外壁塗装が必要ない家の特徴と見分けかた、塗装の役割を解説

「外壁塗装って必要ないのでは」
「うちの家は外壁塗装が必要なのだろうか」
こういった疑問を持っているのなら、この記事が役に立つでしょう。
以下では、外壁塗装が必要ない家の特徴や見分けかたを紹介します。
外壁塗装は50万円を超える高額な工事のため、必要ないのにおこなうのは損でしかありません。
この記事を読むことであなたの家に外壁塗装かどうかを判断できるようになりましょう。
1.外壁塗装が必要ない家の特徴
外壁塗装が必要ない家の外壁材には、塗装をしなくても高い耐久性を保てる素材が多いです。
外壁塗装が必要ない家には以下があります。
・外壁がタイルの家
・外壁がレンガの家
・サイディング外壁に張り替えて8年以内の家
これらの家はなぜ外壁塗装が必要ないのでしょうか?
1-1.外壁がタイルの家
外壁がタイルの家には塗装が必要ありません。
タイルは表面に塗装が必要なく、30年を超える長い耐用年数があるからです。
タイル外壁を塗装してしまうと10〜15年程度で塗膜が劣化して見栄えが悪くなります。
基本的にタイルには塗装をしないようにしましょう。
1-2.外壁がレンガの家
外壁がレンガの場合も塗装は必要ありません。
レンガはタイルよりも耐用年数が長く、50年以上もつケースも多いです。
レンガを塗装してしまうと塗料の耐用年数である10〜15年ごとに劣化して塗替えをしなくてはいけません。
メンテナンスの手間が増えるため、基本的にレンガを塗装する必要はありません。
1-3.サイディング外壁に張り替えて8年以内の家
サイディング外壁は張り替えから10年程度は塗り替えなくても大丈夫なものが多いです。
「色あせ」や「ハガレ」といったように塗装が劣化したり剥がれたりしていなければ外壁塗装は不要と考えましょう。
ただし「木質系サイディング」は劣化しやすいため、10年以内でも塗り替えが必要です。
また、塗装は不要だとしても目地に使っている「シーリング」は8〜10年で劣化するため補修が必要でしょう。
2.自宅に外壁塗装が必要かどうかを見分ける方法
あなたの自宅に外壁塗装が必要かどうかは、外壁に使っている材質で見分けられます。
耐用年数が長い外壁材を使っている場合は外壁塗装が必要ありません。
外壁塗装が必要な外壁材の場合は、塗り替えの時期を見抜くことでいつ塗装をすればよいかがわかります。
塗り替えが必要な外壁の塗装タイミングは10〜15年を目安にするとよいでしょう。
ただし、年数よりも確実に塗り替え時期を調べる方法があります。
最適な時期を見抜く基準は「劣化状態」です。
以下では、塗装が必要ない外壁材のほか、塗り替えに最適な時期の見きわめかたを解説します。
2-1.タイルやレンガの外壁かどうかを確認
外壁材が「タイル」や「レンガ」の場合は塗装が必要ありません。目地の補修は10年おきに必要となりますが、塗り替えは考えなくてよいでしょう。
外壁がタイルやレンガかどうかを見抜く方法は、見た目や手ざわりです。
- 見た目に凹凸が多い
- 目地部分の手ざわりがザラザラしている
- 叩いてみるとガラスや石のような音がする
上記が当てはまる場合は外壁材がタイルやレンガの可能性が高まります。
自信がもてない場合は外壁塗装の業者に確認してもらうとよいでしょう。
2-2.サイディングに張り替えてから8年が経過していないか確認
外壁塗装が必要な「サイディング材」を使っていたとしても、張り替えてから10年程度は塗装が必要ありません。
ただし、塩害や台風が多い地域だと、サイディング外壁に張り替えてから8年程度が経過していれば塗り替えが必要になる可能性があります。
サイディングに張り替えてから8年が経過している場合は外壁を一度チェックしてみるとよいでしょう。
確認してみて塗装がはがれていたりひび割れが目立ったりしているのなら、塗り替えを検討してください。
2-3.劣化症状が出ていないか確認
外壁を確認して以下の症状が出ている場合は塗り替えを検討するかすぐに塗装しなくてはいけません。
