浴室の床だけリフォームは可能?費用や価格を抑える方法・床材の選び方

「浴室床にひびが入った」という場合や、「浴室の床が滑りやすくて危ない…」「床を踏むとひんやりして冬場が辛い」などの不安をお持ちであれば、浴室床のリフォームを検討しましょう。

状態にもよりますが、浴室の床だけをリフォームすることは可能です。またリフォームで床の材質を変えることで、子どもや高齢者が滑って転倒するリスクが低くなり、入浴前の嫌なひんやり感も軽減できます。

今回は、浴室の床だけリフォームの方法や費用相場、床材の種類を解説します。費用負担を軽減する方法や、DIYについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

お風呂リフォームの費用と相場


1.浴室の床だけリフォームは可能

結論からお伝えすると、浴室の床だけリフォームすることは可能です。
ただし可能なリフォーム内容は、在来浴室とユニットバスで異なります。

まず在来浴室でできるのは、「床材の交換」、「シートの上貼り」、「塗装」の3つです。
既存の床材を撤去して新しい床材を取り付けるか、既存の床材の上にシートを貼る、または塗装を施すかの、いずれかの方法を選ぶことになります。

一方でユニットバスでできるのは、「シートの上貼り」と「塗装」のどちらかのみ。すべてのパーツが一体化しているので、床だけを撤去するリフォームはできません。

浴室の種類によって、選べるリフォーム方法が違う点に注意しましょう。次はそれぞれの方法と費用の詳細を解説します。


2.浴室床のリフォームの方法と費用

ここでは浴室別のリフォーム方法と、それぞれの費用相場を見ていきましょう。

在来浴室の場合

在来浴室は床や壁、浴槽などのパーツを現場でそれぞれ作るため、部分的な取り外しが可能です。
そのため「床のタイルが割れた」「床のカビが取れない」のように部分的な悩みがあるときには、柔軟に対応できます。

床だけを交換したいときに選択肢に挙がるリフォームは、下記の3つです。

  • 床材の交換:既存の床材を撤去してつくり直す
  • シートの上貼り:既存の床材の上からシートを貼る
  • 塗装:既存の床材の上から塗装する

それぞれの費用相場は下記のとおりです。

リフォームの内容 費用目安
床材の交換 3~25万円
シートの上貼り 4〜14万円
塗装 5~9万円
在来浴室ごとのつくり直し 60~200万円

床材の交換は、既存の床を解体するため、床下の構造材の傷み具合を確認・修繕できる点がメリット。腐食や劣化による水漏れを防ぐこともできます。

一方でシート施工は、貼るだけでリフォームできる手軽さと安価さがメリットです。施工も当日中に終わるでしょう。

そして塗装のメリットは、防汚や防水など機能性の高い塗料で仕上げられ、廃材処分費がかからないことです。塗装前に汚れの処理と欠損部分を補修するため、新品のような仕上がりになります。

ただしひび割れやコーキングの劣化、床を解体した後の下地が腐っている、水漏れなどで修繕が必要な場合は、別途補修費用がかかります。

浴室全体をリフォームしたほうが結果的に費用を抑えられることもあるので、リフォーム会社と相談のうえ検討しましょう。
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ユニットバスの場合

すべてのパーツが一体化しているユニットバスでできるリフォームは、「シートの上貼り」と「塗装」のみです。
希望の仕上がりからどちらにするのかを決めるとよいでしょう。

リフォームの内容 費用目安
シートの上貼り 4〜14万円
塗装 5~9万円
ユニットバスごとの交換 60~150万円

ただしシートを貼る場合は、シートの厚みによって浴室のほうが高くなり、水が浴室の外へと流れ出てしまう恐れがあります。出入口との段差やシートの厚みなどは、リフォーム会社と要相談です。

なお、ユニットバスの耐用年数は10〜15年のため、使用年数が10年を超えているのなら、床だけではなく全体の交換をおすすめします。

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3.浴室の床をリフォームするメリット

浴室の床をリフォームするメリットを整理してみましょう。

[1] 床のひんやり感がなくなる

在来工法の浴室の場合、タイル貼りの床が多く見られます。冬場は床がひんやりとして、入浴がおっくうになりやすいのがデメリット。床をリフォームして素材を変更すると、タイル特有のひんやり感が軽減できます。

