
「キッチン扉の一部に傷がついてしまった」「あまり費用をかけずにキッチンをイメージチェンジしたい」——そんなときは、扉だけのリフォームがおすすめです。
キッチンの扉のリフォームは費用や工期を抑えながらも、キッチン全体の雰囲気をがらりと変えることができます。
そこで本記事では、キッチンの扉を交換するときの費用や工期、注意点などを解説します。
依頼先の選び方やDIYについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.キッチンの扉は1枚だけでも交換できる?
キッチンの扉に物をぶつけて傷ができたときや、面材が剥がれてきたときには、「1枚だけ交換したい」と考える方も多いでしょう。
とくに設置年数が経っていない場合や、コンロや食洗機などを取り替えたばかりの場合は、費用を抑えるためにも部分的なリフォームで済ませたいですよね。
ただし設置から年数が経っている場合は同じデザインの扉が手に入らないことが多く、扉全体の交換になってしまうケースがほとんどです。
また、仮に1枚だけを交換できたとしても、色褪せなどで他の扉と色味の差が出てしまうことも。
さらに人件費や施工費を考えると、扉1枚のみを交換するのは割高なので、コストパフォーマンスを考えるのなら、扉全体の交換をおすすめします。
キッチンの耐用年数は10〜20年!
キッチンの耐用年数は10〜20年。取り付けや前回のリフォームから10年以上経過しているのならそろそろ交換の時期です。
10年以上使っていて劣化や使いづらさを感じているのなら、扉のみではなくキッチン全体のリフォームも検討しましょう。
全体交換についてはこちらの記事をご覧ください。


2.キッチンの扉交換にかかる費用・工期
キッチンの扉を交換するときの費用は、扉の素材によって大きく異なります。
以下に、キッチン扉1枚あたりの費用目安と特徴をまとめました。
種類 | 費用目安 (扉1枚あたり) |
特徴 |
---|---|---|
化粧シート | 5,000~1万円 | ・安価でデザインラインナップが豊富 ・水や汚れに強いものの、耐久性はやや低め |
メラミン化粧板 | 1万円前後 | ・傷や汚れに強い ・耐水性、耐久性に優れている |
天然木 | 2~3万円 | ・木の風合いを楽しめる ・水や湿気に注意が必要 |
ステンレス | 2万円~ | ・耐久性と耐水性に優れていて、さびにくい ・水垢や指紋が目立ちやすい |
ホーロー | 2~5万円 | ・油汚れや熱に強く、傷もつきにくい ・他の素材よりも価格が高い |
塗装 | 3万円~ | ・デザイン性が高い ・傷が目立ちやすく剥がれやすい塗料もある |
上記は扉1枚あたりの費用ですが、全体を交換するときには6〜10枚程度は必要になるため、材料費と施工費を合わせて5~20万円ほどの費用がかかります。
素材によってとても価格差があるので、予算に合わせて調整しましょう。
なお、どの素材を選んだとしても、工事は半日から1日程度で終わることがほとんどです。
3.キッチン扉の素材と特徴
この章ではキッチン扉の素材と特徴を、もう少し詳しく説明します。
3-1.化粧シート

プリント加工されたシートを基材の上から貼り付けており、単色や木目調など好きなデザインを選べるのが魅力な化粧シート。
水や油汚れにも強く比較的安価なので、費用をできるだけ抑えたい人におすすめです。
ただし耐久性はそれほど高くないので、使用するうちに表面が剝がれたり変色したりするリスクがあります。
化粧シートはこんな人におすすめ!
- できるだけ費用を抑えたい
- 気軽に模様替えをしたい
3-2.メラミン化粧板

メラミン化粧板は表面がとても硬く、耐傷性・耐熱性・耐汚性に優れているのが特徴です。
色柄だけではなく艶の有無まで選べるなど、デザインラインナップもとても豊富。品質と価格のバランスのよさから、キッチン扉の中でもっとも人気を集めています。
どの素材にするか悩んだときには、メラミン化粧板を選ぶのがおすすめです。
メラミン化粧板はこんな人におすすめ!
- 機能性とデザイン性を両立させたい
- コストパフォーマンスを重視したい
3-3.天然木
木の扉はシート類や塗装では出せない、木のぬくもりや経年変化を楽しめるのが特徴です。
耐水加工がされているものがほとんどなので、床材に使うときほど神経質になる必要はありませんが、水濡れや油汚れをそのままにしておくと染みになってしまうリスクがあります。
湿度の影響で変形してしまうリスクもあるため、木材の特徴を理解している人でなければ、手入れや管理が負担になるかもしれません。
天然木はこんな人におすすめ!
- 木の素材感を楽しみたい
- 手入れが苦にならない
3-4.ステンレス

ステンレスの扉は飲食店の厨房に使われることが多く、さびにくく、耐久性・耐水性・耐熱性に優れているのが特徴です。
プロ仕様のキッチンや、スタイリッシュな空間にしたい方から人気があります。ただし水垢や指紋が目立ちやすいので、日常的なお手入れが欠かせません。
ステンレスはこんな人におすすめ!
- 機能的なキッチンにしたい
- 小まめな掃除ができる
3-5.ホーロー