逆に言えば、劣化症状が出ていないのなら塗装が必要なサイディング素材であってもまだ塗り替えしなくてもよいでしょう。
外壁塗装が必要となる劣化症状には以下があります。
色あせ
塗装本来の色が失われて薄くなっている現象が色あせです。
外壁塗装における劣化の初期段階であり、放置すれば塗膜がはがれる危険があります。
外壁塗装がすぐに必要なわけではありませんが、2〜3年以内に塗り替えをすることが望ましいでしょう。
カビ、コケ
外壁にカビやコケが生えてしまう症状です。
カビやコケは外壁の塗料に根を張って劣化させてしまいます。
劣化した塗料ははがれやすくなるだけではなく、カビやコケによって見栄えが悪くなります。
すぐに塗り替えをしなくても大丈夫ですが、見栄えを気にする場合は外壁塗装を検討しましょう。
チョーキング
外壁の塗装に含まれる樹脂が劣化して、色をつける「顔料」が粉状に露出する現象です。
外壁をさわってみて粉がつくようならチョーキングを疑ってください。
チョーキングが発生している外壁の塗装は、「下地を保護する」という役目を失っています。
放置すれば下地材の劣化やひび割れを引き起こすため、1年以内に塗り替えをしたほうがよいでしょう。
ひび割れ
外壁の塗装や下地材がひび割れする現象です。
ひび割れした部位から虫や雨が侵入して、建築材の劣化や雨漏りを引き起こしやすくなります。
放置するとひび割れが広がっていき外壁の補修費用が増えるため、見つけたら早めに補修をしてください。塗装だけでは直せず、コーキングやモルタルによる補修が必要です。
塗膜の浮き・ハガレ
外壁の塗膜が浮いたりはがれたりする症状です。
塗膜が浮いた場合は内部に水や空気が入っており、放置すると表面の塗装がはがれてしまいます。
「ハガレ」は塗膜がはがれる現象で、下塗りや下地材が露出してしまいます。
露出した下塗りや下地材は紫外線や雨にさらされてしまい劣化の進行が早くなるでしょう。
下地材が劣化しつづけると、補修の際に高額な費用が必要となります。
3.外壁塗装が必要な家でメンテナンスをしないと起こる問題
外壁塗装が必要な家では定期的にメンテナンスをおこなわないとさまざまな問題が起こります。
外壁塗装には2つの役割があります。
- 美観の維持
- 外壁材の保護
メンテナンスをおこなわないと上記の機能が失われてしまい、見栄えが悪く内部がボロボロの外壁となってしまうでしょう。
メンテナンスをせずに放置した場合は以下の問題が起こります。
- 雨漏りが発生する
- すきま風が入ってくる
- 補修費用が増加する
- 見栄えが悪くなる
それぞれを詳しく解説していきましょう。
3-1.雨漏
外壁のメンテナンスをしないで放置すると、ひび割れや塗膜のハガレによって雨漏りが起こりやすくなります。
特に、ひび割れと外壁の破損は隙間ができてしまうため雨が侵入しやすくなるでしょう。
3-2.すきま風
外壁のメンテナンスをしない住宅は、ひび割れや破損が発生しやすくなり、すきま風に悩まされる可能性があります。
すきま風が発生するほど大きな破損が生まれるケースは少ないですが、台風や大雨の直後だと外壁が破損することもあります。
災害直後は外壁をチェックして、必要なら塗装や補修によってメンテナンスをしましょう。
3-3.補修費用の増加
外壁の補修をしないで放置すると劣化が激しくなって次回の補修費用が増えます。
最悪の場合は住宅の建て直しが必要となり、2,000万円以上の支出となるでしょう。
外壁塗装の場合は100万円程度で工事ができるのに、放置しすぎたために2,000万円が必要となっては損でしかありません。補修費用を安くするためにも10年程度でメンテナンスをおこなうよう意識しましょう。
3-4.見栄えが悪くなる
外壁塗装のメンテナンスをせずに放置すると、塗装がはがれて見栄えが悪くなります。
塗料は10年もすれば色あせやチョーキングが発生しはじめるため、塗り替え直後のような魅力的な色彩は維持できません。