[2] 床が滑りにくくなる

タイル貼りの床は水がかかると滑りやすくなり、転倒のリスクが高まります。滑りにくい床材にリフォームすることで安全に入浴できるため、子どもや高齢者がいる家庭には特におすすめです。

[3] カビによる健康被害を防げる

浴室は湿気が多く、どうしてもカビが生えやすい環境になります。カビが生えると見た目が悪くなるだけでなく、アレルギー反応や喘息などの健康被害を引き起こすこともあるため、放置しておくのはよくありません。カビの生えた床をリフォームすると、清潔な環境になるので安心して入浴できます。

[4] 掃除が楽になる

水はけのいい床材や、汚れが落ちやすい床材に変更することで、浴室の床掃除が楽になります。浴室の床は範囲も広く、掃除が大変な場所なので少しでもお手入れしやすい床材にすると、家事の時短にもなるでしょう。


4.浴室の床材の特徴と性質

浴室の床リフォームに必要な費用をお伝えしましたが、実は床材の素材によっても費用が左右されます。ここでは主に使用される素材の特徴などをお伝えしますので、リフォームの参考にしてください。

【樹脂床材】比較的安価で滑りにくい

樹脂床材のユニットバス
出典:クリナップ
おすすめの人 ・子どもや高齢者がいる
・費用を抑えたい
費用 7~15万円
適した浴室 在来工法
ユニットバス

ユニットバスで一般的に採用されている素材で、在来工法の浴室でも用いられます。高い耐久性や滑りにくいといった特徴があり、費用も抑えられます。

ただし汚れが蓄積しやすく、日々のこまめな掃除が欠かせません。

【シート床材】低コストでリフォーム可能

浴室床シート

出典:https://www.artreform.com/example/3335/

おすすめの人 ・費用を抑えたい
・DIYにチャレンジしたい
費用 5~10万円
適した浴室 在来工法
ユニットバス

シートタイプの床材は費用を抑えつつ、手軽に床をリフォームしたい方におすすめ。元の床の上にシートを貼るだけなので、DIYにも適した素材です。

さまざまな見た目のシートが販売されているので、自分の好みに合わせて選べるのもメリット。クッション性や滑り止めなどの機能も備えており、手軽なリフォームで快適な浴室に生まれ変わるでしょう。

ただしシートを貼るだけなので、床の復旧はできません。床の下地まで傷んでいる場合や、あまりにもカビがひどい場合は応急処置にしかならないので、床の状態が心配な方はプロに判断してもらうとよいでしょう。

またカビの黒ずみを除去する洗剤を長時間塗布することができない商品もあるため、お掃除の観点からも慎重に選ぶようにしましょう。

【FRP床材】床のひんやり感を解消

FRP床材のユニットバス
出典:TOTO
おすすめの人 ・子どもや高齢者がいる
・床のひんやり感を解消したい
費用 10万円~
適した浴室 在来工法
ユニットバス

FRP(Fiver Reinforced Plastic)とは繊維強化プラスチックのこと。軽いのに耐久性に優れているという特徴があり、船や風力発電の羽にも使われるほど丈夫な素材です。滑りにくく、保温性に優れているなどのメリットも併せ持っていることから、近年浴室の床材として導入されることも多くなっています。

デメリットとしては、導入コストが高く、傷がつきやすいといった点があります。

【タイル床材】冷たくない商品もある

浴室のタイル床材
出典:LIXIL
おすすめの人 ・おしゃれな浴室に仕上げたい
・タイルならではの質感を楽しみたい
費用 10万円~
適した浴室 在来工法

タイルは在来工法の浴室に使用されることが多い素材です。特徴としてはデザイン性に富んでいることや、色やサイズのバリエーションが豊富なこと。床のみならず、壁にも用いることが可能です。

ひと昔前のタイルは滑りやすい、冷たいといったデメリットが目立っていましたが、近年のタイルはそれらのデメリットをカバーする製品も登場しています。またタイルは部分的な補修が可能なので、割れたり汚れが落ちなくなった部分だけ交換することも可能です。

デメリットとしては、タイルを貼るには熟練の技が必要なので、費用や工期が長くなりやすいことが挙げられます。タイル自体は汚れがつきにくい素材ですが、目地に水が残りやすく汚れやカビの原因になるため日々のお手入れは必要です。

