともあります。

全面的に張り替えることで目地部分もやり替えることになるため、目地の汚れやカビが気になるときにも有効です。

ここでは、一般的な0.75坪タイプの浴室のタイルを張り​​替える場合の費用相場を表にまとめました。

張り替え箇所 費用
床だけ 6万円前後
壁だけ 10万円前後
全面 15万円前後

上記の費用はあくまでも目安であり、選ぶタイルや下地の腐食具合によって費用は変動します。

また、工期は2~3日と補修よりもかかるため、その期間中の入浴に関しては銭湯や入浴できる施設などの利用をあらかじめ想定しておきましょう。

③ユニットバスに交換

新築時から30年程度たっているときや、タイルのヒビ割れがかなり進んでいるときは、ユニットバスへのリフォームを検討してください。既存の浴室を解体することになるため、土台の状態も確認でき、水漏れが疑われる場合も安心です。

費用はユニットバスのサイズやグレード、選択する設備によっても大きく変動しますが、85〜200万円が相場です。

工事の流れとしては、在来工法の浴室を解体して撤去し、コンクリートで基礎をつくってユニットバスを設置します。工期は比較的長く、6〜10日程度かかります。

ユニットバスに交換することのメリットは断熱性能が向上し、冬も熱を逃がしにくい点です。ヒートショックの予防につながります。
また清掃もしやすくなり、快適な入浴タイムを実現できるでしょう。

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3. 浴室タイルの選び方

タイルは種類もデザインも豊富にあるため、どれを選べばよいか迷うこともあるでしょう。
ここでは、浴室のタイルの選び方を解説します。

①浴室の壁タイル選びのポイント

浴室の壁のタイルを選ぶときは、掃除がしやすく、防水性の高いものを選ぶのがポイントです。毎日のお手入れを考慮して、最適なタイルを選びましょう。

(1)掃除しやすいものを選ぶ

水あかやカビなどで汚れやすい浴室は、掃除のしやすい素材を選んでください。釉薬(ゆうやく)が使われているタイルは表面がツルツルしているため、掃除がしやすいというメリットがあります。

また、大きめのタイルを使うと目地が少なくなり、掃除も楽になるでしょう。

実際に目地の数が少ないほうが汚れが目立たなくてよいから、目地が少ないものを選ぶというお客様もいらっしゃいます!

(2)防水性の高いものを選ぶ

浴室は水を使用するため、防水性の高いタイルを選びましょう。例えば、陶磁器タイルやガラスタイルは、水が浸透しにくく湿気にも強いという特徴があります。

なお、夜間に水が凍るなど特に寒さの厳しい地域に住んでいる方は、凍結を避けるために耐凍害(※)のタイルを選んでおくと安心です。
※タイルの凍害とは、タイルの隙間に水が入って膨張と凍結を繰り返すことにより、徐々にタイルが損傷してしまう現象のこと

②浴室の床タイル選びのポイント

浴室の床は素足で直接触れる場所であり、タイル選びは慎重に行いたいものです。また、転倒などの事故を防ぐためにも浴室の床に適したタイルを選びましょう。

(1)滑りにくいものを選ぶ

お風呂に入っている間の転倒を防ぐために、浴室の床のタイルは滑りにくいものを選ぶことが大切です。

特に、高齢者や子どもがいる家庭では、滑り止め加工がされているタイルや、表面に凹凸のあるタイルをおすすめします。

なお、タイルはメーカーごとにタイルの用途や機能などを示す「適正表示」が定められています。この適正表示も浴室の床に向いているタイルを選択する判断材料になりますので、カタログやメーカーのウェブサイトなどで確認してみてください。

可能であれば業者に依頼し、実際にサンプルに触れてみてから選ぶのがいいでしょう。

(2)肌触りの良いものを選ぶ

浴室には裸足で入るため、肌触りもチェックしておきましょう。

また、寒い冬でもヒヤッと冷たさを感じにくい特殊なタイルもあるため、機能で選ぶのも方法の1つです。

浴室の床はお掃除で膝をついたときに冷たさや膝の痛みが気になるという方も多いです。入浴中のシーンだけでなく、お掃除するときにどんな風に肌に触れるのかも合わせて考えて決めると良いでしょう。

(豆知識)浴室の印象を左右するタイルの色選び

タイルは機能面で選ぶことも大切ですが、浴室の印象を一番左右するのはタイルの色選びです。

浴室の床タイルと壁タイルの配色は、同系色か単色で統一することが一般的。

また床タイルの色は、壁タイルの色よりも暗めのものを配色すると落ち着いた雰囲気になります。

タイルはさまざまな色・形・質があるので、じっくり吟味して、他にはないオリジナルの浴室に仕上げてみてください。


4. 浴室タイルの張り替えとリフォーム事例を3つ紹介

浴室タイルの張り替えとユニットバスへリフォームした施工事例を、写真付きで3つ紹介します。

リフォーム後の入浴をイメージして、どのようにリフォームするか検討してみてください。

事例①壁タイルを張り替え

※横にスクロールできます

壁タイルを張り替え
壁タイルを張り替え

出典:https://www.artreform.com/example/4331/

浴室のタイルの壁を、一部張り替えしたリフォーム例です。

当初はアナログの浴室テレビを地デジ化することを予定していましたが、地デジ化ができなかったため、テレビは撤去して壁のタイルを一部張り替える工事になりました。

元々の壁はホワイト系のタイルでしたが、張り替えるに当たり、床とトーンを合わせ、グレー系の柄ありタイプのタイルを選択。より落ち着いた印象になり、すてきな仕上がりになりました。

