
外壁は、雨風や紫外線にさらされていることもあり、時間の経過とともに劣化しています。大切な住まいを守るためにも、適切にメンテナンスを行う必要があります。とはいえ、「どのタイミングでメンテナンスすればいいの?」「費用はどのくらいかかる?」など、分からないことだらけで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、外壁塗装を考えるタイミングをはじめ、外壁塗装の費用相場や塗料や色選びのポイント、業者を選ぶ際のポイントなど、外壁塗装をする上で知っておきたい情報を紹介します。初めての方はもちろん、外壁塗装をしたことのある方にとっても役立つ情報が満載です。外壁塗装を検討中の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
1.「手遅れ」になる前に!外壁塗装はタイミングが大事
外壁塗装は、建物を雨風や紫外線から守る重要な役割を担っていますが、塗料が劣化すると建物を保護する効果がなくなっていきます。塗料の寿命が近づくと、チョーキング(触ると白い粉が付く)や塗膜のひび割れが現れます。
劣化を放置していると、塗膜がはがれ、雨水が浸入して下地が傷んでしまいます。また下地や土台にカビや腐食、シロアリなどの深刻なダメージを及ぼすこともあるでしょう。一度、下地が傷んでしまうと、補修費用がかさむことも少なくありません。劣化のサインを見逃さず、早めに塗装をメンテナンスすることが大切です。
2.外壁塗装をするタイミングを見極める2STEP
外壁塗装が必要なのはわかったけど、うちの外壁は今すぐ塗装すべきなの?という方に向け、外壁塗装をするタイミングをどう見極めるかを解説します。
- 経年数を考える
- 外壁の状態で最終判断する
STEP①経年数を考える
外壁塗装を行う目安の時期は、「新築時は築後10~20年」です。
2回目の塗装は、1回目の塗装をどの塗料で行ったかによって変わります。
ただし、どちらの場合でも年数はあくまでも目安で、外壁の状態によっては早めに塗装をした方がよい場合もあるため、8年を目安に業者に点検を依頼することをおすすめします。
STEP②外壁の状態で最終判断する
外壁の塗装がどのくらいのスピードで劣化するのかは、下記のようなさまざまな要因によって大きく変わります。
- 建物の日当たり
- 天候・気候
- 海の近くかどうか※
- 施工技術
- 地震など自然災害
前述の「新築後何年」という年数は目安と考え、実際の外壁の状態を見て外壁塗装が必要かどうか最終判断しましょう。
※海に近い地域の住宅は塩害の発生がしやすくなります。こちらの記事も参考にしてください。


まだ塗装は必要ない状態 | |
---|---|
汚れ | ![]() |
色あせ | ![]() |
早めの対応が好ましい状態 | |
チョーキング | ![]() |
ヘアークラック(塗膜のひび割れ、目安幅0.3mm以下) | ![]() |
今すぐ業者に相談が必要な状態 | |
クラック(幅0.3mm以上) | ![]() |
剥がれ・浮き・膨れ | ![]() |
シーリングの劣化 | ![]() |
以下の図は、劣化のサインから見る、外壁塗装のタイミングを表しています。
外壁塗装では、痛みが外壁の内側に至る前に行いましょう。
塗膜だけが劣化している場合であれば塗装のみでメンテナンスができますが、外壁の内部が傷んでしまうと下地材の補修や入れ替えが必要になることも少なくありません。
修繕の費用がかさむため、適切なタイミングで塗装を行い、家をメンテナンスしていくことが、結果的に家を長持ちさせて費用を抑えることにつながります。
3.外壁塗装の費用
外壁塗装をするとなると、費用はどれくらいかかるのかが気になるところです。ここでは外壁塗装の相場と、実際の見積もり例を紹介します。
3-1.外壁塗装の相場は30坪70~120万円、40坪80〜130万円
外壁塗装をする場合の相場は、一般的な30坪の住宅で70~120万円、40坪の住宅で80〜130万円です。
住宅の坪数や塗料の種類によって費用は大きく変わります。外壁塗装で使われる塗料の種類別の、費用相場は下表の通りです。
20坪の価格 | 30坪の価格 | 40坪の価格 | 50坪の価格 | 60坪の価格 | |
---|---|---|---|---|---|
アクリル | 60万円 | 70万円 | 80万円 | 90万円 | 100万円 |
