モルタル外壁は、正しい知識を持って塗装をすることで、メンテナンスコストを抑え、お家の寿命を延ばすことができます。
塗装のタイミングを逃してしまうと、お家の寿命が著しく短くなってしまうだけでなく、予期していなかった修繕費用がかかってしまいます。
この記事では、塗装のタイミング、費用、塗料の選び方、工期、業者の選び方、それぞれで注意するポイント、施工事例についてご紹介いたします。
「モルタルに細かいヒビが入ってる」「そろそろ塗装の時期かも・・・」と不安な方は、ぜひご一読ください。
目次
1.モルタル外壁の塗装が必要なタイミング
モルタル外壁の塗装時期の目安は、
- 築8~10年
- 前回塗装から10年程度
です。
上記の時期に当てはまっている場合には、点検を行い、モルタル外壁の劣化症状を確認しましょう。
(チョーキング現象)
2.モルタル外壁の塗装費用
モルタル外壁の塗装費用について、相場と内訳についてご紹介いたします。
使用する塗料や、施工面積によって、細かい数字は変わりますが、相場を知っておくことでご予算を準備しておきましょう。
2-1.相場(30坪の場合)
塗装工事の相場は、30坪で60~130万円程度で、使用する塗料によって変わります。
高価な塗料なほど、耐用年数が高くなります。何年後に塗装を行うと、生活に支障がないかなど、施工業者とライフプランを踏まえて相談してみましょう。
<塗料別・30坪のモルタル外壁を塗装する費用の相場>
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
ウレタン塗料 | 60~80万円 | 8~10年 |
シリコン塗料 | 75~100万円 | 10~12年 |
フッ素塗料 | 90~120万円 | 12~15年 |
無機塗料 | 100~130万円 | 15~20年 |
2-2.内訳
塗装工事の見積もりを取った際の、一般的な内訳になります。こちらを参考に、施工面積と単価を比べることで適正価格の見積もりなのか確認することができます。
<モルタル外壁の塗装にかかる費用の内訳(30坪の場合)>
<用語説明>
*1 破風、鼻隠し
破風、鼻隠しは、屋根の端にある面になった部分です。鼻隠しは、横どいの裏にある板がこの部分です。
*2 水切り
水切りは、土台と外壁の間にある鉄などでできた部材です。雨によって外壁が汚れないなどの役割を果たしています。
劣化が激しい場合は補修費用が必要
「見積もりが相場より高い!?」
「塗装作業以外が見積もりに含まれている」
など、劣化が著しい場合には、相場よりも高い見積もりになります。
0.5mm以上のクラックや、塗膜の剥がれ・浮きなどは、塗装作業をするだけでは不十分です。クラックを埋める補修、剥がれや浮きを一旦取り除いて補修した上で、塗装工事を行う必要があります。
劣化が進んでいる場合には、このような補修作業が別途見積もりに含まれています。
3.塗料の種類・選び方
相見積もりを取った際に、どこも異なる塗料を使用していることがほとんどのため、全く知識のない状態だと比較が難しくなってしまいます。
そうならないために、ここでは
- 耐用年数で見る塗料の種類
- ライフプランや仕上がりから見る塗料の選び方
をご紹介いたします。
事前に塗料の種類や選び方を知っておくことで、相見積もりを取る際、同じ種類の塗料を指定できますので、見積もりの比較がしやすくなります。
3-1.耐用年数で見る塗料の種類
外壁に使われる塗料にはさまざまな種類がありますが、大きくは以下の4つに分けられます。材料の違いによって、耐久性が大きく変わります。
<ウレタン塗料|耐用年数6~8年>
柔軟性がある塗料で、外壁だけでなく、金属部や雨樋塗装などに使用されます。耐用年数が短いため、比較的すぐに塗り替えたい方におすすめです。
(30坪の外壁をウレタン塗料で塗装する相場:60~80万円)
<シリコン塗料|耐用年数8~10年>
汚れがつきにくく、外壁塗装に人気の塗料です。各塗料メーカーから商品が多く出ているため、選択肢が多いのも特徴です。
