外壁塗装の耐用年数の目安は?塗料の種類や次の塗り替えタイミングも解説

外壁塗装について調べていると「耐用年数」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
塗装業者の訪問営業で、「耐用年数が長いのでメンテナンスの手間がかからないですよ」といった話をされることもよくあるようです。

外壁に使われる塗料には、それぞれ耐用年数が設定されています。
これは、塗料メーカーの試験により算出された、耐久性が持続する年数です。そのため、塗料の耐用年数から次の塗り替えが必要になるまでのおおよその期間を把握することができます。

そこで今回は、外壁塗装に使われる塗料の種類ごとの耐用年数や、塗料の選び方、外壁塗装の正しい時期、耐用年数を保つ方法などを紹介します。外壁メンテナンスの計画を立てる際の参考にしてください。

外壁リフォームの費用と相場


1.外壁塗装の耐用年数は10〜20年

外壁塗装の一般的な耐用年数は10~20年が目安です。訪問営業では「30年」と言われるケースもありますが、現在市場に出回っている塗料の耐用年数は30年も満たしません。そもそも耐用年数とは、一般的な使用方法において、塗料メーカーや施工業者が品質を保証できる限度を指します。

耐用年数は塗料の種類や外壁材によって異なります。また、直射日光を受けやすい、台風が多いなど環境によっても塗料の劣化スピードは変わるため、表示される耐用年数を待たずに再塗装が必要になる可能性もあります。

そのため、あくまでも耐用年数は次の塗り替えまでのおおよその目安と考え、実際には外壁の状態に応じて塗装のタイミングを見計らうのがよいといえます。現状の耐用年数は10~20年と考え、30年以上とうたっている外壁塗装業者には注意してください。


2.外壁塗装の耐用年数は塗料によって変わる

外壁塗装が何年くらいもつのかは、塗った塗料の耐用年数によって決まってきます。

下の図が塗料別の耐用年数となります。

塗料別の耐用年数

最も耐用年数の短いアクリル系の塗料で6~8年程度、最も耐用年数の長い無機塗料で20〜25年程度が目安です。

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3.耐用年数の長い塗料ほど高額になる

次に、塗料の違いによって外壁塗装の相場がどの程度変わるのかを説明します。

下の図は30坪の標準的な2階建ての戸建住宅を外壁塗装した場合の相場です。

塗料別の外壁塗装の費用相場

あくまでも目安なので条件によって異なりますが、耐用年数の長い塗料ほど価格も高くなるのが一般的です。


4.耐用年数から考える外壁塗装の塗料の選び方

耐用年数が長いと、次回までの外壁塗装の期間が長くなります。しかし、耐用年数が長い塗料ほど費用が高くなるため、どの塗料を選べばいいのか分からないという方もいるでしょう。

ここでは、耐用年数に考慮した塗料の選び方を解説します。

4-1.費用対効果のいい塗料を選ぶ

長期的なコストパフォーマンスを考えて塗料を選ぶ際には、下のグラフを参考にしてください。

塗料の費用対効果

このグラフは、「塗料の耐用年数」と「1年当たりの費用」の関係を示しています。

耐用年数の長い塗料であるほど、1年当たりの費用は割安になる傾向にあります。これは、外壁塗装の費用は「足場の組み立て費用」「職人の費用」などが含まれており、それら塗料「以外」の費用(人件費や足場の組み立て費、諸経費など)が約8割を占めるためです。

そのため塗料代が高くなったとしても、1回の塗装で20年もつ場合と、10年の耐用年数で2回塗装をしなければならない場合を比べると、前者のほうが費用対効果が高くなるのです。

長期的にコストパフォーマンスを考えれば、耐用年数が長い塗料を選ぶ方がよいでしょう。

4-2.家の状況によって選べる塗料が限られることも

しかし外壁塗料で選べる塗料は、家の状況や環境によっては限定されてしまう可能性もあります。

例えば、海の近くにある家は塩害を受けやすいので、サビに強い塗料が求められます。このケースでは、耐久性と防サビ効果に優れたフッ素塗料や無機塗料が選択肢となるでしょう。強い日差しを受ける地域では、UVカット機能を持つ塗料を選ぶことで紫外線の影響を軽減させられます。

他にもモルタルではひび割れ対策に弾性塗料を使用するなど、外壁材の種類によって適した塗料が変わってくる点にも注意してください。


5.外壁塗装をすべき正しい時期

外壁塗装を行う時期は、新築後は10年程度、一度塗装をしている場合は、前回使用した塗料の耐用年数が目安となります。大体10~20年が一般的な塗装のタイミングです。

ただし、この年数はあくまでも目安で、耐久性の高い塗料でも施工品質や環境条件によっては早めの塗装が必要になることも珍しくありません。

そのため塗装のタイミングは、外壁の状態から判断する必要があります。

塗装タイミング

代表的な症状には、白い粉が出るチョーキング現象、ひび割れ、カビやコケの発生、サイディング外壁の反りなどがあります。これらの症状が出ている場合は、外壁塗装を検討しはじめましょう。