ウレタン | 70万円 | 80万円 | 90万円 | 100万円 | 110万円 |
シリコン | 80万円 | 90万円 | 100万円 | 110万円 | 120万円 |
ナノ テクノロジー |
105万円 | 115万円 | 125万円 | 135万円 | 145万円 |
ラジカル | 100万円 | 110万円 | 120万円 | 130万円 | 140万円 |
フッ素 | 90万円 | 100万円 | 110万円 | 120万円 | 130万円 |
光触媒 | 110万円 | 120万円 | 130万円 | 140万円 | 150万円 |
遮・断熱 | 105万円 | 115万円 | 125万円 | 135万円 | 145万円 |
ピュア アクリル |
110万円 | 120万円 | 130万円 | 140万円 | 150万円 |
無機 | 110万円 | 120万円 | 130万円 | 140万円 | 150万円 |
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3-2.外壁塗装の見積もり例(30坪)から見る費用詳細
次に、実際の外壁塗装の見積もり例から、具体的にどこにどのくらい費用がかかるのかを見ていきます。
塗装前の状態や希望条件:
- 窯業系サイディング外壁の住宅
- 汚れや小さなひび割れが目立つようになってきた
- 100万円の予算で10年くらいはメンテナンスがいらない塗装をしたい
出典:30坪の外壁塗装の相場って?この金額は妥当?見積り例付きで解説
工事内容別の単価相場は、以下の通りです。
項目 | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
足場 | 足場を設置する | 600~800円/㎡ |
養生 | 塗装箇所以外を保護する | 300~400円/㎡ |
下地調整 | 劣化部分の補修や、塗料が密着しやすいよう下地を整える | 200~1,000円/㎡ |
高圧洗浄 | 高圧洗浄を用いて外壁をきれいにする | 150~250円/㎡ |
付帯部 | 外壁の主要面以外を塗装する (破風、軒天、雨樋など) |
800~1,500/㎡ |
諸経費 | 廃棄物やごみの処分費、業者の交通費など | 工事総額の3~15% |
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4.外壁塗装の代表的な塗料10種類と選び方
外壁塗装は塗料によって耐用年数や費用が全く違います。
ここでは、「どの塗料で塗装をすればいいの?」という点を解説します。
4-1.外壁塗装の代表的な塗料10種類
代表的な塗料の種類は、主に以下の10種類です。塗料によって耐用年数や特徴が異なるため、自分に合った種類を選びましょう。
塗料の種類 | 耐用年数 | 価格(/㎡) | 特徴 |
---|---|---|---|
アクリル | 6~8年 | 1,500〜2,000円 | 低価格のわりに発色がよい。 耐久性が低く頻繁な塗り替えが必要 |
ウレタン | 8~10年 | 2,000〜2,500円 | 外壁の素材を選ばず塗装ができる。 耐久性は比較的低い |
シリコン | 10~15年 | 2,500~3,000円 | 耐用年数が比較的長く、塗料の選択肢が多い。 価格に幅があり、耐久性に比例する |
ナノ テクノロジー |
12~15年 | 2,500〜4,500円 | 石油由来の原料を大幅にカットしたエコロジーな塗料。 カラーバリエーションが少ない |
ラジカル | 12~16年 | 3,000〜4,500円 | シリコン塗料よりも耐久性がある。 ラジカル系の塗料が数多くあり、 メーカーごとの違いを判断しにくい |
フッ素 | 15~20年 | 3,000〜3,500円 | 耐久性が高く、公共の建物に採用されている。 比較的費用が高くなる。 |
光触媒 | 15~20年 | 3,500〜5,000円 | 太陽光に反応して、汚れを分解する機能がある |
遮・断熱 | 15~20年 | 4,000~4,500円 | 遮熱や断熱の効果を期待できる。 ただし表面が劣化すると、十分な効果が得られない |
ピュア アクリル |
15~20年 | 4,000~4,800円 | 弾性に優れていて、ひび割れしても目立ちにくい。 扱っている業者が少ない |
無機 | 20~25年 | 4,000~5,500円 | 耐用年数は20年長ともいわれ、耐用年数が長いのが魅力 |