ホーローは金属板の表面に、ガラス質の釉薬を焼き付けた素材で、耐久性に優れています。
水垢や油汚れがつきにくく、さっと拭くだけでお手入れができ、マグネットアイテムが取り付けられるなど、機能性も抜群です。
ただし他の素材よりも材料費と施工費が高いので、予算に合わせて検討しましょう。
ホーローはこんな人におすすめ!
- 耐久性や手入れのしやすさを優先したい
- 予算に余裕がある
3-6.塗装

基盤の上にウレタンやラッカー塗料で塗装するので、色の自由度が高く、光沢を出したりマット加工にしたり、自分好みのデザインを選べるのが魅力です。
ただし塗装は、塗料によっては傷が目立ちやすく剝がれやすいこともあるので、定期的なメンテナンスが欠かせません。費用も他の素材よりも若干、高くなります。
塗装はこんな人におすすめ!
- デザイン性を優先したい
- 予算に余裕がある
取っ手の種類によっても印象は変わる!
キッチン扉を交換するときには、同時に取っ手も交換します。
取っ手のデザインによっても扉の印象が大きく変わるので、それぞれの特徴を理解したうえで、キッチンのテイストに合うものを選ぶことが大切です。

■ハンドル、バー取っ手 |
---|
扉から出っ張っていて、開け閉めがしやすい |
■ライン取っ手 |
一本線のようになっていて、すっきりして見える |
■掘り込み取っ手 |
扉上部に掘り込み加工がされていて、デザイン性が高い |
■プッシュ取っ手 |
取っ手自体がなく、扉を押すことで開閉する |
このように、取っ手ひとつでデザインが大きく変わります。
機能性だけではなく、統一感を意識しながら素材を選びましょう。
4.キッチンの扉を交換するときの注意点
キッチン扉をリフォームするときには、いくつか知っておきたい注意点もあります。
4-1.色を変えるなら床や壁とのバランスに注意!
キッチン扉は空間を占める面積が広いので、色や素材を変えるだけでも空間の印象が大きく変わります。
既存の扉から色や質感を変える場合は、床材や壁紙、天井の色味やデザインとの調和がとれているのかを、必ず確認しましょう。
色味を選ぶときには、壁紙や床材が明るい色味なら扉カラーも明るいものを選び、ダークカラーなら扉にも落ち着いた色を選ぶのがポイントです。
また、床や壁のリフォームも同時に行うとより統一感が出ますので、予算に余裕がある場合はそちらも検討してみましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。




4-2.こだわりすぎるとキッチンの交換と費用が変わらない場合も
2章で説明したように、キッチン扉の交換費用は素材によってさまざまです。
デザインや取っ手などにハイグレード品を選ぶとどんどん高くなっていくため、こだわりすぎるとキッチン全体の交換費用とあまり変わらないこともあります。
傷を直すだけではなく、雰囲気を変えるなどある程度こだわりたい方は、扉だけの交換とキッチン全体の見積もりをそれぞれ取り、どちらがよいのかよく検討しましょう。
▼キッチン全体の交換にかかる費用相場はこちら
5.キッチンの扉はDIYで交換できる?プロに頼むべき?
DIYが得意な方なら、キッチン扉を自分で交換することも可能です。
ホームセンターやネット通販では規格サイズの扉や金具が販売されているので、リフォーム会社に依頼するよりも安価に済ませられます。
ただしDIYには、次のようなリスクもあります。
- 扉のサイズが合わず、開閉に支障が出る
- 取り付けが甘く、すぐに外れてしまう
- 壁や床、キッチン本体を傷つけてしまう
- 隙間があるとそこから水が入り、カビが発生する
このような不備があると、結局リフォーム会社での修理が必要になり、費用がかさんでしまいます。
仕上がりのクオリティや耐久性を考えるのなら、プロへの相談が安心です。
6.キッチンの扉交換はどこに依頼できる?
キッチンの扉だけを交換したいときの相談先としては、次のような選択肢があります。
- キッチンメーカー
- 建具専門会社
- 工務店
- リフォーム会社
- ホームセンター、家電量販店
扉と取っ手だけを交換したい方は、キッチンメーカーや建具専門会社に相談してみるとよいでしょう。
キッチンメーカーのクリナップでは『リフレッシュサービス』として部分的な交換に対応しており、建具会社でも同様のサービスを行っていることがあります。
扉と合わせてコンロや食洗機、壁、床、天井などの他の部分のリフォームを検討している方は、リフォーム会社や工務店、ホームセンター、家電量販店への相談がおすすめです。
また、予算に合わせた提案を受けたい方や、自分での会社探しに不安を感じている方は、リフォーム会社紹介サイトの利用がおすすめです。
たとえば『リフォームガイド』では、お客さまの希望や予算から、専属のコンシェルジュが優良なリフォーム会社のみを複数社紹介し、相見積もりまでサポートしています。
7.まとめ
キッチンの扉が部分的に傷ついたときや、模様替えをしたいときには、扉のみのリフォームがおすすめです。費用と工期を抑えながらも、空間の印象をがらりと変えられます。
扉交換は1枚からでも対応してもらえることもありますが、施工費用や他の部分との調和を考えると、扉全体を交換したほうがきれいに仕上がります。
費用は素材によって異なるので、本記事を参考にどんな扉にするか予算と合わせて考えてみましょう。
素材選びや会社探しで悩んだ際は、リフォームガイドにご相談ください。
専属のコンシェルジュが、希望や予算に合わせてご提案ができるリフォーム会社をご紹介いたします。