(30坪の外壁をシリコン塗料で塗装する相場:75~100万円)
<フッ素塗料|耐用年数10~15年>
頻繁に塗り替えることができない公共物などにも使用されている塗料で、高耐候性が特徴です。汚れもつきにくく、塗り替えサイクルが長いため、コストパフォーマンスに優れています。
(30坪の外壁をフッ素塗料で塗装する相場:90~120万円)
<無機塗料|耐用年数15~20年>
無機物(ガラスや鉱石など)を含んだ塗料で、紫外線によるダメージを極力まで抑えた塗料です。フッ素塗料を超える耐候性で、材料費が高くなるデメリットがありますが、塗り替えサイクルを飛躍的に長くすることができます。
(30坪の外壁を無機塗料で塗装する相場:100~130万円)
3-2.ライフプランや仕上がりから見る塗料の選び方
耐久性の違いはわかったけど、実際にどうやって選べばいいの?という方も多いはず。選ぶポイントはさまざまありますので、解説していきます。
選び方①「ライフプランから考える」
● 5年程度で引っ越す場合
ウレタン塗料など、引っ越すタイミングに合わせた耐用年数の塗料を選択する
● 10年後に子供の大学受験が控えている
フッ素塗料か無機塗料で、塗り替えサイクルを10年以上にする。教育費がかかるタイミングは、現金が必要になります。この時期をズラすことで、家計の圧迫を防ぐことができます。
選び方②「仕上がりから考える」
● 艶あり、艶消しにこだわる
「艶消し」ができる塗料の商品は、比較的限られています。艶消しや3分艶といった、艶のタイプで塗料を選定することで、ご希望の仕上がりになります。
無機塗料などは、艶消しを選択することは難しいため、選択肢から外れます。
例)艶消しができる塗料
- エスケー化研 アートフレッシュ(シリコン系)
- 菊水化学工業 グラナダフレッシュ(シリコン系)
- 日本ペイント パーフェクトトップ(艶消し剤添加)(アクリル塗料に分類されますが「ラジカル制御型塗料」言われ特殊な技術で耐久性も兼ね備えています)
など
● テクスチャをつけたい
多彩模様などをつけることができる意匠性塗料があります。仕上がりを一味違ったオシャレなものにしたい場合、これらの塗料から選択することもできます。
塗装作業をする際の、道具(砂骨ローラー、吹き付け、コテなど)によっても仕上がりが変わります。
例)意匠性塗料
- アイカ工業 ジョリパッド(アクリル系)
- エスケー化研 ベルアート(アクリル系)
- エスケー化研 エレガンストーン(アクリル系)
- 日本ペイント ペリアートUV(アクリル系)
- 日本ペイント インディフラッシュセラ(シリコン)
- AGCコーテック ボンフロンパレ(フッ素)
など
4.モルタル外壁の塗装事例
モルタル外壁の塗装工事の事例をご紹介します。
4-1.まるで洋館のような清楚な佇まいに
出典:https://tosou-kageura.com/works/31241/
外壁すべての面に同じホワイトカラーを採用。洋館のような清楚なたたずまいと、大きな窓が映える仕上がりになりました。
4-2.マウンテンブルーの塗装がアクセントに
出典:https://saitama-paint.com/case/24128/
ホワイトリリーの塗料をベースに、アクセントとしてマウンテンブルーを取り入れました。清潔感と落ち着きのある見た目で艶のある仕上がりになっています。
4-3.ツートンカラーでおしゃれにイメージチェンジ
出典:https://tosou-kageura.com/works/31555/
ベージュ系のツートンカラーの事例です。上下階で色分けし、間に黒のラインを入れたことによって引き締まった印象になりました。
5.モルタル外壁の塗装にかかる期間
モルタル外壁塗装は、およそ2週間程度の工事期間となります。
工程 | 日数 |
---|---|
足場仮設 | 1日 |
高圧洗浄 | 2日 |
下地補修、養生 | 1~2日 |
塗装作業 | 3~4日 |
足場解体 | 1日 |