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【塗料別の耐用年数比較表】
外壁塗装が何年くらいもつのかは、塗った塗料の耐用年数によって変わります。
【塗料別の費用相場比較表】
一般的に、耐用年数が長い塗料ほど、価格も高くなります。
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また、「現在の外壁の柄や色合いが気に入っている、でも外壁塗装が必要」という場合、クリア塗装という方法があります。
クリア塗装は無色透明なので、元のデザインや色合いを維持できます。その上で、保護やツヤ出しなどのコーティング機能を上げてくれます。
石目調・タイル調・レンガ調などの意匠性の高いサイディング柄や、木目などの素材の色や模様を活かしたまま外壁材の表面を保護できます。
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4-2.塗料は費用対効果を考えて選ぼう
下のグラフは、「塗料の耐用年数」と「1年当たりの費用」の関係を示しています。
耐用年数が長い塗料ほど、1年当たりにかかる費用が少なくなっているのが分かります。
出典:外壁塗装の耐用年数の目安は?塗料の種類や次の塗り替えタイミングも解説
これは、1回の外壁塗装にかかる費用が、塗料の値段だけでなく、「足場代」「職人の人件費」「運営費・諸経費」などが約8割ほどを占めるためです。
そのため、外壁塗装を1回する金額が高くなっても、安い塗料を選んで短いスパンで塗り替えるより、長期的にみて費用対効果が高いと言えます。
ただし、今回かけられる予算や、今後何年住むのかなど状況も異なるはずですので、塗装業者やリフォーム会社に見積もりを取る際に、どの塗料がいいかを相談しましょう。
5.外壁塗装の色選びのポイント
屋根やサッシ、ドアなど他の外装の色を考慮せず、「こんな色にしたい」との希望だけで色を決めると、まとまりがなく、アンバランスな外観になりがちです。また、同じ色でも外壁の素材や凸凹によって受ける印象は異なるので、外壁の色を選ぶ際は、他の外装とマッチするかどうか、素材や柄も考慮した上でシミュレーションしておきましょう。
他にも、外壁は常に雨風にさらされるため、色によっては汚れや色褪せが目立ちます。真っ白よりも黒みがかった色、漆黒よりも濃いグレーなどを選ぶのもポイントです。
さらに、外壁の色は、サイズや電灯か自然光かによっても受ける印象が変わります。色を決める際は、塗装後と近い環境になるようなるべく大きい色見本(サンプル)をもらい、自然光の下で確認することをおすすめします。
▼外壁塗装の色選びについては、下記の記事を参考にしてください。




6.外壁塗装の依頼先
外壁塗装の依頼先は、大きく分けて「ハウスメーカー」「外壁塗装の専門業者」「リフォーム専門会社」「ホームセンター」の4つがあります。以下では、それぞれの特徴を紹介するので、依頼先に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
6-1.ハウスメーカー
自宅を建築したハウスメーカーなら、家の構造やサイズ、使われている建材などの詳しいデータを保有しているため、正確な見積もりを取ることができ、外壁塗装の話をスムーズに進められるでしょう。大手ハウスメーカーの中にはアフター専門の窓口を設けているところも多く、相談しやすい点も魅力です。万が一トラブルがあった際の対応も比較的安心でしょう。
ただしハウスメーカーの場合、塗装は下請けの業者に発注することがほとんどです。自社施工ではない分、費用は高くなる点と、実際に施工する業者を自分で選べない点がデメリットといえます。
多少費用はかかっても、安心感を求める方におすすめです。
6-2.外壁塗装の専門業社
外壁塗装に特化した専門業者なら、塗装や塗料に関する知識を豊富に持ち合わせています。専門ということもあり、高い技術力が期待できるでしょう。自社で施工するため、中間マージンが発生せず、費用を抑えられる点もメリットとして挙げられます。
ただし、得意分野と施工内容が異なる場合、品質にばらつきが出る恐れがあります。また、規模が小さい業者の場合、ホームページなどを持っていないことも多く、情報が少なく信頼できるかの判断が難しいことから、業者探しに苦労することも少なくありません。
評判や実績、資格などを確認した上で信頼できる業者を選ぶことが大切です。