費用 約20万円
(テレビの撤去工事と処分費を含む)
工期 2日

事例②浴室の床タイルを張り替え

※横にスクロールできます

浴室の床タイルを張り替え
浴室の床タイルを張り替え

出典:https://freshhouse.co.jp/case/27345/

浴室の床のタイルのみを張り替えたリフォーム事例です。

こちらの事例では、冬でもヒヤッと感じないタイプのタイル(LIXIL サーモタイルミルキー)に張り替えています。

既存の壁タイルと合わせて、今回も温かみのあるピンク系のタイルにしました。目地部分もきれいになったため、お掃除もしやすそうです。

費用
工期 3日

事例③タイル張りの浴室からユニットバスに交換

※横にスクロールできます

タイル張りの浴室からユニットバスに交換
タイル張りの浴室からユニットバスに交換

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/86

築後30年を迎えた浴室の老朽化が気になり、タイル張りの浴室をユニットバスにリフォームした事例です。

壁の一部に木目調の落ち着いたデザインを選んだことで、高級感のある仕上がりになりました。

換気乾燥暖房機を採用したことで、浴室で洗濯物を干せるようになったのもメリットです。また、もともとあった窓を一部つぶすことで継ぎ目が減り、清掃性も向上しました。

費用 76万円
工期 5日

5. 浴室タイルの張り替えはDIYできる?業者に依頼する場合は?

浴室タイルの張り替えを、なるべく費用をかけずにリフォームしたいと考えている方は少なくないでしょう。ここでは、DIYできるケースと業者に依頼する際のコツを紹介します。

①DIYできるケース

ヒビ割れが数枚ある程度であれば、タイルを張り替えるのではなく、DIYでも補修は可能です。市販のエポキシ系の接着剤や目地補修材を使ってメンテナンスする方法があります。

必要な材料は、ホームセンターやインターネットサイトでも購入できます。ただし、下地や土台への水漏れの懸念がある方や仕上がりが心配で失敗したくない方は、業者に依頼することを検討しましょう。

②業者に依頼する場合

タイルの補修が広範囲なときや、下地の劣化が進んでいる場合は、業者へ依頼することをおすすめします。見えない部分の腐食が進んでしまうと、家の耐久性を弱めてしまうことになりかねません。

また、DIYをした方が費用を抑えられるような部分的な補修であっても、万が一DIYした箇所から水漏れが発生した場合、建物の構造部分に被害を及ぼす可能性があります。

その場合は下地の補修も含めて、改めて業者に対応をお願いすることになりますので、DIYに自信のない方はリフォーム会社に現場を見てもらい、適切に工事してもらいましょう。

浴室タイルの補修は、浴室タイルのリフォーム実績がある会社に依頼するのがおすすめです。
リフォーム業者にはそれぞれ得意分野がありますが、自分が希望する工事を得意としている会社に依頼することで、適切な料金で質の高い工事を行うことができます。

リフォーム会社選びに悩んだらリフォーム会社一括紹介サイトの利用もおすすめ

リフォーム会社は自分で探すことも可能ですが、リフォーム会社一括紹介サイトの利用もおすすめです。

紹介サイトでは、希望するリフォームの実績がある会社を比較検討しながら選ぶことができます。

さらにリフォームガイドでは、専門のコンシェルジュがヒアリングしたリフォーム内容をもとに希望に合わせたリフォーム会社を厳選してご紹介しているほか、無料で見積もり依頼が可能です。

リフォーム会社選びに悩んでいる方はお気軽にご相談ください。


6. 浴室のタイル張り替え・補修・リフォームにかかる期間

ここからは、浴室のタイル張り替えや補修、ユニットバスへのリフォームにかかる期間について紹介します。

浴室のタイル張り替え・補修・リフォームにかかる期間

  • 在来工法のタイル張りの浴室からユニットバスへの交換:6〜10日
  • 全面張り替え:2〜3日
  • 部分補修:1〜2日

上記はあくまでも目安です。例えば浴室のリフォームと洗面所のリフォームを一緒に行う場合は、工期が長くなることがあります。実際にかかる期間については、リフォーム会社に確認しておきましょう。

また、タイル張り替えやユニットバスの設置工事は浴室内のみで工事するため、住みながら行えますが、工事中は浴室を使用できません。リフォーム前に、近隣の銭湯など入浴できる場所について調べておきましょう。


7. まとめ

浴室のタイルの張り替えどきの見極め方やタイルの選び方、費用の目安、工期について解説してきました。

浴室タイルはヒビ割れから水漏れして、タイルの下地や土台まで劣化させてしまうことがあります。下地は普段は見えない部分になりますので、基本的には自分で判断せずリフォーム会社に相談し、補修や張り替えを依頼するのが安心です。

また、在来工法の浴室の耐用年数は、一般的に30年前後といわれています。
劣化が進行する前に手を加えることで、長い目で見ると費用を抑えることにつながることもありますので、タイルの張り替えを検討する際は、年数によってはユニットバスへのリフォームも視野に入れましょう。

どんなリフォーム会社に相談したらよいかわからないという方は、ぜひ一度リフォームガイドにご相談ください。

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