【木製床材】木の質感や香りを楽しめる

おすすめの人 ・温泉施設のような雰囲気を楽しみたい
・木の香りや温もりを感じたい
費用 15万円~
適した浴室 在来工法

和の雰囲気を感じる浴室にしたい、木の質感や香りを楽しみたい場合は、木製の床材もあります。高級感があり、自宅の浴室が温泉施設のような雰囲気になります。滑りにくく、保温性に優れているのもメリットです。

ただし、木なので水には強いとは言えず、経年劣化で腐ったりぬめりが出たりします。使用後はよく乾かすなど、日々のお手入れが欠かせません。

【天然石床材】露天風呂のような高級感

※画像はイメージです

おすすめの人 ・高級感のある雰囲気が好み
費用 20~40万円
適した浴室 在来工法

天然石の床材は、露天風呂のような高級感のある雰囲気が味わえます。汚れやカビもつきにくく、日々のお手入れで清潔が保てるでしょう。

デメリットとしては、コストがかかることや滑りやすい、冬場はひんやりとするといった点があります。固い素材なのですべったときにケガをしやすく、子どもや高齢者がいる家庭にはやや不向きでしょう。


5.浴室床リフォームの費用を抑える方法

「床だけのリフォームだから費用はかけたくない」「そのうち浴室ごとリフォームするかもしれないから…」などの理由で、費用を抑えたい方もいるはずです。ここでは浴室床リフォームの費用を抑える4つの方法をお伝えします。

[1] 床材のグレードにこだわらない

浴室床リフォームは先ほども紹介したように、素材によって費用が左右されます。そのため、費用を抑えるのであれば床材はなるべく安い素材にしたり、グレードにこだわらないのが一番です。

[2] 介護保険を利用する

要支援・要介護認定されていることが前提となりますが、浴室を滑りにくい床にリフォームすることで、介護保険から補助金が支給されます。

高齢者がいるお宅の浴室床リフォームをする際は、一度担当のケアマネジャーに相談するとよいでしょう。

▼浴室のリフォームで使える補助金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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[3] 相見積もりを取る

リフォームの費用を安くしたいのであれば、はじめから1社に絞らず、2~3社から相見積もりを取りましょう。
複数の業者を比べて高すぎないか、あるいは安すぎないかチェックすることができます。

また、業者は浴室リフォームの実績が豊富な会社に依頼すると、独自ルートで材料を手に入れられて、施工費用も安くなる可能性があります。

[4] DIYに挑戦する

DIYが得意な方は、床シートを使ったDIYにチャレンジすれば安くリフォームできます。

ただしDIYについてはいくつか注意点がありますので、次で詳しく説明します。


6.浴室床リフォームDIYの注意点

DIYをお考えの場合は、注意点もあわせて確認しておきましょう。

[1] 下地補修をしっかりする

シートを上貼りする場合、きれいに仕上げるためには下地補修をしっかりと行いましょう。既存のタイルを剥がしてから行う場合も、そのまま上から貼り替える場合も、しっかり目地や凸凹をなくすように補修するのがポイントです。
下地補修の工程は仕上がりに大きく影響するので、念入りに行いましょう。

[2] タイル貼りはDIYでは難しい

浴室の床は狭い範囲ですが、床シート以外の素材を使ってDIYするのは至難の業です。
タイルはホームセンターでも手に入りますが、実はタイル貼りはプロでも気をつかうポイントで、専門の職人がいるほど。
経験が浅い方が行うと失敗する可能性が高くなるので、おすすめできません。

[3] 土台の状態が悪すぎるとDIYできない

既存の床材が割れてしまっている場合、そこから浴室の土台に水がしみ込み腐食を起こしている可能性があります。その状態になるとDIYでの補修ができないので、業者に頼んで修理してもらいましょう。

目立ったひび割れがなくても、下地が大丈夫かどうかは判断しづらいため、少しでも不安を感じたら業者に依頼することをおすすめします。


7.まとめ

浴室床のリフォームをすれば、これまで気になっていたひんやり感や見た目などの問題が一気に解決できます。浴室床リフォームは素材によって費用が異なるので、なるべく費用を抑えたいのであれば、樹脂や床シートなどを選ぶとよいでしょう。

DIYも費用を抑える方法のひとつですが、下地や土台の状態が悪すぎるとDIYでは手に負えない可能性があります。素人では判断が難しい場合もあるので、不安がある場合はプロに相談するのがおすすめです。

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