6-3.リフォーム専門会社
リフォーム専門会社の多くは、内装だけでなく、外装のリフォームも請け負っています。外壁塗装と一緒に内装もリフォームしたい方におすすめです。ホームページを持っていることも多く、情報を集めやすい点もメリットとして挙げられます。
ただし、中には施工を外注するところもあります。そうなると中間マージンが発生し、ハウスメーカーとそれほど変わらない料金帯になってしまうでしょう。また、営業と塗装担当が異なる場合、施工内容に関する専門的な知識を持ち合わせておらず、質問に答えられないといったことも起こり得ます。
外壁塗装を専門にしているスタッフがいるリフォーム会社であると、安心して依頼できるでしょう。
6-4.ホームセンター
ホームセンターの中には、外構やリフォームサービスの1つとして外壁塗装を行っているところもあります。ホームセンター内の窓口から依頼できるため、買い物ついでに相談できる点がメリットです。
ただし、ホームセンターの場合、実際に施工するのは外部の塗装業者なので、中間マージンが発生し、コストが高くなる可能性があります。また、受付担当者がホームセンターのスタッフである場合、知識不足や説明不足から連携がうまく取れないこともあります。
依頼する際は、塗装業者ともしっかりコミュニケーションを取ることが大切です。
7.外壁塗装で優良業者を見極める基準
ここから紹介するポイントに当てはまる業者は、優良業者ではない可能性が高いです。信頼できる塗装業者を見極めるためにも、ぜひ以下の項目を基準にチェックしてみてください。
7-1.訪問営業で来る業者は注意が必要
訪問営業だからといって、必ずしも悪徳業者とは限りません。しかし、腕の良い業者は紹介や口コミで仕事が舞い込むため、あえて訪問営業を行う必要がないのも事実です。
訪問営業する業者の中には、相場より高い料金設定だったり、お金を支払ったら連絡が取れなくなったりする業者も存在します。過度に不安をあおり、「早く塗装しなくては」と思わせて契約を結ぼうとしてくる業者もいるため、しつこく営業してくる業者には注意しましょう。
7-2.値引きして契約をせかす業者は避ける
優良業者であれば、あえて契約を急ぐようなことはしません。「今日中に契約してくれれば30万円値引きします」など大幅な値引きを提案し、契約をせかしてくる業者は要注意です。大幅に値引くことでさもお得かのように見せていますが、実際は元々高い金額を提示しているだけかもしれません。
また、たとえ大幅な値引きにより相場より安い料金になったとしても、それは塗料の質を下げたり、必要な工程を省いて人件費を削減したりすることで安さを実現している可能性も考えられます。
7-3.自社施工の会社かどうかチェック
自社施工とは、自社で職人を雇用し、受注した工事を行うことをいいます。自社施工は、業者と顧客の間に下請け業者が入らないため、中間マージンが発生せず価格が抑えられる、施主の指示が伝わりやすいといったメリットがあります。
業者選びをする際は、自社施工かどうかチェックしておくと安心です。
7-4.相見積もりで「適正料金」の業者を選ぶ
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼することをいいます。相見積もりをすると、複数社の工事内容や金額などを比較検討できるため、外壁塗装の適正料金や必要な工程が分かります。
塗料のグレードや使用量に問題ないか、必要な工程が省かれていないか、見積書の内容が詳細に記載されているか、提示された金額に根拠はあるのかなどをしっかり確認した上で、適正料金の業者を選びましょう。
なお、相見積もりを取り、それぞれの業者の担当者と話をすることは、信頼できる業者かを見極めることにも役立ちます。


8.外壁塗装の工程と期間
外壁塗装を実際に行うとなると、「どれくらい期間がかかるのだろうか?」「工事中、生活はいつも通りできるのだろうか?」「業者や隣近所への対応はどうすればいいのか?」など、疑問が浮かぶと思います。
外壁塗装の工程や期間を知って、工事中の生活で気を付けるポイントを把握しておいてください。
8-1.外壁塗装の工程・手順
まずは外壁塗装の流れを把握しましょう。
それぞれの詳しい内容は、こちらの記事を参照ください。


8-2.住宅種別、外壁塗装の工事期間
戸建ての場合 | 10日~14日程度 |
---|---|
アパートの場合 | 14日~30日程度 |
マンションの場合 | 3ヶ月~6ヶ月程度 |