20年も放置すれば外壁の塗料ははがれ、ひび割れが目立ち、色は黒ずんでいることでしょう。
ボロボロの外壁は近隣住民から白い目で見られる可能性が高く、世間体を考えると塗り替えをしたほうがよいと考えられます。
4.外壁塗装ができるだけ必要ないようにする対策
外壁塗装の工事は1回で50万円以上の費用がかかるため、可能な限りやりたくないというのが本音でしょう。
以下では、外壁塗装をできるだけ必要ないようにする対策を解説します。
対策は3つあります。
- 耐用年数が長い外壁塗料を使う
- 塗装が必要ない外壁材に張り替える
- 悪徳業者に依頼しない
すべて実践すれば外壁塗装の費用を抑えたりメンテナンスの手間を省いたりすることが可能です。
4-1.耐用年数が長い外壁塗料を使う
メンテナンスの手間を減らすためには、耐用年数が長い塗料を使うことが重要です。
外壁塗装では、最短で6年、最長で25年程度の寿命をもつ塗料が存在します。
外壁塗装では耐用年数が長い順に以下の5種類の塗料があります。
- 無機塗料:耐用年数は最長25年
- フッ素塗料:耐用年数は最長20年
- ラジカル塗料:耐用年数は最長16年
- シリコン塗料:耐用年数は最長15年
- ウレタン塗料:耐用年数は最長10年
上に行くほど価格は高くなりますが、可能なかぎり外壁塗装をしたくないのであれば無機塗料やフッ素塗料を選びましょう。
ただし、無機塗料は品質に大きな差があるため、商品の善し悪しを見抜く目が必要です。
確実性を求めるならフッ素塗料を選びましょう。
4-2.塗装が必要ない外壁材に張り替える
外壁塗装をしないための対策で有効なのが、塗装が必要ない外壁材に交換することです。
タイルやレンガ素材であれば外壁塗装は必要ありません。
外壁塗装の手間をかけたくないという場合はタイルやレンガへの交換を検討してください。
ただし、タイルやレンガでも目地は劣化します。
10年や20年に1回は簡単な補修が必要なので完全なメンテナンスフリーではありません。
タイルやレンガは初期工事費用が高いデメリットもあります。
張り替え工事には外壁塗装の2倍以上の費用がかかるため予算と相談して決めましょう。
4-3.悪徳業者に依頼しない
悪徳業者に依頼してしまうと塗装がすぐにはがれて再塗装をしなくてはいけなくなります。
余計なメンテナンスの手間を省くためには悪徳業者を避けることが重要です。
訪問営業の業者は避ける
悪徳業者の多くは、いきなりあなたの家に訪問してきます。
優良な会社なら仕事に困ることは少ないため、個人住宅の訪問営業はしていません。
訪問営業の業者は「今すぐ工事をしないと危ないです」といったように工事を急がせるため、応対しないようにしましょう。
見積書が「一式」ばかりではないかチェックする
見積書に「一式」ばかり表記している会社は悪徳業者です。
優良な会社なら塗料の商品名やメーカー名、足場や外壁の面積などを細かく記載します。
「一式」を多用する会社は工事内容や面積を曖昧にして費用を水増ししようとしているのです。
相見積もりをする
悪徳業者を避けるためには相見積もりをしてください。
相見積もりとは、複数の業者に同条件で工事の見積もりを依頼することです。
相見積もりをしてみて、費用が高すぎるまたは安すぎる場合は詐欺や手抜き工事のリスクがあります。
最低でも3社に見積もりを依頼して価格や工事内容を比較しましょう。
5.まとめ
塗装が必要ない外壁としては「タイル」や「レンガ」、「張り替えから8年以内のサイディング」があります。
塗装が必要な外壁の場合は、今すぐ塗装が必要かどうかを劣化状況から判断しましょう。
もし外壁塗装や外壁材の交換が必要だとわかったら、張り替え工事について調べる必要があります。
サイディングの張り替えや外壁塗装など、外壁リフォームの種類や費用を知りたい場合は、外壁工事リフォームの種類や相場、注意点、期間を解説!をチェックすれば知ることができます。
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