作業日数は合わせると9日間程度ですが、日曜日の休みや、天候、足場解体まで日にちが空く等を考慮すると2週間程度が平均となります。
サイディングを上張りするリフォーム方法もある
モルタル外壁に塗装をするのではなく、サイディングを上張りするリフォーム方法もあります。この場合は、モルタルに防水性を持たせるのではなく、新たなサイディングが防水機能を発揮するようになります。
【サイディングに上張りリフォームするメリット】
新たな外壁材を使用するため、耐久性が高いです。
外観もサイディングの見た目が好きな方にとっては、上張り工法が費用も抑えた工事になります。
金属サイディング(ガルバリウム鋼板)は、20年以上塗り替えが必要ないため、メンテナンスサイクルも長く、比較的コストパフォーマンスにも優れています。
【こんな場合には検討してみては?】
・「モルタルが劣化しすぎて、塗装工事ができない」場合
モルタルの劣化が著しく、モルタル自体をやり直す必要がある場合、一部撤去や廃材処分など、工期・コストが共にかかります。
サイディングを上張りした際と工事費用もあまり変わらず、新しい外壁材にできる場合には検討してみてはいかがでしょうか?
サイディング上張り工事は、材料と施工費で合わせて100~150万円程度になります。
・「サイディングの見た目に変えたい」場合
サイディングの外観が好きな方は、上張り工法が最適です。窯業系サイディングは、おしゃれで綺麗な印象に、金属系サイディングはスタイリッシュな印象になります。
(関連記事:外壁をサイディングにリフォームするなら知っておくべき知識)
6.モルタル塗装を依頼する業者を選ぶポイント
モルタル塗装を依頼する際、以下の点を意識して業者を選びましょう。
6-2.補修方法を劣化箇所ごとに説明してくれる
クラックの大きさ、浮き、剥離など、劣化症状に応じて補修方法が異なります。これらについて、点検診断の結果とともに、どのような補修をするかをしっかり説明してくれる業者を選びましょう。
6-3.補修した写真を残してくれるか
補修前後の写真を、工事完了後に渡してくれる業者を選びましょう。補修をしていない場合でも、塗装によってクラックなどの症状が隠れてしまうことがあります。適切な補修作業を行った履歴を写真で残してもらうことが大切です。見積もり時に、写真を提供してくれるか確認しましょう。
6-4.様々な仕上げ方法を提案してくれるか
モルタルは、艶消しか艶ありか、模様があるかないかで大きく印象が変わります。お客様のニーズを汲み取り、多くの仕上げ方法を提案してくれる会社は、施工実績が豊富で知識もあります。
モルタル塗装の実績が豊富な会社をお探しなら「リフォームガイド」に相談!
モルタルのクラック(ひび割れ)や浮きといった傷みは、専門家でないと見逃してしまうことがあります。
正確に劣化状況を把握できる知識と経験がある業者を選ぶことが大切ですが、ご自身で見つけるのは難しいことも。
リフォームガイドは、リフォームや塗装会社の過去の実績や特長を把握しているため、あなたに合った施工会社をご紹介したします。
無料でご利用できますので、お気軽にご相談ください。
▼ご相談方法
・登録フォームにご記入後、送信
・フリーダイヤル:0120-395-120(営業時間は10時~19時)
7.まとめ
モルタル外壁の塗装タイミング、費用、塗料の選び方、工事期間、施工事例、業者の選び方についてご紹介いたしました。
外壁の劣化を放置してしまうと、補修費用がかさみ、相場よりも高い工事費用がかかりますので注意しましょう。
適切なタイミングで塗装することで、お家が傷むのを防いでくれます。使用する塗料は、ライフプランや仕上がりから業者と相談して決めましょう。
業者の質によって、塗装品質、お家の寿命が変わります。点検診断が丁寧で、適切な補修工事を行ってくれる施工実績が豊富な業者を選びましょう。
この記事の内容を把握していれば、損をせずに最適な塗装工事が叶うはずです。
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