一般的な戸建て住宅の場合、外壁塗装にかかる期間は大体10~14日間が適正な期間です。
また、以下のような場合は、期間が延びることがあります。
- 雨天が続く時
- 家の築年数が長く、傷みがひどい場合
アパートやマンションの塗装工事は、住戸数によっても変わります。
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9.外壁塗装の注意点
外壁塗装日常生活の中で気を付けるべきポイントや、工事前にやっておくべきこと、トラブルを回避する方法などを解説します。
9-1.工事中の生活で気を付けるポイント
■洗濯物が干せない
外壁塗装期間中は、外壁塗装をしている場所では洗濯物が干せません。
塗装箇所が物干し場から離れていても、塗装から出る臭いが付いてしまう恐れがあるため、業者側が洗濯物を干さないようにと注意するケースも少なくありません。
■窓を開けられない時期がある
外壁塗装期間中に、高圧洗浄などの作業をしているときには窓を開けられないことがあります。
■喘息持ちや子どものいる家庭ではアレルギー症対策を徹底
塗料によっては、喘息・頭痛・めまい・湿疹・喉の痛みなどのアレルギー症状を起こしてしまう可能性があります。
工事中や工事直後は防毒マスクを着用するか、住居を移すことが最も安心です。
ですが現実的に難しい場合が多いため、使用する塗料に気を遣いましょう。


■防犯意識をいつもより高める
外壁塗装中は、職人がよく出入りするため、家の敷地内に見知らぬ人がいても気にかけなくなりがちです。
また、工事中は足場をかけるため、夜中に足場を上って室内を盗撮されたり、窓から侵入される危険性も高まります。
下記のような対処で、普段より防犯を意識しましょう。
- カーテンを閉める
- 窓を施錠する


9-2.工事前は隣近所に挨拶を
外壁塗装の工事は、足場設置・解体時や高圧洗浄機の使用時などに音がうるさいと感じる場合があります。
事前に隣近所には工事内容、工事期間、工事時間を伝えておきましょう。
9-3.トラブル回避のため業者とはコミュニケーションを大事にする
外壁塗装や他のリフォームでも、業者とトラブルになる原因は「コミュニケーション不足」にあります。
コミュニケーション不足の例
- 予想していたイメージと違った
- 業者に急に工事を延長すると言われて困った
- 口約束で言われたことが忘れられていた
これらは、施主と業者の間で思い込みや勘違いが発生してしまうことが原因です。
トラブルが起きないためにも、業者任せにせず、工事中は業者とコミュニケーションを取りながら皆さんも工事過程をこまめに確認してください。


10.外壁塗装で使える補助金・助成金
外壁塗装で補助金・助成金が使える主な場合は、省エネリフォームの一環として遮熱塗料の利用が当てはまるでしょう。
自治体によってはヒートアイランド対策をすると助成金を受けられることもあります。
以下ではいくつかの自治体の補助金例を紹介します。
■東京都品川区の例|住宅改善工事助成事業(エコ&バリアフリー住宅改修)
- 要件
- 区内施工業者に発注して行う工事であること
- 対象工事
- 遮熱性塗装
- 助成金額
- 区民:工事費用(消費税抜き)の10%、上限20万円
マンション管理組合、賃貸住宅個人オーナー:(消費税抜き)の10%、上限100万円
その他の省エネ改修、バリアフリー改修、耐震改修も対象となる工事があります。
詳しい要件は品川区のHPをご覧ください。
■東京都渋谷区の例|住宅簡易改修工事費助成
- 要件
- 渋谷区が協定を結んだ区内施工業者(渋谷区協定業者)による住宅の簡易改修工事を行う場合であること
- 対象工事
- 屋根・外壁などの改修および模様替えを行う外装工事
- 助成金額
- 工事費用(消費税抜き)の20%、上限10万円
その他のリフォームも対象となる工事があります。
詳しい要件は渋谷区のHPをご覧ください。
その他の自治体の補助金・助成金の調べ方
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイトでお住まいの自治体に外壁塗装に当てはまる補助金・助成金制度がないか調べてみましょう。
外壁塗装の助成金についてさらに詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。


11.外壁塗装に関するQ&A
ここでは外壁塗装にまつわる疑問にお答えしていきます。
Q1.外壁塗装は火災保険の適用対象?