外壁塗装の塗膜の膨れや、下地の露出が起こる前に塗装することが理想です。

外壁を触ったときに白い粉のようなものが付く(チョーキング)、ひび割れを発見した、という場合は、プロに点検を依頼して、メンテナンスの時期を見極めることをおすすめします。

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6.外壁の耐用年数を保つ方法

外壁の耐用年数を保つことができれば、家の美観を維持し、メンテナンスするまでの期間も延長させる可能性があります。ここからは、外壁を長持ちさせるためのコツを紹介します。

6-1.「低汚染性」や「防カビ性」などの機能性塗料を選ぶ

外壁の耐用年数を保ちたいのであれば、機能性塗料の使用がおすすめです。機能性塗料は、低汚染性、防カビ性、防藻性、遮熱・断熱性といった特殊な機能を有しています。

例えば、低汚染塗料や光触媒塗料には、セルフクリーニング機能があります。雨水で外壁に付着した汚れが流されたり、太陽光によって汚れを分解したりする機能があり、汚れに強い外壁にできるのです。

風通しの悪い場所の外壁は、カビやコケの発生を抑えられる防カビや防藻機能がある塗料が望ましいでしょう。

カビや藻、ほこり、排気ガスなどは外壁の劣化の原因となるので、機能性塗料を使うことで壁が守られ、耐用年数の維持につながります。

6-2.こまめに掃除する

外壁をこまめに掃除することも、耐用年数を維持するためには大切です。たとえ、機能性塗料を使用していても、外壁の汚れがひどいと塗料の性能が最大限発揮されません。その結果、外壁の劣化スピードは加速してしまいます。

こまめに外壁の掃除をして汚れを落とすことで、塗料の効果が続く期間が長くなります。同時に、外観の美観を長期にわたって維持できるメリットもあります。

外壁の汚れは、こびりつく前に落とすことが肝心です。柔らかいモップやブラシを使えば、自分自身で外壁の掃除はできます。家庭用高圧洗浄機を使うのもよいでしょう。ただし、高所の部分は危険が伴うので、しっかり掃除したい時は専門業者への依頼がおすすめです。

6-3.色あせしにくい色を選ぶ

実は、塗料の色によっても劣化スピードは変わってきます。そのため、家の美観を長く保ちたい場合は、色あせしにくい色を選ぶのがおすすめです。

塗料に含まれる顔料の原子は紫外線に破壊される性質があり、白い粉状となって表面化します。この劣化症状をチョーキング現象と呼びます。チョーキング現象が起きている外壁は撥水(はっすい)性が悪い状態なので、外壁材に雨水が浸水しやすくなり、内部で腐食や雨漏りが起きる原因となってしまう恐れがあるのです。

このようなトラブルを避けるためには、色あせしにくい白や黒、青系の色がおすすめです。
ただし、真っ白な塗料や真っ黒な塗料、鮮やかな青は汚れが目立ちやすいので、気になる方はアイボリーやベージュ、グレージュといった中間色を選ぶといいでしょう。

反対に、色あせしやすい色は赤や紫、黄色です。これらの色を全面的に使うのは避けた方がよいでしょう。

6-4.技術のある塗装職人に施工してもらう

塗装の技術も、塗料の耐久性に影響してきます。

外壁塗装は、外壁材や環境などに合わせて適切な塗料・施工方法を選んで、施工する必要があります。

知識や技術、経験が不足している職人が施工すると、必要な下地処理がされていなかったり、正しい工程で塗装してもらえなかったりするリスクがあります。塗装の施工不良は、塗料がはがれやすくなったり、早々にひび割れが発生することに繋がります。

外壁塗装は、腕のいいベテランの塗料職人がいる会社に依頼することが非常に大事なのです。


7.まとめ

外壁塗料には、それぞれメーカーが定める耐用年数が存在します。条件によっては耐用年数が経過する前に外壁塗装が必要になることもありますが、次にいつメンテナンスすればいいのか目安を把握するのに役立ちます。

耐用年数が長い塗料を使えば、外壁塗装をする頻度が減り、ランニングコストを削減することが可能です。しかし、グレードが高い塗料ほど費用が高くなるため、現在かけられるコストとのバランスや、あと何年住む予定があるのかにも考慮して、わが家に適した塗料を選択するようにしましょう。

塗料選びに悩んだときは、専門知識や実績が豊富な外壁塗装業者に相談しながら決めるのもおすすめです。

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