【2023年度】蓄電池導入時の補助金制度|魅力的な制度内容や注意点を解説

蓄電池補助金

日々の電気代を節約するため、また災害時に備えるために蓄電池の導入を考えている方は多いのではないでしょうか。しかし、そのまま蓄電池を導入するには大きな費用が必要となるため、少しでも導入費用を抑えるために補助金制度を利用したいものです。

この記事では、蓄電池の導入に活用できる補助金制度について解説します。魅力的な制度内容を紹介するだけでなく、補助金制度を活用する際の注意点についても触れるので、蓄電池を検討する際に役立ててください。


1.蓄電池の導入に活用できる補助金制度

蓄電池の導入に活用できる国の補助金制度は、次の3つです(2023年9月現在)。

  • こどもエコすまい支援事業
  • DR補助金
  • DER補助金

そのほかに地方自治体による補助金制度も活用できる場合があります。できるだけお得に蓄電池を導入するために、それぞれの制度内容について把握しておきましょう。

1-1 こどもエコすまい支援事業【予算終了】

こどもエコすまい支援事業は、予算上限(100%)に達したため、2023年9月28日を持ちまして、交付申請(予約含む)の受付を終了しました。

こどもエコすまい支援事業は省エネ住宅を取得・改修する、主に子育て世帯や若者夫婦世帯に対する国の支援制度です。子育て世帯や若者夫婦世帯に向けた補助金が多いですが、リフォーム工事の場合は住宅の所有者等であれば補助対象となります。蓄電池の補助金額は一戸につき一律6万4,000円です。蓄電池1台あたりではないので注意してください。
また、蓄電池システムはどんなものでも良いわけではなく、SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に令和4年度以降登録・発表されている蓄電池システムであることが必要です。

申請手続きは工事完了後、こどもエコすまい補助金の対象事業者として登録された施工業者がおこないます。2023年3月31日から始まった申請期限は2023年12月31日までですが、予算上限に達した時点で終了となるため、お早めの申請をおすすめします。

なお、以下で紹介する国の補助制度と重複して補助を受けることはできませんが、地方自治体の補助制度については併用可能です。

【予算終了】「こどもエコすまい支援事業」のリフォームで最大60万円の補助がもらえる!
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1-2 DR補助金

DR補助金(電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業)は、蓄電池の導入を促進するために国が設けた補助金制度です。電力を管理・制御する事業者と連携し、蓄電池の充放電などを活用して電気の需給バランスを調整する仕組みに対応することを条件として、補助金が交付されます。
設置後6年間で電力の「需給ひっ迫警報・注意報」が発令された場合、充放電を遠隔操作されるため経済的な損失が発生することになりますが、警報・注意報が発令される可能性は低いため、経済的損失はほとんどないと考えて良いでしょう。

家庭用と業務用に分かれており、いずれも蓄電池の新規導入が対象です。60万円を上限として、次のいずれか低い金額の補助が受けられます。

  • 蓄電池の初期実効容量1kWhあたり3万2,000円
  • 蓄電池の購入費用(工事代含む)の3分の1

DR補助金の対象事業者として登録された販売業者から蓄電池を購入する必要があり、販売業者が交付申請をおこないます。申請期間は2023年1月31日から2023年12月22日までとなっておりますが、高額補助金として人気の補助金制度のため、申請は早めに済ませるようにしましょう。
DR補助金は国の補助金制度と併用はできませんが、各自治体の補助金制度と併用可能です。

1-3 DER補助金

DER補助金(蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業)は、電気を効率良く管理・運用し、安定供給を目的とした国の補助金制度です。DER補助金は電力を管理・制御する事業者と連携し、実証実験に協力することを主な条件として補助金を受けられます。実証実験は充放電の遠隔操作が10回程度おこなわれます。
DR補助金と名称が似ていますがそれぞれ異なる補助金で、DRは蓄電池のみの導入に対応した補助金なのに対し、DERではV2Hやエネファーム、HEMSも対象となっている点が特徴です。

支給される補助額は60万円を上限に、以下のような条件によって異なります。

  • 補助率3分の1以内
  • 条件を満たしている場合:初期実効容量1kWhあたり3万2,000円
    条件を満たしていない場合:初期実効容量1kWhあたり2万7,000円
  • TPOモデル(第三者所有モデル)+条件を満たしている場合:初期実効容量1kWhあたり4万7,000円
    TPOモデル(第三者所有モデル)+条件を満たしていない場合:初期実効容量1kWhあたり4万2,000円

DR補助金とDER補助金、受けるならどちらが良いのか考える方も多いですが、導入する蓄電池の初期実効容量によって適した制度が異なるため、販売業者に相談してみましょう。

手続きは登録された販売業者がおこない、申請期間は2023年7月18日から2023年12月22日まで、実証事業は2024年1月から2月の間に実施される予定です。上2つの補助金制度と併用はできませんが、地方自治体の補助金は併用して受けられるので、ぜひ活用してください。

1-4 地方自治体の補助金

国だけでなく地方自治体による補助金制度も多数あります。
たとえば東京都では設置価格の4分の3、1kWhあたり15万円・最大120万円の蓄電池補助金を受けられるほか、各市区町村の補助金も追加で受けられます。また、北海道河東郡上士幌町では設置価格の4分の3、上限300万円まで補助されます。いずれも一定要件を満たす必要がありますが、大きな補助費用となるためぜひ活用したいものです。

上記のように、市区町村ごとに独自の補助金制度を設けています。補助金額や適用条件などがそれぞれ異なるため、お住まいの自治体で活用できる補助金制度がないか調べてみましょう。
こちらのサイトから検索することもできます。
>>一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和5年度版)」

上記の補助金のうち、各自治体の補助金のみ、他の補助金と併用可能です。補助金申請に慣れている会社であれば自治体の補助金についても詳しいことが多いので、相談してみましょう。
回答

2.蓄電池の価格

蓄電池の価格はメーカーや容量、仕様などによって大きく異なります。家庭用蓄電池の容量は4.0~16.6kWhほどで、工事費を含めて100万~250万円程度を目安にすると良いでしょう。容量が大きくなるほど、1kWhあたりの価格は割安になる傾向にあります。

なお、一般的には10~15年ほどが蓄電池の寿命とされていますが、充放電サイクルが早ければ交換の時期が早まります。充放電回数の上限は機種によって異なるので、寿命にも着目して選ぶようにしましょう。


3.蓄電池の補助金を活用する際の3つの注意点

国や各自治体で蓄電池の補助金制度を設けていることがわかりましたが、ここからはすべての制度に共通する3つの注意点について解説します。

5-1 必ず補助金を受けられるとは限らない

補助金の適用条件は制度によって異なります。蓄電池であれば何でも補助金の対象になるわけではないことに注意してください。特に国の制度では「SIIに登録されている蓄電池システムであること」という条件があります。補助金の対象になる蓄電池かどうか、導入前に販売会社等に確認しておきましょう。

5-2 申請を早めにおこなう

補助金には予算があり、申請期間内でも予算を使い切った時点で締め切りとなります。いわば早い者勝ちなので、補助金制度の種類と適用要件、申請手順を把握して早めに行動するようにしましょう。

5-3 業者選びを慎重におこなう

国の補助金制度は、対象事業者として認められた施工業者を通して申請する必要があります。また、工事の契約を結ぶ前に申請をおこなわなくてはなりません。

蓄電池の補助金制度を熟知した施工業者でなければ補助金を受けられない可能性もあるので、業者選びを慎重におこない、信頼できる業者に依頼することが大切です。