外壁の塗装は、保険の適用範囲の被害であれば保険金を使うことができます。下の表は2種類の火災保険と地震保険の保険適用範囲をまとめたものです。
ケース別保険適用範囲一覧
ケース | 住宅火災保険 | 住宅総合保険 | 地震保険 |
---|---|---|---|
火災 | 〇 | 〇 | × |
落雷 | 〇 | 〇 | × |
破裂 | 〇 | 〇 | × |
爆発 | 〇 | 〇 | × |
風災 | 〇 | 〇 | × |
雪・ひょう | 〇 | 〇 | × |
水害 | × | 〇 | × |
水漏れ | × | 〇 | × |
暴行 | × | 〇 | × |
盗難 | × | 〇 | × |
物体の衝突 | × | 〇 | × |
地震 | × | × | 〇 |
適用の条件や申請手順などはこちらご確認ください。


Q2.外壁塗装はローンを使うべき?
外壁塗装は約100万円以上の費用がかかる工事です。
外壁塗装でローンを使うメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
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Q.3外壁塗装をするのにふさわしくない月はある?
外壁塗装をするのにふさわしくない月は、気温が5度未満になる12~2月、梅雨時期の5月末~7月などです。
もちろん、住んでいる地域の気象条件によって変わってきます。
外壁塗装では、塗料を乾燥させる必要があるので、乾燥しにくい時期は外壁塗装には不向きといえます。
以下のような条件の時期は外壁塗装は避けましょう。
- 気温が5度未満
- 湿度が85%以上
- 雨や雪が降っている
- 結露や霜が降りている
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Q4.外壁塗装でトラブルが起きたらどう対処すればいい?
外壁の工事は、悪徳業者につかまってしまうとトラブルが起きやすいリフォームです。
外壁工事でトラブルが起きた時の対応手順は以下の通りです。
- トラブルの詳細を記録する
- 契約書、保証書等の準備
- リフォーム業者との交渉
- 解決しなければ第三者機関へ相談
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Q5.外壁塗装はDIYできる?
外壁塗装のDIYは高所で危険を伴う作業で、自分で塗装するとすぐに塗装がはがれてしまうリスクもあります。基本的には自分では行わず、業者に依頼するのが賢明です。
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12.まとめ
建物は雨風や紫外線に常にさらされていることもあり、時間の経過とともに劣化します。大切な住宅を守るためにも、手遅れになる前に外壁塗装を検討してください。外壁塗装にかかる費用は、塗料の種類や坪数によって大きく変わります。後悔しないためにも、費用対効果やそれぞれの塗料のメリット・デメリットも考慮しながら、選ぶことが大切です。
また、塗装業者の中には、残念ながら悪徳業者も存在します。悪徳業者に引っかからないためにも、今回紹介した内容を参考に、優良業者を見極めましょう。
リフォームガイドでは、顧客の希望や条件に合わせて、複数のリフォーム会社から簡単に相見積もりを取ることができます。外壁塗装を検討中の方は、ぜひ気軽に試してみてください。